「ひとのときを、想う。」というキャッチフレーズでおなじみのJTのCM。
北村匠海を主人公に、違う場所に生きる人々のそれぞれの暮らし・それぞれの想いを丁寧に切り取った「想うた」シリーズはとても好評です。
2018年に始まった同シリーズは現在第六弾まで公開されています。
そんなシリーズを彩るのが、優しい歌声を響かせるCMソング。
皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
この記事でわかること
JTのCM曲「想うた」が泣ける
JTの「想うた」CM開始は2018年6月。
そのシリーズを彩るのが、CMと同じタイトルの楽曲「想うた」です。
放送開始直後から各SNSでは「曲が良すぎて泣ける」「リリースしてほしい」「この曲を聴いて自分の数年前を思い出した」「結婚式で流したい」など、大きな反響が寄せられています。
テレビ番組の間の30秒〜60秒というごく短い時間でこれだけ多くの人を惹き込み、心を動かすのは簡単なことではありません。
この楽曲が持つ力が伺い知れますね。
ではさっそく、「想うた」シリーズについて詳しく見てゆきましょう。
「想うた」シリーズとは
「想うた」シリーズは、JTが「たいせつな人への“想い”を“うた”にのせて届ける」というテーマで放映している企業広告。
「第57回JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール(テレビ広告部門メダリスト)」も受賞た大人気シリーズです。
第一弾「親を想う篇」が2018年6月に公開されて以降、現在の第六弾に至るまで、北村匠海を主人公にさまざまな登場人物たちの物語が展開されています。
このシリーズの物語の特徴は、「登場人物たちが家族や恋人、同僚たちとのすれ違いを経験する」こと。
JTの公式サイトに「違うから、人は人を想う。」と書かれている通り、自分とは全く違う生い立ち・考え方・生き方の人々と、それでも想いあって共に生きてゆくことの難しさや喜びが丁寧に描かれています。
作曲はMONGOL800キヨサク
そんな温かい人間模様を描いたJTのCM曲の作曲と歌唱を手がけているのは、「小さな恋のうた」や「あなたに」などで知られる3ピースロックバンド・MONGOL800のVo.Ba.キヨサク。
彼がこのシリーズのコマーシャルソングとしてオリジナルに書き下ろした優しく素朴な曲と、少しかすれた温かみのある歌声がこのシリーズにぴったりですね。
その力強くも独特な歌声が似ているという理由で、竹原ピストルが歌っていると間違えられることが多いという余談もあります。
CM出演俳優も豪華
人と人の想いをつなぐ「想うた」シリーズですが、出演する俳優陣もとても豪華で、視聴者をまるで短編映画を見ているような気分にさせてくれます。
物語の主人公・村上優人を演じるのは、俳優だけでなく歌手としても大活躍中の北村匠海。
その妻・二宮遥役を女優・石井杏奈がつとめます。
他にも、優人の友人・藤田和樹を矢本悠馬が、優人の会社の同期・村石翔太を劇団EXILEの鈴木伸之が演じるなど、ドラマの完成度はお墨付き。
新進気鋭の女優・古川琴音が遥の妹を演じているのにも注目です。
キヨサクが歌うフルバージョンも公開
2018年の公開当初からたくさんの反響を生んでいる「想うた」シリーズ。
視聴者からの「曲をしっかり聞きたい」「リリースしてほしい」という問い合わせに応えて、キヨサクが歌う第一弾から第三弾までのスペシャルメドレー『想うた UKULELE SESSION』がYouTubeで公開されています。
動画はセッション風景とそれまでの物語を集めたミュージックビデオになっているので、シリーズを振り返りながら視聴するのもいいですね。
また、2019年に「想うた」スペシャルサイトにて期間限定で楽曲のダウンロード配信も行い、その好評を受けて2020年12月には第六弾までの6曲とウクレレバージョンが収録されたCDも発売されました。
気になった方はぜひお手に取ってみてくださいね。
JTのCM「想うた」シリーズ紹介
ここまでは、JTのCM「想うた」シリーズの理念や楽曲、出演俳優について紹介してきましたが、ここからは実際に「想うた」シリーズの物語を追っていきます。
「違うから人は人を想い、その想いが繋がって世界がひとつになる」という確固たる理念、それを支えるハートフルで力強い楽曲に、出演者は実力派の俳優陣。
彼らはいったいどんな物語を見せてくれるのでしょうか?
第一弾「親を想う篇」
主人公の村上優人(北村匠海)は、東京の商社で働く新入社員です。
多感な思春期を経て故郷の両親とうまく向き合えないまま上京した優人は、新しく覚える仕事や飲み会、満員電車での通勤など、忙しい日々に追われて両親からの連絡をだんだん重荷に感じるようになります。
そうやって慌ただしく過ぎる毎日についに疲れ果ててしまった時、ふいに差し込まれるのが「変わりゆく自分/急ぐ自分に/今更届く/いつもの言葉」という歌詞。
「ちゃんと食べてる?」「いつ帰って来れそう?」といういつものメッセージにうんざりすることだってあったけれど、今はその「変わらなさ」が有り難いのです。
どれだけ自分が変わっても変わらず注がれていた両親からの愛に気づいた優人の行動に、ぜひ注目してみてください。
第二弾「愛する人を想う篇」
「マジ遠距離とかないわ〜、大丈夫?」という友人の言葉に不敵な笑みで「ぜんっぜん、大丈夫!」と答える二宮遥(石井杏奈)。
「想うた」シリーズ第二弾は、優人と遥の遠距離恋愛の物語です。
「いつも聞かれる/大丈夫なの/いつも答える/大丈夫だよ」という歌詞の通り、優人の故郷で美容師として働く遥の口癖は「全然、大丈夫!」です。
仕事をして友達もいて、遠距離恋愛でもネットがあれば繋がり合える。
だから、最初は本当に「大丈夫」だったのでしょう。
しかし、多忙な優人とすれ違う日々の中で、彼女の「大丈夫」はまるで自分に言い聞かせる呪文のようになっていきます。
ハラハラするこの物語の結末は、それぞれ違う違う人間として生きる私たちが、それでも「わかりあおう」と互いに手を伸ばすことの尊さを教えてくれます。
第三弾「仲間を想う篇」
第三弾は、仕事でミスをして落ち込む優人に届いた親友・和樹(矢本悠馬)からの「東京来たからみんなで飲むぞ!」というメッセージから始まります。
離れて暮らしていても、昔の仲間とひとたび顔を合わせれば楽しかった青春時代にタイムスリップ。
何気ない日常から人生の節目まで、輝かしい日々の回想に合わせて、楽曲も思わず踊りだしたくなるようなアイリッシュカントリー調です。
そんな陽気な曲が止まったとき、楽しい宴会の最中にトイレで落ち込んでいた優人に和樹がとった行動は「一人になりたいときには/そばに居やがる」という歌詞そのもの。
「親友」や「友情」という言葉を当てはめるのは照れくさいけれど、自分にとってなくてはならない存在が「仲間」なのかもしれません。
第四弾「同期を想う篇」
第四弾は、何かと性格の合わない会社の同期・村石(鈴木伸之)と優人の物語です。
明るく物怖じしない性格で誰とでもすぐに仲良くなれる村石と、真面目でじっくり物事を考えるのが得意な優人。
そして、時間にルーズで暗記が苦手な村石と、人の輪の中に入っていくことが不得手な優人。
そんな二人の凸凹さの間を縫うように、楽曲はふわふわと揺れるジャズ調です。
互いを良きライバルと認めながらも、どうしても譲れないことだってある。
そんな二人を包み込むのが「とちらかと言えば嫌いなやつ/本当ならば仲良くならない/なのになのになのになのに/デコとボコがはまれば楽しくて」という歌詞です。
吹っ切れた二人の、達成感に満ちた笑顔が眩しい一作です。
第五弾「姉妹を想う篇」
第五弾のCMソングは、SNSに投稿していた動画がキヨサクの目に留まって抜擢された女性シンガー「thea」が歌っています。
物語の中心は優人の恋人・遥と、その妹・藍(古川琴音)です。
姉妹はどちらも美容師として働いていますが、彼女たちの性格は正反対。
引っ込み思案な遥は、妹が個性をのびのびと活かしている姿を見ていると劣等感を覚えることが増え、次第に二人の仲は険悪になってゆきます。
印象的なのは「いつの間にか/ライバルみたい/二人の違いが差に見えて」という歌詞。
ただ「違う」というだけなのに、それを認められずに焦りやもどかしさが募る様子は、胸が痛くなるほどです。
それでも、彼女たちはあるきっかけによって「私たちはライバルであると同時に、同じ道を目指す”同志”なんだ」と気付きます。
彼女たちの変化のきっかけを、ぜひ目撃してください。
第六弾「夫婦を想う篇」
「想うた」シリーズの最新CMは、遠距離恋愛を経てついに同棲を始めた優人と遥の物語です。
なかなか会えない日々を乗り越えて、寝ても覚めても一緒に居られる毎日は幸せそのもの。
しかし、一緒に過ごす時間が長いからこそ見えた相手の新たな一面に、お互いがイライラするようになってしまいます。
そんな二人を包み込むのが「ぜんぶがぜんぶ全然違うから/いいところも悪いところも/そうだからこそ/二人で歩むこの毎日が楽しいんだな」という歌詞。
誰かと一緒に暮らすためには、常に「違い」を認め合う思いやりと根気が必要です。
それはとても大変なことだけれど、通じ合えた瞬間の嬉しさはきっと何ものにも変えがたいのでしょう。
誰かと生きるっていいな、と思わせてくれるCMです。
インストを使ったJTのCM曲
心温まる素敵なCMシリーズを制作しているJTですが、実はインスト曲(歌詞のない楽器だけの曲)を使ったCMもあることをご存知ですか?
上空からのアングルでいろいろな人達の生活を次々に映し出しており、先ほどまで紹介してきた「想うた」シリーズに比べるとスタイリッシュで洗練された印象の作品です。
それを支えるのが、心地よい静けさがありつつも、なんだか心がざわつくような雰囲気で耳に残る音楽。
ここからは、インスト曲を使ったCMシリーズ「少しずつですが、未来へ。」のCMソングについて紹介します。
CM「ひとつずつですが、未来へ。」シリーズ
加熱式たばこという新たな選択肢が増えた今こそ、これまでよりももっと「吸う人も吸わない人も心地よい共存社会」を推し進めたい。
そんな思いで始まったのがこの「ひとつずつですが、未来へ。」シリーズです。
低いトーンの落ち着いたナレーションを務めるのは俳優の池松壮亮。
CMはこれまでに「多様性の尊重篇」「吸う人と吸わない人の共存篇」「大人のたしなみ方篇」の3種類が公開されており、マナーや思いやりの大切さを呼びかけています。
楽曲を担当したのはtoe
このシリーズの楽曲を担当しているアーティストは、4人組ポストロックバンド『toe』です。
toeといえば2000年結成以来日本のポストロックシーンの先頭に立ち、イギリスツアーを成功させるなど、国内外で活躍する知る人ぞ知るバンド。
彼らがこのCM用に制作したオリジナルソングは、音楽好きの間でCMの放映開始直後から「あの音楽めっちゃいい、誰の曲だろう?」「やっぱりtoeか!」などと話題になっていました。
澄んだギターに小気味良いドラムのリズム、ドラマチックに入ってくるベースは、CMのナレーションや雑踏、潮騒の音とも相性抜群です。
toeのCM音源集「That’s Another Story」
JTだけでなくdocomoやポカリスウェット、競輪やNIKEなど、様々なCMの音楽を手がけてきたtoe。
提供曲は長らく音源化されていなかったのですが、熱い希望に応えて、2018年1月に音源集「That’s Another Story」がリリースされました。
CMなどへの提供曲だけでなく、カバー曲や他のアーティストとのコラボレーション曲、さらにはtoeと親交の深いアーティストによるリミックス音源まで、たっぷり17曲が楽しめるこのアルバムは必見ですよ。
JTのCM曲は一瞬の間に心を掴む!歌詞が魅力の想うたシリーズの続きにも注目しよう
ここまで、楽曲を中心にJTのCM「想うた」シリーズと「少しずつですが、未来へ。」シリーズを紹介してきました。
「ひとのときを、想う。」というキャッチコピーに実力派アーティストたちのオリジナル曲が加わることで、JTのCMは短い時間ながら、私たちの心を一瞬で掴んでしまいます。
特に、結婚を果たした優人と遥の「想うた」シリーズ。
これから彼らはいったいどんな日々を過ごし、キヨサクの楽曲はどんな歌詞で彼らに寄り添うのでしょうか?
これからも目が離せませんね。
この記事のまとめ!
- JTの大人気CMシリーズ「想うた」の楽曲を担当するのはMONGOL800キヨサク
- 「想うた」シリーズは大切な人を想う物語とそれに寄り添う曲が魅力
- 「ひとつずつですが、未来へ。」シリーズのインスト曲を担当するのはtoe
- 一瞬で人々を惹き込むJTのCMのこれからに要注目