元JUDY AND MARYのYUKIの「JOY」は社会と自分をつなぐ魔法の言葉だった

JUDY AND MARYのボーカルYUKI。 アニメ流浪に剣心のオープニングテーマ「そばかす」の大ヒットによりその存在を知らしめた。

2017年3月12日




JUDY AND MARYのボーカルYUKI。 アニメ流浪に剣心のオープニングテーマ「そばかす」の大ヒットによりその存在を知らしめた。2002年から始めたソロ活動でも、その勢いは衰えることなく数々の名曲を生み出している

天真爛漫なその姿に多くのファンは熱狂する。掴みどころがなく不思議なのに、気付けば惹きつけられている。

そんなYUKIの魅力はどこから出てきているのか。今回は、軽快なPOPさが特徴的な彼女の「JOY」からその魅力を紐解きたい。



“いつも口からでまかせばかり喋ってる
イエス、ノーどちらでもないこともあるでしょう
いつだって世界はわたしを楽しくさせて”



「いつだって世界はわたしを楽しくさせて」わたしが世界を楽しくするのではなく、世界がわたしを楽しくさせる。この二つは同じようで全然違った意味を持つ。前者は主体的に努力し楽しもうとしているのに対し、後者は自分は存在しているだけで楽しめると受け取れる。

その自信はどこからきているのだろうか。
この曲では後ろ向きな言葉もなぜか前向きな歌詞に聞こえる。

わたしに向かって来るものは全て「JOY」、つまり喜びであるとこの時点では主張しているのだ。


“いつか動かなくなる時まで遊んでね
しゃくしゃく余裕で暮らしたい 約束だって守りたい
誰かを愛すことなんて 本当はとても簡単だ”



ここでも喜びに溢れかえった歌詞が並ぶ。しかし、突き抜けたその歌詞を見ると喜びはどこか虚無感を持ち、無秩序な心の状態を反映しているようにも思える。

心の底からの喜びなのか。
それとも世界と自分をつなぐために作り出した方法としての「JOY」なのか。

次の歌詞を見ればその真相の一部分が掴めそうだ。

“ずいぶん遠くまで流れ流れてせつないんです
大切な思い出さえ忘ていきそうです

確かな君に会いたい 百年先も傍にいたい
どんなに離れ離れでも ふたりをつなぐ呪文はJ・O・Y”


何かと喜びを共有しておかなければ存在意義がわからないと主張している。「JOY」というのは世界と自分をつなぐ、なくてはならないものなのだ。

一見すると自立できていない子供のようであるが、よく考えると大人だって何かに誰かに依存しているはずだ。


“運命は必然じゃなく偶然で出来てる
いつまでたってもわかんない約束だって破りたい
誰かを愛すことなんて時々とても困難だ”



「誰かを愛すことなんて 本当はとても簡単だ」と書かれていた歌詞が「誰かを愛すことなんて 時々とても困難だ」に変わっている。そう、ふたりをつなぐ呪文の「JOY」はいつだって使えるわけではないのだ。

明るくて喜びに満ち溢れている楽曲「JOY」
それは、YUKIがこの世と対峙するために生み出された呪文なのかもしれない。



TEXT:笹谷創(http://sasaworks1990.hatenablog.com/

「すべての恋には、テーマソングがある。…

ホワイトデーのプレゼントにX4の「Xr…