ライブを中心とした活動で、熱狂的なファンに支持されているロックバンドエレファントカシマシ。
このグループはボーカル宮本浩次の歌唱力とカリスマ性で、ファンのみならずプロのアーティストからも高く評価されています。
今回は『悲しみの果て』や『今宵の月のように』といったヒット曲をはじめとした、多くの名曲を生み出し続けている、エレファントカシマシの魅力と、エレカシの魂であるボーカル宮本浩次の素顔に迫ります。
この記事でわかること
エレファントカシマシとは?
今から35年以上前に結成された日本のロックバンド、通称エレカシ。
1981年にグループ結成し、1988年にデビュー曲『デーデ』をリリースしました。
メンバーはボーカル宮本浩次、ギター石森敏行、ベース高緑成治、ドラム冨永義之の4人で構成されています。
2012年にボーカル宮本浩次が急性感音難聴と診断され、その影響で一時ライブ活動を休止していましたが、翌年2013年9月に復活ライブが行われました。
エレファントカシマシは 復活後も多くの名曲を生み出し、それらはさまざまなCM曲や番組テーマ曲に起用されています。
ファンだけでなく、誰もが一度は聴いたことのある名曲を世に送り出す日本を代表する人気ロックバンド、それがエレファントカシマシです。
2017年にはキャリア史上初のオールタイムベストを発売し、NHK紅白歌合戦に初出場しました。
ファンを虜にしてやまないエレファントカシマシの魅力
エレカシは「男の渋さ・男臭さ・男の色気」の3拍子が揃った男ソングを歌っています。
ボーカル、ギター、ベース、ドラム……歌からサウンドから何から何まで、惚れるくらい男っぽいと注目を浴び、次々にヒット曲を生み出しています。
そんなエレカシの魅力を詳しく見ていきましょう。
宮本浩次のカリスマ性
圧倒的な歌唱力を持つといわれている、ミヤジこと宮本浩次。
独特な歌い方は誰にも真似できないと評価され、日本人の男性ボーカルの中で非常に音域が広いといわれています。
ロックそのものとも言える爆発させるような歌い方で、シャウトは「七色の歌声」と表現されるほど。
そんな宮本の歌うエレカシの楽曲は、一般人がカバーするには難しすぎる作品ばかりです。
人を惹きつけて離さない力を持っている、彼の本当の魅力を知るにはやはりライブが1番です。
ライブ会場で彼らの力強い音楽と歌詞を全身で浴びたあなたは、彼のカリスマ性の虜になってしまうでしょう。
また、椎名林檎や東京スカパラダイスオーケストラなど数多くのアーティストとコラボした楽曲も話題を呼んでいます。
宮本浩次には、不思議と他者の魅力を引き出す力もあるんですね。
30年変わらないメンバーの固い絆
もともとはメンバー6人での結成でしたが、辞めていき、3人になったときに富永の同級生である高緑がメンバーとして加入しました。
それ以降、30年変わらず活動しています。
30年変わらず、同じメンバーで活動しているバンドはかなり稀ですよね。
エレファントカシマシは、元々メンバー同士の仲の良さに定評がありますが、それだけでなく宮本へのリスペクトがあって成り立っているんです。
ある雑誌の記事で、3人が宮本に対してこんなことをいいました。
石森
ミヤジはすごいんです。そのすごさがでるようにやればいいんです。自分のエゴなんかいらないんですよ。
高緑
ミヤジの中にものすごいピュアなものがずーっとあるんだと思います。それをずっと若いころから追い求めている感じ。
富永
1曲、1曲を自信満々に演奏するのがバンドじゃないのかな。ミヤジが思いっきり、安心して唄えるように。
(引用:音楽と人 2019年 12 月号より)
このコメントからもメンバー同士の固い絆とボーカル宮本浩次へのリスペクトが伺い知れます。
心を熱くさせるメッセージ性のある歌詞
30年間成長を続けてきたエレファントカシマシ。
売り上げ低迷によるレコード会社の契約解除、事務所移転、メンバーの手術、宮本浩次の急性感音難聴によって1年間の活動休業……さまざまな試練も経験しています。
彼らの音楽は、聴く人の感情をなかば強引にミヤジの世界に引き込んでしまいます。
歌詞がどんなにぶっきらぼうでも男くさい表現でも、言葉の選び方と歌い方に不思議と優しさを感じさせるのです。
急性感音難聴によって1年間の活動休止の後に発売されたシングル曲『あなたへ』は、何かひとつ乗り越えた心境を表しているようで、さらに優しさと深みを増しました。
人生のターニングポイントごとにミヤジの曲は、自分自身にも、曲を聴く私たちにも何かを問いかけてきます。
エレカシのファンはエレカシの音楽と一緒に、10年後も、20年後もその先もずっと成長を続けることになるのです。
【特集】歌詞が心に響くおすすめの名曲ランキングTOP8
そんなエレカシの心に響くエレファントカシマシの名曲をランキング形式で紹介します。
【8位】シグナル
どの道俺は道半ばに命燃やし尽くす
その日まで咲きつづける花となれ。
2006年にiTunes 配信限定シングルとして販売された「シグナル」は、はっきり言ってエレファントカシマシの楽曲の中でメジャーな曲とはいえません。
しかし、エレカシファンからは、とても評価が高く名曲とされているんです。
その理由は、やはり宮本浩次ならではの情緒的な歌詞。
曲調はもちろんですが、歌詞一つひとつの描写がとても美しい。
隠れた名作『シグナル』でエレファントカシマシの世界に浸ってみてください!
【7位】悲しみの果て
悲しみの果てに
何があるかなんて
俺は知らない
見たこともない
イントロもなしにいきなりはじまるこの曲を聴けば、たちまちに心を奪われてしまいます。
悲しみを経験しながら、それでも生きていこうと語りかけるような歌声が心に響くおすすめ曲です。
文学的な歌詞にも注目しながら聴いてみてください。
【6位】夢を追う旅人
さあ行こうぜ どでかい明日へ 友よ夢を追う旅人よ
POWER とびきりの明日へ 唇から心へ POWER ひとくちの力
明治の企業CMソングに使われた49枚目のシングル曲です。
エレカシの元気が出る曲のなかでも有名で、好きな人も多いのではないでしょうか。
注目なのは、エレカシ史上初のアニメーションMV。
楽曲の世界観や、エレカシそのものを象徴しているようなノスタルジックな映像となっています。
【5位】風に吹かれて
さよならさ 今日の日よ
昨日までの優しさよ
手を振って旅立とうぜ
いつもの風に吹かれて
『風に吹かれて』は1994年に完成していましたが、”発表は「まだ早い」と判断した“ということで、1997年のリリースとなりました。
男女が透明な思い出のままで別れていく雰囲気が、映画のワンシーンのような1曲となっています。
【4位】さらば青春
あぁ 俺は何度も何度も抱きしめたけど
あぁ もはや君は遠い遠い思い出の中
『さらば青春』は、タイトル通り青春の思い出そのもののような歌詞が特徴的です。
いま青春を歩いている人も、もうずいぶん前に青春が終わった人も、すべてきれいな思い出にしてくれる、優しくも切ない1曲です。
【3位】俺たちの明日
さあ がんばろうぜ!
オマエは今日もどこかで不器用にこの日々ときっと戦ってることだろう
こちらもCMソングに使用された34枚目のシングル曲です。
メンバーのうち3人が赤羽出身という縁があり、JR赤羽駅の発車メロディーに起用されています。
励まされるような歌詞なので、曲だけでも元気が出ますが、できるなら映像つきで聴くことをおすすめします。
さらにポジティブな気持ちになること間違いなしの1曲です。
【2位】桜の花、舞い上がる道を
桜の花、舞い上がる道をおまえと歩いて行く
輝く時は今 遠回りしてた昨日を越えて
桜の花、舞い上がる道を
36thシングル。東京新聞のCMソングに起用された曲です。
ミヤジの言葉と心が花に形を変えて舞い上がっているようで、歌詞とメロディが心を打ちます。
言葉の選び方がとてもきれいで印象的な1曲です。
とても音域が広い楽曲で、宮本浩次の圧倒的な歌唱力を思い知らされます。
【1位】今宵の月のように
くだらねえとつぶやいて
醒めたつらして歩く
いつの日か輝くだろう
あふれる熱い涙
この曲はテレビドラマ「月の輝く夜だから」の主題歌に起用された、エレカシの代表曲ともいえる夏曲です。
2017年の紅白歌唱曲であり、JR赤羽駅の発車メロディーにも起用されています。
テンポ良く進む曲調が耳に心地良く響きます。
宮本らしい言葉選びが特徴的な『今宵の月のように』は、カラオケで歌うのにもおすすめのロックナンバーです。
【最新版】人気曲の入ったおすすめ名盤アルバム6選
エレファントカシマシのアルバムはどれも聴きごたえ十分な内容です。
なかでも人気の高い曲を集めたベストアルバムといえば、これ!とおすすめしたくなる名盤たちを紹介します。
「All Time Best Album THE FIGHTING MAN」
1枚目
- 『今宵の月のように』
- 『悲しみの果て』(CM曲)
- 『四月の風』(CM曲)
- 『風に吹かれて』(CM曲)
- 『夢のかけら』(CM曲)
- 『友達がいるのさ』
- 『俺たちの明日』(CM曲)
- 『笑顔の未来へ』
- 『リッスントゥザミュージック』
- 『翳りゆく部屋』
- 『桜の花、舞い上がる道を』
- 『ハナウタ~遠い昔からの物語~』(CM曲)
- 『新しい季節へキミと』
- 『ズレてる方がいい』
- 『夢を追う旅人』(CM曲)
2枚目
- 『ガストロンジャー』
- 『デーデ』
- 『奴隷天国』
- 『花男』
- 『戦う男』(CM曲)
- 『So many people』
- 『コール アンド レスポンス』
- 『暑中見舞-憂鬱な午後-』
- 『俺の道』
- 『歴史』
- 『大地のシンフォニー』
- 『Destiny』
- 『RAINBOW』
- 『涙』
- 『ファイティングマン』
デビュー30周年を記念して、人気曲『今宵の月のように』を含む30曲が収録されています。
驚きの価格設定なので、定価で購入するのが申し訳ないようなベストアルバムです。
ファンならもちろん、まだエレファントカシマシを聴いたことがない、何から聴いていいのかわからないと迷っている人にもおすすめの1枚。
収録曲の『大地のシンフォニー』は宮本浩次が歌詞を大事に歌い上げる心に浸みる名曲。エレカシ人気曲ランキングTOP10があれば入るような1曲です。
「THE ELEPHANT KASHIMASHI」
- 『ファイティングマン』
- 『デーデ』
- 『星の砂』
- 『浮き草』
- 『てって』
- 『習わぬ経を読む男』
- 『BLUE DAYS』
- 『ゴクロウサン』
- 『夢の中で』
- 『やさしさ』
- 『花男』
初期のエレファントカシマシの曲が収録されているファーストアルバムです。
初期ということもあって今とは少し雰囲気が違いますが、聴きごたえ十分のアルバムです。
収録曲『浮き草』は聴いたら明日もがんばれる、元気が出るおすすめの1曲です。
「ココロに花を」
- 『ドビッシャー男』
- 『悲しみの果て』(CM曲)
- 『かけだす男』
- 『孤独な旅人』(CM曲)
- 『おまえと突っ走る』
- 『四月の風』(CM曲)
- 『愛の日々』
- 『うれしけりゃとんでゆけよ』
- 『流されてゆこう』
- 『Baby自転車』
- 『OH YEAH!』
エレファントカシマシを知らなくても(知らない人を探すのも大変かもしれませんが)この曲だけは聴いたことがあるという人が多い人気定番曲『悲しみの果て』も収録されています。
収録曲『うれしけりゃとんでゆけよ』も宮本浩次のらしい、元気の出る応援歌で、聴き逃せない1曲です。
エレカシの人気ランキングTOP10入りしそうな名曲揃いなので、ぜひチェックしてくださいね。
「昇れる太陽」
- 『Sky is blue』
- 『新しい季節へキミと』
- 『絆(きづな)』
- 『ハナウタ~遠い昔からの物語~』(CM曲)
- 『あの風のように』
- 『おかみさん』
- 『It’s my life』
- 『ジョニーの彷徨』
- 『ネヴァーエンディングストーリー』
- 『to you』
- 『桜の花、舞い上がる道を』(CM曲)
19枚目のアルバム「昇れる太陽」。No.04の「ハナウタ~遠い昔からの物語~」はCM曲として大量オンエアされました。
タイアップが付いたシングル曲が収録されているので、世間的にも話題となったアルバムです。
「RAINBOW」
- 『3210』
- 『RAINBOW』
- 『ズレてる方がいい』
- 『愛すべき今日』
- 『昨日よ』
- 『TEKUMAKUMAYAKON』
- 『なからん』
- 『シナリオどおり』
- 『永遠の旅人』
- 『あなたへ』
- 『Destiny』
- 『Under the sky』
- 『雨の日も風の日も』
オリジナルアルバムとしては3年半ぶりのリリースとなリました。
タイトル曲の『RAINBOW』『ズレてる方がいい』はいずれも力強い曲ですが、収録曲『TEKUMAKUMAYAKON』も、パワーの出る楽曲でエレカシと一緒に歌いだしたくなる、是非とも聴いて欲しい1曲です。
「Wake Up」
- 『Wake Up』
- 『Easy Go』
- 『風と共に』
- 『夢を追う旅人』
- 『神様俺を』
- 『RESTART』
- 『自由』
- 『i am hungry』
- 『今を歌え』
- 『旅立ちの朝』
- 『いつもの顔で』
- 『オレを生きる』
2018年6月6日リリースの23枚目のアルバム「Wake Up」。
収録されている『Easy Go』はテレビ東京系ドラマ「宮本から君へ」の主題歌に起用されたアツイ1曲。
元気が出ないときにイヤホンを突っ込んで聴くと、ガソリンを注がれたみたいにやる気が出ます!
心を熱くさせるエレカシの名曲から今あなたに必要なメッセージがきっと見つかるはず!
カリスマ性があるといわれているボーカル宮本浩次ですが、なんの苦労もなく作詞作曲をおこなっているわけではありません。
その時代、その年代ごとに悩みながら新しい音楽を作り続けています。
だからこそエレカシの楽曲は、その時のその時の私たちファンの心に、直接響いてくるのです。
ドラマのテーマソングやCM曲だけではありません。
エレファントカシマシの曲には、あなたの心に響くメッセージがつまった歌詞がまだまだたくさん隠れています。
この機会にあなただけのエレファントカシマシの名曲を見つけてみてください。
この記事のまとめ!
- エレファントカシマシの魅力は30年続いたメンバーの固い絆
- 30年の歴史がその時代にあったメッセージで聴く人の心に寄り添う歌詞
- エレカシエレファントカシマシはつねに進化と成長を続けている