歌が上手いと感じる人の多くは、高音まできれいな声で歌っていますよね。
カラオケやライブなどで、高音ボイスの曲を歌って歌の上手さを披露したいという人は多いでしょう。
男性ボーカルの場合、hiAの音を歌えるかどうかで歌の上手さが変わってきます。
この記事でわかること
hiAが最高音域の曲が増えている
最近はhiAを最高音域とする曲が増えました。
男性の平均音域として最高音と言われるmid2Gのさらに一音上にあたるため、聴いていても高いなと感じられる音域です。
この音を出すことは難易度が高いですが、歌唱力が問われる曲ではこの最高音域がよく使われているので、習得しておいて絶対に損はない音域といえるでしょう。
まずは、そもそもhiAとは何なのかを見ていきましょう。
そもそもhiAとは
hiAとは高い音域のラの音のことで、hiは高い音域を表し、Aは音階で「ラ」のことを言います。
音の高さには、ドレミファソラシドのように音階によって決まるものと、同じ「ド」でもオクターブの高さによって呼び方が変わるものもあるのです。
ピアノの鍵盤のちょうど真ん中に位置するド(C)の音をmid2C(ミッドニシー)と呼び、mid2Cから音が徐々に上がり、A(ラ)にたどり着くとhiという音域に変わります。
hiAとはmid2Cの1オクターブ上のラの音を指しているのです。
hiAは歌ウマの壁
hiAは歌ウマの壁と言われているように、出すのが少し難しい音域です。
男性ボーカルの平均的な最高音域はmid2Gと言われており、例えばBUMP OF CHICKENや福山雅治の曲などが無理なく歌えるキーです。
一方でhiAはmid2Gよりも音が高く、男性だと高音だなと感じられる音域で、レミオロメンの粉雪のサビ部分などがそれにあたります。
高音がきれいに歌えるととてもかっこよく聞こえ、歌ウマだなと感じられますよね。
このように高音をきれいに出したいという人は、音楽情報サイトUtaTenの記事を参考にしてみてください。
hiAが最高のJ-POP曲
実際のJ-POPでhiAはどのように使われているのでしょうか?
この音が最高音に取り入れられていると歌の中に「聞かせどころ」ができ、曲に盛り上がりが生じて、「歌が上手い人」だと思ってもらえるようになりますよ。
ここからは、人気のあるJ-POP曲の中でhiAが最高音域に使われているものと、それがどんな風に歌われているかを紹介していきます。
灰色と青(+菅田将暉) / 米津玄師
俳優菅田将暉と、アーティスト米津玄師のコラボ作品「灰色と青」ではサビにhiAが使われています。
「どれだけ背丈が変ろうとも」の「せ」の音です。
この曲はAメロ・Bメロの音やテンションが低めにまとまっており、サビで一気に感情を爆発させるような構成になっています。
サビでしっかり高音が歌えると、サビでクライマックスを迎える雰囲気となり、エモーショナルな感じを高められますよ。
海の幽霊 / 米津玄師
米津玄師のバラードナンバー「海の幽霊」は米津玄師の曲の中でもキーが高く、
- 地声最高音がhiA
- 裏声の最高音はhiAより7音も上のhiE
を使っています。
独特の世界観に出だしからグッと引き込まれ、サビでは一気に盛り上がり、畳み掛けるようなメロディが印象的です。
サビに出てくる高い音を美しく勢いよく歌い上げており、メロディの波が心にグイグイ入ってくる1曲になっています。
ミックスボイスとヘッドボイスを上手く使ってアーティスティックな雰囲気を表現しているところも聴きどころ所の1つです。
季節は次々死んでいく / amazarashi
amazarashiのメジャーシングル作品でもあり、「東京喰種トーキョーグール√A」の主題歌にもなった「季節は次々死んでいく」でもサビでhiAを使っています。
冒頭から所々で、急に高い音に飛ぶメロディが続き、エモーショナルな雰囲気をかもし出している音楽性の高い曲です。
音域はAメロ→Bメロ→サビと次第に高くなり、サビをhiAで歌い上げることで盛り上がりを狙っています。
himawari / Mr.Children
映画「君の膵臓を食べたい」の主題歌にもなったMr.Childrenの「himawari」は、軽やかに始まり、サビはドラマチックに訴えかけるような雰囲気のある曲です。
himawariのサビでは、主題でもある「ひまわり」と歌う時にhiAが使われています。
メインとなる言葉が高音でバッチリ決まると、それだけで曲の印象が高まりますよ。
himawariは、
- Aメロ⇨やや低音気味で抑えめ
- Bメロ⇨ドラマチックなメロディが始まる
- サビ⇨さらに盛り上がる
という構成です。
サビをしっかり高音で歌い切ると、全体がまとまって聴こえるでしょう。
君想い / GReeeeN
GReeeeNの「君想い」ではなんとサビにhiAが6回も出てきますよ。
GReeeeNらしいノリの良いビートにのせて始まる曲で、出だしは低い音程、低めのテンションに始まります。
そっして、メロディアスな楽曲にのせて音もどんどん高くなっていく構成です。
mid2F#にたどり着く進行が多く、音域的には少し高くはありますが、思わず口ずさみたくなるメロディが覚えやすく歌いやすい曲ですよ。
クリスマスソング / back number
王道ロックバラードの雰囲気を持つback numberの「クリスマスソング」は、ドラマ「5→9〜私に恋したお坊さん〜」の主題歌として起用されました。
- サビで地声最高音としてhiA
- 裏声最高音をhiAより3音高いhiC#
と幅広く使っており、全体的に音域が広い曲です。
サビで高音域を使ったメロディにすることで、曲がグッと盛り上がっている印象があります。
hiの音域をたくさん使っているので、歌う時は地声と裏声の切り替えがポイントですよ。
メリッサ / ポルノグラフィティ
アニメ「鋼の錬金術師」のオープニングテーマに起用されたポルノグラフィティの「メリッサ」ではサビの歌詞の最後にhiAのロングトーンが入っています。
たとえば「さあ 愛に焦がれた胸を貫け」の「貫け~」と伸ばすところです。
この曲は常に高い音が入っているわけではありませんが、サビの一番最後の絶対に決めたい場所にhiAが入り、それをしっかり歌いこなすことで曲がグッとしまってかっこよくなりますよ。
恋 / 星野源
ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の主題歌で自身も出演した星野源の「恋」もサビではhiAが使われて、きれいなファルセットで歌い上げていますよ。
「恋」は要所要所で高音を使うのではなく、サビ全体が比較的高いキーで構成されています。
日本人の耳に馴染みやすいミュージックも人気の秘訣ではないでしょうか。
サビを歌う時は全体に声を張ってはっきり歌うようにしましょう。
以心電信 / ORANGE RANGE
2004年にauのCMソングとして起用されたORANGE RANGEの「以心電信」でもサビ直前の「つながっているんだ」のフレーズにhiAが使われいます。
「以心電信」のテーマにもつながるところにhiAが使われており、訴えかけるような雰囲気のあるフレーズなので、かっこよく決めたい部分です。
サビ直前に高音を使うことで、サビへの導入がグッと魅力的なものになりますよ。
いとしのエリー / サザンオールスターズ
サザンオールスターズが生んだ名曲「いとしのエリー」では、サビの始まり「笑ってもっとbaby」のところでhiAが使われています。
さあ、今から盛り上がるぞという場面なので、ここでしっかり高音を歌えると曲全体を盛り上げることができますよ。
また、サビがグッと盛り上がって聴こえるように、AメロBメロは抑えめに歌うと良いでしょう。
サザンオールスターズの中でも、カラオケで歌われる人気曲ランキング上位ですが、メロディの跳躍が多くてリズム感も必要となるので難易度は高めです。
hiAが最高のアニソン
アニソンと言えば、疾走感溢れるサウンドやエモーショナルな雰囲気で、決め所がたくさんあるかっこいい曲が多いですよね。
決め所の多くにはhiAが使われており、聴き手の心をグッと引き込むことによって曲全体を盛り上げています。
hiAが最高音域に使われていることで、最高にかっこよく聴こえるアニソン4選をチェックしましょう。
君が好きだと叫びたい / BAAD
アニメ「SLAM DUNK」のオープニングテーマに起用されたBAADの「君が好きだと叫びたい」は、疾走感溢れる爽やかな一曲。
サビではhiAを地声で連発して使っており、とても難易度の高い曲です。
歌うのは難しいですが、勢いのあるメロディを高音で歌うため、聴いている方は痛快で爽やかな気分を感じられるので歌の上手さをアピールできますよ。
世界が終るまでは… / WANDS
1996年にリリースされたWANDSの「世界が終るまでは…」も同じくアニメ「SLAM DUNK」でエンディングソングに起用されました。
この曲でも、サビにhiAが使われています。
エモーショナルで一気に開ける感じのサビが痛快で、聴き手の心をグッと引き寄せますよ。
ミドルテンポな上に、サビ全体のキーが高くて歌うのは少し難しいですが、しっかり歌えればとてもかっこ良い曲です。
DAN DAN 心魅かれてく / FIELD OF VIEW
ドラゴンボールGTのオープニングテーマソングに起用されているFIELD OF VIEWの「DAN DAN 心魅かれてく」は、サビ入りでhiAを使っており、ミドルテンポながらも疾走感溢れる1曲です。
サビ前のフレーズからhiAを使いサビにつながるメロディは、だんだん気持ちが高まり、サビでグッと盛り上がったように感じられますよ。
音域に幅がある曲で、最低音はLowG#なので、人によっては地声最低音まで使ってしっかり歌うことが求められるため、簡単そうに見えて意外と歌うのが難しいです。
紅蓮の弓矢 / Linked Horizon
独特の雰囲気を持ち、アニメの世界観をよく表現しているLinked Horizonの「紅蓮の弓矢」も、サビでhiAを使っています。
全体を通して音域の幅が比較的狭いため、歌いやすいですが世界観のある曲なので雰囲気を壊さないように歌いましょう。
サビはAメロやBメロに比べて少し高めの音程が使われていて、スピード感のあるメロディなので、しっかり歌いこなせるととてもかっこ良く聴こえますよ。
hiA#に挑戦するなら
特に高い声が得意な人の中には、「hiAよりも高い音に挑戦して周囲をあっと驚かせたい」と思っている人もいるでしょう。
より高い音をきれいに歌い上げることができたら、歌ウマと言われること間違いなしですよね。
ただし高い音になればなるほど、喉に負担がかかりやすくなるので、あまり無理をしないようにしましょう。
高音が得意な人はぜひ、hiA#にもトライしてみてください。
最後に、hiAよりも高いhiA#に挑戦する場合におすすめの曲を紹介します。
嘘 / シド
アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」のエンディングテーマに起用されたシドの「嘘」は、AメロからhiAを使用しています。
全体的にキーが高く、勢いのあるボーカルで疾走感を出したロックナンバーです。
サビでも抑揚のあるメロディのトップ音にhiAが使われていて、心をグッと掴むメロディ構成をしています。
一見キーが高く難しそうですが、曲が短く間奏が長いため比較的歌いやすいですよ。
花火 / 三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE
情緒的な雰囲気が美しい「花火」は2012年リリースの三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEが送る夏ソングです。
サビ始まりの曲で、冒頭から声を貼らないと歌えないくらい高いキーで始まります。
サビでしっかりhiAを使うことで、曲を全体を盛り上げて日本的で少し寂しげなメロディを華やかに仕上げているのです。
hiAの曲が歌えたら歌ウマ認定まちがいなし!まずはリラックスを意識して練習しよう
hiAの曲が歌えれば、カラオケやライブなどで周りの人たちから「歌が上手いな」と思われること間違いなしでしょう。
高音の使い方には色々なパターンがありますが、サビで盛り上げるために使っていることが多いです。
そのため、絶対にかっこよく決めたいポイントでしっかりhiAを歌いこなせるように日頃から練習しておくことが大切です。
今回紹介した歌以外にも、Official髭男dismなど高音を使った人気曲がたくさんあるのでぜひチェックしてみてくださいね。
この記事のまとめ!
- hiAは歌ウマの壁と言われており、このキーがしっかり歌えると歌が上手いと周囲に思われる
- J-POPでもhiAが使われている曲は多く、主にサビに使って曲全体を盛り上げている
- 「紅蓮の弓矢 」など人気のアニソンにもhiAが使われている
- 高音が得意な人は、hiAよりさらに高いhiA#の曲にも挑戦してみよう