歌上手に欠かせない「巻き舌(タングトリル)」ですが、うまくできない人も多いのではないでしょうか。
自然にできるようになったという人もいますが、音楽をやっていなければ、なかなか習得する機会もありません。
舌の使い方を覚えれば、徐々に効果が出始めます。
巻き舌ができるようになると、表現力がアップし歌える楽曲の幅も広ります。
また今まではを避けていた巻き舌が特徴のアーティストやシンガーの楽曲も、気軽に歌えるようになります。
プロでなくでも巻き舌の習得はおすすめです。
巻き舌をマスターして、歌上手を目指しましょう。
この記事でわかること
巻き舌ができない原因は
日本人は巻き舌が苦手とされていますが、その理由は使っている言語や文化などにあります。
不協和音になるような音を好まない傾向に加えて、巻き舌などの口の動きを「お行儀が悪い」として控えている人もたくさんいます。
つまり巻き舌が使いにくい環境で、筋肉がつきにくくなっているのです。
まず巻き舌ができない原因をチェックしてみましょう。
日本語にはない発音
もともと日本語ではあまり必要とされない発音のため、日常生活で使う機会が少ないのです。
そのため巻き舌に使う舌の筋肉が育っていません。
それに比べて、外国語には巻き舌を使って発音する音があるため、舌の筋肉が鍛えらます。
日本人には苦手な音があるのはそのためです。
具体的な例として、英語の「R」と「L」の音の違いがあげられます。
この2つは日本では同じ発音になってしまいますが、英語圏では明確に分けられています。
また舌の筋肉は、使う機会がなければ鍛えられないため、必然的にできない人が多くなってしまいます。
巻き舌を習得するために、舌の使い方を学んでみませんか。
コツがつかむことができれば、巻き舌は案外簡単にできるようになります。
難しいという先入観
体の使い方というのは、練習しなければ上達しません。
しかしはじめはコツややり方もわからないため、できるようになる前に挫折してしまう人が多いのです。
まず「巻き舌は難しい」という先入観を捨て、「練習すればできるようになる」と考えることが大切です。
幼少期に練習した自転車の乗り方や泳ぎ方なども、何年間かブランクがあっても忘れません。
それと同じように、体の使い方さえ覚えてしまえば、すぐ自分のものにできます。
練習する際にはイメージも大事で、巻き舌ができる身近な人や、巻き舌が上手なアーティストを思い浮かべるといいでしょう。
舌の筋肉が弱い
日本語の発音には、舌を酷使するような動きがほとんどありません。
そのため巻き舌を習得するために必要な「舌の筋肉」が育っていないのです。
巻き舌を使うためには舌を上あごにつける動きを意識しましょう。
とくに普段は行わないような舌の運動を積極的に行うことが大切です。
ただし動かし方によっては不用意に舌の筋肉を酷使し過ぎてしまい、かえって痛めてしまう危険性もあります。
注意しながらトレーニングを行ってください。
巻き舌ができると歌が上手くなる理由
歌うときに巻き舌を使うアーティストは少なくありません。
声でさまざまな感情を表現するシンガーにとって、巻き舌は大変重要なものです。
また巻き舌は単純に曲に変化をつけたり、曲調のテイストを変えるのにも一役買うことがあります。
そんなアーティストの歌い方を参考にすると、巻き舌や表現力がアップするでしょう。
表現力が増える
巻き舌を使うことで、表現力が増し、歌のイメージを変えることができます。
ここぞというときに使いたい、シンガーにとっては欠かせない表現技法です。
滑舌がよくなる
声の出し方に幅が出るだけでなく、巻き舌が使えると滑舌が良くなるというメリットもあります。
滑舌はボーカルが聴き手に音楽を伝えるうえで、大変重要なものです。
どんなにいい楽曲でも、歌詞がはっきりしなかったり声が細すぎたりすると、かえって曲の印象が薄れてしまいます。
巻き舌を練習することで、総合的な歌上手に近づくことができます。
外国語の発音がよくなる
日本語には巻き舌を使う発音はありませんが、言語によっては舌の使い方で音を分けているものもあります。
巻き舌を習得することで舌の使い方が上達し、外国語の発音も良くなる傾向があります。
語学の勉強をしている人は、巻き舌の練習もするとよいかもしれません。
巻き舌の簡単な練習方法
巻き舌は一見すると難しく感じられますが、コツや簡単な練習方法を知っていれば簡単に習得することができます。
それでは巻き舌の簡単な練習方法やコツを紹介します。
まず舌を鍛えよう
本格的な巻き舌の練習を始める前に、まずは舌を鍛えるのがおすすめです。
巻き舌には舌の筋肉が必要ですが、筋肉をつけることで習得を早めることができます。
簡単に練習する方法は、下唇と歯茎の間に舌を差し込み、左右に動かすことです。
不慣れな動きなので舌に適度な負荷がかかり、筋肉が鍛えられます。
はじめのうちは舌を痛めやすいので、無理をせずに少しずつ行ってください。
簡単にできる!繰り返すだけの発声練習
ある程度舌の筋肉がついてきたら、発声練習に進みましょう。
なかでもおすすめのトレーニングは、「ラ行」の発音です。
具体的には「さっぽろらーめんとろろいも」などのら行が多く入っている言葉を発するのみ。
普段から意識的に口ずさむだけで、巻き舌の練習になります。
上を向いて「るるるるる…」「プル、プラ、プル、プラ…」など繰り返してみましょう。
「ぶんぶんぶん」を歌う
ぶんぶんぶん はちがとぶ
おいけのまわりに
のばらがさいたよ
ぶんぶんぶん はちがとぶ
日本でおなじみの童謡ですね。
誰もが一度は歌ったことがあるのではないでしょうか。
ただ歌うだけでなく、歌詞の間に「る」を入れることで滑舌改善になります。
慣れてきたら、徐々にスピードをあげて歌えるようにチャレンジしましょう。
例)ぶるんぶるんぶるん はるちるがるとるぶるん
巻き舌を実際に使ってみよう!
習うより慣れることが大切なので、ある程度舌の使い方を練習したら、実際に巻き舌を使ってみましょう。
巻き舌のやり方
巻き舌をする時は、舌の使い方に気をつけましょう。
舌の裏を上唇にくっつけて、思いっきり息を吐きながら「る」を発音します。
このとき息を吐く量が中途半端だと舌が振動しないので、はじめは思い切りよく吸って吐き出すことがポイントです。
巻き舌のコツ
はじめは苦しく感じるかもしれませんが、できるだけ上を向いて練習しましょう。
上を向くと舌の根元が緩むので、巻き舌がやりやすくなります。
巻き舌が上手な歌手アーティスト
練習するときは、巻き舌が上手な歌手やアーティストをイメージするのがオススメです。
そうすることで自然と舌の使い方を覚え、より練習がしやすくなります。
また巻き舌が上手なアーティストの楽曲を歌うことも練習になります。
椎名林檎
約束はいらないわ 果たされないことなど 大嫌いなの
ずっと繋がれて居たいわ 朝が来ない窓辺を 求めているの
巻き舌の歌姫といわれている椎名林檎。
長年にわたり絶大な人気を誇っている女性アーティストで、今や日本だけでなく海外でも注目を集めています。
彼女の歌には巻き舌が多様に取り入れられており、楽曲にさまざまな変化が見られます。
その表現力が彼女の強みとなり、人気の秘密となっています。
なかでも特徴的なのが「本能」です。
「ら・り・る・れ・ろ」が強い巻き舌で発音されており、彼女の代表曲のひとつになりました。
清春
乾いた風に吹かれ
独りきり歩いてる
忘却の空へ たどり着けるまで
シンガーソングライターの清春も、巻き舌が魅力的なヴォーカリストの1人です。
独特な巻き舌が特徴で、熱狂的なファンを集めています。
TVドラマ「池袋ウエストゲートパーク」の主題歌に起用されたSADSの代表曲「忘却の空」は、これでもかというほど巻き舌がふんだんに使われています。
浅井健一(BLANKEY JET CITY/SALINGER)
JUKYLEとHYDEのTROJAN HAIR HIP STARとかJAZZY CAFÉ
あの娘はT型 フォードのホッドロッドでスピンしてよだれ垂らしてた
LONDON, TOWER BRIDGE 腐った野いちごJUICER MIXER
二人で脱獄 シロップは真冬の午後のエンジェル
HI-HO! MR J.D.SALINGER
シンガーだけでなくギタリストや音楽プロデューサーとしてマルチに才能を発揮してしながら長年活躍し続けている浅井健一。
そんな彼がBLANKEY JET CITYでヴォーカリストとして歌っている「SALINGER」は、疾走感のあるサウンドに変化をつける巻き舌が魅力的な楽曲です。
巻き舌をマスターして歌の世界を広げよう!
巻き舌は、ボイストレーニングなどの簡単な練習方法で習得することができます。
とくに早口言葉などは効果が高く、効率よく舌の筋力アップになります。
またスペイン語やイタリア語、ロシア語やドイツ語など、幅広い言語の習得にも役立ちます。
言語の練習にもなり、音楽力のアップにもつながります。
トレーニング方法も自分1人でできる簡単なものが多いので、歌の上達を望んでいる人はぜひトライしてみてください。
さらに歌唱力に磨きをかけたい方は、音楽の専門家から襲われるボイス教室もおすすめです。
無料体験レッスンなどを実施している教室もありますよ。
練習の際にはトレーニング効果の高いポイントに絞り、練習の量をこなすことが大切です。
それがもっとも早く巻き舌を習得する方法です。
この記事のまとめ!
- 巻き舌は歌上達の近道
- 巻き舌は簡単な練習で習得できる
- 巻き舌の上手なシンガーをイメージする