カラオケの採点画面やボイストレーニングなどで目にする「フォール」。
上手く操れるようになると、表現力が身について歌が上手く聴こえるテクニックの1つです。
しかし「どうやって出すのかイマイチ分からない」という人も多いのではないでしょうか?
この記事でわかること
カラオケのフォールとは
フォール(fall)とは英語で「落ちる」を意味する単語です。
発声した後にそこから少し音程を落として、歌声に表情を付ける歌唱方法のことを言います。
カラオケの採点機能にビブラートやしゃくり、こぶしと一緒に出てくることが多いですが、その違いや採点基準は少し分かりにくいでしょう。
精密採点で高得点を出すには、
「どんなテクニックなのか」
「採点機能にどれくらい影響するのか」
を理解しておく必要があります。
ここでは、カラオケにおけるフォールの考え方について説明していきましょう。
多用すると減点になる
カラオケではフォールを適切に入れると加点対象になりますが、多用するとかえって点数が下がってしまう可能性があります。
音をあえてずらして余韻を持たせるテクニックなので、入れすぎたり意識しすぎたりすると「何度も音を外している」と判定される恐れがあるのです。
加点狙いでむやみやたらに使い過ぎて、減点されてしまうことのないように気を付けましょう。
狙って入れるものではない
フォールは「ここで入れるぞ!」と狙って入れると、不自然な歌声になってしまいます。
感覚が掴みにくい人は、フォールをよく使うプロの歌手の歌い方を真似してカラオケで練習するのがおすすめです。
たとえば、 GACKTや桜井和寿(Mr.Children)などの歌い方を研究して真似すれば、自然に出せるようになっていきますよ。
カラオケでのフォールの効果
フォールは、
「歌を上達させたい」
「プロのように表現力を高めたい」
という人にぴったりの技法なので、カラオケでマスターするとさまざまな嬉しい効果が期待できます。
では、具体的にどのようなメリットが挙げられるのでしょうか?
次では、フォールの4つの効果について解説していきます。
どれもプロっぽく歌い上げるために欠かせないポイントばかりですよ。
切ない雰囲気が出る
カラオケでフォールを使うと、切なくて憂いのある雰囲気を表現することができます。
最後の音を下げて歌うことによって、気だるくて儚い印象を与えられるのです。
妖艶で官能的な雰囲気を出したい時にもうってつけのテクニックと言えるでしょう。
歌詞の内容や伝えたいメッセージを理解してフォールを使いこなすと、さらに感情豊かなカラオケが披露できますよ。
採点で有利になる
カラオケでほどよくフォールを入れることは、採点に良い影響を与えます。
カラオケの採点方法にはさまざまな項目があるので、単純に「音程が取れていれば高得点が狙える」というわけではありません。
表現力があるかどうかも得点を左右するので、表現力に関わるフォールが使いこなせると有利なのです。
どこでもかまわず多用するのではなく、最適なタイミングで利用するのが大事ですよ。
歌に抑揚が出る
カラオケでフォールを使うと、自然な抑揚が付いたドラマチックな歌声に仕上がります。
抑揚とは声量や声の調子を上げ下げして起伏を生み出すこであり、これはプロっぽく歌うために大切なテクニックの1つなのです。
抑揚が出ると表現力が豊かになり、歌える曲のレパートリーも増えるので、カラオケがより一層楽しくなりますよ。
歌に余韻を持たせることができる
カラオケでフォールを使うと、フレーズの最後に余韻が残り、雰囲気のある歌い上がりがりになります。
余韻のある歌声は曲が終わっても耳に音が残り、感動や盛り上がりが持続するでしょう。
フォールを使って余韻を残せば、聴いている人を自分の世界に引き込むことができたり、
プロアーティストのような心に訴えかける歌声が出せたりします。
カラオケでのフォールの出し方やコツ
表現力の向上やカラオケの点数アップにプラスの影響を与えるフォール。
習得すればワンランク上の歌声が披露できるようになるテクニックです。
正しい歌い方や出し方のコツを知って、美しいフォールが使いこなせるようになりましょう。
ここではポイントを4つ紹介するので、意識しながらボイストレーニングしてみてくださいね。
音程をゆっくり落とす
カラオケでフォールをする時は急激に音程を下げず、ゆっくりとなめらかに落とすように心がけましょう。
最初のうちはゆっくりとフォールをする練習をして、なめらかに音程を下げる癖を付けます。
コツはあくびをする時の息や音の出し方を意識することです。
最初は頭の先から息を出して、徐々に鼻、口、最後に胸のあたりへと息が流れていくようなイメージをします。
この息遣いを意識してサイレン音の発声練習をすれば、ゆっくりとまんべんなく音程を下げられるでしょう。
音程変化の速度を上げる
最初のうちはゆっくり音程を落とす練習から始めれば良いですが、実際に曲を歌う時は一気に音を下げてフォールしなければいけません。
そこで、徐々に音程変化の速度を上げる練習をすることで、カラオケでもスピーディーかつなめらかにフォールができるようになるのです。
練習の仕方としては、先述した「あくびをする時の息遣い」を意識しながら、発声速度を速めていきます。
いきなり速めると上手くいかないので、何段階かに速度を分けて発声練習しましょう。
頭から鼻、口、胸と順番に息を流していく際に、特に鼻から口にかけては一気に流れるように意識すると、すばやく音程を変化させられますよ。
歌い方を真似する
カラオケで自然にフォールを入れるコツは、プロのアーティストの歌い方を真似することです。
自己流でフォールを入れるタイミングを狙ったり意識しすぎたりすると、かえって下手に聴こえてしまうかもしれません。
自分の感覚やタイミングで判断せずに、歌手の歌声をガイドラインにしてその通りに歌う練習をしてみましょう。
後声を落とす
カラオケでフォールを自然にするコツは「おぉ」「あぁ」「まぁ」「やぁ」「ねぇ」など日常会話で使われる挨拶・相槌などを意識してみることです。
これらの言葉は普段の会話でナチュラルに発していますが、よく聴くとフォールになっているのが分かるでしょう。発声した後に音程を落としているのです。
この語尾が自然に下がる感覚を意識して歌えば、音をつなげたまま切らずに音程を落とせるようになりますよ。
フォールが上手い歌手のおすすめ曲
フォールを上手く出すためには、カラオケで実際に歌って練習するのが良いでしょう。
プロのアーティストの楽曲をたくさん聴いて、歌って、慣れることが大切なのです。
最後に、フォールが上手い歌手のおすすめ曲6選を紹介します。
好きな曲、歌いやすい曲、自分の声と近い歌手など好みのナンバーを選んで練習してみてくださいね。
Episode.0 / GACKT
「Episode.0」は、GACKTの歌声を元に作られたボーカル音源ソフト「がくっぽいど」で制作した楽曲です。
GACKT本人も39枚目のシングルとしてカバーしています。
曲を通してフォールがたびたび登場しており、GACKTらしい深い響きの歌声が堪能できる1曲になっていますよ。
「そう俺はゆめを掴むもの(ぉ)」「赤く染める(ぅ)」など、フォールの後にかすかに母音を残して歌っているので、カラオケではそこを意識しながら練習してみましょう。
sign / 桜井和寿(Mr.Children)
Mr.Childrenの26枚目のシングル「sign」。
ドラマ「オレンジデイズ」の主題歌に起用されたことでも人気になり、2004年の「日本レコード大賞」も受賞しました。
冒頭の「届いてくれるといいな」の「な」でフォールが使われており、歌詞に込められた感情が伝わってきますね。
カラオケでもこの部分でフォールをしっかり使えば、単調にならず独特の切なく儚い雰囲気が出せるでしょう。
カブトムシ / aiko
aikoの代表曲とも言えるヒットシングル「カブトムシ」。
「言われてもあたしは弱いー」「そう今がなにより大切でー」の語尾で、フォールを使って余韻を残しています。
aikoはほかの曲でもフレーズの終わりのロングトーン部分にフォールを入れて、憂いのある雰囲気を演出していますよ。
aikoのこの歌い方を意識することで、カラオケでも聴いている人の心を掴めるようになるでしょう。
風見鶏 / コブクロ
コブクロの「風見鶏」は、2007年3月にリリースされた「蕾」のカップリング収録曲です。
「一番そばにあった笑顔がー」と語尾を伸ばす部分で、フォールが使われています。
コブクロはメッセージ性の高い歌詞を優美なメロディーラインに乗せて表現することが多いですが、この「風見鶏」も例外ではありません。
「フォールを入れる」というちょっとしたテクニックを使うことで、より一層歌詞に感情がこもっているように感じられますよね。
カラオケで「風見鶏」を練習して、黒田俊介のような表現力と深みのある歌声を目指してみましょう。
Lemon / 米津玄師
2018年2月にリリースされた、米津玄師の大ヒット曲「Lemon」。
物憂げな独特の雰囲気を醸し出したこの曲では、「きっともうこれ以上」の語尾の「う」でフォールを入れて、絶妙な気だるさを表現しています。
高度なテクニックと歌唱力が必要とされる曲ですが、何度も聴いてカラオケで歌うことで少しずつ米津玄師っぽいフォールの入れ方が掴めるようになるでしょう。
JOY / YUKI
「JOY」はYUKIが2005年1月にリリースした9枚目のシングル曲です。
サビ部分の「しゃくしゃく余裕で暮らしたい」の「たい」、「約束だって守りたい」の「たい」など連続でフォールが出てきます。
自然でなめらかに音程が落ちていて、アンニュイな雰囲気が出ていますね。
このサビ部分を繰り返しカラオケで練習して、ナチュラルにフォールが出せるように訓練してみましょう。
カラオケのフォールは入れすぎると減点になる!コツを掴んで上手く歌に取り入れよう
本来の音から語尾の音程をずり下げて歌うフォール。
多くの歌手も使うこのテクニックは、うまく出せればカラオケの採点にもプラスに働きますが、むやみやたらに多用すると減点の対象になります。
適切に使いこなせれば歌声に感情が乗り、切ない雰囲気が出せたり、余韻を持たせたりしますよ。
あくびをする時の息の出し方を意識しながらサイレン音の発声練習をして、なめらかに音程を落とせるように訓練しましょう。
また、プロの歌い方を真似すると上達への近道になるので、フォールが上手い歌手の曲をカラオケで練習してみてくださいね。
この記事のまとめ!
- フォールとは本来の音から語尾の音程をずり下げて歌う歌唱法のこと
- 入れすぎたり意識しすぎるとカラオケの採点で減点される
- 上手く使いこなせば切ない雰囲気が出せたり、余韻が残ったり、カラオケ採点に有利になる
- GACKTの「Episode.0」やYUKIの「JOY」はフォールの感覚が掴みやすいのでおすすめ