2001年結成、2012年にメジャーデビューをしたクリープハイプ。
ボーカル尾崎世界観のハイトーンボイスを活かした、どこか切ないメロディーラインでほぼ一貫しており、唯一無二の世界観を作っています。
中には、目を背けたくなるほどの生々しい歌詞表現も。
この記事でわかること
クリープハイプの人気曲ランキングTOP5
これからクリープハイプを知るなら、抑えておきたい人気曲をランキング形式で紹介します。
聴けばバンドの雰囲気がわかるはず。
タイアップ曲を含むので、「この曲だったのか」となるかもしれません。
【第5位】ナイトオンザプラネット
2022年春に公開された映画「ちょっと思い出しただけ」の主題歌として使われました。
忘れたと思っても何かのきっかけで元カレを思い出してしまう、ノスタルジックな女性の気持ちを描いた曲です。
映画に合わせてアーティストが楽曲を提供するのはよくある話ですが、「ちょっと思い出しただけ」はその逆で、この曲からインスピレーションを受けて制作されたのだとか。
そもそもこの曲は、尾崎世界観がジム・ジャームッシュの映画「ナイト・オン・ザ・プラネット」からインスピレーションを得て作った楽曲です。
2つの映画を観て改めて曲を聴くと、新しい発見があるかもしれませんね。
【第4位】傷つける
2013年にリリースされた2ndアルバムに収録されている「傷つける」。
一見蔑視のような辛辣な表現が見られますが、実は過去の自分を俯瞰して語りかけた歌詞だとのこと。
言葉遊びも秀逸で、心情を描くのに韻を踏んで印象を残したり、失恋した気持ちをインクの出ないボールペンに例えたりと、尾崎世界観だからこその表現を体感することができます。
これだけ複雑なことをしていても、楽曲のコード進行は至ってシンプル。
ゆったりとしたテンポがまた切なさを増長させますね。
【第3位】憂、燦々
「憂、燦々」は2013年、資生堂の日焼け止めCM曲としてタイアップの付いた、メジャー3枚目のシングルです。
苦しいや辛いを意味する「憂」と、明るく光り輝くを意味する「燦々」。
タイトル通り、センチメンタルな歌い方からは寂しさを、初夏の日差しが似合う青春ソングのようなアレンジからは、キラキラ感を感じられる1曲となっています。
どの楽曲もメンヘラ気質の強いクリープハイプの歌詞ですが、この曲ではメンヘラ臭が各段に強く、ダメな男性に依存する意志の弱い女性を描いています。
【第2位】栞
他の曲に比べて、聴かせるギターが特徴的なのが「栞」です。
2018年に「FM802×TSUTAYA ACCESS」のキャンペーンソングにもなっていたので、ラジオを聴く人は耳にしたこともあるでしょう。
桜の季節に別れる2人を、本の栞に例えて歌った楽曲。
サウンドはアップテンポで、温かくやさしい気持ちになれるようなエモーショナルな仕上がりになっています。
クリープハイプの泣き曲としても有名な1曲。
2022年上半期にカラオケで1番歌われたクリープハイプの曲でもあります。
【第1位】ポリコ
最近話題になっている、差別や偏見をしない中立的な用語を使う事を指す「ポリティカル・コレクトネス」。
この言葉をテーマに作られたのが「ポリコ」です。
ネットや世の中から差別的な発言が無くならないことを、清掃員「ポリコ」が掃除をしてもしても汚れが落ちきらない様子に例えて歌っています。
差別的発言に限らず、自分の発言には責任を持つべきだと考えさせられる、強いメッセージ性のある楽曲です。
この曲を元に、アニメ「ハイパーポジティブよごれモン」が誕生し、主題歌に抜擢されています。
クリープハイプの代表曲4選
人気曲と合わせて抑えておきたいのが代表曲。
ライブで演奏される確率が高いので、これからライブに行ってみたいという人は、覚えておくのがオススメ。
人気曲と併せてチェックしてください。
鬼
オーソドックスな4つ打ちのリズムで、時には危険に、時には雅にと表情を変える、ギターソロの構成が個性的な楽曲「鬼」。
恐ろしい部分を見せてもなお、平然と装ってくる女性の姿を鬼に例え、それに翻弄される男の様子を描いた楽曲です。
これまでのクリープハイプにはなかったテイストのサウンドで、新たな一面を見ることができます。
ドラマ「そして、誰もいなくなった」の主題歌として使われていました。
イト
菅田将暉主演の映画、「帝一の國」の主題歌。
誰かの「意図」に翻弄されても、自分の手で運命の「糸」を手繰り寄せる主人公にリンクした楽曲です。
これまでのバンドサウンドに加え、シンセや管楽器を取り入れることで華やかな楽曲に仕上がっています。
MVは、紙人形と実写を合わせて作る「ハイブリッド・ペープサート」という手法が使われ、メンバー自ら紙人形を操りながら物語が進んでいくシュールな内容です。
愛の点滅
「愛の点滅」は、2015年公開の映画「脳内ポイズンベリー」のために書き下ろされました。
映画プロデューサーからの評価は高く、「この曲を聴かせるために、予定していたストーリーをカットしよう」と言わしめるほど気に入られたようです。
「愛の点滅」とは、気持ちの移り変わりを信号の点滅に例えたのだそう。
尾崎の比喩表現はいつも斜め上を行きますね。
おやすみ泣き声、さよなら歌姫
クリープハイプの記念すべきメジャー1stシングルです。
これが最後の歌だったらと思っている自分を、客観的に見て書いたという尾崎。
最初のシングルにもかかわらず、最後の歌かもと思っている所に本気度が伺えますね。
これぞバンドの原点と言わんばかりの切ないメロディー進行と、王道ジャパニーズバンドのサウンドで、たくさんのファンを獲得しました。
クリープハイプの歌詞がエモい有名曲4選
小説家としても活動するボーカルの尾崎。
そのエモい文才は作詞にも活かされていて、彼の世界観を作りあげるのに欠かせません。
まるで文学作品のような歌詞に、リアルすぎて目を背けたくなってしまうかもしれません。
5%
2016年リリースのアルバム「世界観」に収録されています。
これまでのサウンドとは違って、シティポップのようなチルさが全面的に押し出された楽曲。
サウンドは違っても尾崎の言葉遊びは健在で、タイトルの5%にはアルコール度数の意味合いと、相手に思いが伝わる確率の2つの意味が掛けられています。
届きそうで届かない恋心を歌った1曲です。
ラブホテル
2013年にリリースされた、「吹き零れる程のI、哀、愛」のリード曲です。
サウンドは夏に聴きたい爽やかなポップチューン。
しかし、歌詞はひと夏の恋をずっと引きずっている女性の切ない心情を歌っています。
歌い出しから曲中まで何回も歌われる「夏のせい」に、主人公の全てが詰め込まれていることがわかります。
キケンナアソビ
少し怪しげでムーディーな雰囲気の楽曲である「キケンナアソビ」。
裏打ちのリズムで、いい意味でらしくないサウンドです。
しかし、中身はタイトルからもわかる通り、クリープハイプらしい生々しい歌詞。
危険な関係の2人の火遊びを歌っています。
上辺だけの関係だけではなく、心まで繋がりたいというメンヘラ全開の内容です。
曲中で流れる自主規制音の部分では何を言っているのか…といった考察合戦も話題となりました。
バンド
アルバム「世界観」を締めるラストソング。
実は「世界観」をリリースする前、尾崎自らバンドを手放そうとしていた期間がありました。
解散秒読みで挑んだフェスや本の出版を経て、バンドや自分自身と向き合い直し、解散をとりやめたそう。
歌詞には、バンドでの葛藤や思いが散りばめられています。
ちなみに、2019年には現体制10周年を記念して「バンド 二〇一九」として本曲をリアレンジしリリースされているので、こちらもチェックしてみてください。
クリープハイプの隠れた名曲おすすめ4選
ここまで様々な視点からクリープハイプの楽曲を紹介してきましたが、彼らの魅力はこれだけではありません。
マイナーだからこそ、彼らの本心が全開になっている楽曲があるのです。
最後は隠れた名曲を紹介します。
社会の窓
メジャー2ndシングルである、「社会の窓」。
フラストレーションをぶちまけるように吐き捨てるボーカルと、レトロなコーラスで終始突き抜ける1曲です。
歌詞にはメジャーデビューを果たした尾崎自身の心情が盛り込まれており、その当時の状況を少しだけ垣間見られます。
曲中、アグレッシブに進行しているかと思いきや急にテンポが遅くなり、再度アグレッシブさを取り戻していく緩急の付け方が、彼ららしさを発揮しています。
イノチミジカシコイセヨオトメ
インディーズ時代から歌い継がれている曲で、1stメジャーアルバムにも収録されています。
疾走感溢れる1曲で爽快なサウンドに仕上がっていますが、歌われている内容は重め。
風俗嬢になった女性が「もう普通の人間には戻れない、だけど本当は普通の人間に戻りたい」と嘆く様子を、尾崎なりの視点で描いた楽曲です。
小説家としての一面をもつ尾崎らしく、その歌詞は短編小説を読んだかのように錯覚させられます。
オレンジ
これこそクリープのサウンドだと言っても過言ではないほど、尾崎のハイトーンボイスと爽やかでエモーショナルなギターが聴ける1曲。
メジャー1stアルバムのリード曲として収録されています。
描かれているのは、すれ違いが多かったから別れたけど、そのすれ違いこそが幸せだったんだと気づいた、どうしようもない男の心情。
ドラムのリズムがスタンダードな4つ打ちで聴きやすい楽曲です。
ボーイズENDガールズ
メジャーアルバムとして2014年にリリースされた、「一つになれないなら、せめて二つだけでいよう」に収録された楽曲。
しかしインディーズ時代からある曲で、ファンがほとんどいなかった頃に作られました。
歌詞のスタンスは当時から変わらず、恋人に依存して生きる女性を描いています。
古参ファンの間では人気の1曲なので、クリープハイプのファンを名乗るならチェックしておきましょう。
クリープハイプの曲は歌詞がエモいと人気!尾崎世界観が作り出す音楽は中毒性がやばい
この記事では、クリープハイプの人気曲や代表曲、隠れた名曲を紹介しました。
切ないメロディーとハイトーンボイス、そしてエモい恋愛の歌詞が特徴的な彼ら。
恋愛体質の人はもちろん、そうでない人をも虜にする中毒性があります。
今回紹介した曲以外にも、彼らの個性が詰め込まれた作品がたくさんあるので、新曲がリリースされるまでぜひ過去作品をチェックしてみてくださいね。
この記事のまとめ!
- クリープハイプの楽曲は、エモーショナルなサウンド、エモい歌詞が特徴
- ボーカル尾崎の紡ぐ歌詞は、心情を何かに例えた比喩表現が多い
- 小説家でもある尾崎の書く歌詞は濃厚で、短編小説を読んだ気分になる