転調好きのギタリストには、モジュレーション系エフェクターが特に人気です。
その中でも、抑揚がつけやすいコーラスエフェクターを愛用するギタリストはたくさんいます。
しかし、楽器を始めたばかりではどのコーラスエフェクターを選べば良いのか迷ってしまう、そもそもコーラスエフェクターの効果が分からない人も多いでしょう。
ココがおすすめ
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この記事のもくじ
コーラスエフェクターとは
複数のサウンドを混ぜ合わせ、音量や音程のずれををコントロールして特殊な効果を得るエフェクターがモジュレーション系です。
コーラスエフェクターは、モジュレーション系エフェクターの1種でギターにコーラス効果を与えます。
モジュレーション系のペダルは、空間系、残響系、揺れ系と呼ばれるエフェクターです。
その中でも人気のコーラスエフェクターですが、一体どのような効果があるのでしょうか。
他のモジュレーション系との違いもあわせて紹介します。
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コーラスの効果
ギターの原音と少し音程をずらしたサウンドをミックスして得られる音の揺らぎを、コーラス効果と言います。
エフェクターによって、音程の揺れ幅や揺れの速さに違いがあるので好みに合わせて選び分けましょう。
コーラスエフェクターの最大の特徴は、1度の演奏で2本ギターを弾いているような音作りができることです。
ギター2本分の音が重なることで、感情豊かな表現ができるので音に抑揚がつきます。
日本生まれのエフェクター
コーラスエフェクターは、日本生まれのエフェクターです。
最初に作ったのは、大阪市で創業されたRolandという日本の大手電子楽器メーカーです。
子会社であるBOSSの方が、ブランド名として見かけるので有名かもしれませんね。
また、新映電気のユニ・ヴァイブという、ジミ・ヘンドリックスが使用していたエフェクターも元祖とされています。
アンプの機能から、コーラスエフェクトを抜き出して、ペダルタイプに変えたのがコーラスエフェクターなのです。
コーラスという名前も、Roland JAZZ CHORUSからつけられました。
他のモジュレーション系との違い
モジュレーション系は、大きく分けて4種類あります。
複数トラックの音の位置、位相をずらすエフェクターが「フェイズシフター」です。
スムーズな音から荒い音まで自由な音作りができます。
次に「フランジャー」は、コーラスと同じ仕組みのエフェクターです。
コーラスに比べてより鋭くて、強烈なものがフランジャーと呼ばれます。
そして、音量を上下させる「トレモロ」、音程を上下させる「ビブラート」もあります。
トレモロはアメリカで特に人気があり、今でもアメリカンロックではよく使われているペダルです。
コーラスの種類
コーラスエフェクターの中でも、さらに3種類に分けられます。
種類がたくさんあると、難しく感じますよね。
しかし、自分の好みに合ったコーラスエフェクターを選ぶには、種類をしっかりと把握しておくことが大切です。
出力の違いやパーツの利用方法で変化する、コーラスエフェクターの種類を紹介します。
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アナログコーラス
アナログ信号をアナログ信号のまま、バケツリレーのように渡していく「Bucket Bridge Dvice」通称BBD素子というパーツを利用したコーラスエフェクターです。
音幅は狭くなりますが、アナログならではの甘くて厚みのある音が鳴ります。
コントロールがシンプルで扱いも簡単なので、初心者におすすめの種類です。
デジタルコーラス
デジタル信号処理によって、処理速度を上げる「Digital Signal processor」通称DSPなどのパーツを利用したコーラスエフェクターです。
音の処理速度が上がったおかげで、より質の高い美しいサウンドを作り出せますよ。
また、細かく設定できるのも特徴で、アナログコーラスのサウンドが作れます。
ただし、コントロールが複雑で音作りの難易度も高いので注意が必要です。
ステレオコーラス
2つのアウトプットを持っていて、2つのスピーカーから原音とエフェクト音が出せます。
これにより、音の揺れを表現することができるのです。
ただし、ギターアンプとチャンネルが2つ以上必要になります。
そのため、使用する環境が限られるというのが難点です。
しかし、1本のギターで物理的に、音の揺れを表現できる方法は貴重と言えるでしょう。
機材が用意できる人は是非試してみてください。
コーラスエフェクターの使い方
歪み系と合わせて使用することで、厚みのある音色を作れるのがコーラスエフェクターです。
調整次第では深みや丸みなどのサウンドも自在に作れるので、さまざまなシーンで活躍してくれますよ。
しかし、せっかくコーラスエフェクターの効果を覚えても、使いこなせなければかっこいいサウンドは出せません。
手に入れたエフェクターのよさを最大限引き出せるように、扱い方も学んでおきましょう。
ここでは、コーラスエフェクターを使いこなすために必要な2つのポイントを紹介します。
つまみの種類
コーラスエフェクターを使いこなすために1番大切なポイントが、つまみの調節です。
つまみは英語で書いてあるので、知らないと何をどうしたら良いかわからないですよね。
つまみの調節を意識しないと、コーラスエフェクターの効果は発揮されません。
基本的には多くても4種類のつまみがついていますが、モデルによって数も表記も違います。
表記や読み方、効果と使い方について紹介します。
- DEPTH(デプス)
コーラス効果の深さ、かかり具合の調節に使います。
左側に回すことで、浅くて柔らかいコーラス効果がかかるので、スパイスとしての使いたい時におすすめです。
周りの演奏と馴染ませたい時は、軽く左に回しましょう。
また、右に回すほど大きく音揺れします。
ギターソロなどしっかりと目立たせたい時には、右側に回して深くて派手なコーラス効果をかけましょう。
- RATE(レイト)/ スピード(スピード)
コーラス効果のスピード調整をするつまみです。
左に回せば揺れ幅が広くなり、右に回すと揺れ幅は狭くなります。
レイト調整だけでも分かりやすく効果がかかりますが、一般的に単体では使いません。
ゆったりとした大きな幅で揺らしたり、うねるような効果を出したり、デプスと組み合わせることで色々なサウンド変化を起こせます。
- LEVEL(レベル)/ MIX(ミックス)
原音に対して、エフェクト効果のレベルを調節します。
原音とエフェクト音のバランスを調整して、全体の音量が変化するつまみです。
多くの場合は、12時の位置に設定して綺麗な音を作ります。
しかし、あえて全く揺らさずにMIXを少しだけ上げることで、ほのかにコーラスを香らせることもできるのです。
逆に、極端に右に回してデプスと組み合わせることで、非常にファンタジーな揺れを作ることもできます。
- TONE(トーン)/ EQ(イコライザー)
コーラスならではの太めで派手な効果を出すために、広域を調整してマイルドにします。
ブーストするとリッチな音色が、カットするとソフトな音色が作れるつまみです。
モデルによってはトーンやイコライザーが、ついていないエフェクターもあります。
ナチュラルな音作りをしたい人は、トーンやイコライザーがついているエフェクターを購入しましょう。
つなぐ順番
エフェクターと楽器、アンプなどとつなぐ時に、順番を意識したことはありますか?
実はエフェクターの能力を最大限に発揮させるためには、つなぐ順番を意識することが大切なのです。
基本として複数つないだ時は、楽器から近い順に効果は重なります。
例えば、リバーブで幻想的に広がった音を、コーラスで揺らしてオーバードライブで歪みをかけます。
すると、悪夢のような収集のつかない音になるのです。
接続を逆にすると、オーバードライブで歪んだ音がコーラスで揺れてリバーブで広がることでリッチな音が作れます。
基本的には強い歪み系を楽器近くにつないでから、空間系につなげます。
もちろん、あえて逆につなげても面白いので、さまざまなつなぎ方を試してみましょう。
おすすめコーラスエフェクター10選
コーラスエフェクターの種類や使い方はイメージできたけど、種類が多すぎてどれを選んだら良いか分からない人も多いでしょう。
商品ごとの具体的な性能やモデル、価格の違いを知れば、初心者でも自分にあったコーラスエフェクターを選べますよ。
ここでは、初心者にもおすすめの人気のコーラスエフェクターを、アナログコーラスとデジタルコーラスの合わせて10選を紹介します。
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おすすめアナログコーラス
Fender BUBBLER ANALOG CHORUS
2019年3月にリリースされたペダルです。
フットスイッチで、揺れの速さや深さをコントロールできるアナログコーラスペダルです。
スイッチの切り替えで、アナログコーラスの効果に加えて、三角波形という歪みのないきれいな音色の変化を選択できます。
さらに、つまみを操作すれば、演奏の強弱に応じて揺らし具合や速度を変更することもできます。
本体は軽くて頑丈なアルミニウム材を使用しているので、持ち運びにも便利です。
MXR M-234 Analog Chorus
2011年にリリースされたペダルです。
広域や低域のカットをしたり、コーラス効果のバランスを調整できるので、さまざまな表現ができます。
アナログならではの温かみのあるリッチなサウンドが特徴です。
さらに、2つの出力端子から2台のアンプに接続するとステレオコーラスにもなります。
ナチュラルな揺れと癖のないサウンドで音作りがしやすく、初心者にもおすすめのコーラスエフェクターです。
Electro-Harmonix Small Clone
ニル・ヴァーナのカート・コバーンが愛用していた、世界で最も愛されているペダルです。
クリアでリッチなコーラスサウンドが特徴。
操作性はシンプルですが、2箇所で音が鳴っているような効果や12弦ギターのような音色も作れます。
コストパフォーマンスが高いペダルなので、最初の1台にもおすすめですよ。
繊細かつ深みのあるエフェクトですが、ボディがコンパクトなので持ち運びにも困らないでしょう。
Maxon CS550 Stereo Chorus
1995年リリースですが、今でも多くのギタリストが愛用するアナログコーラスの定番です。
太く自然な広がりと、立体感のあるコーラスサウンドが特徴的。
つまみの設定次第で、爽やかな揺らぎから強烈なエフェクトまで自由に表現できます。
エレキギターはもちろん、アコースティックギターやベース用としても最適なので1台あると便利でしょう。
Providence ANADIME CHORUS ADC-4
カッティング、アルペジオ、ストロークなど、さまざまなギタープレイにコーラス効果が追ってきます。
搭載しているつまみはデプスとスピード、ミックスの3種類です。
そして、アナログ出力とは思えないほど広がりのあるコーラスサウンドが特徴です。
また、より深いコーラス効果を追加するDEEPスイッチが3段階もあるので、表現の幅が広がるでしょう。
LEDランプの消灯で、バッテリー残量が少ないことを表示する機能もついています。
BOSS 技WAZA CRAFT CE-2W
原音を揺らさずに、サウンドに奥行きと広がりを表現する個性的なモデルです。
歴代シリーズのサウンドを再現できるモードも搭載されています。
ステレオ出力による、広がりのある美しいコーラスサウンドも表現できますよ。
3つのモードと5つのコントロールによって、今までにないサウンドも表現できるでしょう。
全体的にクリアで音抜けが良い、型破りエフェクターとしてプロやマニアから絶大な人気を誇っています。
TC Electronic Afterglow Chorus
つまみが3つのみというシンプルな仕様で、とてもリーズナブルなので、初心者の最初の1台におすすめのコーラスエフェクターです。
デプスを調整すれば、音楽に溶け込む控えめな効果からワープサウンドまでを作り出せます。
レイトの調整ではゆったりとした揺れから、強烈なロータリースピーカー風の効果も作れるのです。
さらに、ミックスの調整で薄いコーラスから、幻想的な音作りまでできるという最高のコストパフォーマンスとなっています。
おすすめデジタルコーラス
BOSS CH-1 Super Chorus
シャープなぬけ感と、自然な立体感が特徴のBOSS定番コーラスエフェクターです。
レイトとデプスのつまみだけではなく、エフェクト音だけ調節できるイコライザーのつまみも付いています。
さらに、エフェクト効果のバランスを調節できるレベルのつまみも付いているので、シンプルな操作で幅広い音作りができることも魅力の1つです。
軽やかなコーラスから、深みのあるサウンドまで簡単に調整できるので、初心者にもおすすめですよ。
TC Electronic Corona Chorus
TonePrintという、スマホアプリを使って音色を変更できる次世代エフェクターです。
3種類のモードと4つのつまみを搭載していて、デジタルらしく非常にクリアな音が作れます。
TonePrintを使えば、世界のトップギタリスト達が作ったサウンドが再現できます。
TonePrintのアプリからデータをペダルに無料で転送できるので、お気に入りのサウンドを好きなだけ試せるのです。
本体の耐久性も非常に高く、バッテリー交換がネジ1つでできる便利な作りもバンドマンにとって嬉しいポイントと言えるでしょう。
strymon Ola Chorus
アナログディレイの特徴と、パフォーマンスの両方を兼ね備えたコーラスエフェクターです。
3つのコーラスタイプに加えて、弾き方の強弱でエフェクトを変化させるモードも搭載されています。
設定を本体にセーブできるフットスイッチもついており、ワンタッチで前回作ったパラメーターを呼び出せるので、面倒なセッティングの手間が省けます。
しかも、きらびやかで爽やかなサウンドはもちろん、揺れの強いVIBEサウンドまで再現できる最強の仕様です。
ただし、販売価格が少々高いので予算と合わせて考えてみてくださいね。
コーラスを組み合わせて音に揺らぎを加えてみよう!使い方次第でいろんな音が演出できる
コーラスエフェクターには定番のものから、初心者向けのものまでさまざまな種類があります。
コーラスの効果やそれぞれのエフェクターの機能を紹介しましたが、気になる商品は見つかりましたか?
コーラスエフェクターは揺れ幅や揺れの速さで抑揚をつけることができ、つなぐ順番次第では全く違ったサウンドも作り出せます。
操作性やエフェクトの違い、スマホアプリとの連動など、それぞれが個性的です。
自分が求めるサウンドや予算と相談して、自分に合ったコーラスエフェクターを見つけてくださいね。
この記事のまとめ!
- コーラスエフェクターとは、揺れを表現するエフェクターのこと
- 抑揚をつけたい時にコーラスエフェクターを使う
- 出力の仕方が違えばサウンドも変わる
- つなぎ方によって、全く違う雰囲気を演出できる
- コーラスエフェクターを選ぶ時は、音色やつまみの種類に注目しよう