ベースのピック弾きに挑戦してみたいけれど、「種類が多すぎてどれを選んだらいいか分からない」と悩む人も多いのではないでしょうか。
見た目や形が似た商品も多いですが、選び方のコツを知っておくと好みの音質を持った、弾きやすい1枚が見つけやすくなりますよ。

ベースのピック選び方
ベース用のピックは、形状や厚さ、素材に注目して選びましょう。
これらの要素は音色や弾きやすさに影響するもので、楽器メーカーや製造工場などが違っても大まかな音色や弾きやすさの傾向は同じです。
そのため、形状や素材、厚さを考えて選ぶと、好みの音色と演奏性を持った1枚を見つけやすくなりますよ。
また、エレキベースは弦が太く、ギターよりも弦を弾くときの力も必要になるという特徴があります。
エレキギター用とエレキベース用のような分類はされていませんが、エレキベースの場合は弦に負けない硬さを持ち、指と触れ合う面積が大きいピックのほうが使いやすいです。
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ベース向けピックの種類
ベース向けピックの選び方を把握したら、次はどのような種類があるのかを見ていきましょう。
さまざまな価格帯、デザインの商品が販売されていますが、選び方と種類の両方を考えて選ぶと自分好みの1枚が探し出せますよ。
ベース向けピックの種類を形や厚み、素材に分けて紹介するので、どれが自分に合っているか考えてみてくださいね。
形
トライアングル型
トライアングル型は、ベース用のピックとして定番の形状です。
角が3つあるタイプで、全体的に丸みをおびた形状をしているため、おにぎり型の相性で親しまれています。
指と触れ合う面積も広いため、握ったときの安定感が高いのが特徴。
また、それぞれの角で弦を弾くことができるので、演奏で1つの角がすり減ってしまっても残りの部分で弾くことができます。
多くのメーカーが販売している形なので、素材や厚さのバリエーションも多く、好みの1枚を見つけやすいのもうれしいポイントです。
正三角形型
正三角形型は、大きめのサイズ感と直線的なデザインが特徴のピックです。
トライアングル型と比べると、角が鋭くなっているので正確なピッキングやタイトな音色を得意としています。
もちろん、3つの角全てを使える、持ったときの安定感が高いというメリットはトライアングル型と同じですよ。
ギター用としてはあまり使われない形状で、主にパワフルで輪郭のある音を出したいベーシストに好まれています。
ティアドロップ型
しずくのような形が特徴的な、演奏性に優れた形状がティアドロップ型です。
弦を弾く部分が鋭い形状なので、ピックが弦に引っかかることなく、狙った弦を正確にピッキングできますよ。
指が触れる部分は広めの設計ですが、トライアングル型や正三角形型ほど大きくないので、ベースのピック弾きに不慣れだと落としたり、ズレたりする場合があります。
安定性よりも正確性を重視する人、輪郭のあるシャープな音が好きな人におすすめのピックです。
ジャズ型
ジャズ型のピックはティアドロップ型を小さく、先端部分をよりシャープにした形状が特徴です。
メタルやジャズ系のギタリストに人気の形状で、ティアドロップ型よりも高い精度でピッキングできます。
指と触れる面積が少なく、安定性も他の形状より低いのでピックの扱いに慣れていないと弾きにくさを感じてしまうでしょう。
正確性や操作性が高いピックなので、ピック弾きに慣れている人や、ベースソロをやりたい人は試してみてくださいね。
円型
円型は角が全くない、独特な形のピックです。
主にベース用として使われており、マイルドな音色ながらも芯があるのが特徴。
他のピックと比べると、弾き心地やピッキングの感覚も異なりますが、弦に引っかかりにくいので、慣れると使いやすいピックですよ。
また、弦と平行に当てないとキレイな音がでないため、ピッキングの基本である平行アングルの練習にもなります。
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厚み
Thin・Soft / 0.5mm
ThinやSoftは0.5mm以下の厚さで、大きくしなるのが特徴のピックです。
高音域が際立った音質で、強く弾いてしまうと割れてしまうため、ベースではあまり使われていません。
アタック感も弱く、音の強弱を付けるのも難しいので、しなりを生かした個性的なサウンドを出したい人以外はThinより硬いピックのほうが向いていますよ。
Medium / 約0.7mm
Mediumは0.7mm前後の厚さの、ほどよいしなりを持ったピックです。
エレキギターやアコースティックギターの演奏にはちょうど良い厚さですが、エレキベースに使うと弦に負けてしまう場合があります。
Thinと同様に個性的なサウンドが欲しい人、厚いピックに弾きにくさを感じている人におすすめの厚さです。
ベース初心者はまずMediumより硬いピックを使ってみて、ピッキングの感触や音の好みを把握してから試しましょう。
Heavy・Hard / 約1.0mm
ベースのピック弾きで最もよく使われているのが、HeavyやHardと呼ばれる1mmの厚さです。
しなりが少なく、太い弦を弾いても負けたり、割れたりしないので初心者でも使いやすい厚さですよ。
Mediumよりも弦を弾いた感触のアタック感が強く、音質は低音や中音域がハッキリとした太くパワフルな音になります。
また、音の反応性もいいため、正確にリズムを刻みたいときにも使いやすい厚さです。
Extra Heavy・Extra hard / 約1.15mm
Extra HeavyやExtra hardはHeavyよりもさらに厚く、しなりも全くないピックです。
Heavyと同様にベースの演奏ではよく使用される厚さで、太い弦を追加した5弦ベースを使う人にも好まれています。
音質はHeavyよりもパワフルで、中低域が際立った太いサウンドになっています。
音の反応性などはExtra Heavyの方が若干上ですが、演奏していても気にならないレベルなのです。
どちらの厚さにするか迷ったときは、HeavyとExtra Heavyの音質の違いに注目して選ぶと良いですよ。
素材
セルロイド
セルロイドはツルツルとした感触と、高い柔軟性が特徴の素材です。
ピックの定番の素材であり、形状や厚さも豊富なので、自分好みのピックを探しやすいですよ。
音質は全体のバランスに優れたクセのないサウンド、弾き心地はなめらかで音の強弱が付けやすいため、ジャンルを選ばずに使えます。
他の素材と比べると削れやすいのがデメリットですが、削れ具合でピッキングの強さや悪いクセの確認もできるため、ベース初心者にもおすすめです。
ポリアセタール
セルロイドよりも摩擦に強く、硬い音質をもったピック素材がポリアセタールです。
ポリアセタールも定番の素材で、色々な形状や厚さの製品が販売されています。
デルリンやジュラコンなどもポリアセタールに分類される素材で、亀のイラストが印象的なJIM DUNLOP社のトーテックスはデルリンを加工して作られていますよ。
セルロイドよりも中音域が強く、輪郭のあるハッキリとした音が出せるため、バンドの中でも埋もれにくい音を求める人におすすめです。
ウルテム
ウルテムはべっ甲や人間の爪に近いと言われる、バランスの良い音質が特徴の素材です。
音の反応性も良く、ポリアセタールのような輪郭のあるサウンドなので、どんなジャンルや弾き方にも合いますよ。
画像のJIM DUNLOP製のピックはULTEX(ウルテックス)と記載されていますが、これは商品の名称で素材はウルテムが使われています。
高い耐久性と、使いやすい音質を持ったピックなので、セルロイドは音がマイルドすぎる、ポリアセタールは硬すぎると感じている人は使ってみてくださいね。
ベース用ピックおすすめ11選
ベース向きのピックの選び方や種類を覚えたら、色々なピックを実際に試してみたくなりますよね。
店頭や通販サイトには多くの商品が並んでいて、商品情報の記載が少ないことも多いです。
スムーズに選ぶためにも人気のあるもの、弾きやすいと評判のものなど、いくつか製品を知っておくと良いですよ。
最後にベース用ピックのおすすめをトライアングル型、正三角形型、ティアドロップ型、ジャズ型、円型の順で紹介します。
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ESP PD-PS10
「ESP PD-PS10」はポリアセタール素材を使用した、シャープな形状のトライアングル型ピックです。
表面のロゴ部分は、ざらざらとした滑り止め加工になっているので、激しい演奏をしてもズレにくくなっています。
厚さは、1.00mmのHardとベースの演奏にピッタリの仕様。
シャープな角により、正確なピッキングがしやすいので、初心者にもおすすめのピックです。
Jim Dunlop トライスタビー ピック473B300-DBL-12P
「Jim Dunlopのトライスタビー」は、ポリカーボネートという硬い素材を使用した、3mmの厚さを持つトライアングル型のピックです。
アタック感が強めのシャープな音質が特徴で、特に高音域がハッキリとしていますよ。
また、表面がなめらかで、しなりも全くないため、弦に引っかかることなくスムーズに演奏できます。
厚さへの慣れは必要ですが、使いやすさと弾きやすさに優れたピックです。
Jim Dunlop Try Stubby Pick 12枚 セット ジム ダンロップ トライ スタビ― ピック 3.00mm & Musent Custom...
HISTORY HP4H HARD
丸みを帯びた定番のトライアングル型が欲しい人におすすめなのが、HISTORYの「HP4H HARD」です。
HISTORYは島村楽器のオリジナルブランドであるため、近所に島村楽器があればいつでも購入できますよ。
表面はゴールドの塗料でブランドロゴが記載されているのみと、シンプルでおしゃれなデザインになっています。
厚さはHardとベース用にピッタリで、形状もオーソドックスなので使いやすいピックですよ。
STR Guitars Grip BASS PICK
「Grip BASS PICK」は、熟練の職人が作るギターやベースが人気のSTR Guitarsが販売するピックです。
商品名にもBASSと入っているように、ベーシスト向けの正三角形型で、中央部分には滑り止め効果のあるラバーグリップが付いていますよ。
厚さは0.75mmのMedium、1.00mmのHeavy、1.50mmのExtra Heavyの3種類から選べます。
シャープな音が好きで、激しい演奏をしたい人におすすめのベース用ピックです。
PICKBOY BP-24XH
大きな正三角形型の形状、レインボーカラーのデザインが印象的なピックが「BP-24XH」です。
高品質なピックが高い評価を受ける日本の老舗ブランドPICKBOYで、有名ギタリストのジョン・メイヤーが愛用していることでも有名なブランドですよ。
素材は定番のセルロイドを採用、厚さは1.20mmのExtra Heavyのクセが少なく、使いやすい仕様になっています。
角はシャープな形状になっているので、強めのアタック感がありますよ。
デザインとサウンドの両方にこだわりたい人にピッタリのピックです。
Fender 351ティアドロップ EXTRA HEAVY
有名ギターメーカーのFenderが販売する、オーソドックスなティアドロップ型のピックが「351 EXTRA HEAVY」です。
価格もリーズナブルで、多くの楽器店で売られているため、気軽に試すことができますよ。
素材はバランスの良いサウンドのセルロイドを採用、先端はやや丸い形状なので感触や音もマイルドになっています。
カラーバリエーションは8色と豊富なので、自分好みのデザインを見つけてみてくださいね。
SCHECTER SPT-HC10
「SPT-HC10」は、先端がシャープな形状になっている、ティアドロップ型のピックです。
アメリカのギター・ベースメーカーのSCHECTERが販売するピックで、厚さは1.00mmほどのHeavyとなっています。
Fenderの351よりもシャープな形状なので、アタック感のハッキリした硬めの音が出せますよ。
また、細かな演奏もしやすいので、ベースの弦を正確に弾きたい人におすすめです。
ESP PJ-PSU12 ウルテムピック
「PJ-PSU12」は日本のハイエンドギター・ベースメーカーのESPが販売する、小さなジャズ型のピックです。
先端の形状もシャープで、厚さも1.2mmとなっているので、弦に負けることなく正確にピッキングできます。
また、ロゴ部分は滑り止め効果のある加工が施されており、ズレや落下を防げるのもポイント。
ギター向けのピックですが、バランスの良い音質を持ち、操作性に優れているいるので、ピッキングの精度を重視する人におすすめです。
D'Andrea Pro Plec PRO-385
「D'Andrea Pro Plec PRO-385」は、円型とトライアングル型の中間のような、丸みのあるデザインが特徴のピックです。
Pro Plecシリーズは、太くマイルドな音が特徴で、丸い音を好むジャズギタリストに人気があります。
PRO-385はシリーズ内で最もマイルドな音が出せるタイプなので、指弾きのような音を出したいベーシストにピッタリです。
厚さは1.5mm、大きさはペットボトルのキャップほど、表面の塗装部分には凹凸があり滑り止めとしても役立ちます。
楽器屋には置かれていないマイナーなピックですが、音色は他の製品と全く違うので、気になる人は試してみてくださいね。
moon XH 1.52
トライアングル型とティアドロップ型の中間のような、独特なデザインのピックが「moon XH 1.52」です。
裏面にfor Bassistsとあるように、ベーシストのために開発された製品となっています。
指に触れる部分は大きく、弦に当たる部分はシャープな形状なので、ピッキングの正確性と安定性の両方が優れていますよ。
ティアドロップ型やジャズ型のような正確性が欲しいけど、大きなピックの安定感も欲しいと考える人におすすめのベース用ピックです。
Ibanez Shaped pick for Bassist丸型
ギターやベースが人気のIbanezが開発した、ベーシスト向けの円型ピックが「Shaped pick for Bassist丸型」です。
角がなく、弦に触れる面積も横長になるため、マイルドで芯のある個性的な音が出せますよ。
厚さはしなりのあるMediumで、多少のアタック音はあるものの、ほどよく弦に負けてくれるのでピッキングもスムーズです。
素材は、クリアな音質のポリアセタールを採用。
弾きやすさとマイルドな音質を持った、使いやすいベース用ピックです。
ベースのピック選びは理想の音作りへの第一歩!ピック弾きをするならこだわって選ぼう
ベースのピック選びは、理想とする音作りや快適な演奏環境を作るための第一歩です。
こだわりを持って選ぶと、気持ちの良い音で演奏できるので練習やライブも楽しくなります。
また、種類が多く、新商品も次々と登場しているので、選ぶ楽しみもありますよ。
ぜひ今回紹介した選び方や種類、おすすめ商品を参考にして、好みの音が出せる弾きやすいピックを見つけてみてくださいね。
この記事のまとめ!
- ベース用のピックは形状や厚さ、素材に注目して選ぼう
- トライアングル型や正三角形型のピックは指に触れる面積が大きく、安定性が高いのでベースに向いている
- ベース初心者はまずHeavyを使ってみて、しなりが欲しい場合にはMedium、太い音が欲しい場合にはExtra Heavyを試してみるのがおすすめ
- ピックの素材はそれぞれに音の個性があるので、色々と試してみよう
- おすすめのベース向けピックを参考に、自分好みのピックを探してみよう