米津玄師はドラマやCMとのタイアップで数々のヒット曲を生み出し、今や幅広い世代から人気を集めるトップアーティストです。
知名度も抜群で、さまざまな歌がカラオケでの定番曲となっており、歌う場面も多いでしょう。
しかし、彼の楽曲は独特で声の出し方が特徴的であるため、なかなか歌いこなせない人も多いのではないでしょうか。
この記事でわかること
米津玄師とは
米津玄師は2009年から「ハチ」という名前で、ニコニコ動画にボーカロイド曲を投稿し始めました。
センスあるロックサウンドが話題になり、2012年には「米津玄師」名義で活動を始め、動画サイトの総再生回数は30億回を超えています。
数々のヒット曲を自身でリリースするほか、アニメ映画のプロデュース、菅田将暉やDAOKOなど著名アーティストとのコラボも人気です。
米津玄師の歌い方の特徴
映画の主題歌やCM曲など、米津玄師の楽曲は印象に残りやすい場面で使われることが多いです。
米津玄師の楽曲は中毒性のあるものばかりですが、楽曲だけでなく歌い方も印象的ですよね。
気だるさや高音の出し方など、米津玄師特有のクセにハマってしまう人も多いのではないでしょうか。
まずは、彼の歌い方の特徴を紹介していきます。
気だるく力が抜けた声
米津玄師の発声は非常に力が抜けており、気だるそうな歌声が印象的です。
他にも、母音と子音を繋げて滑らかにすることで、より気だるそうな印象になっているのではないでしょうか。
特にタ行やナ行、ラ行でその傾向が強く「のよ」という歌詞を「ぬょ」と聞こえるように意図的に発音しています。
はっきり発音する部分と、曖昧に発音する部分を使い分けることで、歌い方に色気が出ているのです。
しゃくりの多さ
米津玄師は音程が上がる時「しゃくり」を多用しているため、ねっとりした印象になります。
「しゃくり」とは音程が上がる時、その音程よりも低い音から歌い始め、すぐに音程を戻すことです。
米津玄師はこの「しゃくり」を多用し、曲の持つアンニュイな雰囲気を出しています。
曲の輪郭をはっきりさせたい部分ではしゃくりを使わず、一気に高音を出すこともあるので、意識して聞いてみてください。
高音域が閉鼻声
米津玄師は特に高音域で、フガフガとした閉塞感のある声になります。
高音を出す時は声が鼻で響いているような発声になり、鼻が詰まったような独特な声質が特徴です。
声帯で声を響かせ、しっかりと息を通すことで、やや曇った鳴りが生まれているのでしょう。
低音域ではクリアな発声をしており、高音のような閉鎖感はあまりありません。
細かなフェイク
米津玄師は歌の所々にフェイクを入れています。
「フェイク」とは、音程やリズムに細かい変化を加えたり崩したりするテクニックのことです。
短く伸ばす音の部分では、一瞬だけ微妙に音程を揺らすことでより印象的なメロディになり、耳に残りやすくなります。
曲の随所に短くフェイクを入れることで、米津玄師っぽい歌い方になるでしょう。
米津玄師の歌い方を真似するコツ
米津玄師の曲は映画やドラマとのタイアップも多く、幅広い年代から愛されています。
幅広い世代から愛されており、どんな場面でも歌いやすいので、カラオケで歌いたいという人も多いでしょう。
その時に本人っぽい歌い方ができれば、その場はさらに盛り上がりますよね。
ここからは、米津玄師の歌い方を真似するコツを紹介します。
発音中に音程を下げる
1つの音を発音している間に音程を下げることで、より米津玄師っぽい歌い方ができます。
米津玄師はしゃくりやフォールを多用するため、1音ずつはっきり歌うと彼のような歌い方にはなりません。
音程を滑らかに繋げるため、次の音を発音する前に徐々に音程を合わせていきましょう。
音と音のつなぎ目を意識せず、自然に繋げる意識で歌うのがおすすめです。
歌い出しの発声を曖昧にする
米津玄師の気だるさを出すためには、歌い出しの歌詞を曖昧に発音するのがおすすめです。
本来であればはっきりと発音するのが歌を上手に歌う鉄則ですが、これだとあまり米津玄師らしさは出ません。
特に歌い出しは特徴的で、本来の発音にハ行をプラスしたような発音になります。
「ハ」としっかり発音するとわざとらしくなってしまうので、息の量を多めすることで発音をぼやけさせましょう。
高音域でミックスボイスを使う
米津玄師は高音域でミックスボイスを多用しています。
裏声を使わずにミックスボイスで高音を出すことで、太い音で力強い発声が可能です。
ミックスボイスを使うと響きが良くなり、聴いている人も心地よくなります。
米津玄師の曲は言葉数が多いため、1つ1つの言葉の輪郭をくっきりさせるためにも重要なのです。
息と鳴りを鍛える
米津玄師特有の軽やかで柔らかい歌い方をするために、息の使い方と声帯の鳴りを鍛えましょう。
息を綺麗に吐くためには、声と声を連動させる「ドッグプレス」というトレーニングが有効です。
また、声帯の鳴りは「エッジボイス」や「タングトリル」などで鍛えましょう。
どちらかができていてもバランスが悪ければ本人っぽくならないので、両方バランスよく練習してくださいね。
歌い出しを強くする
歌い出しの発音は曖昧にしますが、音程はしっかり強く出しましょう。
曖昧に発音することで気だるさを演出できますが、音程まで曖昧になっていては聴く人の心は掴めません。
反対に、歌い出しさえしっかり出せていればその後の音程も滑らかに繋がりやすく、ある程度流れに乗って歌えます。
フレーズの強弱も付けやすくなるので、歌い出しは特にしっかり発声する意識で歌いましょう。
曲の展開をしっかり覚える
以上のことができたら、最後は曲を聴き込んで展開やメロディをしっかりと覚えましょう。
米津玄師の曲は言葉数が多く、1番と2番では歌いまわしが微妙に違ったりします。
また、難しいリズムや転調も多いため、そもそもしっかり覚えていないと歌いこなせません。
曲を聴き込むことで細かいニュアンスにも気づけるので、より本人っぽい歌い方に近づけるでしょう。
米津玄師の歌い方が特徴的な曲
米津玄師の歌い方の特徴を紹介しましたが、楽曲によって発声やリズムはさまざまで、幅広い表現ができるのも彼の魅力です。
歌い出しや曲中のフェイク、しゃくりなど、特有のテクニックを駆使した曲を歌いこなせばきっとカラオケでも注目されるでしょう。
最後に、米津玄師の曲の中でも歌い方が特徴的な楽曲を紹介します。
Lemon
2018年にリリースした曲で、米津玄師の代表曲といえば「Lemon」でしょう。
ドラマ「アンナチュラル」の主題歌として書き下ろされ、ビルボードチャートでは2018年の年間総合首位に輝きました。
ダークなAメロは声を張り上げず、フェイクやしゃくりを入れながら落ち着いた低音を意識しましょう。
サビは一気に音程が高くなり、動きが出るので1音ずつ丁寧に出す意識で歌ってください。
アイネクライネ
「アイネクライネ」は2014年リリースのアルバム「YANKEE」の収録曲で、東京メトロのCMソングとしても有名です。
特別キーが高いわけではありませんが、リズムの変化や音程の上下が激しいため、難易度は高いでしょう。
AメロやBメロでは息を多めに吐き、アンニュイな雰囲気を出すと米津玄師らしくなります。
ブレス(息継ぎ)の場所が難しいので、原曲を聴き込んで覚えるのも忘れないでくださいね。
Flamingo
2018年に発売した「Flamingo」は、SONYが発売したワイヤレスイヤホンのCMソングとして話題になりました。
ベースが印象的なトラックとしゃくりを多用した滑らかな歌い方がマッチして、おしゃれな雰囲気の曲になっています。
しゃくりやフェイクの意識はもちろん、演歌のこぶしのような歌いまわしや巻き舌など、細かい表現も再現できるように練習しましょう。
ピースサイン
2017年リリースの「ピースサイン」は、正統派のバンドサウンドが印象的な曲です。
疾走感があって爽やかなメロディは、米津玄師の楽曲の中ではかなり歌いやすい部類に入ります。
しゃくりやフェイクなど細かい表現は比較的少ないので、歌詞通りのストレートな歌い方を意識しましょう。
アップテンポな曲ですが、雑に歌わずに歌詞の言葉1つ1つを丁寧に発声すると気持ちが伝わりやすいですよ。
馬と鹿
「馬と鹿」は2021年リリースの4thアルバム「STRAY SHEEP」に収録されており、ドラマ「ノーサイド・ゲーム」の主題歌としても有名です。
ゆったりとした曲調のため、息が漏れた儚い歌声がより一層際立っています。
コード進行が独特でドラマチックな展開なので、曲を聴き込んで全体の流れをしっかり覚えてから歌いましょう。
orion
2017年リリースのシングル曲「orion」は、アニメ「3月のライオン」EDテーマ曲に起用されたバラードです。
夜空の星や宇宙を連想されるようなサウンドと、米津玄師の軽やかで浮遊感のある歌い方がマッチして幻想的な印象になっています。
フェイクやしゃくり、母音と子音をつなげた滑らかな発声を意識すると、原曲のような幻想的な歌い方ができるでしょう。
感電
ドラマ「MIU404」の主題歌に起用された「感電」は、ドラマの注目度と合わせて瞬く間に話題となりました。
ファンクやスカの要素を含んだサウンドと、米津玄師のおしゃれな歌詞と歌いまわしが特徴的です。
言葉数が多く音程の上下も激しいため、リズムや音程が狂わないように注意してください。
高音の張り上げや裏声を使う場面も多いので、原曲と自分の音域をしっかり把握しておきましょう。
米津玄師の歌い方は特徴的!歌い出しに気をつけながら曲に合った歌声を身につけよう
米津玄師は楽曲も歌い方も特徴的で、その中毒性にハマってしまう人が続出しています。
特に歌い出しを意識し、しゃくりやフェイクなど細かい表現を多用するのが上手く歌うコツです。
リズムや曲展開が難しい曲も多いので、曲を聴き込んでしっかり覚えてから歌いましょう。
上手く歌えるようになったら、カラオケで選曲に困る不安もきっとなくなりますよ。
この記事のまとめ!
- 米津玄師はしゃくりやフェイクを多用した、気だるい歌い方が特徴
- 低音は落ち着きがあり、高音は若干閉塞感がある特有の響き
- 特に歌い出しを意識し、所々であえて曖昧に発音すると本人っぽくなる
- 1つの発音で音程を上下させたり、ミックスボイスをうまく活用するのもコツ
- 展開やリズムが複雑な曲も多いので、しっかりと曲を聴き込もう