カラオケでもっとも盛り上げたいサビ部分ですが「音程が高すぎて声が出せない!」と思うこともしばしばです。「もし、高音が出せればもっと自信をもって歌えるのに…」と、二の足を踏んでしまう曲も多いですよね。
しかし、そこで諦めてしまうのはもったいないです!
実は誰でもコツさえつかめば、高音を自由に操れるようになります。
この記事では高音ボイスを出すための効果的な練習法と、トレーニングにおすすめの練習曲をご紹介します。
この記事でわかること
高い声がでない原因は3つ
歌うときに高い声が出ないのは、生まれつきの声質のせい…と思っていませんか。
しかし実際は、高音を出そうとするあまり頑張りすぎてしまうことで、逆に声が出づらくなっている場合があります。
まずは高い声を出しづらくしている原因について、当てはまる部分がないかチェックしてみましょう。
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喉をしめている
高い声を出そうとして、思わず喉に力が入っていませんか。
高音を出すときに普段よりも喉が苦しいと感じるなら、不要な力がかかっている証拠です。
声を大きく響かせるためには、喉にたくさんの空気を流し、声帯を大きく震わせること必要です。
喉に力が入ってしまうと声帯周辺の筋肉も緊張し、空気の出入り口が狭くなります。
狭い通り道では、空気も少ししか流れません。これでは高い声を響かせたいのに逆効果です。
高音は出ないと諦めている
高音を出すためには、メンタル面も大事です。
「学校の音楽でもソプラノにはなれなかったしどうせ無理」と最初から諦めていては、出るはずの声も出ません。自身で自分の可能性を潰すのは、とてももったいないです。
ボイストレーニングの最初の頃は、なかなか結果か出ず悔しい思いもするかもしれません。しかし、諦めずに続けることで、ボイトレの効果は必ず出るでしょう。
吐く息の量が少ない
「あー」と声を長く出してみると、最後の方は息が足りずに声が小さくなってしまいますよね。これと同じように、吐く息の量が少ないと声は小さく細くなってしまいます。
吸い込む息が十分ではなかったり身体の重心が安定していないと、息を十分に吐ききれないため高い声も出しにくくなります。
高い声の出し方【ボイトレ法】
高い声を出すためのボイストレーニングというと、難しいイメージがあるかもしれません。ボイストレーナーのレッスンを受けるという手もありますが、そんな時間やお金がない!という人も多いですよね。
ここでは、憧れの高音ボイスを出すために自分でもできるボイトレ法を解説します。
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リラックスする練習
喉や舌が緊張していると、十分に声を響かせることができません。美しい高音を出すためには、とにかく喉周辺をリラックスさせることが重要です。
また、緊張状態で練習を進めてると、喉や発声方法に変なて癖がついしまいます。
フラットな状態でトレーニングを行うためにも、自分の喉をリラックスさせるよう心掛けましょう。
- ため息
リラックスした喉の状態がわからない、という場合はため息をついてみましょう。これが喉が一番リラックスした状態です。
思いっきり身体全体を使って、ため息をつくことがポイントです。感覚を覚えることが重要なので、何度も繰り返してみてください。 - エッジボイス
デスメタルのボーカルが出すような、お腹の底から響く感じの低い声を「エッジボイス」といいます。
「あ゛あ゛あ゛あ゛…」といったざらついた声、というと想像しやすいかもしれません。高音の練習なのに、低音?と不思議に思いますよね。
エッジボイスは、喉が弛緩した状態でないと出ない声です。この発声を定期的に行うことで、リラックスした発声に慣れることができます。
声量を出す練習
声量を上げるには、自分の肺の容量を意識することが大切です。
自分の呼吸量を意識しつつ声量を上げるトレーニングをすると効果的といえます。
また、ボイストレーニング業界で常識の「腹式呼吸を意識的に行うこと」でも呼吸量を増やすことができます。
ちなみにこの呼吸法は、声量以外にも免疫力UPや脂肪燃焼など健康に嬉しいことずくしです。ぜひ取り入れてみてくださいね。
- ロングトーン
一定の音程と音量で「あー」と声を出し続けることを「ロングトーン」といいます。
こうした練習を繰り返すことで、喉をリラックスさせたままぶれない声が出せるようになります。
また、このトレーニングは呼吸のための筋肉も同時に鍛えられるため、声量を上げることにつながります。 - 感情的な発声
「ロングトーン」に慣れてきたら、そこに感情を乗せてみましょう。
怒りのあまり怒鳴ったり、テンションの上がったときの笑い声は普段よりもずっと声量が出ています。
そうした感情を意図的につけることで、より高い声が出しやすくなります。
高音を出す練習
喉をリラックスさせ、声量を出すことに慣れてきたら、仕上げとしていよいよ高音を出す練習に取り組みましょう。
- ポルタメント
声をのばす「ロングトーン」の発声を、勢いよく高い声に上げていく練習です。
発声の後半にかけてどんどん高音に向かうように声を出すことで、出ないと思っていたような音域の音まで出せるようになります。 - 遠吠え
犬の遠吠えをイメージして、声を遠くに飛ばしてみましょう。
この遠吠えをボイストレーニング前のエクササイズとして行うと、より高い声が出しやすくなります。
【ハイトーンボイス】超高音ボイスの仕組みや出し方・練習方法とは
カラオケで高音を楽に出すコツは【ミックスボイス】
高い声を出すトレーニングもしたけれど、いざ歌ってみるとキーが高すぎて思ったような高音が出せないこともあると思います。そうした人におすすめの発声法が「ミックスボイス」です。
似た考えの発声法に「ユナイテッドボイス」というものもあります。簡単に説明すると、両者とも地声と裏声を融合させる方法なのですが、これは「ミックスボイス」と比べ個人での習得が難しいです。
「ミックスボイス」は、地声と裏声の間のような発声を指します。ミックスボイスがマスターできれば、裏声ほど無理なく自然に高い声が出せるようになります。
プロの歌手も、このミックスボイスの発声を身につけている人が多いです。
ミックスボイスを出すための練習ポイントをご紹介していきましょう。
- 力まない
前述のボイストレーニング法でもご紹介しましたが、ミックスボイスを出すには喉や体をリラックスさせることが大切です。
裏声自体が喉に負担をかけてしまうため、喉を傷めないためにも力まずに発声しましょう。
顎を少し引き、あくびをするとちょうどよく力を抜くことができます。
その状態で、自分の普段の声より少し高めのキーの曲を歌いきることが、ミックスボイスの練習になります。 - 猫の鳴き声をまねしてみる
猫の「ニャー」という鳴き声を真似てみましょう。このとき、鼻にかかる息を意識することが重要です。
高い声を鼻の奥で響かせるような感覚がつかめれば、ミックスボイスの高音が出しやすくなります。 - 息のコントロール
ミックスボイスで歌うと、多少声帯の振動が短くなるという現象が起こります。
これは声帯の閉鎖筋が通常の声のときより狭くなるからです。
そのため、地声と比べ吐く息が少なくて済むものの、そのぶん腹筋で声量をカバーする必要が出てきます。
ちなみに、声帯の閉鎖筋の幅を変えることで声の雰囲気を変えることも可能です。幅の狭い順にミックスボイス・ファルセット・ヘッドボイスとも呼ばれています。
声帯の広がった「ヘッドボイス」の高音は、クラシック歌手のような印象になります。
ミックスボイスを効率よく響かせるためには、腹筋を意識して呼気圧を高める練習をしましょう。
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高い声の練習曲【男性編】
男性ボーカルの曲のなかにも、高音部分が聴かせどころになっている曲が多くあります。
これからご紹介する曲は、高音ボイスを練習するためにぴったりのものばかりです。
原曲を聴いてアーティストの高い声の出し方を参考に、ぜひチャレンジしてみてください。
しるし|Mr.Children
ダーリン ダーリン いろんな角度か君を見てきた
そのどれもが素晴らしくて 僕は愛を思い知るんだ
1992年にメジャーデビューした、日本を代表するロックバンドMr.Childrenの29枚目となるシングル。日本テレビ系ドラマ『14歳の母』の主題歌として起用されました。
切ないメロディが印象的な「泣かせ系」のラブソングです。とくに盛り上がるサビ部分に向かって音域が高まっていく王道の構成なので、気持ちも込めやすく高い声の練習に適しています。
流星|コブクロ
星屑の中鏤められた心が二つ
愛の闇を駆け抜けていく想い流星になり
流れてゆくよ 君のそばまで 消える前に
僕たちは同じ星座だと 信じて
コブクロは男性ボーカル2人の心地よいハーモニーが印象的な人気デュオです。
伸びやかな彼らの歌声が活かされた『流星』も、高い声の練習にぴったりな1曲。
全体的に音程が高めなので、最初は少し苦しいかもしれませんが、歌いきることで高音の出し方をつかむことができます。
We Will~あの場所で~|EXILE
どんなに離れてもその涙を流させぬ様に
小さなその体が震えてしまわぬ様に
いつでも側にいる 海の様な広い心で
君だけ守りたくて 今日まで歩いてきた
大人気ダンスグループEXILEによる初期の人気曲。優しい印象のバラードです。
ゆったりとしたテンポなので、自分の音域を探りながら高音の発声練習をすることができます。サビ部分の伸びで高音を保つことがポイントなので、意識して声を響かせましょう。
高い声の練習曲【女性編】
女性ボーカルの曲は基本的に音域が高めですが、そのなかでも男女ともに無理なく高音を練習しやすい曲をご紹介します。
みんな空の下|絢香
あなたの笑顔は誰よりも輝き
くもり空まで晴れにしてしまう
何度も高い壁乗り越えたから
何も怖くない ひとりじゃないよ みんな空の下
2009年にリリースされた『みんな空の下』は、サビ部分の高音がとても印象的なバラード曲。喉から頭全体に響かせるように歌うことで、原曲のような美しさが再現できます。逆にいえば、しっかり響かせる発声ができていないと難しいということです。
スローテンポで、しっかりと高い声を出すのにおすすめの練習曲です。
Jupiter|平原綾香
Every day I listen to my heart
ひとりじゃない
この宇宙の御胸に 抱かれて
平原綾香は、音大出身の圧倒的な歌唱力で知られる女性アーティストです。
彼女のデビュー曲『Jupiter』も、その力量が生かされた荘厳な作品となっています。
低音から高音まで丁寧な発声練習ができる、お手本のような曲です。声量が必要な歌なので、大きく息を吸ってお腹から声を出しましょう。
サクラ色|アンジェラ・アキ
恋しくて目を閉じれば あの頃の二人がいる
サクラ色のあなたを忘れない ずっとずっとずっと
ピアノの弾き語りが印象的なシンガーソングライター、アンジェラ・アキによる『サクラ色』は春先の別れを綴った切ないバラード。
桜の季節を想って気持ちを込めれば、思った以上の高い声が出せそうです。
高い声が楽に出せたらレパートリーや表現力が広がる!
音域が狭いと、どうしても歌う曲が限定されてしまいます。
そんな悩みも、高い声を楽に出すコツをつかめばもっと歌を楽しむことができるでしょう。
今よりも音域が広がれば、これまで歌えなかった曲も得意曲になるかもしれません。
最初は思うようにいかないかもしれませんが、これまでご紹介してきたプログラムでボイトレを続ければ、きっと高い声も出せるようになります!
ぜひ高音ボイスも身につけて、楽しいカラオケライフをすごしましょう!
この記事のまとめ!
- 高い声が苦手でもボイトレ次第で出せるようになる
- 無理やり声を高音を出そうとせずにリラックスして発声することが大事
- 高い声が出せるようになれば、歌うことがもっと楽しくなる!