ギターやベースを練習して弾けるようになったら、次はスタジオでアンプに繋いで音を出してみたくなりますよね。
しかし、スタジオのアンプは家庭用の小型アンプと違い、高価な上に繊細な機械です。使い方を間違えれば故障に繋がることも。
壊してしまってスタジオとトラブルになり、弁償することになったら大変です。そんなことにならないように、スタジオに行く前にアンプについて学んでおきましょう!
この記事のもくじ
アンプとは
アンプには「ギター用のアンプ」と「ベース用のアンプ」があります。
基本的な繋ぎ方や使い方は同じですが、ギターアンプとベースアンプは別物であるということは絶対に忘れないでください。
ギターとベースの周波数や出力の大きさが異なりますし、つまみの数や種類も違います。
ギターアンプ
「ギターアンプ」とはエレキギターを繋ぐアンプのことで、ギターからの電気信号を増幅させて大きな音を出すための機械です。
ギターアンプの形状には、アンプとスピーカーが一体型となった「コンボタイプ」と、アンプとスピーカーが分離した「スタックタイプ」の2種類が存在します。
また、アンプの仕組みも2種類に分かれ、真空管を利用したアンプのことを「真空管アンプ」、電気信号の増幅にトランジスタを利用したアンプのことを「トランジスタアンプ(別名:ソリッド・ステート)」と呼びます。
真空管アンプは暖かく柔らかいサウンドが特徴的で、きめの細かい歪みを表現できるため、歪み系のエフェクターを使わずにアンプのみで歪ませているギタリストも多いのです。
中でも「Marshall JCM2000」はスタジオによく常設されている真空管アンプの定番モデル。初心者でエフェクターを持っていない人はJCM2000で音作りをするのもいいでしょう。
一方、トランジスタアンプは真空管アンプと比べて音に暖かみや柔らかさはないものの、メンテナンスが簡単でエフェクターでの音作りがしやすいのが特徴です。
そんなトランジスタアンプで最も代表的なのが「Roland JC-120」。JCは「Jazz Chorus」のことで一般的には「ジャズコ」と略して呼ばれることが多いアンプです。
スタジオやライブハウスにはこの2種類のアンプが常設されていることが多いのですが、施設によってはどちらかしか設置されていないこともあるので、事前に確認しておきましょう。
ベースアンプ
「ベースアンプ」とはベースを繋ぐアンプのことで、ギターアンプと同じくベースの電気信号を増幅させて大きい音を出すための機械です。
ベースアンプはギターとは違って低音に特化しており、これにもギターと同じく「コンボタイプ」と「スタックタイプ」があります。
スタジオやライブハウスに常設されているのは、大抵がスタックタイプのアンプで、比較的大型なものが多いです。
ベースアンプとギターアンプは基本的に同じ構造をしているので繋いでも音はでますが、スタジオやライブハウスのアンプは借り物です。
万が一壊してしまっては大変なので、間違えて繋がないようにしましょう。
また、スタジオやライブハウスでよく目にするのが、楽器用アンプメーカー「Ampeg」のベースアンプです。特に「SVT‐3PRO」というモデルが広く使われています。
音作りに使うイコライザーが充実しており、高出力でパワフルな音が特徴です。初心者でも使いやすく、イコライザーの設定の自由度が高いため、様々な音を表現することができます。
ギター・ベースアンプの使い方
ギターアンプ、ベースアンプともに「真空管アンプ」と「トランジスタアンプ」の2種類の仕組みが違うアンプがあります。
基本的な使い方は同じですが、真空管アンプはトランジスタアンプに比べてデリケートなアンプなので扱いには注意が必要。
真空管アンプ
真空管アンプは家庭用の小さいアンプと仕組みが全く異なるので、同じように取り扱ってはいけません。
電源を入れる際は、下記の手順通りに行ってください。
- 全てのつまみが「0」になっているかを確認する
- 「POWER」をオンにする
- 2~3分待つ
- シールドを刺す
- 「STANDBY」をオンにする
- つまみを上げて音を出す
家庭用と違って真空管アンプには、電源を入れるための「POWER」と別に「STANDBY」というスイッチがあります。
これはPOWERで真空管を暖めてから、STANDBYで通電させるためです。必ずPOWERを入れてから2~3分待って真空管を暖めてください。
スタジオ練習の場合は、部屋に入ってすぐにPOWERをオンにして暖めている間に楽器のチューニングやエフェクターの準備をするといいでしょう。
電源を切る時は、電源を入れる手順とほぼ逆になります。
- 全てのつまみが「0」になっているかを確認する
- 「STANDBY」をオフにする
- シールドを抜く
- 2~3分待つ
- 「POWER」をオフにする
シールドはPOWERのスイッチがオンになっていても、STANDBYがオフになっていれば、抜き差ししても問題ありません。
ただし、必ずボリュームのつまみは0になっている状態で行ってください。
トランジスタアンプ
トランジスタアンプの使い方は、家庭用の小さなアンプと同じ手順です。
- 電源がオフになっていることを確認
- 「VOLUME」「GAIN」が「0」になっているか確認
- シールドを刺す
- 電源を入れる
- 「VOLUME」を上げて音を出す
トランジスタアンプはシールドを刺すジャックに「HIGH」と「LOW」の2種類のインプットがある場合があります。
厳密に言うとアンプによっても変わりますが、基本的には直接アンプに楽器をつなぐ場合はHIGH、エフェクターを介す場合はLOWと覚えておくといいでしょう。
トランジスタアンプも電源を切る際は、電源入れる時とほぼ逆の手順になります。
- 「VOLUME」を「0」にする
- 電源を切る
- シールドを抜く
次に使用する人がすぐに電源を入れれるように、VOLUMEやGAINもきちんと0になるようにしておきましょう。
また、電源が入った状態でのシールドの抜き差しはアンプや楽器の故障にも繋がるので、必ず電源を切った状態で行うことを心掛けてくださいね。
誤った使い方はアンプの故障にも繋がる?スタジオに行く前にアンプの使い方をマスターしよう!
ギターやベースを弾くなら、アンプの使い方はマスターしておかなければなりません。
もしスタジオ練習に行って繋ぎ方や使い方が分からなければ、スタジオのスタッフさんに教えてもらいましょう。
また、スタジオ練習が終わった後は次に使用する人が使いやすいように、きちんと元通りにしておくこともマナーです。
正しいアンプの使い方を覚えてから、スタジオ練習に挑んでくださいね!
この記事のまとめ!
- ギターアンプとベースアンプは別物!間違って繋ぐと故障に繋がることもある
- ギターやベースのアンプには「真空管アンプ」と「トランジスタアンプ」の2種類がある
- 真空管アンプのPOWERで真空管を暖めてからSTANDBYで通電させる
- シールドの抜き差しは必ずアンプの電源を切った状態で行おう