自分が歌った歌をネット上にアップしてたくさんの人に見てもらう「歌ってみた」は、歌うのが好きな人なら一度はやってみたいと思ったことがあるのではないでしょうか?
しかし、「歌ってみた」を投稿して歌い手となるには何を用意してどうすればいいのか分からないという人がほとんどでしょう。
この記事でわかること
「歌ってみた」とは
「歌ってみた」とはニコニコ動画やYouTubeなどの動画配信サイトで、投稿者が肉声で歌った音源を投稿する際に使われる音楽ジャンルの総称です。
オリジナル曲、カバー曲、伴奏の有無などの細かな条件は存在せず、肉声の歌声による投稿は全て「歌ってみた」カテゴリーに該当します。
自分の歌を投稿するという音楽ジャンルはパソコン通信時代から存在しましたが、特定のジャンル名はありませんでした。
「歌ってみた」という音楽ジャンルが確立したのは、2007年のニコニコ動画内での公式カテゴリー化がきっかけです。
【初心者向け】歌ってみたを始めるのに必要なおすすめ機材とソフトを解説
歌ってみたの作り方
「歌ってみた」を始めたいけど、何から手をつければいいのか分からないという人は多いのではないでしょうか?
「歌ってみた」を作るには、必要な道具を揃えて歌を録音して動画配信サイトに投稿するという手順が必要です。
初心者歌い手はまず動画投稿までの正しい方法を覚えて、自身の歌声を世界に発信する基礎作りを行いましょう。
初めて「歌ってみた」を投稿する人にも分かりやすく、必要なものと録音方法と投稿方法について詳しい方法を解説します。
【初心者もスマホで簡単】歌ってみたを作るときに最適な場所と録音方法とは
必要なものを準備する
「歌ってみた」を投稿するには、必要なアイテムを用意しなければなりません。
最低限揃える必要があるアイテムは、録音や編集を行う機材と歌うためのカラオケ音源、そして投稿の際に使用するアカウントです。
それぞれどんなアイテムが必要なのか、どこで手に入るのか、アカウントはどうやって登録するのかをチェックしましょう。
機材
自分の声を録音したり、音を編集するには専用の機材が必要です。
例えば、声を拾うためのコンデンサーマイクや編集やアップロードをするためのパソコン、マイクとパソコンを繋ぐためのオーディオインターフェースなどが機材の中に含まれます。
機材と言っても「歌ってみた」に使える機材はたくさんあり、商品を見ていると色々揃えたくなってしまう人も多いでしょう。
しかし、全部揃えるにはお金がかかってしまうため、初心者は録音と編集ができる最低限の機材でレコーディングに慣れることから始めてみてください。
カラオケ音源
「歌ってみた」には伴奏となるカラオケ音源が必要です。
しかし、使用できる音源は作成者が「歌ってみたで使用してもOK」と明言しているものだけに限ります。
投稿&コラボサイトのPiaproにボーカロイド系のカラオケ音源が多数投稿されているので、自分が歌いたい曲を探してみましょう。
Piaproに無い音源は曲を作った本家が動画の概要欄で配布していたり、Dropboxで配布してる場合があるのでこれらのルートで探してみてください。
動画サイトのアカウント
動画配信サイトのアカウントも、「歌ってみた」を投稿する時に絶対に必要なものとなります。
動画配信サイトはたくさんありますが、初心者はメジャーでPV数も増えやすいニコニコ動画やYouTubeへの投稿がおすすめです。
ニコニコ動画もYouTubeもアカウント登録だけなら無料なので、どちらに投稿するか迷っている人はとりあえずどちらともアカウントを取得しておきましょう。
- YouTube
YouTubeで投稿するには、まず視聴者としてのアカウント登録を済ませましょう。
- 公式サイトの右上にある「ログイン」ボタンを押して登録してください。
- Googleアカウントが連携されていればすぐにログインできます。
- ログインできたら右上のアイコンを押して「クリエイターツール」という項目をクリックしましょう。
- すると「チャンネルを作成する」というボタンが現れるので、チャンネル名や概要を記入してチャンネルを作ります。
- ニコニコ動画
- ニコニコ動画の会員登録は公式サイト右上にある「ニコニコ会員登録」というリンクから行います。
- 新規登録のページには「プレミアム会員」と「一般会員登録(無料)」という選択肢があるので、「一般会員登録(無料)」を選択してください。
- 次のページでメールアドレスを入力すると、仮登録用のURLが記載されたメールが届きます。
- URLをクリックしてプロフィールを記載し、「規約に同意し登録」を押せばアカウント登録が完了です。
自分の声を録る
必要なものが揃ったら、いよいよ自分の声を録音しましょう。
録音するにはDAWソフトと呼ばれるソフトウェアが必要になります。
DAWとは音の録音を始め、編集やミキシング、編曲などが行える音声編集ソフトです。
無料のソフトもあるので、使いやすいものを探して使ってみましょう。
録音はマイクを繋げたパソコンで行うか、スマートフォンで行うかの2通りになります。
カラオケ音源を流しながら歌を歌う方法は音質が悪くなり編曲やミキシングもしづらいので、音源はヘッドホンで聞いて自分の声だけ録音する方法がおすすめです。
カラオケ音源と声を合わせる
歌声の録音が終了したら、DAWを使用してカラオケ音源と肉声を合わせる行程に移ります。
「歌ってみた」界隈では、この行為をMix(ミックス)と呼びMixのみを専門で行うMix師という人達も存在します。
もちろん自分自身でMixすることもできますが、DAWの使い方が分からなかったり歌声と音源を聞きやすくミックスできなかったりするため、初心者には難易度が高めです。
初心者はMix師に依頼して、自分の声が一番映えるMixを作ってもらいましょう。
Mix師には無償で依頼を受けている人と、有償で請け負っている人がいるので依頼する時はよく確認してくださいね。
動画と音声を合わせる
音源のMixが完成したら、動画と音声を合わせるエンコードを行います。
オリジナルで動画制作から行うこともできますが手間と時間がかかるため、まずは本家の動画に自身の音源を重ねるエンコードから始めましょう。
エンコードも自分自身で行うことは可能ですが、複雑な技術が必要です。
エンコード師と呼ばれる専門の人に依頼した方が、完成度の高い動画が作れるでしょう。
動画サイトに投稿する
動画が完成したら、YouTubeやニコニコ動画に投稿(アップロード)してみましょう。
この時動画の概要欄に本家やMix師、エンコード師など動画を作るにあたって協力してもらった人の名前を載せてお礼を添えるのが「歌ってみた」マナーになっています。
協力が無ければ動画は完成しなかったので、感謝の気持ちを込めて概要欄に記載しましょう。
- YouTube
- YouTubeに動画をアップロードする時は、作成したチャンネルの右上にあるビデオマークをクリックします。
- 表示された選択肢から「動画をアップロード」という選択肢を選び、ファイル選択画面に移動しましょう。
- 投稿したい動画を開くか画面にファイルをドラッグ&ドロップすると自動でアップロードが始まります。
- ネットワークの混雑状況によってアップロードの時間が変わるので、朝昼や平日など利用者が少ない時間の投稿がおすすめです。
- 動画を投稿する際には、タイトルや概要、タグの他に、サムネイル画像を選択できます。
- サムネイル画像とはYouTubeで動画を検索した時に表示される小さな画像のことです。
- 再生数にも影響するので視聴者の目を引くきれいな画像を用意しましょう。
- サムネイルのサイズは16:9なので1280×780や1920×1080のサイズがおすすめです。
- ニコニコ動画
- ニコニコ動画に「歌ってみた」を投稿するには、公式サイトの右上にある動画投稿というボタンをクリックしてください。
- 動画のファイルを選択する画面に移動するので、そこに自分の動画を開き、投稿ボタンをクリックすれば自動でアップロードが始まります。
- タイトルや概要、タグはアップロード中に記載しておきましょう。
- また、ニコニコ動画にはコンテンツツリーという独自のシステムがあります。
- ここに本家の動画を追加しておくことで、「この動画は本家動画の派生作品です」として伝えられ、本家にも二次利用したことが伝わるのでなるべく利用しましょう。
歌ってみたを作る時の注意点
「歌ってみた」は他者が作った音源や動画に自分の声を合わせて動画を作るパターンが多いので、著作権や許諾の有無に注意しなければなりません。
軽い気持ちで音源を使用すると、著作権侵害問題に発展する可能性もあるのです。
その他に、録音時の騒音トラブルについても気にしておきたいポイントがいくつかあります。
気持ち良く「歌ってみた」動画を投稿するために、それぞれの注意点をチェックしておきましょう。
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市販のCD音源は使用しない
市販のCDには、ボーカルを抜き取ったカラオケ音源が収録されていることも多いですよね。
この音源を「歌ってみた」に使おうと思っている人は多いかもしれませんが、市販のCD音源は「歌ってみた」で二次使用することはできません。
音源そのものに著作権が存在するので、万が一使用してしまうと著作権侵害になってしまうのです。
カラオケ音源は二次使用が許可されたものや、「歌ってみた」のために配布されているものだけを利用しましょう。
包括契約について確認する
「歌ってみた」で歌いたい曲がある場合、著作権団体と配信サイトの間に包括契約が結ばれているかを確認しましょう。
包括契約とは、「著作権団体が管理している作品の利用を一括で許可する」という契約です。
例えば、YouTubeやニコニコ動画はJASRACやNextoneと包括契約を交わしているので、2社の管理している楽曲であれば「歌ってみた」で使用できます。
ただし、曲そのものが包括契約を結んでいる著作権管理団体に管理されていない場合は対象外となるので、各社のデータベースで検索して調べることも忘れずに行いましょう。
著作者の許諾があるか調べる
著作権管理団体が管理していない音源の場合、著作者が二次使用の許諾を出しているかを確認しましょう。
特にボカロ曲などは管理されていないものが多く、ボカロPと呼ばれる著作者のHPやSNSなどに使用について記載されている可能性があります。
著作者が許諾していない場合、使用すると著作権侵害にあたるので「歌ってみた」を投稿することはできません。
音漏れ対策をする
自宅でのレコーディングは音漏れしやすく、近所迷惑の原因となります。
録音する時は、なるべく外部に音漏れしないように対策を徹底しましょう。
まず、録音で使う部屋は窓もドアもきっちり閉めてください。
隙間があると音漏れしやすいので、戸当たりテープやスキマテープなどを活用するのもおすすめです。
自室の防音精度を高めたいのであれば、後付けで壁に貼れる防音材を利用する方法もありますよ。
カラオケでは録音しない
カラオケはレコーディングする場所として最適なんじゃないかと、思っている人が多いかもしれませんが、カラオケの部屋は録音には適していません。
録音で大切なのは、マイクが自分の声以外の雑音を拾いにくい静かな空間です。
カラオケは隣の部屋や廊下の音がうるさく、不要なノイズが録音に混ざりやすくなってしまいます。
さらに、空調や室内機器から発生する機械音もノイズの原因になるのです。
歌の練習でカラオケを利用するのはおすすめですが、レコーディングでの使用は避けておきましょう。
歌ってみたの作り方は意外と難しい!初心者はMIX師やエンコード師に頼ろう
「歌ってみた」は自分で歌った曲を、世界中に発信できる音楽ジャンルです。
投稿を続けていけば人気が出てファンが増えたり、他の歌い手との交流が生まれたりと新しい世界が広がっていくでしょう。
しかし、「歌ってみた」で使う音楽ソフトは初心者には難易度が高いものばかりです。
技術が無くて自分の歌を投稿できない人は、MIX師やエンコード師にMIXや動画編集を頼るのもおすすめですよ。
この記事のまとめ!
- 「歌ってみた」とは自分で歌った曲を動画にして配信サイトに投稿する音楽ジャンル
- 「歌ってみた」を投稿するにはマイクやパソコンなどの機材の他にカラオケ音源や配信サイトのアカウントが必要
- カラオケ音源は著作権管理団体や管理者の許諾が出されている二次使用できるものを使おう
- 「歌ってみた」の録音をする時は雑音が少なく音漏れしにくい環境を作ろう
- 初心者の内は専門のMix師やエンコード師を頼って効率的に動画を制作しよう