歌を上手に歌うためには、呼吸を意識することが大切です。
脚や腕などの筋肉を鍛えればスポーツのパフォーマンスが向上するように、呼吸する時に使う「呼吸筋」を鍛えることで、歌声にも良い影響を与えられます。
効率的に呼吸筋を鍛える方法としておすすめなのが、パワーブリーズを使用したトレーニングです。
この記事でわかること
パワーブリーズとは
イギリス生まれのパワーブリーズは、呼吸をする時に使う横隔膜や肋間筋などの筋肉を鍛える呼吸筋トレーナーです。
マラソンやトライアスロンなどのスポーツ選手、歌手や管楽器演奏者などのミュージシャンなどから支持されています。
日本を代表するボーカリストB’zの稲葉浩志も愛用していることで話題になりました。
パワーブリーズは息を吸い込んだ時に負荷を与えて呼吸筋を強化します。
呼吸筋を鍛えることで持久力やパワーが高まり、歌のパフォーマンス向上につながるのです。
片手サイズのコンパクトなトレーニング器具なので、好きな場所で手軽に使用できますよ。
呼吸筋とは
パワーブリーズで鍛える呼吸筋とは主に「横隔膜」や「肋間筋」など、肺のまわりにある筋肉のことをさします。
肺だけでは広がったり縮んだりできませんが、まわりの呼吸筋が一緒にはたらくことによって呼吸ができるのです。
息を吸う時、横隔膜が収縮して胸腔を広げ、肺を膨らませます。
息を吐く時は横隔膜がゆるんで胸腔が縮み、肺内の空気が外へ出ていくのです。
呼吸をする時に重要な役割を担う横隔膜の筋力が上がれば、快適かつパワフルな呼吸がしやすくなるでしょう。
パワーブリーズの効果
多くのアスリートやミュージシャンたちが使用し、世界中で愛用されているパワーブリーズ。
決してプロのためだけのトレーニング器具というわけではなく、日常生活における運動不足や息切れの改善を目的として使用している人も多くいます。
次では、パワーブリーズで呼吸筋のトレーニングすると期待できる4つの効果について解説します。
強い呼吸ができる
パワーブリーズを使って呼吸筋を鍛えることで、強い呼吸ができるようになり、声量が上がることが期待されます。
呼吸筋トレーニングによって息を吸う力が向上すると、吸える空気の量が増えるので息を吐く力も同時に成長するのです。
息を吐くパワーが強くなれば、声量や声の届きやすさ、音域の広がりなどに良い影響を与えるでしょう。
歌声に深みが出たり、十分に響かせることができたりと、立体感のあるパフォーマンスにつながります。
息苦しさを軽減する
パワーブリーズで呼吸筋トレーニングをすることで、息切れなどの息苦しさを感じにくくなります。
呼吸筋を鍛えることは肺活量の向上につながるので、今まで息がもたずに歌いづらかった曲も、楽に歌えるようになる可能性があるでしょう。
鍛えられた呼吸筋は、自然な息継ぎや安定したロングトーンを使ってのびやかに歌えるようになりたい人のサポートをしてくれます。
呼吸が楽になる
パワーブリーズで呼吸筋を鍛えると、呼吸が楽にできるようになり、全身の疲労感の軽減につながるでしょう。
筋力が衰えた横隔膜は動きが弱くなり、呼吸が浅くなるおそれがあります。
そして日頃から浅い呼吸をしていると疲れやすくなったり、体の不調を感じたりするのです。
呼吸筋トレーニングをして日常的に深い息ができるようになると、疲労感や倦怠感を感じにくくなり、歌を歌う際も気持ちよく発声できるようになるでしょう。
持久力が上がる
パワーブリーズの使用は持久力の向上につながります。
疲労感・息切れなどが軽減されるので、長時間のパフォーマンスも快適な状態で楽しめるようになるでしょう。
持久力が高まれば、長めの曲や息継ぎが少ないアップテンポな曲も安定して歌い続けやすくなります。
パワーブリーズによる呼吸トレーニングは、スタミナに自信がない人におすすめです。
パワーブリーズの選び方
パワーブリーズにはいくつか種類があるので、自分に合ったタイプを選ぶことが大切です。
しかし今まで使ったことがない人にとっては、どれが自分に向いているのかわかりにくいでしょう。
次では、パワーブリーズの3つの負荷タイプについて紹介します。
それぞれの特徴と、どんな人におすすめなのかを解説するので、参考にしてみてくださいね。
標準負荷
パワーブリーズのなかで、もっとも負荷が少ないタイプの「標準負荷」。
日頃あまり運動をしない人、女性や子供、高齢者、体力や肺活量に自信がない人などにおすすめです。
初心者が継続的に呼吸筋トレーニングを取り組むためには、いきなり負荷をかけすぎないことが大切なので、はじめて使う人はこの「標準負荷」から挑戦してみましょう。
重負荷
「重負荷」はパワーブリーズのなかでも中間レベルの負荷で、トレーニングができるタイプです。
マラソンや水泳など持久力が必要なスポーツをしている人、歌手・舞台俳優・管楽器奏者など肺活量を意識して活動している人などにおすすめ。
また、スポーツや音楽のために「これから呼吸筋をしっかり鍛えていきたい」という人にも向いています。
超重負荷
パワーブリーズのなかでもっとも負荷が大きいタイプの「超重負荷」。
プロのアスリートやミュージシャンなど肺活量やスタミナに自信のある人、体重が90kg以上ある人などにおすすめです。
マラソンや水泳などのタイムの向上のために使用するのも良いでしょう。
先に「重負荷」でトレーニングをしてみて、「物足りない」「さらに負荷を上げたい」と感じた人は「超重負荷」を試してみてください。
パワーブリーズの使い方
パワーブリーズは好みの負荷レベルに合わせて使えるので、使用する前に適切な負荷に調節します。
次にマウスピースをくわえ、リラックスした状態で姿勢を正しましょう。
息をすべて吐き出し、思い切り空気を吸い込みます。
息を吐く時は肺から空気が完全になくなるように、ゆっくりと吐き出しましょう。
この呼吸を30回繰り返します。
トレーニングを継続するうちに「負荷が足りない」と感じてきたら、目盛を調節して負荷レベルをあげてくださいね。
パワーブリーズのおすすめ商品
パワーブリーズには、「メカニカルモデル」と「デジタルモデル」の2つの形態があります。
「メカニカルモデル」は負荷調節ノブを回して、負荷を自分で設定するタイプです。
一方「デジタルモデル」は息を吸う時の筋力を測定して数値化したり、負荷設定を自動でしてくれたりします。
ここでは、パワーブリーズのおすすめ商品を5つ紹介するので、各モデルの特徴を参考にして自分に合った商品を探してみましょう。
メカニカルモデル(固定負荷方式)
POWERbreatheプラス
「POWERbreatheプラス」は軽量で持ちやすく、くわえやすいマウスピースが採用されたパワーブリーズです。
「標準負荷(緑色)」「重負荷(青色)」「超重負荷(赤色)」の3種の負荷があるので、初心者や女性・高齢者からプロのアスリートまで、自分のレベルに合ったトレーニングができます。
負荷設定のための目盛表示も見やすく、取り扱いやすさも抜群。
価格は9,000円(税別)です。
POWERbreathe クラシック
「POWERbreathe クラシック」は、パワーブリーズの初期モデルです。
価格は6,000円(税抜)と、「POWERbreatheプラス」よりもお手頃。
「POWERbreatheプラス」と同様に「標準負荷(緑色)」「重負荷(青色)」「超重負荷(赤色)」から好みの負荷が選べるので、自分に合ったレベルで呼吸筋のトレーニングができますよ。
デジタルモデル(漸減負荷方式)
POWERbreathe K5 PC連動デジタル呼吸筋トレーナー
「POWERbreathe K5 PC連動デジタル呼吸筋トレーナー」は、ソフトウェアの「Breathe-Link」をダウンロードしてパソコンにつなげることで、リアルタイムで呼吸測定と分析ができるパワーブリーズです。
コンディションに合わせた負荷設定も自動でできます。
ほかには、吸気筋力の数値測定やトレーニング履歴の閲覧機能、チーム全体のトレーニング管理ができるPC連動機能なども搭載しています。
価格は100,000円(税抜)です。
POWERbreathe K3 デジタル呼吸筋トレーナー
「POWERbreathe K3 デジタル呼吸筋トレーナー」は、呼吸測定や数値管理が本体の画面で確認できるパワーブリーズです。
「自動負荷設定 IMT機能」で、その時の状態に合わせた負荷設定が自動でできます。
吸気筋力の数値測定やトレーニング履歴などの閲覧も可能です。
価格は85,000 円(税抜)となっています。
POWERbreathe KH2
「POWERbreathe KH2」は、医療用デジタル呼吸筋トレーナーです。
ソフトウェアの「Breathe-Link Medic」をダウンロードしてパソコンに接続すれば、即座に呼吸測定と分析ができます。
患者の状態に合わせた自動負荷設定や、細かなデータ管理も可能なパワーブリーズです。
最大吸気圧(MIP)、最大吸気流速(PIF)、吸気量、仕事率、仕事量などを測定する機能も搭載しています。
価格は300,000円(税抜)です。
パワーブリーズで歌が上手くなる!自分に合った負荷を選んでトレーニングに使ってみよう
パワーブリーズで呼吸筋を鍛えると、強い呼吸ができるようになったり、持久力が上がったりして、歌のパフォーマンス向上につながります。
メカニカルモデルには「標準負荷」「重負荷」「超重負荷」の3つの負荷があるので、自分に合ったレベルの呼吸筋トレーニングができますよ。
用途や状況に適したパワーブリーズを選んで、歌を上達させましょう。
この記事のまとめ!
- パワーブリーズでトレーニングすれば呼吸筋が鍛えられる
- 「強い呼吸で声量アップ」「息苦しさの軽減」「持久力の向上」などの効果が期待できる
- メカニカルモデルでは「標準負荷(緑色)」「重負荷(青色)」「超重負荷(赤色)」の3レベルの負荷が選べる