カラオケに行くと、「この曲高音がキツイよね」「この曲低音が出ないんだよね」といった会話になることがあります。
もちろん訓練をすれば個人差があるにしろ徐々に修正は可能ですが、「訓練している時間はない」という方にもっと簡単な方法があります!
それは「曲のキーを調整すること」。
とはいえ、歌い始めてから「あ、キーが合ってないな」と調整して、「あ、これだと低すぎだ」「あれ?これだとまだ高い」というふうにキーを上げたり下げたりしているのは、ちょっとカッコ悪いですよね。
1曲1曲歌うたびにそんなことをしていたら、その場を盛り下さげてしまいかねません。
この記事でわかること
キーってなに?
「キー」とは、“曲全体の音の高さ”のことをいいます。
たとえば、何人かの男女がアカペラで一斉にある曲を歌ったとします。
すると、なんだか声がバラバラに聞こえますよね?
途中で女性の声の高さにつられた男性は、「高い音の声が出ない」となり、男性の声の高さにつられた女性は「低くて声が出ない」という現象が起きるのです。
これは「キー」、つまり一斉に歌った曲の高さがそれぞれ違うことを意味します。
「声が高いね」「声が低いね」と言われたりするように、異性はもちろん、同性同士でも人によってもともとも声の高さが違います。
したがって、歌いやすいキー(曲の高さ)も人によって違うのです。
カラオケを上手に歌うには、この「キー」がとっても重要!
自分の音域を知る
歌手ではない一般の方の音域は、平均して1オクターブから1オクターブ半だといわれています。
とはいっても、人によって声の高さは違うため、声を「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」に当てはめた場合、「“ド”から次の高い“ド”」までの1オクターブの方もいれば、「“ミ”から次の高い“ミ”」までの1オクターブの方もいます。
つまり、カラオケで「音程がうまく取れない」という悩みを持つ方は、原因の1つとして「自分の声と曲の高さが合っていない」可能性があるということです。
歌をうまく歌うためには、自分の声のキーと歌いたい曲のキーを合わせる必要があります。
自分の声がどこからどこまで出るのか自分の音域を知らないと、どのように曲のキーを調整したらいいのかわからないからです。
そこでここからは、自分の声の音域を「どう調べたらよいのか」その方法をお伝えします。
自分の音域を知る方法
まず、自分の中で基準になる「ド」の音を決めて声を出してみてください。
そこから「シ・ラ・ソ・ファ・ミ・レ・ド」と音階を下げたり、「レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」と音階を上げたりしていきます。
音階を上げていく際は、声が裏返らないところまでにしておくことがコツです。
このように声を出していき、1番低い声の音である最低音から1番高い声の音である最高音が自分の音域になります。
「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」の中には「ド#(レ♭)・レ#(ミ♭)・ファ#(ソ♭)・ソ#(ラ♭)・ラ#(シ♭)」という5つの黒鍵の音も含まれています。
そのため、音階を正確に把握できる音感を持っていないと実際の音域はわかりません。
より正確な自分の音域を知るには、ピアノなどの正確な音が出る楽器を使って1音ずつ音を出し、その音に合わせて声を出しながら確認する必要があります。
また、自分の声を録音しながら行うことで、こまかな音程の修正も可能です。
確認をしながら正しい音程を取ることで、音感を高めるトレーニングにもなります。
楽器での音域確認が難しい場合は、自分の音域を調べる無料アプリを使用するのも1つの方法です。
自分の音域を知ることはキー調整に欠かせないだけでなく、自分の声が1番キレイに聞こえるキーを知ることにもなります。
カラオケ上手になるために、自分の音域はぜひ知っておきたいポイントです。
その中でムリなく声が出る音域こそ、あなたの歌いやすいキーなのです。
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原曲キーと標準キーの違い
カラオケの曲には「原曲キー」と「標準キー」という表記があります。
まずは、この2つの違いについて説明しておきましょう。
原曲と同じキーのことです。
オリジナル音源と同じということは、当然そのアーティストの音域で作られていることになります。
プロのボーカリストは音域を広げる訓練をしているので、普通の人が原曲キーで歌うと特に高音が出なかったり出しづらかったりします。
一般的に歌いやすいキーのことです。
そのため、標準キーになっている曲が「普段聞いている原曲とは違う」と直感的に感じる方もいます。
標準キーでは歌いにくいという方は、受け取る側の音感に優れているのかもしれませんね。
標準キーは、原曲キーから「2音」下げているものが多数です。
つまり原曲キーで歌うには、その曲のキーを2つ上げる必要があります。
音楽の「3大要素」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。
それは、音楽を作り上げている「メロディー」「ハーモニー」「リズム」の3つの要素を指しています。
音の高さを表す「キー」は、このうちの2つの要素である「メロディー」「ハーモニー」に関係しており、歌の良し悪しを決めるとても重要なもの。
「キー」は英語で「Key(鍵)」、カラオケを上手に歌うことにおいてキーは、本当に大切なカギなのです。
カラオケでキー調整を行う目安
「キー」の正体を理解して自分の声の音域がわかったら、次は実際にキーを調整してみましょう。
カラオケのキーの調整は「±6~7」の範囲で行うことができます。
キーを1動かすごとに半音ずつ変わっていきます。
“+(#)1”で半音高くなり、“-(♭)1”で半音低くなるということです。
このことを念頭に置いて、これからご紹介する目安をキー調整の参考にしてみてください。
同性の歌の場合
「声が出しづらいな」と思ったら、まずキーを「±2~3」変えてみましょう。
「1つずつ変えたほうがいいのでは?」と思うかもしれませんが、キーを1(半音)ずつ変えてもあまり変化がありません。
ですから、思い切って「±2~3」から変えてみてください。
異性の歌の場合
男性が女性ボーカルのしっとりとしたバラードを歌ったり、女性がカッコイイ男性ボーカルバンドや男性歌手の曲を歌ったりすることがありますよね。
ただ男性と女性では声の音域には、おおむね「±7~8」の差があるため、当然キーを調整しなければ歌うことが困難になるわけです。
そうなると自然に「異性の曲を歌うときのキー調整はどうしたらいいの?」という質問が出てきます。
これに対してボーカルトレーナーなど専門家の多くは、「異性の曲を歌うときのポイントは“4”」と回答するのだそうです。
具体的な調整の目安が、こちらとなります。
ぜひ実際のカラオケで試してみてくださいね。
- 男性が女性ボーカルの曲を歌うときは、キー設定を「+4」上げてオク下で歌う。
- 女性が男性ボーカルの曲を歌うときは、キー設定を「-4」下げてオク上で歌う。
人によってはオク上でなくそのまま歌えるかもしれません。
(※「オク下」「オク上」とは、そのキーの1オクターブ下もしくは上で歌うことを指しています)
キーを下げる調整時のポイント
実際にキーを調整して歌う際には、いくつかのポイントがあります。
このポイントを抑えてキー調整をモノにしてください。
まず音域の狭い歌を歌ってみる
原曲キーとの差を少なくすることで、曲の雰囲気が変わりにくいというメリットがあります。
曲の雰囲気が変わって気になるという方は、原曲とのキーの差を少なくするために音域の狭い曲or歌手を選ぶといいでしょう。
いくつかおすすめ曲を紹介するので、参考にしてみてください。
【音域の狭い男性ボーカル曲】
「THE BLUE HEARTS」「福山雅治」「スピッツ」は、全体的に音域の狭い曲が多くあります。
【音域の狭い女性ボーカル曲】
「木村カエラ」「絢香」「いきものがかり」は、全体的に音域の狭い曲が多くあります。
【音域の狭いボカロ曲(ボーカロイド曲)】
- magnet/ 巡音ルカ,初音ミク
- ハッピーシンセサイザ/ 巡音ルカ,GUMI
- 方向音痴/ 初音ミク
- いーあるふぁんくらぶ/ GUMI,鏡音リン
- ダンシング☆サムライ/ 神威がくぽ
何度も歌ってみる
自分の声に合ったキーを探すには、いろんな曲を試して何度も歌ってみることが大切です。
原曲を聞き込んでいる方ほど、キーを変えると違和感を覚えて歌いにくいと感じるかもしれません。
自分の声に合ったキーの設定がわかったら、あとはとにかくたくさん歌って練習するのみ。
曲によってキー設定は変わってくるので、歌いたい曲それぞれのキー設定をメモしておくのもおすすめです。
とはいえ、こういった作業は誰かと一緒だとやりにくいもの。
そんなときこそおすすめなのが「ヒトカラ」です。
キーを変えることはもちろん、ヒトカラなら周りに気を遣うことなく思う存分練習もできます。
「なんとなくヒトカラってはずかしくて…」という固定概念でヒトカラをまだ経験したことがない方は、これを機にヒトカラデビューをしてみてはいかがでしょうか。
「自分に合ったキーを探すんだ!」という名目があれば、ヒトカラデビューもしやすいかもしれません。
できるだけ高いキーにする
自分の音域に合うキー設定を見つけるにあたって大切なポイントがあります。
それは、「できるだけ高いキーに合わせる」ことです。
高いキーの方がカラオケは間違いなく盛り上がります。
低いキーでは淡々と聴こえたり、ボソボソとお経のように聴こえてしまったりする可能性も…。
これでは聞いている側も歌う側も、いまいち盛り上がることができません。
おすすめのキー調整は、「自分がムリせず出せる一番高い声」に合わせること。
あなたにぴったりの曲を見つければ、その場を盛り上げられるだけでなく自分のストレスも発散できること請け合いです!
\難しいと感じたら…/
キーを調整して自分の歌のように
自分が普段聞いている曲も、カヴァー曲のようにアーティストが変わればキーも変わります。
つまり、おおげさにいえば「あなたが歌えばあなたの曲になる」ということです!
この記事でご紹介したキー調整のポイントや練習方法を参考に、自分オリジナルの練習法を見つけ出すのも面白いかもしれません。
決め手は「ヒトカラ」です。
周囲に隠れてこっそりと練習しまくりましょう。
そして、友人とカラオケに行ったときには、何も言わずサラッとキー設定をして“自分の歌”を聴かせるのです。
そこに称賛の声が上がることは想像に難くありません。
聴いている側も楽しませることができて、自分も気持ちよく歌える「キー調整」。
ぜひコツを掴んで、今まで以上にカラオケを楽しんでくださいね!
この記事のまとめ!
- カラオケを楽しむには「キー調整」がハズせない
- 自分に合ったキー設定を見つけるには何度も歌って調整しながら探すのがポイント
- キー調整で好きな歌を“自分の歌”にできる!