“邦楽ロック界の伝説”といっても過言ではないバンド「THE BLUE HEARTS」。
解散から20年以上がたった今でも、老若男女問わず幅広い世代から愛され続けています。
今回はそんなブルーハーツの人気曲を厳選してピックアップ。
この記事でわかること
THE BLUE HEARTSの人気有名曲7選
まずは「これだけは押さえておきたい!」というブルーハーツの超・有名曲をご紹介。
どの曲もきっと耳にしたことがあると思いますが、各曲の魅力を改めてチェックしましょう!
リンダリンダ
『リンダリンダ』は1987年にリリースされたブルーハーツのメジャーデビューシングル。
同曲をモチーフにした映画や舞台、書籍が制作されるなど、音楽の域を超えて支持され続ける名曲です。
そんな「リンダリンダ」といえば「リンダ」という謎の歌詞や暴れまくる甲本ヒロトの姿が印象的。
どうしても「リンダって何?」「ボーカルやばくない?」なんて感想に落ち着きがちですが、それで終わるのは勿体無いので要注意。
「リンダ」以外の歌詞、特に後半部分はLIKEもLOVEも凌駕する強い思いが歌われているので、ぜひ意味を考えながら聴いてみてください。
TRAIN -TRAIN
『TRAIN-TRAIN』は1988年にリリースされた楽曲。
旅番組などで電車に乗るシーンでよく使用されているため、聴いたことがある人は多いはず!
よく聴くフレーズ「トレイントレイン〜♪」以外の歌詞に注目しながら聴いてほしい一曲。
歌詞の内容がとにかく温かくて深く、別に悩んでいなくても「自分は価値のある人間なんだな」「もっと素直に生きたい!」なんて思ってしまいます。
また、同曲は細やかでいて激しいキーボードの音も魅力的なポイント。
「TRAIN-TRAIN」はキーボードなしでは成り立たない一曲と言っても過言ではないほどいい味を出しているので、ぜひ注目してみてください。
終わらない歌
『終わらない歌』は、今ほどコンプライアンスが厳しくなかった時代でも違反になった名曲。
歌詞の一部が削除されていることが有名ですが、よく聴いてみるとそれ以外の部分も「クソッタレ」「クズ共」と令和ならアウトになりそうな箇所がある一曲です。
「ロックってそういうもんだよね」と思う人もいるかもしれませんが、同曲は荒々しい言葉遣いに“ロック”を感じるだけで終わってほしくない名曲でもあります。
というのも、Aメロで歌われている心の内側は結構繊細なのです。
そしてその心の内が過去形で歌われているのもポイント。
悲しいことや苦しいことがあったけど、今こうして前を向いている…そんなストーリー性に注目です。
情熱の薔薇
『情熱の薔薇』もブルーハーツを語る上で外せない名曲の一つ。
1990年にリリースされて以降、数多くのタイアップを受けたり、様々なアーティストにカバーされたりと愛され続けています。
そんな同曲の魅力は、わかりそうでわからない歌詞。
曲中で「そんな気持ちわかるでしょう?」と尋ねられますが、正直なところ100%はわかりません。
しかしその答えがわかったら何かが完成される気がして、むしろわからないままでずっと追い続けたくなる点が魅力的なポイント。
みなさんも心のずっと奥の方にある大切なものを、「情熱の薔薇」を聴きながら育て続けましょう。
人にやさしく
『人にやさしく』は、ブルーハーツのインディーズ時代の楽曲です。
「気が狂いそう」という歌詞がインパクト抜群ですが、精神崩壊を歌っているわけではなく、老若男女全ての人を励ます応援歌となっています。
特に元気をもらえるのが、楽曲後半で歌われる「期待外れの言葉の裏側には『ガンバレ』が隠れている」という旨の歌詞。
「自分を怒ったあの上司も、がんばれって思ってるのかなぁ」と思うと、「怒ってくれてありがとう…」とすら思えてしまいます。
失敗して落ち込んでいるとき、大音量で聴いたり大声で歌ったりするのがおすすめです。
青空
『青空』といえば、ブルーハーツの名バラードです。
混沌とした感情を歌った歌詞や虚無感と温かさが入り混じったメロディ。
そして甲本ヒロトのハスキーボイスが相まって、聴くとなぜかセンチメンタルな気分になる一曲です。
そんな同曲の中でも特に心に響くのが「生まれた所や皮膚や目の色で〜」というフレーズ。
人種差別を思い浮かべる方も少なくないと思いますが「見た目だけで何がわかるんだ!」という怒りは意外と抱いたことがあるもの。
自分ごとだと思って聴き直すと、さらに心に染み入ります。
無意味にセンチメンタルになりたいとき、黄昏たいときなどに聴くのもアリでしょう。
夢
『夢』は1992年ごろにリリースされた楽曲です。
同曲の魅力といえば、歌詞とメロディから感じる溢れんばかりのパワー。
楽曲のどこを切り取っても夢に向かうワクワクやドキドキを感じられ、同じく夢や目標を抱えているときに聴くとかなり前向きになれる一曲です。
「頑張ろう!」と奮い立たせるのではなく、夢に向かって進むことを楽しませてくれるのが魅力的なポイント。
「頑張れ」を押し付けない感じが素敵です。
ちなみに、夢や目標がないときに聴くと「夢がほしい!」と思えます。
結論、どんな状況で聴いても前向きになれる名曲です。
THE BLUE HEARTSの隠れた名曲7選
続いてはブルーハーツの隠れた名曲を7曲ピックアップ。
“隠れた”と言うには有名すぎる楽曲も含まれていますが、ぜひお気に入りを探してみてください。
歩く花
実はラブソングも少なくないブルーハーツですが、その中でも特にキュンとするのが『歩く花』。
“ロックのラブソング”といえば勢いに任せて愛を叫ぶイメージがあるかもしれませんが、同曲は歌詞もメロディも非常に繊細で優しいのが印象的です。
しかも「愛してる」「好きだ」なんてフレーズは一度も出てこないのに「ずっとこの人と一緒にいたい!」という気持ちがしっかり伝わってきます。
2018年に結婚情報誌「ゼクシィ」のCMソングに起用されたため、耳にしたことがある人も少なくないはず。
ぜひこれを機に、歌詞に注目しながら聴き直してみてください。
イメージ
続いて隠れ名曲として紹介したいのが『イメージ』です。
楽曲の背景には、社会問題に対するメッセージがあると考察されることもありますが、もっと気楽に聴いても楽しめる一曲。
たとえば冒頭の歌詞は「仕事だるいなぁ」と思った瞬間に響きます。
また「中身がなくてもイメージがあればいい」というメッセージは「夢ばかり見てないで現実を見ろ」なんて怒られたときに励まされるでしょう。
「イメージさえあればどんなことでも実現できるのでは?」と前向きになれると同時に、理想が高いことを恥じず『イメージ』を聴きながら頑張りたくなります。
夕暮れ
『夕暮れ』も隠れ名曲として根強いファンが多い一曲。
ミディアムテンポの穏やかな曲調で、タイトル通り夕方や帰り道に聴きたくなります。
しかも、歌詞が最初から最後まで肯定的なのが魅力的なポイント。
白黒つけなくてもなんとなく幸せになれるし、決してひとりぼっちじゃないし、こうして悩んでいる今日も僕たちはしっかり生きている…。
落ち込んでいるときに聴けば疲れた心にそっと寄り添ってくれますし、満たされているときに聴けば幸せを改めて噛み締めさせてくれます。
夕暮れどきの街を歩くときはぜひこの曲を聴いて、自分の人生や生き様を肯定してみてください。
ダンス・ナンバー
『ダンス・ナンバー』はまるで弾丸のようなスピード感が印象的な楽曲。
しかもタイトルから連想されるおしゃれなダンスナンバーではなく「人の目なんか気にするな!カッコ悪くたっていいんだ!」というメッセージが込められたロックな一曲です。
楽曲自体は約1分30秒と非常に短いものの、聴くとガッツリ奮い立たされます。
また、同曲は「君のことを笑う奴はトーフにぶつかって死んじまえ!」という歌詞がなんともユニーク。
「死んじまえ」なんて荒々しい感じもしますが、ぶつかるものに「トーフ(=豆腐)」をチョイスしているところに若干の優しさを感じます。
誰も傷つけないところもまた、ブルーハーツの魅力なのかもしれません。
僕の右手
ブルーハーツはぶっ飛んだ歌詞の楽曲が少なくないものの、その中でも冒頭からドキッとするのが『僕の右手』です。
あまりの衝撃に「ホラー?」なんて思うかもしれませんが、実は同曲はMASAMというバンドマンをモデルとして作られた楽曲。
といっても甲本ヒロト本人は同曲に対し「そういえばリンクするところがあるかもしれない」という旨のコメントを出していますが、MASAMは実際に甲本ヒロトに関連する人物。
MASAMは幼少期に事故で右手を失っているため、心のどこかにあった彼の姿が反映されているのでは?と言われています。
ちなみに、同曲の後半は前向きな歌詞が印象的。
「どんな状況でも頑張ろう」と励まされるので、最後まで聴いてみてください。
月の爆撃機
『月の爆撃機』は、ブルーハーツの中でも比較的後期に発表された楽曲。
非常に抽象的な表現が印象的で、サラッと聴くと「ん?なんの曲?」と疑問に思う人も多いことでしょう。
そのよくわからない感じに浸るのもブルーハーツの楽しみ方の一つです。
しかし意味を考えながら聴くと「人生の決定権は自分にある」という強いメッセージを感じる一曲でもあります。
特に、冒頭の部分には「自分の意思決定には理屈も法律も友達も恋人も関係ない!」というメッセージが込められているようで、聴くと気持ちが強くなりそうです。
気持ちが揺らいでいるときに聴くと、心の支えになるかもしれません。
レストラン
“知る人ぞ知る隠れ名曲”といっても過言ではないのが『レストラン』です。
同曲はブルーハーツが有名になるずっと前からライブで演奏され続けている楽曲。
歌詞も非常に独特で「明日保健所が来たら捨てられちゃうよね僕たち」のフレーズから、野良犬や野良猫視点の楽曲ではないかと言われています。
ただ、冒頭では「レストランに行きたい」と歌われているのが奇妙なポイント。
あくまで考察ですが、“野良犬のような生活をしている自分”を歌っているのではないかとも思われます。
そんな歌詞からは想像もできないくらいキャッチーなメロディなので、知らない方はぜひチェックしてみてくださいね!
THE BLUE HEARTSファンが選ぶ必聴曲7選
最後に、ブルーハーツのファンから根強い支持を集め続ける7曲を紹介します。
パンクな名曲や泣ける人気曲など、それぞれの曲からブルーハーツの魅力を存分に感じましょう!
キスしてほしい(トゥー・トゥー・トゥー)
『キスしてほしい(トゥー・トゥー・トゥー)』も、ブルーハーツを代表するラブソングの一つです。
どうしても「トゥー・トゥー・トゥー」という耳馴染みのいいパートに意識を奪われがちですが、それ以外の歌詞がとても素晴らしいのがこの曲の魅力。
『歩く花』と同じく「愛してる」や「好き」というわかりやすい愛情表現はないものの、意中の人を思う気持ちがひしひしと伝わってきます。
その中でも特に注目したいのが「生きているのがすばらしすぎる」という歌詞。
確かに恋をするとワクワクするものですが、それを「生きてるって素晴らしい!」と表現するのは甲本ヒロトだからなせる技と言えるでしょう。
少年の詩
『少年の詩』は、全世界の優等生が衝撃を受けるであろう名曲。
「いい子=正しい」が一般常識かと思いますが、そんな常識に対し「ただ大人たちにほめられるようなバカにはなりたくない」というフレーズで一石を投じています。
「あれ…いい子でいるだけじゃダメなんだ…」なんて感化される人は少なくないはず。
また、同曲を聴くとヤンチャな人たちの気持ちがなんとなくわかる点も面白いです。
そしてもう1点注目してほしいのが、楽曲最後の部分。
「いろんなことが思い通りになったらいいなぁ」という夢見心地なぼやきを、メンバー・真島昌利のギターが見事に引き立てています。
彼らの表現力にも驚かされる一曲です。
ラブレター
『ラブレター』はブルーハーツを代表する失恋ソング。
本当なら一緒にいるはずだった「あなた」がそばにいないことを悲しみつつも、「あなた」の幸せを願う歌詞がとにかく切ない一曲です。
また、バラードだからこそ際立つのが甲本ヒロトのハスキーボイス。
しっかり聴き込むと「甲本ヒロトってこんなにいい声してるの!?」と改めてボーカリスト・甲本ヒロトの魅力に気付かされます。
この美声を認識した上で他の楽曲を聴くと、ロックな楽曲も印象がガラリと変わるので要チェック。
「ブルーハーツって勢いだけじゃないんだ…」と思わせてくれる名曲です。
TOO MUCH PAIN
『TOO MUCH PAIN』も、ブルーハーツを代表する名バラード。
ノリノリで聴ける楽曲ではない分、コアなファンから愛され続ける一曲です。
そんな同曲で歌われているのは、誰かとの別れ。
「白い肩」というフレーズがなんとなく女性を連想させますが、実際のところ友達なのか恋人なのかはわかりません。
ただ、その人との関係が「もう戻ることはない」と歌われているのが切ないポイント。
一人でどっぷりと浸りたくなるような楽曲です。
『TOO MUCH PAIN』では甲本ヒロトのハーモニカもたっぷり聴けるので、ぜひ注目してみてください。
チェインギャング
『チェインギャング』はギター・真島昌利が歌うブルーハーツの楽曲。
しゃがれ声がなんともいえないカッコ良さで、歌い出しからグッと心を掴まれます。
また、同曲は甲本ヒロトのハモリとハーモニカも聞き逃さないでほしいポイント。
それぞれの個性は全く異なるのにもかかわらず、すべてが見事にマッチしており、本当に「素晴らしい」の一言につきます。
甲本ヒロトと真島昌利はブルーハーツ解散後から現在まで一緒にバンド活動を続けていますが、二人の相性の良さをひしひしと感じられる一曲。
ぜひ何度もリピートし、それぞれを聴き分けながら『チェインギャング』の良さを感じてみてくださいね。
1000のバイオリン
『1000のバイオリン』は「ヒマラヤほどの消しゴムひとつ」という歌い出しがインパクトたっぷりの一曲。
「迷曲では…?」と思う人もいるかもしれませんが、その後の歌詞を追っていくと「何かやってやろう!」というワクワク感に満ちた楽曲であることがわかります。
「台無しにした昨日は帳消し」「思い出はアイスクリームみたいに溶けた」という、過去にとらわれない前向きな歌詞も魅力的なポイント。
ちなみに、ブルーハーツには『1001のバイオリン』という楽曲もありますが、そちらは『1000のバイオリン』のオーケストラバージョンです。
聴き比べも楽しんでみてくださいね。
ロクデナシ
『ロクデナシ』は、やさぐれているときや心が荒んでいるときに聴きたい楽曲。
「不貞腐れずに前向こうぜ!」なんて綺麗事で応援するのではなく、「そのままで十分だぜ」とガッチリ寄り添ってくれます。
コンプライアンスが厳しくなっている現代では「役立たず!」なんて罵られることはまずないと思いますが、要領や愛想の悪さから自分のことを嫌いになる人は少なくないはず。
しかし、ブルーハーツに言わせれば「誰かに合わせて自分を殺すことはない」のです。
荒んだ心には特に染み入りそうなメッセージですよね。
カラオケで思い切り歌うとストレス発散になるのでおすすめです。
THE BLUE HEARTは名曲揃い!多くのロッカーが憧れるパフォーマンスにも注目!
以上、ブルーハーツの名曲を紹介しました。
『リンダリンダ』や『TRAIN-TRAIN』などの定番曲が良いのはもはや常識。
魅力的な楽曲はまだまだたくさんあるので、シングル曲・アルバム曲問わず聴き込んでみてください。
ちなみに、ブルーハーツの魅力に浸るポイントは一歩踏み込んで聴くこと。
ギョッとするようなアクションやキャッチーな歌詞&メロディに心を奪われがちですが、魅力はそこだけではありません。
声良し、演奏良し、メッセージ性抜群、表現力満点…と、素晴らしいところは他にもたくさん!
まずは知っている曲から、もう一度フラットな気持ちで聴いてみてくださいね。