ギターの音を歪ませる歪み系エフェクト、奥行きを持たせる空間系エフェクトなど、ギターの音を自分好みに変化させることができるエフェクターは、様々なギタリストが使用しています。
ギタリストやベーシストにとってエフェクターはとても魅力的な機材であり、コレクションをしている人もたくさんいます。
しかし、つなぎ方を間違えてしまうとエフェクターが作動しなかったり、最悪の場合壊れてしまうこともあります。
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この記事のもくじ
エフェクターのつなぎ方
エレキギターやベースとアンプの間につなぐエフェクターは、正しいつな方をしないと音が出なかったり故障の原因になります。
また、音が出てもつなぎ方に無駄があると見た目が悪く、エフェクターの踏みかえにも影響する可能性もあります。
エフェクターを使おうと思っているギタリストやベーシストは、つなぎ方を確認しておきましょう。
インプットにギター・アウトプットにアンプ
エフェクターには「インプット」と「アウトプット」があります。
「インプット」にはギター側から「アウトプット」にはアンプ側からシールドを接続しましょう。
ギターから拾った音をまずエフェクターに通し(インプット)、エフェクトをかけた音をアンプに送る(アウトプット)というイメージです。
複数のエフェクターはパッチケーブルを使う
マルチエフェクター1台のみで音作りをする人もいますが、ほとんどの人はコンパクトエフェクターをいくつか使用しています。
このように、複数のエフェクターを使用する場合はエフェクター間に「パッチケーブル」というケーブルを使用しましょう。
「パッチケーブル」は、長さが15~30センチほどの短いケーブルで、接続部分はL字になっており、複数のエフェクターをつなぐことを想定しています。
ギターから1つめのエフェクターまで、最後のエフェクターからギターアンプまでは普通のシールドでつなぎ、それ以外はパッチケーブルでつなぐのがおすすめです。
9V電池入れるか電源アダプターにつなぐ
エフェクターは電源がないと作動しないため、電源アダプターにつなぐか9V電池を入れましょう。
電源アダプターを使用するのが一般的ですが、電池を入れるとアダプター部分で生じるノイズが無いため、全体的なノイズが減ります。
9V電池は他にも、ライブハウスの電源数を考えなくても良いなどのメリットもあります。
しかし、電池切れなどにより作動しなくなる可能性もあるので、注意しましょう。
エフェクターの基本知識
エフェクターを複数使うと踏みかえによって様々な音を出したり、より幅広い音作りをすることができるようになります。
しかし、エフェクターを使用していると、ライブになれている人でもトラブルが起きてしまうことは多々あります。
そんな時、しっかりとエフェクターの仕組みを理解していないと急なトラブルへの対処方法はわかりませんよね。
ここから、エフェクターの基本知識としてエフェクターの仕組みについて紹介します。
ギター→エフェクター→アンプの順で電気信号が流れる
エレキギターは、弦の振動をピックアップと呼ばれているマイクで拾い、それを電気信号に変えてアンプから音を出します。
そのため、電気信号が流れる順番は、ギター→エフェクター→アンプの順になります。
アンプに近いエフェクターの効果が強く出る
複数のエフェクターを使用していると、電気信号が様々なエフェクターで加工されるという仕組みになります。
例えば歪系の後にディレイをつなぐと、ディレイ音も歪んでしまいます。
このように、ギター側に近いエフェクターの音ほど効果は薄れ、反対にアンプに近いエフェクターは効果が強く出るということになるのです。
ケーブルの差しっぱなしは電池を消耗する
電源アダプターを使用する場合はあまり問題ありませんが、9V電池で稼働させている場合は注意が必要です。
ケーブルを差しっぱなしにしていると、スイッチを切っていても電池を消耗してしまいます。
そのまま長い間放置していると機材の故障にもつながるため、使用していない間はケーブルを抜くようにしましょう。
エフェクターの一般的な接続順
エフェクターは接続順によって音にも影響が出ます。
順番は出したい音によって様々ですが、接続順にはある程度の決まりがあります。
フィルター系
ワウやイコライザーなどの「フィルター系」は、ギターの周波数をコントロールする役割を持つため、基本的に最初にセットします。
イコライザーは狙った周波数の音をカットしたりブーストをかけたりするため、他のエフェクターの前後どちらに置くかでかなり音が変わります。
ワウは「歪み系」の前に置くよりも純粋な音を得ることができますが、歪み系の後ろに置くとワウがより強調された音になるのです。
ダイナミクス系
その次につなぐことが多いのは、コンプレッサーやボリュームペダルなど、音に対して強弱をつけるような「ダイナミック系」のエフェクターです。
コンプレッサーは信号が小さすぎれば大きくし、大きすぎれば小さくしてくれるという非常に便利な機能を持っています。
ボリュームペダルは文字通り音量を調節することができるペダルです。
歪み系の前に置くと音量のみを調整できますが、歪み系の後ろに置くと歪み量も調整できます。
歪み系
オーバードライブやディストーション、ファズといった「歪み系」はエフェクターの中でも中心的な役割を果たします。
この歪み系のエフェクターを複数使用する人も多く、順番や歪みのかけ具合でもかなり音を変化させることができます。
例外として、ファズの中でも「ゲルマニウムファズ」と呼ばれるエフェクターは、ギターの直後にセットしなければいけません。
また、音量を上げる効果のあるブースターは、歪み系エフェクターの前に置くと深い歪みエフェクトになり、後ろに置くと音量のみが上がるようになります。
モジュレーション系
その次に接続するのは、コーラスやフランジャーといった「モジュレーション系」です。
周波数や音の位相を変える役割を持ち、複数同時に使用することはできません。
ディレイやリバーブといった残響系の前に接続することがほとんどですが、モジュレーション系の音を目立たせたい時には入れ替えても問題ないです。
空間系
最後に、ディレイやリバーブなどの音を遅らせたり奥行きを持たすことができる「空間系」のエフェクターを置きます。
また、歪み系の前に空間系を置くことで、残響音にも歪みをかけ、強調することもできますよ。
おすすめの接続順とつなぐ際の注意点
エフェクターのつなぐ順番には様々なパターンがあり、出したいと音によって自分好みに変更することができます。
また、作りたい音によって試行錯誤していくこともギターの醍醐味のひとつといえるでしょう。
しかし、何も考えずにつないでいると思わぬトラブルを起こしてしまうこともあります。
ここでは、トラブルにならないための注意点とおすすめのつなぎ方を紹介します。
ギターの後ろに「ワウ→歪み系」
ワウやファズは、ギターに近い方に接続するのがおすすめです。
ギターの近くに置いた方が、よりインピーダンスの高い状態でエフェクトをかけることができるため、効果が増大します。
反対に、ワウやファズをアンプ側に置くとエフェクトかなり薄くなってしまい、期待したほどの効果は得られないでしょう。
歪み系を複数使う場合は弱めから強め
歪みを複数使う場合、歪みの強さは「弱めから強め」という流れにすると音質が良くなります。
また歪み系には、「オーバードライブ」や「ディストーション」などの歪みの強さによって種類が分けられています。
基本的には「ディストーション」などの強い歪み系エフェクターは、1番後ろに置きましょう。
強い歪みをかけるエフェクターは、オフにしていても多少ノイズが乗ってしまいます。
そのため、前においてしまうとそのノイズも増幅してしまうのです。
チューナーをつなぐならギターの直後
チューナーは基本的にギターの直後に接続し、チューナーに純粋なギターの音を送ることで、チューニングの精度が上がります。
チューナーを最後につないで、その前のエフェクターを全てオフにすれば問題ありませんが、ライブ中などですぐにチューニングをしなければならない場面では不便です。
また、バッファードバイパスのチューナーの場合は、その前にワウやファズを置くようにしましょう。
パッチケーブルの向きに注意
エフェクター同士はパッチケーブルでつなぎますが、その向きには注意が必要です。
エフェクターはツマミが上側にあり、下側は足で踏むペダルとなっています。そのため、ケーブルのたわみが下部分にあるとスイッチを踏む時に巻き込んで邪魔になってしまいます。
ペダルではなくスイッチの場合は問題ありませんが、邪魔にならなようにするためには上側にパッチケーブルをまとめるのがおすすめです。
複数のアダプタをつなぐ際はショートに注意
電池でなく電源アダプターを使用する場合、ライブハウスやスタジオではそれぞれ電源につなげる必要があります。
その際、電源供給量が足りなかったり、複数のアダプターを使用する場合にはショートする可能性もあるため、注意が必要です。
エフェクターのつなぎ方次第でギターの音は変わる!基本のつなぎ方をアレンジして自分好みのサウンドを見つけよう
歪み系や空間系、フィルター系などギターやベースの音を様々な音色に変えるエフェクターは、つなぐ順番によって音が変わります。
基本的な知識を持っていればトラブルもある程度防ぐことができるので、使用する前に確認しておきましょう。
また、エフェクターのつなぎ方に正解はなく、欲しい音や好みによって試行錯誤するのもギターやベースの楽しみ方のひとつですよ。
この記事を参考にエフェクターのつなぎ方を自分なりにアレンジして、自分の好みのサウンドを見つけてみてくださいね。
この記事のまとめ!
- エフェクターは、ギター→エフェクター→アンプの順番で、ギター側がインプット、アンプ側をアウトプットにつなぐ
- アンプ側のエフェクターの方がより効果が出やすい
- 一般的には、チューナー→フィルター系→ダイナミクス系→歪み系→モジュレーション系→空間系の順でつなぐのがおすすめ
- 注意点をしっかりと守りながら、自分好みの音を見つけよう