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カデンツとはどんな意味?和音記号や語源・機能や種類についても紹介 2024年12月

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カデンツ

作曲者だけでなく、演奏者のサポートもしてくれる便利な音楽理論「カデンツ」

ぜひ覚えて音楽のスキルを向上させたいけど、どんな意味の言葉なのか分からないので学習や練習が始められないという人も多いのではないでしょうか?

Live編集部
この記事では、カデンツの意味や特徴、使うときに必要な基礎知識を紹介します。

 

カデンツとは

カデンツとは、和音(コード)の使い方や並べ方を学ぶときに役に立つ和声の基本理論です。

日本語や英語の文法のようなもので、知っておくだけでも作曲や演奏、譜読みなどが快適になりますよ。

また、アドリブ演奏曲の分析といった発展的な作業をするときにも活用できるので、スキルアップして音楽を深く楽しみたい人はぜひ覚えておきましょう。

はじめに、知っておくと便利なカデンツの意味や語源、基礎知識を紹介します。

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意味と語源

カデンツとはコード進行の最小単位を意味する言葉です。

厳密には「安定→不安定→安定」といった機能進行の最小単位を表す言葉で、多くの楽曲がこのカデンツを組み合わせて作られていますよ。

語源は終結を形作る旋律や、和音の定型を意味するドイツ語「Kadenz」。

日本のクラシック系の音大や音楽教育でドイツの音名を使うことも影響してか、ドイツ語の読みや意味がそのまま使われるようになりました。

似たものに、イタリア語の「Cadenza(カデンツァ)」という言葉がありますが、日本では協奏曲のラストのアドリブを意味する言葉として区別されています

また、ポピュラー音楽理論や英語圏で使われる「Cadence(ケーデンス)」、日本語の「終止形」は若干意味が違うものの、カデンツと同じ意味の言葉として使われていますよ。

同じ意味の言葉や似た言葉も多いですが、イタリア語のカデンツァ以外はコード進行の最小単位を意味するものと覚えておくと簡単です。

 

和音記号とは

数字 ローマ字
1
2
3
4
5
6
7

各コードをカデンツの型に当てはめるときに役立つのが「和音記号」です。

和音記号とはキーの中心となるコードをローマ数字の「Ⅰ」に当てはめ、そこからスケールの並び順に「Ⅱ→Ⅲ→Ⅳ…」と割り当てたもの。

キーCメジャーで考えると「C=Ⅰ、Dm=Ⅱ、Em=Ⅲ、F=Ⅳ、G=Ⅴ、Am=Ⅵ、Bdim=Ⅶ」となりますよ。

「Ⅰmaj7・Ⅲm・Ⅴ7・Ⅵm7」と、コードの属性も一緒に表記する「ディグリーネーム」もありますが、こちらはポピュラー音楽理論の用語なので混同しないようにしましょう。

クラシックの場合は和音記号、ポップスやジャズのようなポピュラー音楽の場合はディグリーネームを使うと覚えておくと区別しやすいのでおすすめです。

また、和音記号を覚えるときに役立つ「ダイアトニックコード」について詳しく解説した記事もあるので、気になる人はチェックしてみてくださいね。

 

カデンツ(和音)の機能

カデンツ(和音)の機能

基礎知識や意味を把握したら、次はカデンツを作るときに必須となる和音の機能(コードファンクション)を覚えましょう。

機能というと難しいイメージがありますが、響きを基準としたいくつかのグループに和音記号を当てはめるだけと簡単なので、ぜひ気軽に取り組んでみてくださいね。

次は、カデンツを作る上で重要となる和音の機能についてを紹介します。

 

Tonic(トニック)

Tonic(トニック)は、カデンツの中で強い安定感を演出する機能を持ったコードです。

和音記号の「Ⅰ・Ⅵ」、キーCの場合は「C・Am」が該当するもので、進行の始まりや終わりといった安定感を演出したい場面でよく使います

「Ⅲ」、キーCの「Em」はトニックの役割もありますが「Ⅲ→Ⅵ」と進行する場合は、この後に紹介するドミナント的な響き方をするので区別して覚えると良いでしょう。

「Ⅰ・Ⅵ」が基本のトニック、特殊な「Ⅲ」は実際に弾いて安定感があると感じた場合のみトニックと覚えると分かりやすいので、試してみてくださいね。

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Dominant(ドミナント)

カデンツの中で不安定な響きを演出する機能を持ったコードがDominant(ドミナント)です。

トニックに進行したくなるような不安定なサウンドを持っているため、トニックの「Ⅰ・Ⅵ」の直前でよく使われますよ。

該当するコードは「V・Ⅶ」で、キーCの場合は「G(G7)・Bdim」です。

特に「属和音」と呼ばれる「Ⅴ」は使用頻度が高いので、各キーの「Ⅴ」をすぐに見つけられるよう練習しておきましょう。

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Subdominant(サブドミナント)

Subdominant(サブドミナント)は、カデンツの中でやや不安定な響きを演出する機能を持ったコードです。

サブドミナントに分類されるのは和音記号の「Ⅱ・Ⅳ」、キーCの場合は「Dm・F」の2つ。

トニックとドミナントの両方に進行できる特性を持っているので、幅広く使えますよ。

他のタイプと比べると使うのが難しいですが、使い方次第でおしゃれな響きにしたり、浮遊感のあるサウンドを演出したりできる便利なコードです。

 

カデンツの種類

カデンツの基本を覚えたら、次は種類をチェックしてサウンドの特徴を理解し、作り方を覚えるステップです。

和音の機能と同様に種類が3種と少なく、それぞれにハッキリとした並べ方のルールがあるので、基本をマスターした人なら簡単に覚えられますよ。

機能の次は、カデンツの種類をサウンドの特徴や進行例と共に紹介するので、ぜひ参考にして作曲や練習に役立ててみてくださいね。

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カデンツ1型(K1)T-D-T

シンプルで力強い響きを演出するカデンツが、1型(K1)の「T-D-T」です。

「トニック→ドミナント→トニック」の順で並べた進行で、定番パターンは「Ⅰ→Ⅴ→Ⅰ」、キーCだと「C→G→C」となります。

また、似た響きの「Ⅵ→Ⅴ→Ⅰ(キーCのAm→G→C)」もよく見かけますよ。

ドミナントの「Ⅶ」はあまり使われませんが「Ⅵ→Ⅶ→Ⅰ」のように使えばマイナー感溢れる進行が作れるので、作曲や演奏に慣れている人は使っても良いでしょう。

シンプルすぎるサウンドのため作曲で使う際には注意が必要ですが、カデンツの雰囲気や基本を学ぶときにはピッタリの進行です。

 

カデンツ2型(K2)T-S-D-T

「T-S-D-T」タイプのカデンツ2型(K2)は、力強くもドラマティックなサウンドを持つカデンツです。

「Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ」「Ⅰ→Ⅱ→Ⅴ→Ⅰ」が定番パターンで、それぞれをキーCで表すと「C→F→G→C」「C→Dm→G→C」となります

「C=ドミソ・F=ファラド(D=レファラ)・G=ソシレ」とキーでよく使う音を全て含んでいるので、何のキーを弾いているかが分かりやすいのもポイント。

実際の楽曲でもよく使われるパターンなので、演奏や作曲のスキルをアップさせたい人はぜひ覚えておきましょう。

 

カデンツ3型(K3)T-S-T

進行感がやや弱めの、独特な響きを持つカデンツが3型の「T-S-T」です。

定番のパターンは「Ⅰ→Ⅳ→Ⅰ」「Ⅰ→Ⅱ→Ⅰ」で、キーCに変換すると「C→F→C」「C→Dm→C」となります

不安定なドミナントを含まないので、トニックを弾いたときの安定感も他の型よりマイルドなものになっていますよ。

上手く使えば、洗練されたサウンドを演出できるので、作曲に興味がある人は何度も弾いて響きを覚えてみてくださいね。

 

不完全カデンツとは

不完全カデンツとは

不完全カデンツとは、カデンツの型から外れた進行のことです。

トニックに戻らずに転調した場合、曲がトニックから始まらない場合に登場するもので、多くの楽曲で使われていますよ。

具体的には、定番の他のキーのコード(借用和音)を使った転調、おしゃれポップスに多いサブドミナントから始まる進行など

ポピュラー音楽理論ではあまり考えられない概念ですが、知っておくと選択の幅が広がるので、クラシック理論や発展的な作曲方法を学びたい人は覚えておきましょう。

 

カデンツとは和音進行のこと!機能や種類を覚えて練習してみよう

カデンツとは、和音進行の基本の型を理論化したものです。

あくまで基本理論なので、覚えるだけではイメージ通りの曲を作れるようにはなりませんが、意識しながら演奏や作曲を積み重ねれば大幅にスキルアップできますよ。

まずは、和音記号や機能を覚えるところからはじめましょう

慣れてきたら種類を意識しつつ色々なカデンツを作ったり、楽譜を読んだりしながら雰囲気を覚えて使いこなせるようになってみてくださいね。

 

この記事のまとめ!

  • カデンツとはコード進行の最小単位や型を表す言葉
  • 和音記号や和音機能を覚えれば、簡単にカデンツが作れる
  • カデンツには1型〜3型まで3つの種類がある
  • 不完全カデンツとは曲の構成や転調の影響でできる、カデンツの型から外れた進行のこと

 

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ton.

ジャズ、R&B、FUNK、BLUESを演奏するギタリストです。歌や音楽理論にも興味があり日々勉強しています。音楽をもっと楽しむためのヒントを届けていけたらと思います。

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