手軽に専門性の高い曲を作れると話題となっている作曲手法「コライト」。
取り入れてみたいけれど、詳しく知らないので迷っているという人も多いのではないでしょうか?
この記事のもくじ
コライトとは
コライトとは、複数人で楽曲を制作する作曲スタイルのことです。
語源となったのは、共同制作を意味する英語「Co-Write」。
言葉の由来通り海外の音楽シーンでよく使われる作曲スタイルでしたが、最近では日本の人気アーティストや音楽配信者も積極的に取り入れています。
最大の特徴は、チーム制作ならではの安定したクオリティの楽曲が作れること。
もちろんデメリットもありますが、上手く活用すれば快適に音楽制作が進められるので、気になる人はぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?
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コライトするメリット
コライトには普通の音楽制作にはない、数多くのメリットがあります。
アイデアを共有できる、孤独を感じにくい以外にも、音楽ライフの充実やスキルアップに関係するメリットがたくさんあるので、試してみる価値は十分にあるでしょう。
次は、コライトするメリットを紹介するので、試すべきか迷っている人は参考にしてみてくださいね。
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刺激的で成長につながる
コライトのメリットは、成長のきっかけを見つけやすいことです。
得意ジャンルやキャリアがバラバラの作曲家たちが集まり、アイデアや意見を交換しながら制作を進めるスタイルなので刺激的な出来事も盛りだくさん。
新しいテクニックや基本的な考え方はもちろん、機材の知識や演奏のコツなどにも手軽に触れられるので、参加するだけでも音楽的に成長できます。
1人で作曲するときには味わえない、多くの刺激と成長のきっかけに出会えるのがコライトの魅力です。
作曲スピードが格段に上がる
作曲スピードが格段に上がるのも、コライトのメリットです。
それぞれが得意分野をメインに作業を進めるスタイルなので、そのぶん作業スピードも上がるでしょう。
大まかな構成を記したリズムマスター譜、デモ音源を配布するといった事前準備に力を入れれば、さらにスピードアップが見込めるのもポイント。
ある程度の音楽の知識やメンバーをまとめるスキルは必要になりますが、1人で制作するよりも大幅にスピードや効率を向上させられるのがコライトの魅力です。
他の作曲家の手法が分かる
コライトには、他の作曲家の手法が分かるというメリットもあります。
1人で音楽制作をする場合では、他の作曲家の制作方法や考え方などを知る機会は少ないです。
一方のコライトは共同作業の比率が高めなので、他のミュージシャンの手法を手軽に知ることができます。
さらに、コミュニケーション次第では、何を考えてその手法を使っているか、どんなときに使うかまで学べるのです。
学んだ手法を1人での音楽制作に取り入れれば、次の音楽制作に活かせるのもポイント。
他の作曲家の手法を学んで、作曲レベルを上げたい人はぜひ挑戦してみましょう。
不得意な分野は助けてもらえる
不得意な分野を得意な人に任せるといった、作業の分担ができるのもコライトの魅力です。
バンドサウンドは得意だけどストリングスやEDM系の打ち込みが苦手、歌メロや曲の制作は得意だけどマスタリングやミキシングに苦手意識があるという人も多いはず。
共同で制作するスタイルなら、それぞれの得意な分野を活かしながら制作を進められるので、これらの苦手分野も簡単に解消できます。
ある程度のスキルがあり、得意分野がある作家同士で制作を進めるときに限定されますが、それぞれの強みを活かした楽曲制作ができるのがコライトのメリットです。
コライトするデメリット
メリットが多いコライトですが、もちろんデメリットもあります。
全員がチーム作業に慣れているなら特に問題はありませんが、協調性や自主性がないメンバーが集まるとデメリットが際立ってしまう場合もあるので注意しましょう。
メリットの次は、コライトするデメリットを紹介するので、自分に合っているか知りたい、トラブルを回避したい人は参考にしてみてくださいね。
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自分だけで曲を動かせなくなる
自分の決断だけで、曲を動かせなくなるのがコライトのデメリットです。
曲を動かすとは、コンペへの提出やライブ演奏、楽曲提供といった権利が関わる運用方法のこと。
コライトは複数人で1つの曲を作るのが基本なので、曲を動かすときには権利者全員、場合によってはそれぞれが所属する事務所などの許可を取る必要があります。
クオリティやスピードは上げやすいですが、動かすときの手間は大幅に増えてしまうと覚えておきましょう。
トラブルは連帯責任になる
依頼主の希望と違った、制作が遅れてしまったなどのトラブルは基本的に連帯責任です。
そのため、たとえ1人のミスや遅れであっても、コライトチーム全員の責任になり評価を落とすことにつながってしまいます。
ひどいトラブルの場合には、個人の評価まで下がり、1人での活動が難しくなってしまう場合もあるでしょう。
個人としてではなく、チームとして責任追及・評価されることがコライトのデメリットです。
自分の希望が通るとは限らない
コライトでの楽曲制作では、自分の希望が100%通るとは限りません。
もちろん、素晴らしいアイデアなら希望が通ることも多いですが、基本的に共同制作者と話し合いながら作業を進めるため妥協を求められることも多いです。
そのため、部分的に変更されてしまったり、大部分をカットされてしまったりする可能性も十分にありますよ。
ときにはこだわりを捨て、妥協する必要があるのもコライトのデメリットといえるでしょう。
不得意な分野が成長しない
不得意な分野が成長しにくくなるのも、コライトのデメリットです。
制作スタイルにもよりますが、不得意な分野を他の人に任せっきりにしてしまうと、いつまでたっても苦手を克服できません。
また、アイデアを出したり意見を言ったりすることもできないので、チーム全体の成長も止まりがちになってしまいます。
このような状態になってしまうと、コライトのメリットが帳消しになるだけでなく、相手から他の人と一緒に作業したほうが良いと思われてしまう可能性もあるでしょう。
将来的には不得意分野もある程度克服し、アイデアを出すつもりで参加するのがおすすめです。
コライトする時の注意点
コライトのメリット・デメリットを把握したら、次は注意点をチェックしていきましょう。
この注意点を意識しながら制作を進めるだけでもチーム内の関係が円滑になり、スムーズに音楽制作を進められます。
また、デメリットで紹介したトラブルも未然に防げるので、共同制作がより快適になるのもポイントです。
最後に、コライトする時の注意点を、制作をスムーズに進めるコツと共に紹介します。
相手の作品を尊重する
コライトを進めるときは、相手の作品を尊重しましょう。
もちろん、メンバーの作品を客観的に判断し、自分の意見を言ったり変更を加えたりするのも重要です。
しかし、過激な言葉を使って批判したり、無断で大部分をカット・変更してしまうと相手に悪い印象を与えてしまいます。
場合によってはチーム内の人間関係が悪化する、周囲からの評判が悪くなる可能性もあるでしょう。
音楽制作と真面目に向き合いつつも、相手を不快にさせないスマートな姿勢で取り組むのがコライトを成功させるコツです。
アイデアの共有は具体的にする
アイデアの共有を具体的にするのも、コライトを進めるときのポイントです。
言葉にするのが難しい部分もありますが、できるだけ具体的に共有することで全員に楽曲の方向性が伝わり、その後の工程もスムーズに進みます。
ポイントは、多くの作曲家が共通言語として使っている楽譜の読み書きのルールを記した「楽典」やテクニック、理論などの知識を使って説明すること。
併せて、有名アーティストの代表曲や譜面などを使えば、より具体的に伝えられます。
どうしても言葉にできない場合は、イメージに近い曲の動画や簡単なデモ音源を送るのもおすすめです。
メンバーとの連絡を怠らない
コライトでは音楽制作に没頭するのも大切ですが、メンバーとの連絡も怠らないようにしましょう。
メンバーそれぞれがこまめに作業の進み具合や疑問点などを連絡していれば、全体の進み具合もハッキリとし制作もスムーズになります。
また、お互いの信頼関係も築けるので、チーム内の雰囲気や今後の関係なども良い方向に向かいやすくなりますよ。
面倒かもしれませんが最低でも2日~3日に1回、できれば24時間に1回を目安に連絡するのがおすすめです。
コライトは個々の力を付けてからがおすすめ!興味がわいたらキャンプに参加してみよう
コライトは1人でもある程度のクオリティの曲が作れるレベルまで、個々の力を付けてから取り組むのがおすすめです。
メンバー全員がこのレベル以上になれば快適にコライトが進められるのはもちろん、楽曲のクオリティも向上させやすくなりますよ。
普段聴かないジャンルや他の作曲家の手法も学べるので、音楽的に成長できるのもポイント。
最近ではワークショップ形式のイベント「コライトキャンプ」なども開催されているので、興味がある人はぜひ参加を検討してみてくださいね。
この記事のまとめ!
- コライトとは複数の作曲家がチー厶を組み、音楽制作を進める手法
- 作曲スピードの向上から、個人の成長まで多くのメリットがあるのがコライトの魅力
- コライトには楽曲の権利者数が多くなる、トラブルは連帯責任などチームプレイならではのデメリットもある
- 相手への敬意を忘れないことが、コライトを成功させるコツ