カラオケを楽しもうと思っているときに、ハウリングの不快な音が出てしまうと気分が盛り下がってしまいますよね。
実はこの不快な音はほとんどの場合、簡単な対処法で解消できます。
難しいスキルも不要なので、楽器や音響には詳しくないけど、歌うのが大好きという人でも簡単に実践できますよ。
この記事でわかること
ハウリングとは
ハウリングとはマイクをオンにしたときに出る「キーン」や「ブォーン」などの耳の痛い音のことです。
この音は機器の故障が原因の場合もありますが、ほとんどはマイクや機器の使い方が原因となっています。
まずはじめに、ハウリングの語源やメカニズムを紹介するので、対処するときの参考にしてみてくださいね。
ハウリングの語源
ハウリングは動物の遠吠えや吠えることを意味する英語の「Howling」が語源です。
使われ始めた時期や、詳しい由来などは分かっていませんが、「キーン」という不快な音が犬の遠吠えに似ているからという説があります。
また、音響関連のエンジニアやミュージシャンは、ハウリングが起きることを
- ハウる
- 音が回る
海外では基本的に「Feedback(フィードバック)」と呼ばれるので、ハウリングは主に日本国内で使われる用語です。
ハウリングのメカニズム
ハウリングは音を増幅するアンプとマイク、スピーカーがそれぞれに影響しあって起こるものです。
スピーカーから出る音をマイクが拾い、拾った音をアンプが増幅するというループが起こり、大きく不快な音を出してしまいます。
特にマイクをスピーカーに向けてしまったときや、マイクの音量を大きくした場合に起こりますよ。
カラオケではスピーカーが座席に向いており、プロのエンジニアが行うような音域の調整も難しいためハウリングが起こりやすいのです。
周波数とハウリングの関係
周波数はハウリングと大きく関係する数値です。
周波数とは音声の大きさ、1秒間に振動する回数を表したもので、グラフにすると山や谷のある波型になっています。
このグラブの数値が、一定のラインを超えてしまったときに不快な音が出てしまうのです。
特にグラフの山の頂上部分「ピーク」は、一定ラインを超えやすくハウリングの原因になりやすいですよ。
使用機器の破損につながることも
ハウリングは使用機器に負担をかけてしまうため、破損の原因となる場合もあります。
「キーン」という音が出る場合には、過大入力という機器が対応できないレベルの音声信号が入力されているのでしょう。
カラオケ店のアンプやスピーカーはある程度の負担にも耐えられるように設計されていますが、何度も繰り返していると破損してしまいますよ。
また、耳に悪影響が出る場合もあるので、音楽を長く楽しむためにもハウリングの対処法を知っておきましょう。
カラオケでハウリングが起こったときの対処法
ハウリングについて把握できたら、実際にどんな対処法があるかを見ていきましょう。
状況に合った対処法を実践すると、不快な音を出すことなく快適にカラオケを楽しめるようになりますよ。
また、音響の知識も増え、気持ちの良い音で歌えるようにもなるので参考にしてみてくださいね。
カラオケでハウリングが起こったときの対処法を、機器の設定や使い方のコツを交えながら紹介します。
使っていないマイクはオフにする
カラオケを楽しむときには、使っていないマイクをオフにしてハウリングを起こさないようにしましょう。
使っていないマイクをオンの状態で放置すると、スピーカーの音を拾ってしまい、ハウリングを起こすことがあります。
特に2人以上でカラオケを楽しむ場合には、マイクをオフにするのを忘れてしまいがちなので気を付けてくださいね。
ワイヤレスマイクは交換してみる
1本のワイヤレスマイクを使っていて、頻繁にハウリングが起きる場合にはもう1本のマイクに交換してみるのもおすすめです。
マイクは高価な製品なので交換の頻度も少なく、多少の不調が出ていても使われ続けている場合があります。
また、赤外線タイプのマイクではなく、電波で通信するタイプは別の場所で使われているマイクの音を拾うこともありますよ。
スピーカーとマイクの向きや、音量ほど影響しませんが、使っていて違和感を感じるときは交換してみましょう。
エコーを下げる
エコーのかけすぎはハウリングの原因となるので、バランスの良いかけ方を心掛けておきましょう。
エコーは同じ音を繰り返す効果、音が壁や天井に反射する音を疑似的に作り出す効果が組み合わさっています。
かけすぎてしまうと、エフェクトの音が大きくなりハウリングが起こってしまいますよ。
歌が中心の曲を参考に声の芯が残りながらも、気持ち良く歌えるように設定するのがポイントです。
イコライザーで高音部分をカット
イコライザーという音質の調整や、周波数ごとの音量の調整などを行う機器・機能を使ってハウリングを抑えることも可能です。
カラオケ機器には本格的なイコライザーは付いていませんが、DAM系列の機種だと本体パネルのメインメニューから高音域に影響する「シャープネス」の調節ができるようになっています。
「キーン」という高い音が出る場合には、このシャープネスを下げると改善することがありますよ。
また、楽器向け商品のイコライザーを持ち込み、カラオケ機材と接続して高音部分をカットする人もいます。
この方法はお店の許可や接続の手間がかかるので、音にこだわりたい人は事前に確認しておきましょう。
スピーカーの音量を下げる
ハウリングが起きるかどうかは、スピーカーから出る音の大きさに左右されます。
極端な音量設定がされていたり、マイクや本体の音量を大きくしていたりする場合はハウリングが起こりやすいです。
カラオケで歌を楽しむ前に、まず音量が大きすぎないかを確認しましょう。
また、デンモクのようなタッチパネル機器で操作しても大きすぎる場合には、マイクの受信機や本体のボリュームを確認すると良いですよ。
マイクをスピーカーに向けない
マイク先端をスピーカーのある方向に向けると、簡単にハウリングが起こってしまうので注意が必要です。
カラオケ用のマイクは、マイクグリル(金属のメッシュ)の頂点付近の音をはっきりと拾う「単一指向性」という指向特性があります。
マイクグリルの頂点がスピーカーに向いていると、大きな音をそのまま拾ってしまうためハウリングが起こってしまうのです。
入室したときにはスピーカーの位置を確認して、マイクの頂点部分がスピーカーに向かないよう持ち方や座る位置を工夫しましょう。
マイクの音量を下げる
カラオケのハウリングには、マイクの音量を下げることでも対処できます。
音楽と声のバランスが悪いときには、どちらかを上げるという設定をしがちですが、このような設定をするとマイクの音量が大きくなりすぎてハウリングが起こるのです。
音量設定はまず全体的に音を下げ、声を音楽よりも大きくなるように設定し、そこから全体を同じ数値ずつ上げるのがコツですよ。
マイクの頭を覆わない
マイクの頭を覆うような持ち方は、ハウリングの原因となるので注意しましょう。
マイクグリルを覆う持ち方は、頂点付近の音を拾うという歌に最適な指向特性を打ち消してしまい、全ての方向の音を拾うようになります。
そのため、スピーカーとマイクの向きが正しくても、常にスピーカーに向けて歌っている状態と同じになってしまうのです。
マイクを持つときは、マイクグリルに手が触れない個所を持つようにしてくださいね。
2人以上で歌うのを控える
2人以上で歌っているときに、ハウリングが起きてしまう場合にはマイクの同時使用はできるだけ控えましょう。
座っている位置やマイクの向き、機材の状態によっては2本を同時に使ってしまうとハウリングが起きてしまいます。
まずは、これまで紹介した方法を試して、改善しない場合には部屋を変える、2人以上で歌うのを控えるなどの対策をすると良いですよ。
機材の状態や部屋の状況は、口コミページなどでチェックできる場合もあるので、初めてのお店に行く際にはチェックしてみてくださいね。
対処法を試してもハウリングが直らない原因
どの対処法を試してもハウリングが直らないと、気分が盛り下がってしまいますよね。
このような状況のときは、マイクの使い方や音量設定以外の環境的なものが原因になっている可能性があります。
不快な音を我慢し続けていると楽しめないだけでなく、耳にも良くないので早めに解決しましょう。
ハウリングが直らない原因と、直らないときの対策方法を紹介するので、カラオケで困ったときの参考にしてみてくださいね。
機材の故障
対処法を試してもハウリングが全く改善しない場合は、機材の故障が考えられます。
マイクやカラオケ機器は入れ替わりが少なく、毎日多くの人が利用しているものなので、壊れてしまうこともあるでしょう。
また、忙しいお店だと全ての機材のチェックが難しいというケースもあるかもしれません。
どうしてもハウリングが収まらないときは、店員さんに相談して対処してもらいましょう。
部屋の形状
狭い部屋や凹凸の多い部屋、スピーカーが座席に近い位置にしか配置できない部屋などは、ハウリングが起こりやすいです。
これらの部屋はマイクに大きな音が入りやすく、対処法を実践しても効果がない場合がありますよ。
店員さんに相談して部屋を変えてもらうのが基本の解決方法で、スピーカーの位置のみが問題な場合は立ってマイクの向きに気を付けて歌うと解決する場合もあります。
ハウリングの間違った解決法
メカニズムの紹介や、対処法の解説を見て「ハウリングが起こらないマイクを使用すれば解決するのでは?」と考えた人も多いのではないでしょうか。
現時点ではハウリングが起こらないマイクは開発されておらず、どんなマイクを使っても起こってしまうと言われています。
もちろん、音を拾う範囲を狭くして歌声以外を拾いにくくするマイクはありますが、角度や持ち方が難しいので音響の知識がないと使いこなすのは難しいです。
音質や使いやすさでマイマイクを購入するのは素晴らしいことですが、ハウリング対策を想定して購入してしまうと失敗する場合もあるので注意しましょう。
カラオケでハウリングしたらまずはマイクとスピーカーをチェック!どれを試しても直らない場合は店員さんに相談しよう
カラオケで起こるハウリングはマイクとスピーカーの向き、音量などが原因となっているケースが多いです。
歌っている途中や曲の前奏部分で不快な音が出てしまったら、まずは向きや音量をチェックしてみてくださいね。
ハウリングの対処法を試しても直らない場合は機材や部屋が原因となっているので、耳の健康のためにも早めに店員さんに相談しましょう。
この記事のまとめ!
- ハウリングはマイクがスピーカーの音を拾ってしまうことが原因で起こる
- カラオケのマイクを使うときには、持ち方や向きに気を付けよう
- 音量やエコーを上げすぎるとハウリングが起こるので、バランスの良い設定を心がけよう
- 対処法を試してもハウリングが起こる場合は、迷わず店員さんに相談するのがおすすめ
- ハウリングを無くす目的でマイクを購入すると、思うような効果が出ない場合があるので気を付けよう