ハイパーポップとは、個性的なサウンドと自由な発想が特徴の音楽ジャンルです。
今までにない独自の音楽表現で、近年の音楽シーンに新たな刺激をもたらしています。

この記事のもくじ
ハイパーポップとは
ハイパーポップとは、近年注目を集めている音楽ジャンルで、どのジャンルにも当てはまらない過激で個性的なサウンドが特徴です。
高音で加工されたボーカルや歪みが独特な電子ビート、カオスな音響などが組み合わさり、デジタルネイティブ世代を中心に熱狂的な支持を集めています。
インターネット文化との親和性も高いハイパーポップは、サブカルチャー的な要素を含みながらも、主流音楽に影響を与える存在となっています。
また、このジャンルは実験性の高さも特徴的です。
もともとあるジャンルにとらわれず、自由な発想と技術による楽曲製作で、ジャンルの境界線を越えた新たな音楽が生み出されるのです。
ハイパーポップの成り立ち
ハイパーポップの発祥は、2010年代にイギリスで設立された音楽レーベル「PC Music」といわれています。
A.G. CookやHannah Diamondなどが中心となり、人工的でデフォルメされたサウンドを追求しました。
この新しい音楽性は、のちにSpotifyが「Hyperpop」という公式プレイリストを作成したことで一気に拡散され、ジャンルとして広く知られるようになります。
こうしてハイパーポップは、アングラな存在から一躍グローバルな潮流へと成長したのです。
TikTokで人気ジャンルへ
ハイパーポップが若者の間で爆発的に流行した背景には、TikTokの存在が欠かせません。
短尺動画との相性が抜群なこのジャンルは、ユニークな音作りや過激な展開が視覚的コンテンツと組み合わさることでさらなる魅力を広めました。
特にハイパーポップでも有名な100 gecsの「money machine」や、ElyOttoの「SugarCrash!」などはTikTokで楽曲がバズったことで人気を獲得。
その後、Spotifyなどの音楽配信プラットフォームを通じて、世界中の若者たちにハイパーポップの魅力が広がりました。
ハイパーポップとヒップホップの違い
ハイパーポップはヒップホップから直接派生した音楽ジャンルという訳ではありません。
ポップミュージックの装飾や電子音を取り入れてはいますが、そのほかにもトラップビートやオートチューン、ラップといったさまざまな音楽性を取り入れているため「ジャンルの集合体」といえるでしょう。
そのため、アーティストや楽曲によっては、ヒップホップの影響を色濃く感じる作品も存在します。
ジャンルという枠にとらわれず、アーティスト自身が作りたい音楽を自由に作るジャンルなので、それぞれの嗜好によって曲のテイストも幅広く変化するのです。
ライブUtaTenの関連記事!
-
-
【流行】人気バンド16選!10代におすすめの邦ロックと2025年ブレイク期待の注目バンドを紹介
続きを見る
ハイパーポップの代表曲3選
ハイパーポップは一度聴くとクセになる個性的な音楽ジャンルです。
ここでは、その魅力がたっぷり詰まった代表的な3曲をピックアップしました。
どれも個性的でインパクト抜群な曲ばかりなので、ハイパーポップに興味を持ったらまずはこの3曲から聴いてみましょう。
money machine / 100 gecs
100 gecsの「money machine」は、ハイパーポップを語るうえで外せない名曲です。
この曲は、ハイパーポップというジャンルが世の中で広く知られるようになったきっかけの曲でもあります。
高音で加工されたボーカルや、ノイズがかったサウンドが印象的ですが、さらに急に展開が変わる曲調は聴き慣れたポップスとはまったく違う世界観を楽しめます。
ネットカルチャーやミームのノリとも相性が良く、海外の若者たちの間で一気に話題になりました。
ジャンルの枠を超えたサウンドに「これが新時代の音楽なのか」と衝撃を感じる人も多いでしょう。
SugarCrash! / ElyOtto & Zedivan
ElyOttoとZedivanの合作で作られた「SugarCrash!」は、TikTokをきっかけに注目を集めたハイパーポップの代表曲。
全体的にかわいい雰囲気ですが、その中に感じる不安定さに独特な魅力を感じますね。
ElyOttoの特徴的なボーカル加工や、スピード感ある展開は耳に残る中毒性があり、短い曲ですが何度も聞きたくなる仕上がりになっています。
Vroom Vroom / Charli XCX
Charli XCXの「Vroom Vroom」は、彼女の音楽スタイルを大きく変化させたと話題を集めた楽曲です。
プロデューサーのSOPHIEと組んで作られたこの曲は、ハードビートと未来風のサウンドで攻めの姿勢を強く感じます。
普通のポップスとはひと味違い、聴くほどにクセになって繰り返し聴きたくなる仕上がりです。
ハイパーポップの代表格として、今なお多くのアーティストに影響を与え続けている名曲といえるでしょう。
ハイパーポップの日本人アーティスト4選
ハイパーポップは国外のみならず、日本でも個性的なアーティストたちの手によって独自の進化を遂げています。
ここでは、デジタルサウンドと革新的な表現を武器に、ジャンルを超えたサウンドを生み出す4組の日本人アーティストをご紹介します。
ライブUtaTenの関連記事!
-
-
洋楽ロックバンドおすすめ35選!世界的に有名なバンドから最新のかっこいいバンドまで紹介
続きを見る
4s4ki
4s4kiは、ポップとカオスを絶妙に掛け合わせた音楽性で注目されるアーティスト。
エレクトロ、ロック、ヒップホップなど多様なジャンルを取り入れながらも独自のスタイルを確立しています。
10~20代を中心とした若者や海外のリスナーからも高い評価を得ており、国内外問わず支持を集めているアーティストです。
4s4kiの知名度が上がったきっかけの一つとして、楽曲「Sugar Junky」がSpotifyの公式プレイリスト「hyperpop」に選出されたことが挙げられます。
これについて本人は「ジャンルにとらわれない音楽が集まっていて面白いシーン」と語りながらも「ハイパーポップを通りつつも、それを超えたカオスさを出していきたい」とジャンルに問われない独自のスタイルを貫く姿勢を見せています。
Peterparker69
Peterparker69は、破壊力あるトラックとユーモアあふれる世界観で注目されているアーティストです。
意図的な過剰さや歪みを強調したサウンドが印象的で、メンバーのJeterがリリースしたソロ楽曲「Mallowball」はSpotify公式プレイリスト「hyperpop」に選出されました。
しかし本人は「ハイパーポップは好きだが、目指している訳ではない」「普通に気持ちいい曲を作ろうと思って」と語っています。
この「自分たちが作りたい音楽を作る」というスタイルこそが、ジャンルの枠にとらわれないハイパーポップの概念に似通ったものがありますね。
日本におけるハイパーポップの枠を押し広げる存在として、今後の動向に注目です。
lilbesh ramko
ネットカルチャーと密接にリンクした活動で人気を集めるlilbesh ramkoは、軽快ながらも鋭さを感じるサウンドが印象的なアーティスト。
オンラインコミュニティに生きる若者たちのリアルな感情や、時代感覚を反映したリリックが詰め込まれた楽曲には、ラップやオートチューン、エレクトロニカを掛け合わせたハイパーポップ的なスピード感が満載。
アニメからの影響も大きく、サブカルチャー好きな若者からも高い評価を得ています。
そんな中、2024年4月には「i don't wanna come down」という楽曲がSpotifyの公式プレイリスト「hyperpop」に選出されました。
本人はハイパーポップについて「ジャンルではなく現象だと思っていて、すごく面白い」「聴いたことがない音がたくさん生まれていて、自分がそう思われているのは光栄だ」と語っています。
ハイパーポップの盛り上がりに喜びを感じているからこそ、今後も人々が聴いたことのない新時代の音楽を数多く生み出してくれることに期待したいですね。
STARKIDS
STARKIDSは、多国籍なメンバーによって生み出されるEDMサウンドが魅力的なグループです。
ユーロビート・ハッピーハードコアからの影響や、さまざまな国籍を持つメンバーの個性的なバックグラウンドが、ほかでは味わえないオリジナリティを生み出しています。
グループからは、ハイパーポップというジャンルについて「自分がやりたいと思ってやっていた音楽がハイパーポップと呼ばれるならそれでいい」との発言も。
さらに「ハイパーポップを作っているつもりはないけど、外から見てハイパーポップといわれることもある」など、さまざまな意見が出ています。
しかし、それぞれがお互いの意見を否定することなく各自の向き合い方をリスペクトしています。
お互いを尊重しているからこそ、個性が光る新しい音楽を作り上げていけるのでしょう。
ハイパーポップは実験的な音楽ジャンル!代表曲を聴き新しいサウンドの魅力を感じよう
ハイパーポップは、既存のジャンルにとらわれず実験的な音作りを重ねて進化を続けている新時代の音楽です。
電子音や加工されたボーカル、急激に展開が変わる構成などが特徴で、新しいサウンドを求める若年層のファンたちに強く支持されています。
ハイパーポップという言葉にとらわれず代表的な楽曲に触れてみることで、現代の音楽シーンに広がる多様な魅力を感じられるでしょう。
この記事のまとめ!
- ハイパーポップとは、従来のジャンルに捉われない自由な発想で生まれた音楽ジャンル
- 電子的な加工やサウンド、多彩なジャンルを取り入れた構成などが特徴
- Spotifyが「Hyperpop」というプレイリストを作成したことも流行した要因のひとつ
- 爆発的な人気が出たきっかけはTikTokの音源として使用され始めたこと
ライブUtaTenの関連記事!
-
-
ライブ配信にはどんな機材が必要?おすすめのマイクやカメラなどの配信機材を紹介!
続きを見る