主人はミステリにご執心 歌詞 冬組 ふりがな付

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よみ:しゅじんはみすてりにごしゅうしん

主人はミステリにご執心 歌詞

冬組

2020.9.23 リリース
作詞
松崎史也 , Yu(vague)
作曲
Yu(vague)
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彼女かのじょ婚約者こんやくしゃとして完璧かんぺき女性じょせいでした」
素人しろうとしゃばった真似まねをするな!」
いもうとうらみをうようなむすめではありません」
「まさかこのぼくころしたとでもいたいのか?」
「……犯人はんにんさがしはおやめになりますか?」

「コリウスの花言葉はなことば――  

志岐しきさま」
「……」
志岐しきさま」
「……」
志岐しきさま、にわのシクラメンが綺麗きれいいております。
シクラメンの花言葉はなことばはごぞんじで?」
鷺島さぎしま何故なぜぼく無視むしをしているにもかかわらずはなしつづける?」

無視むしをしておいでだったんですか?」
かんがごとをしていたんだ。おまえ邪魔じゃまされたくなかった」
「やはり。ではシクラメンを散歩さんぽにでも」
花言葉はなことばなどに興味きょうみはない。ぼくいま重要じゅうような……」
草薙くさなぎのご息女そくじょ散歩さんぽをしている時間じかんなのですが」
「すぐにかけよう。シクラメンがたい」
「さすが志岐しきさま。かしこまりました」

主人しゅじん執事しつじ あるじ従者じゅうしゃ
ぼくあるじ
ええワタシは執事しつじです
こんなうことかない執事しつじがいるか
「やれやれ志岐しきさまはいぬよりもあたまがおわるい」
主人しゅじんはあのにご執心しゅうしん

「おや。このかおりはコリウスのはなですね」
「このハンカチはたしか……!」

「おい、あそこにたおれているのは草薙くさなぎじょうか? 鷺島さぎしま、すぐに医者いしゃべ!」
志岐しきさまおがりください。…もう手遅ておくれです」
なに?」
草薙くさなぎさまはもう、くなられています」

被害者ひがいしゃ草薙くさなぎのご令嬢れいじょう
「なぜ彼女かのじょがこんなことに」
「なぜ彼女かのじょはこんなところで」
「なぜ彼女かのじょはこんな表情ひょうじょうで」
死者ししゃこえとどかない ならばがかりからつける 真実しんじつ

本件ほんけん担当たんとうする中津なかつ啓二けいじです」
中津なかつ啓二けいじ……刑事けいじからだあらわす」
「あなたたち第一だいいち発見者はっけんしゃということですね?」
「なんだその物腰ものごしは」
志岐しきさまおやめください」
被害者ひがいしゃとのご関係かんけいは? 面識めんしきがおありなんですよね? ただの友人ゆうじんですか?
それとも……」
失礼しつれいだろう。まさかこのぼくころしたとでもいたいのか?」
「まあ、我々われわれ捜査そうさすればいずれわかることですから」

「アリスもたすく鬱陶うっとうしい」
言葉ことばっておく」
たすく演技えんぎでやっていてえらい」
ひそかくん、それではワタシが演技えんぎでなく鬱陶うっとうしいようじゃないか」
「そうってる」
みなもとはこれだから面白おもしろい。さあどうる? つむぎあずまさん」

鷺島さぎしま、すぐに草薙くさなぎじょう人間にんげん関係かんけい調しらべろ」
余計よけいなことにくびむのは志岐しきさまのわるくせです」
犯人はんにんとしてぼくうたがわれているんだ。だまってはいられないだろう」

容疑者ようぎしゃ草薙くさなぎじょう関係者かんけいしゃ
「なぜいもうとがこんなことに」
「なぜ彼女かのじょがこんなに」
「なぜこいつらがここにいる」
犯人はんにんはこのなかにいる かならかしてみせる 真相しんそう

草薙くさなぎじょうあにぎみ草薙くさなぎ静馬しずまさまと、草薙くさなぎじょう婚約者こんやくしゃ相馬そうま京一きょういちさまです」
事件じけん捜査そうさ我々われわれ警察けいさつがする。素人しろうとしゃばった真似まねをするな!」
犯人はんにんつかればきみ手柄てがらにすればいい」
警察けいさつ令状れいじょうもなしにこんな……」
かまいません。いもうところした犯人はんにんつかまえるのが最優先さいゆうせんです。
京一きょういちくんきみもそうおもうだろ?」
「ええ……もちろんです」
皆様みなさま協力きょうりょくありがとうございます。では事件じけんについていくつか
質問しつもんさせてください」

いもうとうらみをうようなむすめではありません。かしこ気立きだてもよくだれからも
あいされるむすめでした」
彼女かのじょ婚約者こんやくしゃとして完璧かんぺき女性じょせいでした。わたしにはもったいないくらいの
相手あいてです」
二人ふたりには殺害さつがい動機どうきがない。きみ彼女かのじょうしないたくないというおもいがあった。
つまり――  
「よし。なぞはおおよそけた!」
なに?」

加害者かがいしゃ被害者ひがいしゃ あに婚約者こんやくしゃ
ぼくはわかった
大丈夫だいじょうぶでしょうか
ミステリをたくさんんでいてよかった
たしかに志岐しきさまは意外いがい読書家どくしょか
主人しゅじんはミステリにご執心しゅうしん

犯人はんにんは……中津なかつ啓二けいじ! アンタだ!」
「なっ…何故なぜわたし犯人はんにんなんだ!」
「ミステリのセオリーなのだよ。もっと意外いがい人物じんぶつ犯人はんにんというのはね」
「やってられない。とんだ名誉毀損めいよきそんだ。かえらせてもらう」

「ほらろ、うしぐらいところがあるのだろう!」
わたし今日きょうはこれで。彼女かのじょくしてからどうも体調たいちょうすぐれなくて」

志岐しきさま、中津なかつ啓二けいじ刑事けいじ犯人はんにんではありません」
なにだと? おまえ犯人はんにんがわかっているというのか?」
「さて……」
刑事けいじさんが犯人はんにんとは……痛快つうかいでした。あの刑事けいじさん、あまりかんじのいいひと
ではなかったから」
ぼく犯人はんにんあつかいしたしな。おあいこさ」
いもうとくしてからひさしぶりにわらいました。ひょんな出会であいというものは、
意外いがいなところにころがっているものですね。そうおもいませんか?」
「そうだな。きみとは仲良なかよくやれそうだ」

詩人しじん記憶きおく喪失そうしつぼくらがおな演劇えんげきをやるなんて。
ひょんな出会であいは、意外いがいなところにころがっているものだね」
「ひょん? 詩興しきょういたよあずまさん。氷上ひょうじょうのぬらりひょん、
無表情むひょうじょうでイリュージョン……」
「アリス、芝居しばい集中しゅうちゅうして」
「ああ、失礼しつれい
いたうえって不思議ふしぎだね。ここでなら、いくらでも呼吸こきゅうができる」

主人しゅじん主人しゅじん 友人ゆうじん友人ゆうじん
みょううま
それはよかった
このほん、よかったらんでみるといい
「おや、かわいいしおりですね」
主人しゅじんめずらしいご友人ゆうじん

志岐しきさま、このようなものが」
「『これ以上いじょう事件じけんのことを調しらべるな』……脅迫きょうはくじょうか。さて、
どうしてくれよう」
志岐しきさまがそのおかおをなさるときは、ロクなことがありません」
なにすこえさくだけさ」

「そののこなし……おまえ何者なにものだ?」
「ただの執事しつじ、ですよ」
相馬そうま京一きょういち……アンタが犯人はんにんだったとはな」
ちがう。オレはやってない!」
「しかし相馬そうまさま、これは貴方あなたですね?」
「どうなんだ! 相馬そうま!」
「ああそうだよ。だからどうした?」
なに?」
彼女かのじょころしたのはオレじゃない。とうじょう志岐しき襲撃しゅうげきにも失敗しっぱいした。
オレを逮捕たいほしたところで、たいしたつみにはならないよなあ?」
「そんなのがれがくとおもってんのか」
警察けいさつつかまるのはいたくなくても、真相しんそう草薙くさなぎさまにられては
こまるのでは?」
「……! おまえ…」
「どういうことだ、鷺島さぎしま?」

「ご自分じぶんでおはなししなさいませ。殺人さつじんうたがいもれる」
「……ほかにもおんながいるんだよ。あの婚約こんやくしたのは財産ざいさん目当めあてだ」
なにだと? 貴様きさま……!」
「あんなつまんねえおんな結婚けっこんしたいわけねえだろ。けど一生いっしょうかねには
こまんねえからな」
相馬そうまさまがかねはいれず彼女かのじょころすはずがない」
「では何故なぜとうじょうさんをおそったんだ」
ほかおんなたちがいることを草薙くさなぎあるじられたら、いまもらってる援助えんじょ
くなっちまう。ったく、とんだ貧乏びんぼうくじだぜ。ぬんなら結婚けっこんしたあと
してくれりゃよかったのによ」

「ああ? 刑事けいじまえなにしてくれてんだよ」
刑事けいじぼくなにか?」
にゴミがはいっててな。なにかあったか?」
「いえなにも」
「おまえころしてないのはわかった。が、脅迫きょうはくつみ家宅かたく侵入罪しんにゅうざいほかにも余罪よざい
ありそうだ。しょまでご同行どうこうねがおう」

つむぎ芝居しばいにくたらしすぎ」
「ワタシもあやうくをあげるところだったよ」
「……」
「ダメだ、集中しゅうちゅうってる」
舞台ぶたいじょうでも感情かんじょうをもらってつぎ芝居しばいつなぐ……」
演技えんぎとはじつゆたかなものだな、ひそかくん」
「それがわかるおまえらもたいしたもんだよ」
「あとはたのんだよ、二人ふたりとも……」

犯人はんにん京一きょういちじゃない
犯人はんにん一体いったいだれなんだ
ハンカチについていたかお真実しんじつやさしいとはかぎらない
真実しんじつりたい
「やれやれ志岐しきようは」
「……」

「おや、めずらしいほんをおみですね」
草薙くさなぎくんにりたんだ」
うご友人ゆうじんつけられてなによりです。では犯人はんにんさがしは
おやめになりますか?」
何故なぜそうなる。もちろんやめない」
「そうですか。……そのほんからただよかおり、コリウスのはなかおりですね」
「コリウス…? どこかで……」

馬鹿ばかな。草薙くさなぎじょうころしたのは……」
「だから犯人はんにんさがしはおやめになりますかともうしたでしょう。志岐しきさまは
いぬよりもあたまがおわるい」
「だがどうして……どうしてかれが?」
志岐しきさま、コリウスの花言葉はなことばはごぞんじですか?」
花言葉はなことばなどに興味きょうみないとってるだろ」
「かなわぬこい
「……それがコリウスの花言葉はなことばでございます」
きみだったんだな……草薙くさなぎじょうころしたのは」
あいするいもうとをあのおとことつがせるのが我慢がまんならなかった。わたしやつ本性ほんしょう
づいていれば」
「……静馬しずまくん」
「にしても、花言葉はなことば興味きょうみがあるおとこわたし以外いがいにいたとは」
「それはこいつが」
「うちの主人しゅじん博識はくしきなのです」
唯一ゆいいつ誤算ごさんはあなたがかかわったことです。志岐しきさん」
残念ざんねんだ。きみとはいい友人ゆうじんになれるとおもったのに」
おもて中津なかつ刑事けいじんであります」

草薙くさなぎさま」
「……?」
「ナイフは正面しょうめんからしずかにてられていた。もみった形跡けいせきもなく」
「それがなにか?」
草薙くさなぎじょうのぞまぬ相手あいてとつぐより、あいするあにころされることをえらんだのかも
しれませんね」
「……ありがとう。執事しつじさん」

正面しょうめんから? もみった? なにのことだか意味いみがわからん。だから、
なにだ?」
「さすが志岐しきさま。いぬよりも……失礼しつれいなんでもございません」

「あのかぜつよだったな……」
大丈夫だいじょうぶですか?」
なにがだ」
めずらしくご傷心しょうしんなのでは……いえ、がましいことをもうげる
ところでした」
「おまえぼく気遣きづかうなんて気味きみわるい。一体いったいなにかんがえている?」
「ワタシはおもっていたよりも志岐しきさまのことがきなようです」
「……へんやつだ」

最後さいごのアドリブいらない」
すこしばかり本音ほんねぜてもいいかとおもってね」
無駄むだにセリフがえた」
「よくわかったのだよ。ワタシは自分じぶんおもっていたよりもひそかくんのことが
きなのだと!」
おれべつきじゃない」

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