ボカロには怖い曲がたくさんあります。
ストレートに怖い作品もあれば、意味が解るとゾッとする作品も。
あなたが何気なく聴いていた人気曲にも、実は隠れた意味があったりするんです。
この記事でわかること
ボカロの怖い曲4選
数あるボカロソングの中でも、よりすぐりの恐怖ソングを紹介します。
映像的にも狂気に満ちた数々は、見ることで一層その恐怖を体感できるでしょう。
おかあさん
『おかあさん』はボカロP・マチゲリータPが2008年に公開した楽曲です。
その曲名からは想像できないような、サイケデリックな曲調が特徴。
歌詞も不穏そのもので、なぜかお母さんから逃げようとする意味深さが恐怖を誘います。
しかし、この曲がボカロ界隈で最恐と言われる所以は、この曲を逆再生すると全く違った悲痛な声が聞こえるというもの。
作者の曲紹介で「実験的にホラーで気持ち悪い曲をつくってみよう」とコメントしており、まさに計算されて作られたユニークな作品です。
ももいろうさぎ
『ももいろうさぎ』は、ボカロP・ヒーリングPが2008年に公開した楽曲。
一見絵本のようなピンク色のうさぎが登場するPVで、穏やかな曲調が続きます。
しかし、油断していると一転「ボクはうさぎ」を反芻するショッキングな曲調に切り替わり、狂ったような映像に…
そのギャップがなんとも恐ろしさを助長します。
なぜももいろなのか、なんとなくわかってしまったときの恐怖。
最後は「次は君が僕と遊ぼう」という誘い文句と悲鳴で歌が終わる点も恐いですね。
てるてるぼうず
『てるてるぼうず』は誰もが知る童謡で、作曲者は中山晋平です。
ニコニコ動画にボカロ版がアップロードされていました。
天気を願う歌がなぜ恐い歌として認知されているかというと、それは歌詞にあります。
実は3番の歌詞は
”てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ
それでも曇って泣いてたら そなたの首をチョンと切るぞ”
というもの。
あの有名な動揺に、こんな歌詞が存在していたなんて驚きですね。
なぜこんな歌詞があるのかは、この曲が作られたルーツに諸説あるようですが……
気になった人は調べてみてはいかがでしょうか。
僕らの記念日
『僕らの記念日』は、ボカロP・静壊が2008年に公開した楽曲。
実は、9:48もの大作でちょっとしたショート映画を見ているような、実験的な作品ともいえます。
復讐をテーマに描かれた曲で残虐な表現があるため、観るのは耐性のある人だけにしてください。
当時トラウマになったというコメントも多数見かける曲ですが、音楽として中毒性があると評する人も。
先鋭的で、狂気に満ちた作品であることは間違いありません。
意味がわかる・歌詞を考察すると怖い歌6選
いろんな考察の余地があるところも、ボカロの面白いところ。
一見わけがわからない……でも意味がわかった瞬間にゾッとする、そんな恐怖ソングを紹介します。
結ンデ開イテ羅刹ト骸
『結ンデ開イテ羅刹ト骸』は、ボカロP・ハチが2010年に公開した楽曲。
ハチは、あの米津玄師のボカロPとしての名義です。
その才能は曲だけでなく、本人がマウスだけで書いたというPVにも現れています。
「違和感」と「無邪気」をテーマにされたこの曲ですが、曲中に出てくる片足を失った猫は「生計を立てる」ことの比喩という説もあり、片足を失うことは生活費を稼げないことを示しているのだとか。
「首輪に繋がる赤い紐」は、女性に生計を依存していることを暗示しているとも言われています。
様々な解釈ができるこの曲は、当時ボカロPハチの名を世間に知らしめた曲です。
米津玄師の才能の片鱗を、今一度この曲を聴いて振り返ってみてはいかがでしょうか。
みつけた
『みつけた』は、ボカロP・罪草が2010年に公開した楽曲です。
破壊的なサウンドが繰り広げられる狂気に注目されがちですが、実は物語性も深い本作。
少女が迫ってくるPVは、誰が誰に追いかけられているのでしょうか!?
激しく刻まれる3連符のビートが、より緊迫感を高めます。
私より大切な人
『私より大切な人』は、同じくボカロP・罪草が2023年に公開した楽曲。
包丁を持った少女が、血の跡のある部屋に立ち尽くす一枚絵に、グロテスクな印象を覚えます。
最初の恐怖は「辿り着いた先に あなた」で車のドアの音が響く場面。
突然暗闇になり、少女の赤い瞳だけが光るのです。
ドアの音が、自分の部屋の音かと錯覚するほどリアルで、音作りにこだわりを感じます。
歌詞からは、少女が恋を終わらせる決意をしたことが伺えますが、そのバックストーリーが気になるところ。
サビでは転調してドラマティックな展開を見せます。
少女の複雑な感情が表現され、初音ミクのハモリやサビの歌声も戦慄を覚える一曲です。
Risou Ezu/理想絵図
『Risou Ezu/理想絵図』は、Risou Ezu/理想絵図が2011年に公開した楽曲。
「歌詞の中に犯罪行為と読み取れる表現があります」という衝撃的な警告から始まる一曲です。
意外にも、叙情性が漂うエモい曲調から始まります。
歌詞に注目してみると、お弁当を用意してそっと好きな人の目覚ましのそばに置いておく、という一見微笑ましい内容に見えるでしょう。
しかし「血相変えてる 君もダイスキよ」という歌詞からは、ある一抹の不安を感じます。
曲のコンセプトに反して、サビは印象的なメロウな歌で、完成度の高い一曲です。
指切り
『指切り』は、すこっぷが2010年に公開した楽曲です。
レトロな映像とメロディアスなイントロで、一気に心が惹かれる一曲。
一途で情熱的な女性の恋心が歌われていますが…
「指切り」は、かつて遊郭で遊女が心に決めた男性に、指を切って贈る風習がベースだという説があります。
PVにたびたび出てくる踏切も、不穏な雰囲気を醸し出しています。
印象的なピアノと共に最後は「指切った!」で衝撃的に終わる刹那的なナンバーは、一聴の価値ありです。
いかないで
『いかないで』は想太が2013年に公開した楽曲。
どこか懐かしい、メランコリックさを感じるでしょう。
解釈に余地を持たせた歌詞で、様々な考察が存在します。
「いかないで」と嘆く歌詞に「恋人と別れた説」や「死亡説」など、様々な解釈があるのです。
PVでは、女性に影が無いようにも見えます。
もし「逝かないで」という意味だったら、とても悲しいですね。
歌詞と一枚絵で様々な想像の余地を残す、ボカロ文化が集約された傑作だといえます。
曲調は明るいけど怖いボカロ曲5選
ここでは、一見明るいけど、よくよく考えてみたら実は怖い意味があるボカロ曲を紹介します。
何気なく聴いていた大人気の曲も、視点を変えてみると全く違った印象になるかも?
きゅうくらりん
『きゅうくらりん』は、いよわが2021年に公開した楽曲です。
浮遊感のあるイントロと、軽快かつポップな映像が印象的な『きゅうくらりん』。
一見すると、女子高生の可愛らしい恋心が描かれています。
しかし、実は歌詞に二重の意味があるのではという説も多く、ラストの歌詞「わたし ちゅうぶらりん」については、主人公が首を吊った暗喩ではないかという恐い説も。
PVのワンシーンでは、少女が地に足をつけないで、ちゅうぶらりんになっているように見えます。
様々な考察のフックが仕掛けられている一曲ですよ。
らくらく安楽死
『らくらく安楽死』は、ぺぽよが2021年に公開した楽曲です。
音楽だけでなく、映像も作成したぺぽよの多才ぶりに驚かされます。
明るいテクノソングに乗せて、安楽死という暗いテーマを扱った一曲。
軽快なシンセサウンドと韻を踏んだ小気味良い歌詞は、中毒性も高いです。
歌詞は正直ヤバめですが、歌うと楽しい曲なのかもしれません。
少女レイ
『少女レイ』は、みきとPが2018年に公開した楽曲です。
スチールドラムのイントロで始まる『少女レイ』は、どこか爽やかな夏の海をイメージさせます。
実は様々な解釈があって、ひとつは「主人公の女の子は、自分がきっかけでいじめられた少女に取り憑かれている」というもの。
最後には、不穏な踏切音と共に、少女の笑い声が聞こえます。
この少女の笑い声は、一体どちらの少女のものなのでしょうか。
トゥイー・ボックスの人形劇場
『トゥイー・ボックスの人形劇場』は、ささくれPが2013年に公開した楽曲です。
明るい曲調と可愛らしいドット絵で、レトロゲームチックなPVが特徴的。
歌詞にはかわいらしいおもちゃのイメージが並んでいますが、深読みすると「戦争」をテーマにしていることがわかります。
戦争への皮肉がちりばめられたこの曲は、また違ったテイストの恐さがありますね。
天国へ行こう
『天国へ行こう』は、きくおが2011年に公開した楽曲です。
明るいパレード風サウンドに「天国へ行こう」というフレーズが繰り返されます。
恋人と二人で天に召されることが、果たして幸せなことなのかは、聴いた人の解釈次第。
ポップさと荘厳さを併せ持つこの曲を聴いていると、どこかふわふわとした悲しい気持ちとなることは確かでしょう。
ボカロにはさまざまなジャンルの怖い歌がある!聴いてみてホラーを楽しもう
ここまで様々な怖い曲を紹介しました。
クリエイターのアイデアが光る作品ばかりでしたね。
「よく考えてみると実は怖い」というパターンの曲が本当に多くて、ボカロって本当におもしろい文化ですね!ここで紹介した楽曲は、Apple Musicで聴くこともできます。
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