ポップスやロックもかっこいいけれど、ジャズは特に大人の音楽という感じがしてクールですよね。
でも、ジャズミュージックを聴きたいけど敷居が高くてどこから手を出したらいいかわからない、という人は多いのではないでしょうか?
今回はジャズ初心者におすすめのジャズの入門曲をご紹介します。
この記事でわかること
ジャズとは?
独特な音階やリズムを用い、アドリブや掛け合いの要素を組み込んでいることが特徴とされるジャズ。
その始まりは1800年代後半のアメリカ南部、ルイジアナ州ニューオーリンズからだといわれています。
その時代のニューオーリンズにはヨーロッパから移住してきた人や、アフリカから労働力として連れてこられた移民など、さまざまな文化圏の人が入り混じって暮らしていました。
そのような中で、ヨーロッパで培われた音楽理論とアフリカ系アメリカ人特有のリズム感覚・民族音楽が融合して、ジャズが誕生したとされています。
サックス・トロンボーン・ピアノなどさまざまな楽器で演奏する音楽
さまざまな楽器同士の掛け合いはジャズの魅力のひとつです。
よく登場する楽器として
- ドラム
- ベース
- サックス
- トランペット
- トロンボーン
- ピアノ
しかし、ジャズで用いられる楽器に決まりはありません。
さまざまな楽器の音が合わさることでグルーヴが生まれ、そのなかで、アドリブも入れた自由な演奏が行われるのです。
ちなみに、ジャズでいう「ピアノ・トリオ」は、ピアノ・ベース・ドラムの編成を指します。
サックス奏者「ジョン・コルトレーン」やジャズ・ピアニスト「ビル・エヴァンス」、ジャズドラマー「アート・ブレイキー」の演奏はぜひチェックしてみてください!
ジャズは演奏スタイル
ロックやクラシックのようにジャズも音楽のジャンルのようにとらえられがちですが、ジャズはジャンルというよりは「演奏スタイル」だととらえてください。
ジャズの演奏スタイルは簡単に言うと、曲の最初と最後は楽譜通り演奏し、その間にアドリブを入れて演奏するというもの。
これがジャズの基本形です。
あくまで基本形なので、これに当てはまらない曲もたくさんあります。
ジャズのリズム
ジャズのことをあまり知らない人でも、「この曲はジャズだ!」となんとなくわかりますよね。
これはジャズ特有のリズムのノリがあるからなんです。
このジャズ特有のリズムのことを「スウィング」と言います。
しかし、スウィングがないジャズの曲も多くあります。
それでもすぐにジャズだとわかるのは、ジャズ特有のハーモニー(和音)があるからです。
独特な音と音の組み合わせが、ジャズならではの浮遊感を生み出し、聴く人に「ジャズだ」と認識させるのです。
ジャズのアドリブ
ジャズの一番の見せ場であり聴きどころでもあるのは、なんといってもアドリブの部分です。
アドリブと言っても、ただ適当に弾いているわけではありません。
その曲に合ったコード進行や、バンドリーダーが決めた音程、早さ、リズムに合うように演奏します。
逆に言うとコード進行と雰囲気さえ合っていれば、何を弾いてもOK。
そのため、同じ曲でも演奏者によって全く違う曲に聴こえたりします。
演奏者によって違った曲の解釈を楽しむのが、ジャズの最大の魅力なのです。
【洋楽】初心者におすすめ!人気のジャズボーカルアーティスト&定番曲
まずは海外のジャズのレジェンドたちのヒット曲を4曲ご紹介します。
ジャズに興味を持ったら、洋楽CDなどではじめにこの4曲を聴きましょう!
What A Wonderful World(この素晴らしき世界)|Louis Armstrong
I see trees of green red roses too
I see them bloom for me and you
And I think to myself what a wonderful world
キング・オリヴァー楽団、フレッチャー・ヘンダーソン楽団などにトランぺッターとして参加し、ミュージシャンとしての才能を開花させたルイ・アームストロング。
『What A Wonderful World(この素晴らしき世界)』はアームストロングが歌手として発表した楽曲の代表作です。
彼のかすれた味わい深い歌声は聴く人を惹きつけます。
ジャズの名盤として現在でも愛されている作品です。
Fly Me To The Moon|Frank Sinatra
Fly me to the moon
Let me play among the stars
Let me see what spring is like
On a-Jupiter and Mars
『Fly Me To The Moon』の原曲の発表年は1954年です。
ニューヨークのキャバレーで初披露され、後にフランク・シナトラによってカバーされたことで爆発的にヒットしました。
誰でも「聴いたことある!」となるジャズのスタンダードナンバーです。
邦題は『私を月に連れて行って』。
愛の告白を遠回しな言い方で伝える、かわいらしいラブソングです。
Don’t Know Why|Norah Jones
I waited
‘til I saw the sun
I don’t know why
I didn’t come
ノラ・ジョーンズの美しい歌声が心に響く名曲です。
日本では日本たばこ産業のCMにも起用されました。
『Don’t Know Why』は愛する人との別れの曲です。
最後の日に彼に会いに行かなかったことを、ひどく後悔しています。
ポップさも兼ね備えた聴きやすい曲なので、ジャズ初心者にもおすすめです。
Johnny Guitar|Peggy Lee
There was never a man like my Johnny
Like the one they call
Johnny Guitar
西部劇「大砂塵」の主題歌として有名な『Johnny Guitar』は、公開当時世界的に大ヒットしたジャズの人気曲です。
「大砂塵」は2人の女性が主人公ジャニー・ギターを巡って争う内容で、この曲もジャニー・ギターを思う女性の気持ちが歌われています。
ペギー・リーの唯一無二の歌声が耳に心地よいJAZZ名盤です。
【邦楽】初心者におすすめ!人気のジャズボーカルアーティスト&定番曲
洋楽はハードルが高いという人は、日本の人気アーティストのジャズミュージックから始めるのもアリですよ。
日本人が作る独特のジャズミュージックが楽しめる4曲を選びました。
追憶のライラック ~Reminiscent Lilac~|東京スカパラダイスオーケストラ
何度も
『寂しいときだけそばにいてくれ』と
わがままな僕を抱き締めて
優しく笑った君を思い出し
涙を流していた
日本の代表的なジャズバンド、東京スカパラダイスオーケストラがゲストボーカルとしてハナレグミを迎えた、シングルタイトル曲『追憶のライラック~Reminiscent Lilac~』。
自分のわがままを受け入れ、支えてくれた女性を思い出し涙を流すという内容になっています。
切なさをさらに引き立たせるトロンボーンのソロパートにも注目です。
カリソメ乙女|椎名林檎
女は誠の誓いなんて要らないよ
大概が芝居さ
惚れた腫れた、目眩(めくる)めいた
噫(ああ)!秋ノ空
アルバム「三文ゴシップ」に収録された『カリソメ乙女』は複数の収録バージョンがあり、さまざまな参加アーティストと共演しています。
また『カリソメ乙女(DEATH JAZZ ver.)』は映画「さくらん」の主題歌として起用されました。
外国文化であるジャズミュージックと、日本の花魁を歌った歌詞が融合したおもしろい試みの楽曲です。
椎名林檎さんが好きな人なら、ジャズの入門としてぴったりな曲です。
Neon Sign Stomp|EGO-WRAPPIN’
去りゆく 色街 虜にした
夜を裂いた 刹那のうた
今日も流れるのかな
ジャズミュージックと、昭和歌謡やキャバレーミュージックを融合させた独特の世界観が魅力のEGO-WRAPPIN’。
『Neon Sign Stomp』は2014年発売のシングル「BRIGHT TIME」の収録曲です。
日本のアーティストからジャズを始めたいという人にはEGO-WRAPPIN’がおすすめです。
接吻 ~kiss~|ORIGINAL LOVE
長く甘い
口づけを交わす
深く果てしなく
あなたを知りたい
『接吻 ~kiss~』は1993年に発売されたORIGINAL LOVEの代表曲で、発売から20年以上経った現在でも愛されている名曲ラブソングです。
ジャズとポップスが合わさり、大人の恋愛を歌った歌詞をより深みのあるものにしてくれています。
多くのアーティストにカバーされ、日本の代表的ジャズソングになりました。
ジャズはかっこいい大人の音楽
いかがでしたか?
ロックやポップスとは違ったかっこよさを知っていただけたでしょうか?
オリジナルアーティストの演奏はもちろん素敵ですが、他のアーティストが演奏した同じ曲もまた違った解釈がされていてまた素敵です。
演奏者それぞれの解釈を楽しむのが大人のジャズの楽しみ方。
ぜひお気に入り盤を見つけて、さまざまなアーティストのアレンジを聴き比べてみてください。
今回ご紹介した曲のジャジーな歌声にも注目です!
この記事のまとめ!
- ジャズの特徴は独特のリズムとアドリブ
- 演奏者による曲の解釈の違いを楽しもう
- ジャズのレジェンドの名盤を聴こう
- 初心者には日本のミュージシャンのジャズミュージックがおすすめ