SMAPが見せてくれた「夢」は「嘘」だったのか?今こそ考えたい「S.M.A.P」のキーワード

世間では様々な報道や憶測が飛び交う中、それぞれの仕事を全うするSMAP。

2016年10月1日

Column

祈焔


この記事の目次
  1. ・いつだって「Sexy」で「Masochistic」で「Powerful」
  2. ・「Premium」な「Present」で「Surprise」!
  3. ・「Monster」としてのSMAP
  4. ・「Shocking」な幾多の「Accident」や「Scandal」
  5. ・テレビとは「About」な「Miracle」


世間では様々な報道や憶測が飛び交う中、それぞれの仕事を全うするSMAP。平成という時代を駆け抜けてきた彼らには、今までにも実に多くの困難や苦労があった。しかしその積み重ねの上にこそ、現在「国民的」と誰からも認知される彼らの姿があることを、私たちは大なり小なり知っている。

2014年の夏、FNS27時間テレビのメインパーソナリティーをつとめたSMAPは「武器はテレビ。」というテーマを掲げた。アイドル冬の時代にデビューした彼らが、かつて他のアイドルがやってこなかったことに「テレビ」で次々と挑み、汗をかいてやり遂げた先に「奇跡」が起こると謳ったのだった。

彼らに対する最大の試練として番組の最後に用意された、長時間不眠の上真夏の野外ステージでの「ノンストップLIVE」。それまでの番組内企画と連動して「SMAPが新しく生まれ変わるためのS.M.A.P」と題した「Sexy.Accident.Scandal.Poweful.Masochistic.Shocking. Miracle.Present.Premium.Surprise.Monster.About」という12のキーワードが設定されていた。

今回はこの「S.M.A.P」を彼らの楽曲と掛けて、SMAPという存在が私たちにとってどんなものだったのかを「今」改めて考えてみたい。

いつだって「Sexy」で「Masochistic」で「Powerful」

番組内でも芸人との対決、後輩との対決、深夜のロケ中継など、汗をかく企画に添えられたこの三つの単語だが、彼らはいつでもそんな姿を私たちに見せてきてくれた。彼らはメンバーの半分が四十代に突入してなお、過酷なスケジュールとパフォーマンスに挑戦し続けている。

楽曲としてそれを思わされるのは、ノンストップLIVEでも披露している『$10』。本人達も若い頃の曲だけあって、激しめなダンス曲ラインとしてしばしばコンサートでもメドレーなどで使用されている。


――――
Oh, lady!
A-1 dollar B-2 dollars 淫ら No, no, no.....
愛さえあれば何も要らないなんて 全部ウソさ C-10 dollars
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元々は林田健司のカバーなのだが、今やSMAPの名曲として知られるひとつとなっている『$10』。
通常でもかなり体力を消耗するだろう曲だが、25時間戦って更にこれをやったとなると、もはやMasochisticでは済まされない。だが常に木村と香取は笑顔で客を煽り続け、中居が折を見て水分補給にへたり込むと、草彅と稲垣もそれぞれにフォローする。
ひたすらに汗を散らせて輝く、彼らのパフォーマンスはいつも最高にPowerfulでSexyであった。

「Premium」な「Present」で「Surprise」!

一流のスター集団となっても変わらず、SMAPはテレビの第一線を走り続けた。それが驕り高ぶってではなく、時には泥塗れにも粉塗れにも水浸しにもなりながらであったからこそ、彼らは多く各界の一流たちにも支持されてきた。バラエティを主戦場にしてきた彼らは芸能界のBIG3と称される明石家さんま・ビートたけし・タモリと定期的に現場を共にすることで、よりPremiumな存在を確かにしていく。

そんな彼らだが、一方で一般人と触れ合う企画も多く行なってきた。被災地に度々訪問したり、「慎吾ママ」のような一般宅へのSurpriseな訪問企画を行なったり、コンサートなどではステージに客を上げたり、数えればきりがないほど、スターであるはずの彼らはファンとの近さも体現してきた。


――――
それは不思議なんだけど
時が過ぎても古びない
未来へ行くほど 輝きを増す贈りもの

なくさないよ 心に刻んでるんだよ
代わるものは(世界中の) なにもどこもないよ
Thank you for your gift!
――――
菅野よう子作曲の『gift』は、本人出演のCMソングでもあった。彼らが私たちにPresentしてくれたこの曲は、私たちにとっても彼らの存在が“たったひとつの”宝物であったことを実感させてくれるような、多幸感に溢れるメロディーである。

多幸感といえばもうひとつ、50枚目のシングル曲である『Joy!!』だ。みんなが踊りやすい振り付けに、MVではフラッシュモブを使い50th記念というSurpriseを演出した。


――――
無駄なことを 一緒にしようよ
忘れかけてた 魔法とは
つまり Joy!! Joy!!
――――
27時間五人で汗をかき続ける、そんな挑戦は一見無駄で滑稽に見えるかもしれない。しかしその先にある奇跡という魔法を、彼らはいつもテレビの中から発信してくれていた。そんな彼らを見ることで、私たちもその奇跡に加われる。それが何よりの魔法だった。

「Monster」としてのSMAP

「ノンストップLIVE」は、『Battery』と『Top Of The World』から始まった。25時間の生放送を乗り越えてステージに登場した彼らの姿は、楽曲の迫力と相俟って伝説の始まりを見るようだった。
「Monster」には俗語としてベストセラーや人気歌手といった意味も含まれる。番組としてはお笑い怪獣と呼ばれた明石家さんまにあてた語だっただろうが、SMAPもまたMonsterだった。


――――
Let's get Higher Higher
Your love's like a Battery
Let's get Higher Higher

Now wave your hands in the air
――――
SMAPのシングルの中では初の全編英語詞だった『Battery』。それは無意識のうちに聴衆に二次元性や彼らの異彩を感じさせるものだったように思えた。

この後に披露されたのが『Top Of The World』。ギタリストMIYAVIの提供楽曲である。


――――
世界最高の高鳴りを 奇跡のような瞬間を
未来はこのドアの向こう さあ Here We Go

Oh Oh Oh Oh Oh Oh Oh Oh
Oh Oh Oh Oh Oh Oh Oh Oh
(中略)
駆け抜けろ Top Of The World
――――
「Here We Go」からサビで高く拳を掲げるこの曲は、唸りのような「Oh Oh Oh…」の部分へ最高の盛り上がりを見せていく。SMAPというMonsterが27時間という挑戦を奇跡で締め括ってくれるだろうと私たちに信じさせてくれた二曲だった。

「Shocking」な幾多の「Accident」や「Scandal」

この単語は企画内では特別ドラマ、ワイドナショーなどに添えられており、SMAPの歴史の中の多くのAccidentについて様々な形で触れることとなった。
しかし番組の企画でなくとも、彼らはいつもそれらを楽曲とパフォーマンスに閉じ込め、エンターテイメントにして乗り越えてきた。

その中のうちのひとつが『CRAZY FIVE』。中居自ら作詞に参加しているメンバー紹介曲で、翌年も岡村隆史と共に披露するなど、節目ごとに重要な役割となった曲でもある。


――――
So far away! この胸の奥に…
過ちをおかし続け それでも信じてた…
(中略)
So far away! 五つの星屑
くじけそうでも拳をあげろ 皆が迷わぬように
So far away! 信じる気持ちは
わすれないよ Yes, We are all one.
諦めない明日へ… 1234 Crazy 5!
――――
LIVEではソロパートで草彅が感極まり涙するなど、簡単には語れない想いの詰まった楽曲であることがわかる。そしてまた彼らは拳をあげるのだ。“諦めない明日へ”向かって。

またファンにとって忘れられない曲が、もうひとつ『STAY』だろう。アルバムの中の一曲でありながら人気が高く、ベストアルバムにも収録されている。


――――
この先どうしようもなくすれ違ったり
言い争いがあったりもしても
どうか道の途中で
手を離そうとしないでよ
ちゃんと繋いでてよ
Let you know 大事なのは続けること
楽しいだけでいれない時も

I'll be... Won't you stay?
We'll be 罪を捨て
僕らずっと共に歩こう
永遠なんて言わないからさ
5、60年 それだけでいい
――――
続けることがどれだけ難しいことか、彼らは一番よく知っている。それはこれまでのShockingなScandalなど全てを含めての歴史があったからだ。

“永遠なんて言わないからさ 5、60年 それだけでいい”

いつかは終わると知っていても、ささやかに“ずっと共に”と歌ってきた。この曲が発売されたのは10年前の2006年。彼ら自身も想像しなかった未来が、もしかしたら今あるのかもしれない。

テレビとは「About」な「Miracle」

SMAPは私たちに画面を隔てた向こうから“素敵な夢”を見させてくれたり叶えてくれたりしてきた。彼らのパフォーマンスは私たちに、必ずしも技術の完璧さばかりが感動や夢を呼び込むものではないと、アイドルならではの生き方で伝えてきてくれた。人より汗を流すことで、時には奇跡だって起こせるものだと。
ノンストップLIVEを終えてなお汗をかき続けることになった彼らに待っていたのは、旧友であり元メンバー森且行からの手紙だった。27時間走り続けた先にあった奇跡。それがなぜ「奇跡」と呼ぶほどの事であったのか、ファンならば知るところかもしれない。

ノンストップLIVEの最後で披露した27曲目は『Can't Stop!! -LOVING-』。彼らのデビュー曲であり、ジャニーズ史上もっとも売れなかったデビューシングルと言われた曲だ。
しかしそのデビュー曲には、アイドルがテレビで戦っていくというこの未来が描かれていたのではないか。


――――
素敵な夢を見させておくれ
素敵な夢をかなえておくれ

きらきら光る素顔がほしい 眩しい君をカンジていたい
きらきら光る秘密が見たい

Baby (Yes!) Baby (Yes!) 愛しあう
君をしあわせにする 僕はここにいるよ
君を笑顔にかえる もっと熱い想い胸につたえて
――――
テレビを主戦場としてのし上がったスーパーアイドル、SMAP。香取は番組のラストで、「テレビの嘘」という言葉を何度か口にしている。「そういうテレビの嘘が最高に楽しいです」とも。
「テレビの嘘」とは彼らの見せる「夢」なのだ。きらきら星にのせて願ったことは、“素顔”と“秘密”の両面だった。どちらの意味でも楽しめるところが、人を笑顔にするテレビ、そしてアイドルの武器ではないだろうか。

すべてのことは、白か黒かで判断できることはほとんどない。綺麗事を信じられないところに、夢や奇跡はきっと存在できない。だからこそ、彼らの生きる世界には優しい嘘が存在する。


「今の彼ら」にも、いくつもの優しい嘘が存在するのだろう。ただ、いつだって変わらないことは、彼らが今まで私たちにくれた夢が、かけがえのないものだったということなのだ。

TEXT:祈焔(https://twitter.com/kien_inori)

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