カラオケで使いこなせるとグッと奥行きが出て表現力が豊かになるテクニックの1つに「しゃくり」があります。
しかし「カラオケの採点にもあるけど、何を指しているのか分からない」「どうやって歌えばいいの?」などその意味や歌い方を知らない人も多いでしょう。
この記事でわかること
カラオケのしゃくりとは
しゃくりとは音楽用語で、音の出だしを少し低い音で発声してから本来の音に戻すテクニックのことを言います。
音を下から上へとなめらかにすばやく出すことで、美しいしゃくりを表現しているのです。
意識して正しく発声できれば、彼らのような深みのある歌声でカラオケが歌えるようになりますよ。
しゃくりの効果
カラオケでしゃくりを入れると、聴いている人になめらかな印象を与えられて、プロの歌手が歌っているかのような高い表現力が発揮できます。
抑揚が付くので単調にならず、曲に味が出るでしょう。
感情が入っているように聴こえたり、歌声に深み・奥行きが感じられたりするのです。
よりドラマチックに歌い上げたい時、色っぽさを演出したい時などに効果的な歌唱テクニックですよ。
カラオケはしゃくりが多いと加点される?
カラオケの採点基準で「こぶし」「ビブラート」などと共に出てくる「しゃくり」の項目を見て、「回数が多いほうが良いの?」「採点にどんな影響を与えるの?」と気になっている人も多いのではないでしょうか?
どのように歌えば高得点が取れるのかを知って、効果的に点数アップを狙いたいですよね。
ここでは「カラオケでしゃくりが多いと加点されるのか?」について解説します。
多ければいい訳ではない
確かにカラオケでは曲中のしゃくりの回数が精密採点に加点されるので、「できるだけ多く入れれば良いの?」と考える人がいるでしょう。
しかし、多ければ多いほど良いという訳ではありません。
無理にしゃくりを出す回数を増やそうとすると、音程が外れたり声量が不安定になったりする可能性があります。
せっかく加点しても、別の部分で減点してしまうと意味がないので10~15回程度を目安に入れましょう。
しゃくりはタイミングが大事
しゃくりはナチュラルなタイミングで入れることで、心地良い歌声を出せるようになります。
とにかくたくさんしゃくりを出そうとすると、不自然な歌い方になりますし、かえって下手に聴こえてしまう可能性があるでしょう。
おすすめのタイミングには2つポイントがあります。
これから紹介するポイントを意識しながらカラオケの練習をしてみてくださいね。
低音から高音になるとき
カラオケでしゃくりを入れるタイミングの1つ目は、サビ部分で低い音程から高い音程へと上がる時です。
サビは盛り上がる部分なので、よりプロっぽく歌うためには高い表現力が必要とされるでしょう。
そこで、低音から高音へ上がろうとするタイミングでしゃくりを入れると、抑揚が付いて感情の盛り上がりが表現できます。
サビ以外とのメリハリも出て、より壮大にドラマチックな印象を与えられますよ。
強調したいとき
カラオケでしゃくりを入れる2つ目のおすすめのタイミングは、歌詞やメロディを強調して聴かせたい時です。
メッセージ性の高いフレーズや、その曲の特徴的なメロディなどにしゃくりを入れると、その部分にスポットを当てることができます。
そうすることで自分の感情や曲の伝えたいことが、聴いていてる人に届きやすくなりますよ。
カラオケでのしゃくりの出し方やコツ
しゃくりは音楽を盛り上げて深みを出したり、カラオケの採点に影響したりするため、歌を上達させたい人にとってかなり重要なテクニックです。
この歌唱法が使いこなせるようになれば、プロのアーティストのようになめらかで感情表現豊かな歌声を披露できるでしょう。
次は、カラオケでのしゃくりの出し方やコツについて紹介していきます。
音を繋げて歌う
カラオケで歌う時に意識すべきは、しゃくりを入れたい音とその直前の音を自然に繋げて歌うことです。
大切なのは歌声のなめらかさなので、できるだけ音と音を繋げて隙間が空かないように歌いましょう。
しゃくりが上手なプロの歌手の歌い方を真似しながら練習すると、感覚が掴みやすいです。
その練習を重ねるうちに、徐々に1人でも低音から高音へなめらかに音が繋がるようになりますよ。
母音を意識する
カラオケでしゃくりを入れる時は、母音を意識して発声するようにしましょう。
例えば「た」なら「あ」、「の」なら「お」が意識する母音になります。
「た」なら「た・あ」と1つの音を母音と子音の2音に分けるイメージで歌ってみましょう。
「た」と「あ」を完全に切り離さずに、なめらかに発声できると、自然なしゃくりが表現できるようになりますよ。
喉の力を抜く
喉に余計な力が入っていると、しゃくりが上手く出せません。
思い通りに声帯を操るには、常にリラックスした状態でいることが大切です。
歌だけではなくスポーツなども同じで、体がこわばってしまうと出すべき力が出せないですよね。
カラオケでボイトレする時は、喉や体の緊張をほぐして、できるだけ力まないように歌うことを心がけてくださいね。
無意識に出るしゃくりの治し方
しゃくりは適切に発声していれば、表現力が豊かになって歌唱力が上がる技法です。
しかし中には、
- 「癖になっていて曲中に何度も出し過ぎてしまう」
- 「意識していないのにカラオケの採点機能でカウントされてしまう」
無意識にしゃくりを出してしまう人は、音感が鍛えられておらず、音程が取れていない場合が多いです。
特に、トレーナーの指導なしで独学の練習をしている人はそのような状態に陥る可能性が高いでしょう。
最後に、改善方法を解説していくので参考にしてみてくださいね。
自分の声をしっかりと聴く
しゃくりを治したい人は、まずはカラオケで自分の歌声をしっかりと聴くようにしましょう。
画面に表示される音程バーなどに頼らず、自分の耳で確認する癖をつけます。
そうすることで音を外していることに自分で気付き、音感を鍛えることに繋がるのです。
音程が外れていると分かれば原曲を聴いて正しいメロディを確認し、再び練習します。
これを繰り返し行うことで、徐々に音感と発声感覚が発達し、しゃくりも改善されていくでしょう。
音感を鍛える
音感を鍛えて出したい音がブレずに1回で出せるようになれば、カラオケでしゃくりをする癖もなくなっていきます。
音感はアプリなどを使って、毎日コツコツ鍛えましょう。
鳴った音が何の音かを当てるアプリがあるので、ゲーム感覚で音感を鍛えることができます。
最初は難しくても地道にプレイすることで必要な音感が体に染みついていき、しゃくりの改善にも繋がるのです。
音程の上げ下げの発声練習をする
音程を上げたり下げたりするボイストレーニングをして、出したい音を一発で狙えるようにしましょう。
まず、自分の出しやすい高さの音で「アー」と発声しながら、少し高めの音まで引き上げて、徐々に下げていきます。
次は、息の速さと量、声帯・口の開き具合を確認しながら、少し早めのスピードで音の上げ下げの発声練習をしましょう。
そして、その感覚を意識したまま、先ほど少し速めた「アー」という上げ下げの発声練習を一瞬でやってしまいます。
すばやく発声する時も息の速さと量、声帯と口の開き具合のバランスを意識すると、出したい音を当てられるようになりますよ。
この発声練習を繰り返せば、カラオケ時にしゃくりで音程を探る癖も改善されるでしょう。
輪状甲状筋を鍛える
輪状甲状筋という声帯を引き伸ばす筋肉を鍛えることで、安定した音程や広い音域を出せるようになり、やがてしゃくりが克服されていきますよ。
無意識のうちにカラオケでしゃくりが出てしまう人は、「音程を取る力が弱くて不安定」という傾向にあります。
そこでまずは、正しい音程を出せるように練習する必要があるのです。
輪状甲状筋を鍛えるために裏声を出すボイストレーニングを重ねることで、ミックスボイスも使いこなせるようになり、音程が安定してきますよ。
ドッグブレスを意識する
ドッグブレスを意識してカラオケを練習することで、息がコントロールできるようになり、しゃくり癖も解消できます。
ドッグブレスとは犬のように「ハッハッハッ」と語尾を鋭く切って息をするトレーニング法です。
この呼吸を意識すると、横隔膜やその他のインナーマッスルが鍛えられるので、腹式呼吸の感覚が掴めるようになります。
そして、息がうまくコントロールできるようになるのです。
下の音から引き上げるように音程を合わせにいく癖のある人は、音を点で捉えられていません。
ドッグブレスで息をコントロールして1音1音正しい音程を1回で狙えるようになれば、しゃくりで音を合わせる必要もなくなるでしょう。
カラオケのしゃくりは出し方さえ覚えれば歌が上手くなる!高得点を出したい人はコツを意識しよう
しゃくりがうまく出せるようになれば、表現力や歌唱力が付いてカラオケで高得点が取れるよになります。
しかし、むやみやたらに入れれば良いというわけではないので、自然なタイミングで程よく使うようにしましょう。
「音と音を繋げて歌う」「母音を意識する」など上達法を把握しておくと、うまく出しやすくなります。
逆に「しゃくりが入り過ぎてしまう」と悩んでいる人は、まずは音感を鍛えて正しい音程が取れるようにトレーニングをしましょう。
この記事のまとめ!
- しゃくりとは本来の音より少し低い音で発声してから出したい音に引き上げるテクニックのこと
- カラオケでしゃくりを入れると歌声に表現力や深みが増す
- 音と音を繋げて歌ったり母音を意識したりするとうまく出せる