あなたは「スタジオミュージシャン」という職業を知っていますか?
聞いたことがある人も、実際の仕事内容や収入についてはよく知らない人が多いでしょう。
今回はスタジオミュージシャンの実態を調査してみました。
この記事でわかること
スタジオミュージシャンとは
そもそも「スタジオミュージシャン」はどのような職業なのでしょうか。
スタジオミュージシャンとは、自分の所属するバンドやグループではなく、ソロの歌手や所属外のバンド・グループがCDのレコーディングを行う際のサポート演奏、もしくは、ライブツアーの際にバックバンドとして同行し、ライブサポートを行う役割を果たします。
このように、サポートする形で演奏をして、収入を得る職業のことをスタジオミュージシャンといいます。
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働き方
スタジオミュージシャンの働き方は大きく分けて2つです。
プロダクション所属
レコード会社のプロダクションなどに「スタジオミュージシャン」として所属すると、所属プロダクションから案件を紹介してもらえます。
メリットは、知名度が低いスタジオミュージシャンでも比較的案件をもらいやすいことです。
しかし、紹介してもらえるとはいえ、きちんと期待に応えないと、次の仕事にはつながらないので、実力をつけていくことや、将来的にフリーランスでの活動を目指すなら、個人での営業活動も必要になります。
プロダクション所属のスタジオミュージシャンは、企業に務めるサラリーマンのように月給制ではないので、わかりやすくいうなら完全歩合制のサラリーマンといったところでしょうか。
フリーランスよりも仕事がなくなるリスクは低いので、まずは実績を作りたいという方におすすめです。
フリーランス
一方、プロダクションには所属せず、フリーランスでスタジオミュージシャンの活動を行っている人もいます。
フリーランスの最大のメリットは利益が高いことです。
本来プロダクションに抜かれてしまう利益も自分のものになるからです。
すでに、あらゆるところに太いパイプがある方や、指名が入るほどの実力がある方に関しては、フリーランスの方が利益率が高いので稼ぎやすいといえるでしょう。
ただ、営業活動やスケジュール組み、金額交渉や経理なども自分自身で行う必要があるため、音楽活動以外のことが負担になってしまう可能性があります。
スタジオミュージシャンの収入
そもそもスタジオミュージシャンになると、どれくらい稼げるようになるのでしょうか。
特別定まっていない
大前提としてスタジオミュージシャンは自由業です。
そのため、収入はピンからキリまでというのが正直なところです。
あくまでも目安ですが、新人の場合の相場は、レコーディングのサポートで時給約6,000〜9,000円、ライブのサポートで1日約20,000〜30,000円、作曲をすると、全体の1.5%を印税としてもらえるといわれています。
スタジオミュージシャンの仕事内容
主にCDなどのレコーディングをする際に、録音スタジオで楽器を演奏しサポートを行います。
レコーディングをするものであれば全ての音楽が対象で、ソロ歌手やバンドの音楽だけでなく、映画やCMの音楽・BGM、ゲーム音楽、ミュージカルや芝居の音楽など、あらゆる録音が対象になります。
バンドや歌手活動をしている方の場合、楽器を演奏することはできても、楽譜を読むことができないという方は非常に多いです。
しかし、スタジオミュージシャンは、当日渡された楽譜をその場で演奏する必要があるため、卓越した演奏技術だけでなく、譜面を読む能力も必要になります。
また、録音の際に、その場で初対面のアーティストや、同じスタジオミュージシャンとセッションをするため、現場での振る舞い方も重要です。
その対応によって次の仕事につながる可能性もあるため、他の演奏者とのコミュニケーション能力も必要になります。
スタジオミュージシャンになるために必要なこと
ここまでスタジオミュージシャンの実態について探ってきました。
それでは、実際にスタジオミュージシャンになるためには、なにをすればいいのでしょうか。
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高い演奏技術
まず、フリーランスにしてもプロダクションに所属するにしても、大前提として高い演奏技術が必要になります。
プロダクションに所属していても、実力がなければ事務所が売り出してくれません。
案件を獲得できるかどうかは「演奏技術の高さ」で8割決まるといっても過言ではありません。
また、できる楽器が多ければ多いほど需要が高まります。
定番のギターやベース、ドラムにキーボードだけでなく、ちょっとマニアックな楽器まで演奏できるようになると仕事の幅も大きく広がります。
即興性があってアドリブ対応ができる
先ほど、楽譜を読む能力が必要とお伝えしてきましたが、その場にあわせて演奏できる即興性やアドリブ能力が求められる場面も非常に多いです。
楽譜通り忠実に演奏する能力も重要ですが、その場その場で対応できるように、さなざまなジャンルの音楽を聴くようにしましょう。
演奏テクニックやリズムパターンの引き出しを増やし、柔軟性を鍛えることも同じくらい必須の能力といえるでしょう。
実績・知名度・コミュニケーション能力も大事
スタジオミュージシャンとしてしっかり稼ぎ続けるためには、実績・知名度・コミュニケーション能力の3つも非常に重要です。
実績がないとなかなか仕事は依頼されませんし、知名度がなければ案件ごとの単価も上げにくいです。
また、コミュニケーション能力がなければ、扱いにくいというレッテルを貼られて、その噂が広がると呼ばれなくなってしまうこともあるでしょう。
フリーランスもプロダクションに所属している人も、自由業であることには変わりありません。
自由業で稼げるようになるためには、以下のような流れに乗らなければいけません。
- 仕事をもらう
- 結果を残し、仕事を継続してもらえる
- 実績や知名度がつく
- あたらしい仕事が増える
このようないい流れが作れると、依頼数が増えて、一件あたりの単価も上げられて、食べていけるスタジオミュージシャンになれるでしょう。
有名なスタジオミュージシャン
ここでは、有名なスタジオミュージシャンを楽器別に紹介していきます。
スタジオミュージシャンに興味がある方は参考にしてみてください!
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【ドラム】村上ポンタ秀一
まずは、村上ポンタ秀一さんです。
国内の音楽界の第一線で長い間活躍しているドラマーで、ジャズを得意としています。
ジャズ以外にロックや歌謡曲など幅広いジャンルの楽曲を叩きこなすことができるのも強みです。
これまで、山下達郎さんや井上陽水さん、吉川晃司さんなど、大物歌手のバックで演奏してきている、技術も実績も抜群のドラマーです。
【ベース】種子田健
続いて、楽曲の中で重要な役割を担う重低音、ベースです。
日本で最も忙しいベーシストとも言われる種子田健さんは、有名アーティストのライブやレコーディングを数え切れないほどサポートしています。
また、彼の特徴はジャンルの幅広さで、アイドル・ジャズ・メタルなどのサポートもこなします。
アニメの劇中歌のレコーディングにも参加しているので、気づかぬうちに彼の演奏に触れているかもしれません。
【ギター】松本孝弘(元スタジオミュージシャン)
「松本孝弘」という名前をみてピンときた人も多いのではないでしょうか?
そうです、日本で知らない人はいないといっても過言ではない有名アーティスト「B’z」のギタリストです。
グラミー賞を受賞するほどの腕前を持つ、日本が誇る最強ギタリストは、もともとスタジオミュージシャンでした。
実はB’zを結成してからも、しばらくはスタジオミュージシャンをしていたそうです。
スタジオミュージシャンは楽な世界ではない
いかがでしたか?
スタジオミュージシャンの実態について調査してみた結果、その世界は想像以上に厳しい世界だということがわかりました。
また、この記事をきっかけに、普段聴いている音楽はスタジオミュージシャンがいて成立していることを知った方は、また違った音楽の楽しみ方ができるのではないでしょうか。
この記事のまとめ!
- スタジオミュージシャンはレコーディングやライブを演奏でサポートする仕事
- スタジオミュージシャンになるには、プロダクション所属とフリーランスの2つの方法がある
- 高い演奏能力の他に、実績や知名度、コミュニケーション能力が必要