ベースはバンドの中でもリズムを担当する重要なパートです。
その反面、単調な演奏になりがちで、演奏にメリハリを付けるのは難しいですよね。
基本的な弾き方ができるようになったら、次のステップとしてゴーストノートを身に付けるのがおすすめです。
この記事のもくじ
ベースのゴーストノートとは
ベースのゴーストノートとは、弦をミュートした状態で軽く触れて短い音を出すことです。
弦を押さえずに弾くことで、実音ではなく小さく短い音が鳴ります。
ゴーストノート単体では目立たないので、基本の弾き方をマスターしてから練習しましょう。
指弾きやスラップ奏法、ピック弾きなどさまざまな奏法で使えるので、ベーシストはぜひ身に付けてくださいね。
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ゴーストノートを表す記号
ゴーストノートは、「×」の記号で表されます。
画像の譜面では1拍目と3拍目に4分音符があり、2拍目と4拍目に「×」の記号がありますね。
1拍目は3弦の3フレットを弾き、2拍目は弦をミュートした状態で軽く触れましょう。
3拍目と4拍目でも同じことを繰り返し、「×」の記号でゴーストノートを行います。
実音とゴーストノートできちんと違う音を鳴らせるように意識しましょう。
ゴーストノートはグルーブやノリを作る
ゴーストノートを入れることで、グルーブやノリを演出できます。
普通の演奏にゴーストノートを加えると、普通の演奏よりリズミカルになり、気持ちの良い演奏になるのです。
譜面に「×」の記号がなくても、休符の部分を利用して入れてみても良いでしょう。
無理に詰め込みすぎると、リズムやサウンドが崩れたりしてしまうので、注意してくださいね。
ベースゴーストノートの種類
ベースにはピック弾きや指弾き、スラップ奏法などさまざまな演奏方法がありますが、ゴーストノートも2種類に分かれています。
それぞれニュアンスが違うので、自身の演奏スタイルや弾くジャンル、バンドサウンドに合う方法を身に付けましょう。
どちらも習得すれば演奏の幅も広がるので、余裕がある人は2つともチャレンジしてみてくださいね。
ピッキングゴーストノート
ピッキングゴーストノートとは、弦を左手でミュートし、右手は普通に演奏する方法です。
ピック弾きはもちろん、指弾きやスラップ奏法でも使用できます。
ピッキングゴーストノートはリズムキープがしやすいのが特徴です。
小刻みに休符が入る譜面の場合、弾かない部分にゴーストノートを入れることで、体でリズムを感じられます。
ピッキングゴーストノートの方法
「ピッキングゴーストノート」では、左手(弦を抑える手)は弦に軽く触れてミュートし、右手(弦を弾く方の手)は普段と同じように動かしましょう。
弦を弾かずに右手を動かす「空ピッキング」と似ていますが、ピッキングゴーストノートでは、右手は実際に弦を弾きます。
左手を1本の指で弦に触れてしまうと「ハーモニクス」という音が鳴ってしまうので、複数の指で弦に触れるようにしましょう。
打撃ゴーストノート
「打撃ゴーストノート」とは、左手(弦を抑える手)で弦を叩き、音を出す方法です。
指弾きやピック弾きでは基本的に使わず、主にスラップ奏法でピッキングゴーストノートと併用します。
ピッキングゴーストノートだけでは追いつかない時、補助的に打撃ゴーストノートを入れると楽になりますよ。
難易度が高く、ピッキングゴーストノートとの音量差も出やすいため、根気強く練習しましょう。
打撃ゴーストノートの方法
打撃ゴーストノートは、左手(弦を抑える手)親指以外の4本を使って弦を叩きます。
力任せに叩きつけるのではなく、力を抜いて指をしならせるようにして叩きましょう。
上手く動かすためには親指のポジションも重要で、ネックの中心より少し低めに置くのがおすすめです。
また、指先の1点で弦に触れるのではなく、4本の指を1つの面として同時に弦を叩きましょう。
叩いた反動で弦から手が離れると音が鳴ってしまうので、叩いた後はしっかりミュートの形に戻してくださいね。
ベースゴーストノートの練習方法
ベースのゴーストノートは、スラップ奏法で練習するのがおすすめです。
スラップではゴーストノートが重要で、スラップでできるようになれば指弾きやピック弾きでも簡単にできるようになるからです。
まずは、ピッキングゴーストノートと打撃ゴーストノートをゆっくりでもいいのでできるようになりましょう。
次に、右手(ピッキングゴーストノート)と左手(打撃ゴーストノート)を交互に繰り返し、徐々にスピードを上げていきます。
これができたら、「右、左、左」「左、左、右、左」など、さまざまな組み合わせで練習していきましょう。
自分の苦手な組み合わせを練習用フレーズとして、繰り返し練習するのもおすすめですよ。
ゴーストノートとミュートの違い
ゴーストノートは左手を弦に触れた状態で行いますが、「ミュート」と同じではありません。
ミュートは「余計な音を鳴らさないこと」であり、左手で弦に軽く触れて音を出さない以外にもさまざまな方法があります。
例えばベース本体やアンプのツマミを使ってボリュームを0にしたり、弦を抑えながら余った指で他の弦に軽く触れて音が出ないようにするのもミュートです。
ゴーストノートは、「音を出さない」ということではないので、注意しましょう。
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ゴーストノートとスライドの違い
ゴーストノートは譜面で「×」と表示されますが、「スライド奏法」という演奏方法でも同じ「×」という記号が表示されます。
スライド奏法の場合は、「×」の記号に「g」が付いているのが特徴です。
これは、フレットをどこからどこまでスライドさせればいいか決まっていないということなので、ゴーストノートとは全く意味が違います。
ベースゴーストノートの注意点
ベースのゴーストノートは演奏をリズミカルにし、グルーブ感やノリを良くしますが、注意点もあります。
適切な使い方をしないとただのノイズになったり、他の楽器の邪魔をしてしまいかねません。
あくまでも演奏の幅を広げるためのテクニックなので、注意しましょう。
ここでは、ゴーストノートの注意点について紹介していきます。
ゴーストノートを使いすぎない
ゴーストノートを使うことで演奏が上手く聴こえますが、使いすぎには注意しましょう。
ファンクなどのリズミカルな音楽では多めに入れても良いですが、バラードや歌ものでゴーストノートを入れすぎると、ベースがうるさくて悪目立ちしてしまいます。
音符を区切るとついゴーストノートを入れてしまう癖がついてしまわないように、注意しましょう。
ゴーストノートの音量は下げない
ゴーストノートは実音よりも音量を下げて弾くものと思いがちですが、基本的には音量を下げずに行いましょう。
ピッキングの力を緩めず、右手の動きを一定にするのがコツです。
また、リズムを取ることを重要視しているのか、ゴーストノートを効果的に聴かせるフレーズかによってコントロールできるようになれば理想的ですね。
16分音符を等間隔で演奏する
ゴーストノートでは、16分音符や8分音符を等間隔で鳴らせるようになりましょう。
裏拍をしっかり感じて、リズムがぶれないように意識してください。
ゴーストノートは細かい音符がたくさん出てくるフレーズが多いので、リズムが少しでもずれてしまうとすぐにリズムが崩れてしまいます。
リズムを綺麗にはめて、ゴーストノートの存在感を出せれば、よりかっこいい演奏ができますよ。
ゴーストノートのおすすめベース練習曲
ゴーストノートは基礎練習でも十分習得できますが、それだけでは練習に飽きてしまいますよね。
また、基礎練習でできていても、実際の演奏では上手くできないこともあるでしょう。
そのため、基礎練習をある程度行ったら、曲で練習するのも大事です。
最後に、ゴーストノートの練習に最適な曲をいくつか紹介します。
SWEETNESS / MISIA
MISIAの「SWEETNESS」は、ドラムとベース中心のシンプルなトラックにMISIAの透き通った歌声が映える曲です。
ゆったりとしたテンポですがベースのリズムは単調ではなく、ゴーストノートも多用されています。
休符が多く、ゴーストノートを入れる部分としっかりとミュートする部分のメリハリを付けるのが演奏のコツです。
STAY TUNE / Suchmos
Suchmosの「STAY TUNE」もベースのゴーストノート練習曲に最適です。
細かく動くベースの音符とゴーストノートが、おしゃれなシティポップを彩っています。
ベースの音符が歩くように動くので、ゴーストノートを入れることでよりリズミカルに、ノリやすくなりますね。
サビやアウトロはベースが主役と言っていいほど主張が激しいので、大げさにゴーストノートを入れても良いかもしれませんね。
ずっと好きだった / 斉藤和義
斉藤和義の「ずっと好きだった」はシンプルなロックで、ベースはゴーストノートを効果的に利用したグルーブが特徴です。
他の2曲と比べると細かいフレーズは登場せず、8分音符を中心に組み立てられています。
そのため初心者にも手が出しやすく、ゴーストノートの基礎を学ぶのにも最適です。
シンプルなベースラインなので粗が目立ちやすく、自分の課題も見えてくるでしょう。
ゴーストノートはグルーブやノリを作ってくれる!上手く取り入れて味のある演奏にしよう
ベースのゴーストノートは、演奏のグルーブやノリを作り、バンド全体の演奏を彩ってくれるテクニックです。
上手く取り入れれば、単純なフレーズもかっこよく演奏できるようになります。
その点、入れすぎると全体の演奏を邪魔してしまうこともあるので、使い方には注意が必要ですよ。
ゴーストノートを上手く取り入れて、存在感のあるベーシストを目指してくださいね。
この記事のまとめ!
- ベースのゴーストノートは、弦に軽く触れながら短くアタック音を出すテクニック
- 「ピッキングゴーストノート」と「打撃ゴーストノート」の2種類がある
- 「ミュート」や「スライド奏法」とは違う
- ゴーストノートを使いすぎて、他の楽器を邪魔しないように注意しよう
- リズム・音量がばらつかないように気を付けよう