バブルが崩壊し、不景気や就職氷河期など80年代と比べ暗い印象を持つ90年代。
しかし、90年代の音楽業界は、情報媒体が雑誌やテレビのみのため「ブーム」が作りやすく、今のように”配信”という概念がない円盤全盛期で、世の中の景気とは反対に活気のある時代でした。
90年代は現在も続く邦ロックブームの先駆けとなったバンドが多数存在し、まさに邦ロック豊作年といっても過言ではありません。
今回は、おすすめの90年代邦楽バンドの名曲・ヒット曲を一覧にしてご紹介します!
この記事でわかること
90年代のおすすめ男性ボーカルバンド5選
90年代の邦ロックをひっぱってきた男性ボーカルバンドをご紹介します。
いま活躍するアーティストにも影響を与えたバンドや、あの名曲の誕生秘話まで、90年代邦ロックの豊作さを感じられるラインナップとなっています。
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JAM|THE YELLOW MONKEY
Good night 数えきれぬ Good night 夜を越えて
Good night 僕らは強く Good night 美しく
儚なさに包まれて 切なさに酔いしれて 影も形もない僕は
素敵な物が欲しいけど あんまり売ってないから 好きな歌を歌う
イエモンことTHE YELLOW MONKEYは、90年代のロックシーンを牽引する伝説的バンドです。
洋楽ロックをルーツにしながらも、日本らしいメロディや歌詞、テーマ性で当時の若者の心を揺さぶってきました。
メジャーデビューからじわじわ知名度を上げ、シングル『太陽が燃えている』がスマッシュヒットします。
THE YELLOW MONKEYの楽曲のなかでも『JAM』は、彼らを代表する名曲として語り継がれている名曲です。
歌詞には「矛盾」「裏切り」「悲しみ」などのマイナスな言葉が使われ、歌の中の主人公が抱える世の中に対する不満やもどかしさが歌われています。
しかし、後半からは徐々に前向きな言葉を使うようになり、「君に逢いたい」という気持ちへと変化していきます。
マイナスな感情を言葉にしながらも、君と希望を持って生きていこうという深い愛が表現されています。
日曜日よりの使者|THE HIGH-LOWS
このままどこか遠く連れてってくれないか
君は君こそは日曜日よりの使者
BLUE HEARTS解散後、ヴォーカルとギターが結成したバンドがTHE HIGH-LOWSです。
当時彼らはBLUE HEARTSと同じバンドとして見られることを嫌い、BULE HEARTSとは180度違う音楽性で挑んでいました。
ハートフルで平和な印象の『日曜日よりの使者』は、さまざなCMソングとして起用されたこともあり、耳にしたことがある方も多いでしょう。
BLUE HEARTSとは真逆の印象を与えるこの楽曲は世間に大きな衝撃を与えました。
世界の終わり|THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
世界の終わりはそこで待ってると
思い出したよに君は笑い出す
赤みのかかった月が昇るとき
それで最後だと僕は聞かされる
ミッシェルことTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTは、シンプルなかっこよさを持つ、当時のバンド好きの若者にとってはたまらないバンドでした。
60年代から70年代のガレージロックをルーツにしているミッシェルは、基本的に印象的なリフ(繰り返されるメロディ)とシンプルなコードで作られています。
そんなミッシェルのかっこよさが溢れる楽曲が、1996年にリリースしたデビュー曲『世界の終わり』です。
シンプルだからこそ、ボーカルの力強い歌声が胸に響きます。
彼らが最初にリリースした楽曲が、ラストライブの最後の曲となりました。
透明少女|NUMBER GIRL
透きとおって見えるのだ狂った街かどきらきら・・・
気づいたら俺は夏だった風景
街の中へきえていく
ナンバガことNUMBER GIRLは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONや凛として時雨、星野源さんなど多くのアーティストに影響を与えた邦楽バンドです。
特にASIAN KUNG-FU GENERATIONは、『ナンバーガール・シンドローム』という楽曲を発表するほど影響を与えられたアーティストです。
そんなNUMBER GIRLのボーカル、向井秀徳さんが書く歌詞は「文学ロック」と呼ばれ、焦燥感や季節感をモチーフにした文学作品を読んだような感覚を感じることができます。
『透明少女』はNUMBER GIRLのデビュー作で、男の青春をさまざな色を使って表現している楽曲となっています。
独自の世界観溢れる歌詞に注目して聴いてください。
ダンデライオン|BLANKEY JET CITY
言葉より未来を信じたあの頃の僕たち二人
大切な何かを失くしてゆくような気がするよ
気づかないうちに気づかないうちにYah!
ブランキーことBLANKEY JET CITYは、人気テレビ番組「イカすバンド天国」にて6代目のキングに輝きデビューをしました。
しかし、ブランキーのすごさは単純にキングになったからというわけではありません。
彼らは音楽的本質で勝負しており、ファンはそこに惹かれています。
お笑い芸人フットボールアワーの後藤輝基さんもブランキー好きを公言しており、人気番組「ゴットタン」の芸人マジ歌選手権で披露したオリジナル楽曲『ジェッタシー』には、ブランキー好きを伺わせる要素がたくさん詰め込まれていました。
また椎名林檎さんも、ボーカル浅井健一さんのことを「歩く芸術」と表現しています。
そんな彼らの楽曲のなかでも有名なのが『ダンデライオン』で、ブランキー史上一番マイルドな曲といわれています。
これからブランキーを聴こうという人に、とてもおすすめな楽曲です。
90年代のおすすめ女性ボーカルバンド5選
SHISHAMOや緑黄色社会、赤い公園やMOSHIMOなど、近年のヒットチャートに並ぶバンドを見ても、昨今の女性ボーカルバンドは凄まじい勢いを感じます。
そんな女性ボーカルバンドは90年代にも存在し輝きを放っています。
Over Drive|JUDY AND MARY
走る雲の影を飛び越えるわ
夏のにおい追いかけて
あぁ夢はいつまでも覚めない歌う風のように・・・
いまの10代の若者は知らない人も多いかもしれませんが、歌手のYUKIさんがソロ活動をする前にボーカルをしていたのが、ジュディマリことJUDY AND MARYです。
人気絶頂のなか惜しまれて解散したJUDY AND MARYの復活を望むファンはいまだに多くいます。
夏の爽やかさと疾走感溢れるリズム、キャッチーなメロディラインで歌った『Over Drive』は、JUDY AND MARYの楽曲のなかでも1位2位を争う有名な楽曲になっています。
女性ボーカルだからこそ表現できる可愛らしい歌声に、いま聴いても癒しを感じる名曲です。
プレゼント|JITTERIN’JINN
大好きだったけど彼女がいたなんて
大好きだったけど最後のプレゼント
Bye bye my sweet darlin
さよならしてあげるわ
JITTERIN’JINNはキャッチーな歌詞やメロディが多く、すぐに覚えらるような耳に残る楽曲ばかりです。
しかし、そのキャッチーな楽曲とは裏腹に、高度な演奏技術も光るバンドとなっています。
実はWhiteberryがカバーして有名になった『夏祭り』もJITTERIN’JINNの楽曲でした。
特にその高度な演奏技術が感じられる曲が『プレゼント』です。
映像をみると簡単そうに演奏していますが、楽曲の印象よりも圧倒的に演奏するのが難しいといわれています。
歌のなかで注目して聴いてほしい箇所は、高速のスカビートを乱れずに叩き抜くドラムと、そのリズムにしっかり合わせるベースです。
高度なテクニックがうかがえる名曲といえるでしょう。
Diamonds|PRINCESS PRINCESS
ダイアモンドだね
AH(AH)いくつかの場面
AH(AH)うまく言えないけれど宝物だよ
プリプリことPRINCESS PRINCESSは、商業的にもっとも成功した日本の伝説的ガールズバンドグループです。
数々のアーティストが、PRINCESS PRINCESSの楽曲をカバーするなど名曲も多いので、90年代の邦ロックに触れてこなかった世代の人でも、プリプリだけは知ってる!なんて人も多いはずです。
そんなPRINCESS PRINCESSの『Diamonds』は、カラオケでも盛り上がること間違いなしのおすすめ定番曲です。
春~spring〜|Hysteric Blue
こういう夢ならもう一度逢いたい
春が来るたびあなたに逢える
そういう気持ちでチクリと心が痛む
ヒスブルことHysteric Blueは、90年代後半にデビューした大阪府出身のバンドです。
後にプロデューサーとなる佐久間正英さんの耳に止まったことがきっかけで、デビューしたヒスブルは、2枚目のシングルCD『春~spring〜』でブレイクを果たします。
この曲は、アニソン界の歌姫・藍井エイルさんにカバーされたことでも話題になりました。
爽やかなメロディラインと疾走感溢れる演奏が、ボーカルのTAMAさんにぴったりの楽曲となっています。
There will be love there -愛のある場所-|the brilliant green
Love that’s waiting for me
Love that’s waiting for you
そこから流れて行けるような世界を見つけたい
ブリグリことthe brilliant greenは、1997年に全編英語の歌詞である『Bye Bye Mr. Mug』でデビューしました。
その後初の日本語歌詞の楽曲『There will be love there -愛のある場所-』が大ヒット。
ボーカルの川瀬智子さんは、Tommy february6やTommy heavenly6名義で活動していることでも知られています。
この楽曲は、圧倒的な楽曲の力とボーカルの甘い歌声が魅力のバラード曲です。
このバンドが、いま出てきたとしても売れるのではないかという評価があるくらい、古さを感じさせない魅力的な楽曲となっています。
90年代のインディーズバンド3選
90年代はの邦ロックを語るにあたって、メジャーデビュー前のインディーズバンドにも魅力的なバンドが多く存在していました。
ロック好きなら絶対に聴いておきたい必聴バンドをご紹介します。
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BABY BABY|GOING STEADY
BABY BABY 君を抱きしめていたい
何もかも輝いて手を振って
BABY BABY 抱きしめてくれ
かけがえのない愛しいひとよ
青春パンクブームの中心にいて、当時の10代20代の若者に爆発的人気を博したのがゴイステことGOING STEADYです。
インディーズながらそのライブのチケットは即完で、誰にでもわかるストレートな歌詞は若者の心を掴んで離しませんでした。
そんな彼らは人気絶頂のなか突然の解散を発表。
当時ゴイステのファンだった若者にとっては、いまだ忘れられない衝撃となりました。
解散後、ボーカル峯田和伸は銀杏BOYZというバンドをスタートしいま尚活動をしています。
解散後も色あせることなく、多くのバンドマンにコピーされているのが『BABY BABY』です。
サビでは「べビべビ!」と合いの手が入れやすく、盛り上がり必至の名曲です。
My First Kiss |Hi-STANDARD
It is my first kiss Chu
Kiss with you
I will give you all my love
Why is it I feel this sweet and tender
Oh…I don’t know why
ハイスタことHi-STANDARDは、王道パンクロック風に見せつつ、時に甘く時に切ないメロディを乗せてその個性を出しています。
早い・タテノリ・メロディアス、この3つを両立させてメロディックハードコアという言葉が誕生しています。
さらに特徴的なのは、彼らが全ての歌詞を英語で歌っていることです。
面白いことにハイスタの後に出てきたバンドの多くが、ハイスタに習うように全編英語の歌詞の曲を歌っていることです。
彼らが後のバンドマン達に与えた影響は計り知れません。
そんな彼らが歌う『MY FIRST KISS』は、アニメ「キテレツ大百科」のエンディングテーマ『はじめてのチュウ』をアレンジしたかっこいいナンバーとなっています。
ハイスタをはじめて聴く人には入りやすい曲といえるでしょう。
WALK|HUSKING BEE
I was not always only one and yet
I was not always supported me by someone
supported me by someone
ハスキンことHUSKING BEEは、当時の日本の音楽のオリコンチャートにランクインしていたヴィジュアル系バンドを、Hi-STANDARDらと共に塗り替えたインディーズバンドです。
メンバー構成を変えながらも、感動的な音楽を表す「エモ」という言葉に馴染みのない日本において、「エモ」の先駆者として扱われるようになりました。
数ある曲のなかでも『WALK』は、そのシンプルなかっこよさに、当時コピーバンドで演奏したことがあるという現30代から40代の大人も多いのではないでしょうか。
【番外編】90年代に一世を風靡した洋楽バンドランキング
90年代に盛り上がっていたのは邦ロックバンドだけではありません。
もちろん一世を風靡した洋楽バンドも存在します。
90年代のロックを語る上で、外せない3つのバンドをご紹介します。
【1位】Smells Like Teen Spirit|Nirvana
With the lights out it’s less dangerous
Here we are now entertain us
I feel stupid and contagious
Here we are now entertain us
Nirvana(ニルヴァーナ)は、1987年に結成されたアメリカ合衆国のロックバンドです。
1991年に発売された2ndアルバム『ネヴァーマイド』の驚異的な大ヒットにより、全世界にグランジ・ムーヴメントを巻き起こしました。
そんな彼らの代表曲が『Smells Like Teen Spirit』です。
強烈なメッセージ性にシンプルかつパワフルなコードは、新たな若者たちのアンセムといわれ、驚異的な売り上げを記録しました。
楽曲が公開されてから現在まで、Youtube動画再生数はなんと7億回を超えています。
【2位】Wonderwall|Oasis
Because maybe you’re gonna be the one
that saves me
And after all you’re my wonderwall
Oasis(オアシス)は、1991年結成されたイギリス出身のロックバンドです。
ビートルズやローリングストーンズから続く正統UKロックで、いまでも世界的人気を誇るイギリスの国民的ロックバンドです。
そんな彼らの代表曲『Wonderwall』は、イギリスのポップ界で最も愛されているアイコニックな楽曲となっています。
このほかにも『Whatever』や『DON’T LOOK BACK IN ANGER』など、日本のCMソングに起用されており、耳馴染みのある楽曲が揃うロックバンドといえるでしょう。
【3位】American Idiot|GREEN DAY
Welcome to a new kind of tension.
All across the alien nation.
Where everything isn’t meant to be okay.
GREEN DAY(グリーンデイ)は、1987年に結成されたアメリカ合衆国のロックバンドです。
1990年にレコードデビューを果たし、パンクバンドとしては史上初のグラミー賞である最高賞「最優秀レコード賞」を獲得するなど、ポップ・パンクを代表するだけでなく、パンク史においても重要な地位に位置づけられるバンドです。
そんな彼らの代表曲が『American Idiot』です。
歌詞は、その当時のアメリカを批判したような内容になっています。
それにも関わらずアメリカ内で人気を博し、この曲で先ほどのグラミー賞を受賞しています。
イントロを聴くだけでわくわくするようなポップなミュージックで、テンションを高めるのにもってこいの楽曲です。
最高にかっこいい90年代のロックバンドを要チェック!
90年代のロックバンドは、これまでのロックの常識をくつがえし、現代にも影響を与えた最高にかっこいいバンドばかりです。
いままで90年代ロックに触れてこなかった人も、いま聴くことで新鮮さを感じることができるでしょう。
また、90年代ロックで青春を過ごしてきたどストライクな世代の人も、あの頃の自分に戻れるような興奮を覚えるはずです。
ぜひこの記事を参考に90年代に、魅力あふれる邦楽ロックバンドの楽曲をチェックしてみてください。
あなたも90年代ロックのサウンドに、取り憑かれてみてはいかがでしょうか。
この記事のまとめ!
- これまでの音楽シーンを塗り替えてきた90年代邦楽ロックバンド
- 現代にも影響を与え続ける90年代邦楽ロックバンド
- いま聴いても古さを感じない名曲揃いな90年代洋楽ロックバンド
- 90年代の洋楽ロックバンドは世界的にも有名である