作曲に興味があるけれど、メロディーにコードをつける方法が分からないので、なかなか曲を作れないという人も多いのではないでしょうか?
難しい理論やセンスが必要な難しい作業と思われがちですが、簡単な手順やルールなどを理解すれば、作曲初心者でもスムーズに作業を進められるようになりますよ。
この記事のもくじ
メロディーとコードの関係性
メロディーとコードにはパートナーのような、お互いを引き立て合い、支え合う関係性があります。
もちろん、作り方次第では不協な響きも生まれてしまいますが、メロディーに近い構成音を持つ相性が良いコードを選べば、お互いの魅力をより引き立てることができますよ。
コードアレンジ次第では、メロディーの雰囲気をおしゃれにしたり、シンプルにしたりと、楽曲の雰囲気を大きく変えられるのもポイント。
メロディーのほうが重要なイメージがありますが、魅力的な曲を作るためには、つけるコードや関係性も重要と覚えておきましょう。
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メロディーとは?
メロディーとは単音で構成された音の流れ、メインの旋律です。
特に目立って聞こえるので、楽曲の主役だと考えると分かりやすいでしょう。
音程とリズムから構成されているもので、単体で聴いても音楽だと認識できるのが特徴。
曲の中心となる音を示した「キー」と、キーに対応する「スケール(音階)」を使って作るのが定番で、多くの作曲家がこの手法を取り入れて制作しています。
誰もが気軽に作れるものですが、アレンジや作り方の影響を受けやすいため、発展させて素敵な曲に仕上げるためには工夫が必要です。
コードとは?
メロディーを支えるために演奏される和音が「コード」です。
ポップスや弾き語り、バンドといった定番ジャンルではギターやピアノ、ベースといった楽器隊が演奏を担当しています。
楽曲の中では曲のスピード感や雰囲気、展開をコントロールしたり、緊張や解決などのメリハリを作り出したりする役割を担っていますよ。
最小単位はルートと3rd、5thの3音で構成される「トライアド」。
ポップスやジャズ、R&Bなどでは7thを加えた「セブンスコード」、さらに装飾音を加えた「テンションコード」といった発展型も使われています。
基本的な使い方はメロディーに使われている音と、共通点が多いものを選んで配置するだけとシンプル。
専門用語が多く登場するため難しく感じてしまいますが、簡単な部分も多いのでぜひ気軽に触れてみてくださいね。
メロディーにコードをつける手順
関係性や特徴を理解したら、次はメロディーにコードをつける手順をチェックしていきましょう。
感覚的につけていってもマッチする進行が作れる場合もありますが、手順に添って作業を進めたほうがより自然な進行を作りやすくなりますよ。
次は、メロディーにコードをつける手順を紹介するので、アレンジや作曲の参考にしてみてくださいね。
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曲の構成をイメージする
メロディーにコードをつける手順の最初のステップは「曲の構成をイメージ」することです。
構成とは「イントロ」や「Aメロ」「Bメロ」「サビ」などの並べ方を意味するもので、はじめに全体の流れをイメージしておくとその後の作業もスムーズになりますよ。
あわせてメジャーコード中心の明るい曲、もしくはマイナーコード中心のダークな曲にするかを決めておくのもおすすめ。
余裕があるなら、曲のスピード感に影響するコードチェンジの数も大まかに決めておくと良いでしょう。
メロディーの位置を決める
曲の構成をイメージできたら、次はメロディーの開始位置を決めていきましょう。
作曲に慣れていないなら、シンプルな雰囲気になりやすい1拍目から始めるパターンがおすすめ。
リズムを際立たせたい、浮遊感を演出したいなら前の小節の後半から始める「アウフタクト」や、休符から始まるパターンを使っても良いでしょう。
すでにメロディー譜がある場合には不要なステップですが、曲の雰囲気を手軽に変えられるので、これから曲作りする予定の人は取り入れてみてくださいね。
使われている音を確認する
メロディーの開始位置の決定の次は、使われている音を確認するステップです。
やり方はまず、ギターやピアノなどの正確に音程が測れる楽器と楽譜作成アプリやDAW、五線紙を用意します。
次にイメージしたメロディーや鼻歌が、どの音程になるかを楽器で確認しながらアプリや五線紙にメモしていきます。
先ほど決めた開始位置によってはバランスが悪くなる場合もあるので、このときは音を足したり、流れを変更したりして調節していきましょう。
最後に、全体の音が間違っていないかを確認すれば作業完了です。
作曲に不慣れだと難しく感じてしまうかもしれませんが、コードをつけるときに役立つ作業なので焦らず、正確性を重視しながら進めていきましょう。
キーを確認する
メロディーの実音が分かったら、キーを確認しましょう。
やり方はいくつかありますが、耳を頼りに探したいなら一番安定して響く音やコードを探す方法が向いています。
楽譜の読み書きの知識がある場合は♯や♭の数をカウントし、調号と照らし合わせながらキーを判別しても良いでしょう。
ペンタトニックスケールやメジャースケール、マイナースケールを覚えているなら、どれのスケールがマッチするか弾いて確認するという方法もおすすめです。
メジャースケールを確認する
Cメジャー | ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ |
Gメジャー | ソ | ラ | シ | ド | レ | ミ | ファ# |
Dメジャー | レ | ミ | ファ# | ソ | ラ | シ | ド# |
Aメジャー | ラ | シ | ド# | レ | ミ | ファ# | ソ# |
Eメジャー | ミ | ファ# | ソ# | ラ | シ | ド# | レ# |
Bメジャー | シ | ド# | レ# | ミ | ファ# | ソ# | ラ# |
Fメジャー | ファ | ソ | ラ | シ♭ | ド | レ | ミ |
B♭メジャー | シ♭ | ド | レ | ミ♭ | ファ | ソ | ラ |
E♭メジャー | ミ♭ | ファ | ソ | ラ♭ | シ♭ | ド | レ |
A♭メジャー | ラ♭ | シ♭ | ド | レ♭ | ミ♭ | ファ | ソ |
D♭メジャー | レ♭ | ミ♭ | ファ | ソ♭ | ラ♭ | シ♭ | ド |
G♭メジャー | ソ♭ | ラ♭ | シ♭ | ド♭ | レ♭ | ミ♭ | ファ |
キーの判別の次は、キーとマッチする音階(メジャースケール)を確認するステップです。
確実にキーが分かっている場合はキーと同じもの、不安な場合は構成音が近いものを選びましょう。
まれに数箇所だけ当てはまらないというケースもありますが、この場合も構成音と近い音を選んでおけば基本的に問題ありません。
また、マイナースケールを使ったマイナーキーも存在しますが、メジャーを中心に考えてもほぼ同じ結果になるので、不慣れな人はメジャー中心で進めるのがおすすめです。
ダイアトニックコードに置き換える
スケールの音を把握したら、それぞれをダイアトニックコードに置き換え、使用可能なコードを割り出していきましょう。
ダイアトニックコートとは、スケールの各音に3度ずつ、キー=Cのドの音ならミとソ、レならファとラのように音を積み上げたもの。
各キーで使える和音のなかでも、特に安定した響きが得られるのでメロディーにコードをつけるときの第一候補として使われていますよ。
作り方はまず、2つ先の音・3rd、4つ先の音・5thを積み、7音全てを3和音にしていきます。
次に3rdの音が全音2つ分ならメジャーコード、1音半ならマイナーコードと判別していきます。
最後に5thの音が3音半になっているかを確認し、全音3つ分になっているものに「dim」や「♭5」を付けたら完成です。
コードを選んで弾いてみる
最後に割り出したダイアトニックコードを想定した場所に置き、メロディーとマッチするか確認しながら弾いていきましょう。
弾き語りができるなら、コードと歌メロが調和しているかを確認するのがおすすめ。
作曲アプリを持っているなら、メロディーをアプリで鳴らしながら楽器を弾いてみてもいいでしょう。
音楽のスキルに自信があるなら、コードトーン(コード構成音)を1音ずつ弾きメロディーとぶつかっていないかを確認すると、より自然な響きのコード進行が作れますよ。
全てのパートで確認作業が終わったら、メロディーにコードをつける作業は完了です。
メロディーにコードをつけるコツ
メロディーにコードをつけるコツは、お互いの構成音を意識することです。
基本的に和音は旋律内で長く伸ばされている音、目立つ音を含むものを選んだほうが調和した響きになります。
正解はありませんが「小節内で多く演奏されている音」「1拍~2拍以上伸ばされている音」「最初の音と最後の音」を含む和音を選べば安定した響きを得られるでしょう。
自然な響きを演出したいなら、長い音符と和音の3rdがリンクするように配置するのもおすすめ。
また、セブンスコードやテンションコードの知識があるなら、特徴的な7thの音や装飾音を狙ってみると面白いサウンドが作れますよ。
はじめは難しいかもしれませんが、お互いの構成音を意識すればメロディーにマッチしたコードをつけることも十分に可能なので、挑戦してみてくださいね。
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メロディーにコードをつけるアプリ
メロディーにコードをつける手順やコツは分かったけれど、どこか難しく感じてしまうという人も多いでしょう。
そんな人におすすめなのが、入力した音や鼻歌、演奏をもとにコード進行を作ってくれるアプリです。
コードアレンジには正解がなく、色々な手法が存在するため完璧な進行は作れませんが、参考になるような進行であれば素早く作成してくれますよ。
最後に、メロディーにコードをつける機能を持った、便利なアプリを紹介します。
Chord Tracker
「Chord Tracker」は大手楽器メーカー・YAMAHAが開発した、耳コピ用のアプリです。
アプリ内で再生した曲を解析しコード付けする機能があり、大変な耳コピをサポートしてくれるのが特徴。
本来は耳コピ専用ですが、ボイスメモアプリのデータをDropboxに保存し、Chord Trackerで再生できるようにすれば鼻歌のメロディーにもコードをつけることもできますよ。
イマイチな進行になる場合も多いようですが、どの和音がマッチするか分からない、解析結果を参考にして作曲に役立てたいときには大活躍のアプリです。
Chordana Composer
2小節ほどの短い鼻歌から、AIが自動的に曲を作ってくれる商品がカシオの「Chordana Composer」です。
作曲がメインのアプリのため完成した楽曲には使えませんが、短いメロディーならコードをつけることができますよ。
さらに、ジャンルの設定もできるほか、入力したメロディーをもとに曲を完成させてくれるので、アレンジや作曲の参考にできるのもポイント。
モチーフはできたけれど全体のイメージができない、参考になる進行を知りたい人に特におすすめのアプリです。
Scaler 2 iOS
「Scaler 2 iOS」は本格的なツールを使って、メロディーにコードをつけたい人におすすめのiPad向けのアプリです。
作曲ソフトのプラグインとして人気の「Scaler 2」をアプリに移植したもので、メロディーからキーを判別し、コード進行を自動作成する機能を持っています。
さらに、ベースラインを自動作成する機能もあるなど、作曲に役立つ機能が盛りだくさん。
ジャンルにマッチした進行を作る機能を搭載しているほか、音源の音質も高いので快適に制作を楽しめます。
全ての機能の開放には課金が必要ですが基本機能は無料で使えるので、気になる人はチェックしてみてくださいね。
メロディーにコードをつけるには手順を覚えよう!コツやアプリを使って作曲をしてみよう
メロディーにコードをつけるには「全体像のイメージ」「スケールとキーの判別」「使える和音の把握」といった手順で進めていくのがおすすめです。
あわせて、楽譜の読み書きに必要な「楽典」、簡単な「スケール理論・コード理論」を学びながら作業を進めていくと、よりスムーズに曲作りを進められるでしょう。
どうしてもメロディーに合うコードが思いつかない場合は、コツを意識したりアプリの助けを借りたりするのもおすすめ。
最初は難しいものですが徐々に慣れてくるので、焦らず自分のペースで学習や作業を進めてみてはいかがでしょうか?
この記事のまとめ!
- メロディーとコードには、お互いを引き立てたり、構成音を左右したりするような深い関係性がある
- はじめてメロディーにコードをつけるなら、全体の構成を考えた後に使えるスケールやコードを割り出していく方法がおすすめ
- メロディーにコードをつけるコツは、メロディーの音とコードトーンをリンクさせること
- 最近では入力したメロディーや曲にコードをつける、便利なアプリも登場している