歌が上手くなりたい、カラオケで好きな曲を歌いたいと練習している人の多くが最初につまずくのは、高音の出し方ではないでしょうか。
歌いたい曲があるけれど、キーが高くて上手く歌えないという経験は誰にでもありますよね。
そこで今回は、高音が出ない原因や、高音を出すのに効果的な発声練習の方法、さらに、おすすめの練習曲をご紹介します。
高音が出ない人の特徴
高音が出ない人の持つ特徴は、高音を出そうとすると
- 「喉が痛くなる」
- 「声が裏返る」
- 「声が枯れる」
この3つではないでしょうか。
3つのうちのいずれかに当てはまる人は、なぜそのような状態になってしまっているか原因を解明してみましょう。
喉が痛くなる
高い声を出すとき喉が痛くなってしまう原因は「力の入れすぎ」にあります。
具体的に説明すると、人は高い声を出そうとすると喉仏が上にあがるようになっています。
しかしこのときに力を入れすぎてしまうと、喉仏が上がり過ぎて喉が閉じてしまいます。
そのままの状態で無理矢理歌ってしまうと、声が共鳴しなくなる上に喉に負担がかかり、喉が痛くなってしまうのです。
声が裏返る
声が裏返る原因には、吐く息が多すぎることが挙げられます。
声は声帯が閉じている間を呼気が通り、粘膜が振動することによって発生します。
このときに吐く息の量が多すぎると、振動のバランスが悪くなり声が裏返ってしまうのです。
口笛も、吐く息の量が多すぎると上手く鳴らせませんよね?
それと同じことです。
声が枯れる
声が枯れる原因には、声帯がしっかり閉じていないことが挙げられます。
声帯がしっかり閉じていないと、息を効率よく声に変換できません。
その分たくさん息が必要になり、これが声帯にとって負担になってしまうのです。
また、声帯の表面にむくみや結節があると声が枯れたりかすれたりすることがあります。
これはむくみや結節が、声帯が閉じるのを妨げる原因になっているからです。
普段の話す声が枯れたり、かすれてたりしている場合もこれらが原因になっている可能性があるので、耳鼻咽頭科に相談することをおすすめします。
\文章だけじゃわからないよ!/
高音の出し方!効果的な練習方法
では、高音を出すにはどのような練習法が効果的なのでしょうか。
プロのトレーナーや歌手もプログラムに取り入れている、練習方法のポイントをご紹介します。
地声を鍛える
高音を出すためには高音の練習をすればいいと思うかもしれませんが、これは間違いです。
高音ばかり練習していると、変なクセがついてしまうので良いトレーニング方法とは言えません。
まずは地声の音域を鍛えることが大切です。
地声の音域の基礎ができてこそ、初めて高音域が生きてくるのです。
地声を鍛えて、しっかり声を響かせられるようにしましょう。
地声「チェストボイス」を鍛える方法として、
- 唇を軽く閉じて息を吐き唇を振動させるリップトリル
- 俗にいう「巻き舌」にあたるタングロール(タングトリル)
- ハミングなどの鼻腔共鳴
- 低音を突き詰めることで現れるエッジボイス
裏声を鍛える
地声をしっかり響かせられるようになったら、次は裏声のトレーニングです。
裏声の一種にはヘッドボイスやファルセットがあります。
裏声を鍛えると音域が広がり、無理に地声で歌う必要がなくなるので喉を守ることもできます。
またイメージ通りの音程が出せるようになり、歌うのが格段に楽しくなりますよ。
ミックスボイスを習得する
ミックスボイスとは地声と裏声が混じり合った声のことです。
ミドルボイスと言うこともあります。
高音を出すときに、ある音を境に地声、裏声を使い分けている人が多いと思います。
しかしこのやり方だと、地声から裏声への切り替えが上手くいかず、声が裏返ってしまいます。
ミックスボイスは、地声と裏声の間くらいの声を出す発声方法です。
ミックスボイスが習得できれば、地声のような力強い高音が出せるようになり、また地声から裏声に無理に切り替える必要がなくなるので、声が裏返らなくなります。
ユナイテッドボイス
また、ミックスボイスと似た発声方法でユナイテッドボイスという方法もあります。
ユナイテッドボイスは、低い音から高い音に行くにつれて徐々に地声に裏声を混ぜていく発声法です。
しかし、こちらはミックスボイスに比べて習得がかなり難しいため、ミックスボイスから始めてみましょう。
腹式呼吸を鍛える
腹式呼吸を鍛えることで声を張る力がつき、音域が広がります。
やり方は息を吸う時はお腹を膨らませ、発声するときにお腹をへこませるというごく簡単なものです。
繰り返し練習すれば、発声を安定させることができます。
胸式呼吸よりも息をたくさん吸うことができるので、緊張が緩和されて余分な力を抜く効果も期待できます。
腹式呼吸は、ボイストレーニング業界でも重要とされている項目のひとつです。
\プロに習ってみたい!/
高音を出す際のコツ&注意点
高音を出す練習をするときは以下の2点に注意しましょう。
この2点を意識することが上達への近道ですよ。
力み過ぎない
前述のように力が入りすぎたり、必要のない部分にまで力が入ったりすると喉が痛くなってしまいます。
かと言って脱力し過ぎても声が出ないので、適度な力みは必要です。
発声のトレーニングを重ねて、自分にちょうどいい力の入れ方の感覚をつかみ、リラックスして歌えるようにしましょう。
喉を傷めないようにする
早く高音が出せるようになりたいがために練習をしすぎる人がいますが、過度な練習は声帯を傷つける原因になります。
声帯を傷つけるとクリアな声が出なくなり、これは二度と治りません。
高音を出すには、ゆっくり時間をかけてトレーニングすることが上達への近道です。
喉に違和感があったり、声がかすれてきたりしたら、焦らずに、練習を休止して充分に喉を休めてください。
また、高音域のみ低音域のみといった偏った練習もしてはいけません。
偏ったクセがついてしまい、音域を狭める原因になることがあります。
\正しい練習方法が知りたい!/
カラオケで高音を鍛える!練習曲5選
発声法のレッスンは実際に曲を歌って練習することも大切です。
しかし、自分のレベルに合った曲を選ばないと逆に下手になってしまうことも考えられます。
ここではボイストレーニングにぴったりな練習曲を男性編、女性編に分けてそれぞれご紹介します。
【男性編】空も飛べるはず|スピッツ
君と出会った奇跡が この胸にあふれてる
きっと今は自由に空も飛べるはず
1996年に放送されたフジテレビ系ドラマ『白線流し』の主題歌に起用され、ミリオンセラーを達成したスピッツの代表曲のひとつです。
男性にとっては少し高めの音域なので、高音の練習にぴったり。
メロディがシンプルなためボイストレーニングにもよく使われます。
誰もが知っている名曲なので、カラオケで上手く歌って場を盛り上げたいですね。
【男性編】魔法って言っていいかな?|平井堅
大袈裟な事は 何も出来ないけど
君を笑顔にする魔法はいくつか持ってるんだ
バラードを上手く歌えるようになりたい人には平井堅さんの『魔法って言っていいかな?』がおすすめです。
サビでは、高音なのに芯のあるミックスボイスが使われています。
ミックスボイスのトレーニングに平井堅さんはおすすめのアーティストです。
優しいハイトーンを出すのが難しい曲ですが、歌えるようになれば歌唱力がぐっと上がりますよ。
【男性編】シュガーソングとビターステップ|UNISON SQUARE GARDEN
ママレード&シュガーソング、ピーナッツ&ビターステップ
甘くて苦くて目が回りそうです
2015年に発売されたUNISON SQUARE GARDENの代表曲です。
ボーカルの田淵さんのキーがとにかく高く、テンポも速いのでかなり難易度の高い曲です。
焦ると口が回らない、リズムが合わない、ブレスの場所を見失うと悪循環に陥ってしまいます。
歌えるようになれば絶対に楽しい曲なので、落ち着いてじっくり練習しましょう。
【女性編】手紙~拝啓十五の君へ~|アンジェラ・アキ
今 負けそうで 泣きそうで 消えてしまいそうな僕は
誰の言葉を信じ歩けばいいの?
2008年のNHK全国学校音楽コンクール中学校の部の課題曲として書き下ろされた、アンジェラ・アキさん最大のヒット曲。
練習曲に悩んだら、まずはこの曲をすすめるボイストレーナーさんは多いです。
馴染みのあるメロディで、女性が歌いやすい音域なのでボイストレーニングを始めたばかりの人にぴったりです。
【女性編】愛をこめて花束を|Superfly
愛をこめて花束を 大袈裟だけど受け取って
理由なんて訊かないでよね
Superflyの代表曲である『愛をこめて花束を』。
歌えるようになったらかっこいい曲ですよね。
元のキーが高い上に、最後にさらに転調するのでかなり難易度は高いです。
けれども、発声練習に必要な要素が詰め込まれた1曲なので、とても勉強になります。
発声に自信がついてきたら、挑戦してみましょう。
\本格的に歌を習いたい/
カラオケで楽しく歌いながら高音を鍛えよう!
いかがでしたか?
高音を出すためには発声練習や呼吸法など、基礎的なトレーニングが欠かせません。
地味な練習内容で最初は大変かもしれませんが、コツコツトレーニングを重ねる以外に高音を出す方法はないので、めげずにがんばりましょう。
また、基礎練習と合わせて、練習曲をカラオケで歌って楽しみながら高音を鍛えましょう。
基礎練習を重ねれば必ず上達するので、歌うのがどんどん楽しくなるはずです。
無理をせず楽しみながらきれいな高音を目指しましょう。
ほかにも、「CD付き美しい高音が出せるナチュラルボイストレーニング」という本などで練習するのもひとつの方法です。
この記事のまとめ!
- 高音が出ない原因を見つけよう
- 効果的な練習方法を取り入れよう
- 喉をいたわりながら練習しよう
- 練習曲の選び方も重要