趣味のカラオケや歌が上手くなるためにボイストレーニングをしている人の中で、「地声が低くて高音が思うように出せない」と悩んでいる人がいるのではないでしょうか?
高い音域も安定してパワフルに歌えるようになれば、今まで苦手意識を持っていた音程が高い曲も楽しんで歌えるようになりますよ。
この記事でわかること
地声とは
一般的に地声とは、持って生まれた声や無理をしなくても出せる高さの声をさします。
「普段喋る時の声」「低めの声」「胸に響かせる声」「重くて太い声」などをイメージすると分かりやすいでしょう。
しかし、定義や意味は生理学、音声学、音楽学などによってそれぞれ異なるのです。
ここでは、地声を高くするために理解しておくべき裏声との違いや音域について解説します。
裏声との違い
声帯には筋肉部分と粘膜部分があり、それらを共に振動させて発するのが地声です。
楽に出せる音で「アー」と発声した際、喉には力が入っていないことが分かるでしょう。
対して裏声を出す時は、筋肉部分は振動せず、粘膜部分だけが振動しています。
高い音で「アー」と発声した時は、少しだけ喉に力が加わる感覚がありますよ。
地声を高くするには、2つの発声方法の違いを理解することが大事です。
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地声の音域
音域とは、歌う時に出せる音程の範囲をさします。
音域の幅にはそれぞれ個人差がありますが、基本的には男性は低く、女性は高いでしょう。
地声を高くするには、裏声を使わなくても高音が出せるように音域を広げていく必要があります。
地声の音域が伸びれば、高くて歌いにくい曲でも音程が外れにくくなり、声量も安定してくるのです。
男性の音域
男性の地声の音域は、低いG~高いAが目安と言えるでしょう。
これはボイストレーニングで発声する場合なので、実際に歌う時はもう少し狭い音域で、中間のC~高いAくらいになります。
地声を高くするには、高いAよりもさらに高音が出るように音域を広げる必要がありますよ。
裏声の音域は中間のD~高いDくらいが目安です。
こちらも実際に歌う時は音域が少し縮まって、中間の2G~高いDくらいになるでしょう。
女性の音域
ボイストレーニング中の女性の地声の音域は、中間の1F~高いC#あたりです。
実際に歌う時は中間の1G~高いCくらいまで、音域が狭くなる可能性があります。
高いC#よりもさらに高音が出るように音域を伸ばせば、地声を高くすることができますよ。
ボイストレーニング時の裏声の音域は、中間の2F~高いFくらいが目安です。
実際に歌っている時は高いBから高いEくらいになります。
地声を高くする方法
地声を上手く操ってミックスボイス(ミドルボイス)が作り出せると、プロの歌手のように力強い高音も出せるようになるでしょう。
そのためには、正しい方法で練習を重ねることが大切です。
次では、地声を高くする具体的な方法を4つ紹介していきます。
日々のボイストレーニングに取り入れて、少しずつ上達させていきましょう。
強い裏声を練習する
強い裏声が出るようにトレーニングすると、地声が高くなることにもつながりますよ。
裏声の練習をすると、輪状甲状筋と呼ばれる筋肉が鍛えられます。
これは高音を出す時に必要な筋肉ですが、裏声を出す時だけに作用しているわけではありません。
裏声によってしっかり鍛えられた輪状甲状筋は、地声を出す時にも働いて音域を広げてくれるのです。
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ハミングを練習する
練習にハミングを取り入れれば、地声を高くする時に大切な「鼻の空間を使う感覚」が分かるようになります。
ハミングとは「鼻歌」のことです。声を鼻に集中させるイメージで歌うと、鼻が響くのを感じられるでしょう。この感覚が地声で高音を出す時に大事なのです。
まず口を閉じて、鼻から息を吸います。
次に鼻から「ンー」と発声してください。
そうすると、鼻や口の奥の方に振動を感じるようになります。
ハミングの練習をして、さらにその流れを意識しながら実際に歌ってみると、徐々に音域が広がっていくのが分かるでしょう。
腹式呼吸を意識する
地声を高くするには腹式呼吸をマスターして、喉に負担をかけずに少しずつ音域を広げていくのがおすすめです。
お腹を使って呼吸をし、鼻先や頭のてっぺんから声が出ていくように意識してみましょう。
腹式呼吸は慣れるまで少し難しいですが、繰り返し練習することで、地声の音域の幅が広がる以外にも安定感や声量アップにつながります。
鼻腔共鳴を意識する
地声を高くするために、腹式呼吸をしながら鼻腔共鳴も意識するようにしましょう。
鼻腔共鳴とは鼻の奥にある鼻腔で声を響かせて、安定感や表現力を高める発声方法のことです。
鼻腔共鳴を意識しながら日々の練習をしていると、顎を引いて喉が上がらない姿勢が身に付き、実際に歌う時によく通る高音が出せるようになりますよ。
地声を高くするためのコツ
地声について理解を深め、正しい方法でボイストレーニングをしていると、高音を美しく響かせられるようになるでしょう。
さらに、ちょっとしたコツやポイントを押さえておくと、より一層効果的に音域を広げられますよ。
ここからは地声を高くするためのコツを4つ紹介するので、ボイストレーニング時に意識してみてくださいね。
喉をリラックスさせる
地声を高くするためには、喉をリラックスさせて歌うことが大切です。
高音の練習は喉に負担をかけてしまうことが多いので、喉に余計な力を入れず、声帯を痛めないようにして歌ってくださいね。
「フー」と深いため息をついた時、喉の筋肉がほぐれた状態になっているので、その感覚を意識しながら高音を出すように心がけましょう。
声を前に出す
低音を出す時よりも、さらに声を前へ前へと出すようにしながら練習しましょう。
地声を高くするためにボイストレーニングをしている時、高音部分ではまだ声量が弱く、力のない歌声になることが多いです。
高音はどうしても弱くて柔らかい声になりがちなので、息と一緒に声を前へ出す意識をすると、音が通りやすくなりますよ。
少しずつ音階を上げる
地声を高くする練習では、一気に無理をして高い音を出さず、徐々に音階を上げていくようにしてください。
出しやすい音を使って低い音程から発声練習をし、どこで声が出にくくなるのかを知りましょう。
限界値を把握しておけば、無理なく音域を広げていけます。
低めの声質を持っている男性も、少しずつ音階を上げていけば高音が出せるようになりますよ。
練習は母音でする
母音を使った発声は喉が開きやすいので、地声を高くする練習におすすめです。
喉が閉じるような詰まりやすい音は、高音の発声練習に向かないでしょう。
「あ」や「お」などの母音なら、声帯が開いて高音が通りやすくなりますし、息が喉から出ていく感覚も感じやすいです。
母音の発声練習を続けることで、高音域が安定して楽に歌えるようになりますよ。
間違った地声を高くする方法
地声を高くするには、地道にコツコツと練習を積み重ねることが大事です。
しかし、間違った練習方法で努力を続けてしまうと、上達するのに時間がかかるだけではなく、声帯を痛めたり歌い方に変なクセが付いてしまったりするかもしれません。
これから紹介する「間違った地声を高くする方法」に気を付けながら歌うようにしてくださいね。
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喉声で無理に歌う
地声を高くする練習で喉声を使って無理に歌うと、音域は広がらず、声帯を痛める原因となります。
喉声とは、喉に力が入りすぎた状態で歌うことです。
聴いている側にも無理しているのが伝わったり、不快感を与えたりする恐れがあります。
「力を入れないと高音が出ない気がする」と思う人がいるかもしれませんが、「力まず無理をしない」というのが正しい発声の仕方ですよ。
地声と裏声の切り替えをする
地声と裏声が上手く繋がっていない歌い方は、間違った練習方法です。
喉声を使ってそのまま高音を出そうとしたり、高音に差し掛かる時に力を入れすぎてバランスが崩れたりする、無理な発声の仕方は喉に負担がかかってしまうでしょう。
まずは「高音を出すためには切り替えが必要」という意識をなくし、スムーズな声の出し方をイメージしてください。
イメージができてやり方が掴めれば低音と高音が自然に繋がるので、地声を高くすることも可能です。
ずっと裏声で歌う
いつも裏声で歌っていると、裏声に必要な「声帯を伸ばす筋肉」ばかりが鍛えられて、地声に必要な「声帯を閉じる筋肉」が衰えてしまいます。
結果的に、地声を使って音域を高くする練習をしようとしても、上手く歌えなくなってしまうのです。
歌い方や発声方法に偏りがある人は、声帯を閉じる筋肉が衰えないように注意してくださいね。
地声を高くするには発声が大切!コツや方法を使ってカラオケで練習しよう
地声を高くするには、裏声との違いを知って、地声の出し方の理解を深めましょう。
強い裏声やハミングの練習などをすれば、音域が広がって高音の声量・音程も安定してきます。
「喉をリラックスさせる」「少しずつ音階を上げる」などのコツを意識しながら練習するのがおすすめです。
間違った方法で歌っていると、自分の喉を痛めたり上達に時間がかかったりするので、正しい方法で練習するようにしましょう。
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この記事のまとめ!
- 地声と裏声は発声法に違いがある
- 地声を高くするには強い裏声やハミングの練習がおすすめ
- 正しい練習法やコツを使って歌唱力をアップさせよう