映画鑑賞中、作中で流れるBGMをついついチェックしてしまう人も多いのではないでしょうか。
映画自体を見たことなくても、きっと一度は聴いたことがあるような名曲揃いです。
流行りの曲とはまた一味違う、映画音楽の魅力に触れてみてください。
この記事でわかること
映画音楽の洋楽の名曲ランキングTOP5
まずは、世界的に有名な洋画に使われた映画音楽の紹介です。
歌なしのインスト曲が主ですが、そのメロディーや雰囲気だけで映画の世界観を見事に表現しています。
そのため、1度聴けば作品がどんなテイストなのかなんとなく分かります。
物語のストーリーも楽しめるものばかりなので、見たことがない人はぜひ映画自体もチェックしてみてくださいね。
【5位】James Bond Theme / 007
007の代名詞としても知られる、ジョン・バリー作曲の「James Bond Theme」。
シリーズごとにアレンジが変えられていますが、全シリーズに共通したテーマソングです。
実は原曲があり、それはインド風テイストの「Bad Sign,Good Sign」という曲でした。
007のテーマにするにあたってしっくりこないと感じたジョンは、シタールをギターに変更したり、オーケストラの演奏を取り入れるなどの意見を、大胆にも原作者に提案。
そしてジョンと原作者が共作をした結果、現在も使われ続けているこの曲が生まれました。
【4位】Theme of Rocky / ロッキー
1976年にアメリカで公開された、「ロッキー」のテーマソングです。
トランペットの力強いファンファーレから始まるこの曲は、ボクシング映画のテーマソングにふさわしく、聴くだけで闘志がみなぎってきます。
三流ボクサーのロッキーが高みをめざし努力する姿を観てから、改めてこの曲を聴くのもおすすめ。
曲が表すロッキーのひたむきさが、さらに感じられるかもしれません。
作曲を手がけたのはビル・コンティ。
ロッキー以外の映画音楽も数多く手がけており、1983年にはアカデミー賞を受賞しています。
【3位】The Good, The Bad and The Ugly / ゴッドファーザー
マカロニ・ウエスタンの代表作の1つであり、1967年に公開された「続・夕日のガンマン」のテーマ曲です。
作曲を手がけたのは映画音楽の巨匠、エンニオ・モリコーネ。
終始哀愁ただようメロディーが展開されますが、大砲の発射される音だったり、口笛の音を取り入れていたりと、作品に合った曲作りがなされています。
曲中に度々、「アアアアア」と聞こえますが、これはコヨーテの遠吠えをイメージしたのだとか。
聴けばガンマンが荒野を馬で駆けていく様子が想像できるでしょう。
【2位】The Godfather Waltz / ゴッドファーザー
マフィア映画の金字塔、ゴッドファーザー。
その冒頭シーンとラストシーンで流れるワルツが「The Godfather Waltz」です。
ワルツの軽快なリズムに反して、重厚な楽器演奏はマフィアという題材にぴったりはまっています。
作曲を担当したのはニーノ・ロータ。
ニーノの音楽が無ければ、ゴッドファーザーがここまで評価されなかったとの声もありました。
また、数多くの名監督の映画音楽を担当してきたニーノ自身も、最も手ごたえのあった作品がゴッドファーザーだと語っています。
【1位】Fanfare and Prologue / スター・ウォーズ
誰に聞いても「スター・ウォーズと言えばこの曲」と口を揃えて言う映画テーマ曲ではないでしょうか。
監督のジョージ・ルーカスから「ストーリーがわかりづらいので、せめて音楽だけはなじみのあるものにしたい」と提案を受けたジョン・ウィリアムズ。
この発言から、クラシック風ミュージックを作ることを決めたそうです。
当時はシンセサイザーが流行っていたので、それを使わない曲作りも話題となりました。
海外の一流オーケストラが演奏しているので、一部ではもはやクラシックではないかとの声も。
ジョンの思惑通りになったということですね。
映画音楽の邦楽の名曲ランキングTOP5
映画音楽が凄いのは外国だけではなく、日本の映画界も負けてはいません。
これから紹介する楽曲はよくテレビや街中で流れているため、実は映画の主題歌やメインテーマだったことを初めて知る人もいるかもしれませんね。
いい映画には必ずいい音楽が流れていると知らせてくれるかのように、もともとのストーリーの良さを更に引き出した5曲を紹介します。
【5位】ソラニン / ソラニン
2010年に宮崎あおい主演で公開された、浅野いにお原作の「ソラニン」。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONのヒット曲としても有名ですよね。
元々原作に掲載されていた歌詞に、メロディーをつけてバンドサウンドにしたのはアジカンのボーカル、後藤正文でした。
最小限のコード進行でシンプルな構成ながらも、エモーショナルで爽やかな仕上がりは、後藤ならではです。
そもそも、後藤の制作スタイルはメロディー先行。
そのスタイルを破ってで本気で向き合って作り上げた作品とも言えるでしょう。
その甲斐もあって、原作ファンからも漫画の世界観を壊していないと根強い人気を得ています。
【4位】セーラー服と機関銃 / セーラー服と機関銃
「セーラー服と機関銃」は、橋本環奈主演でリメイクされたことが記憶に新しいですね。
オリジナル版はアイドル映画が大人気だった、1981年に公開されました。
主演を務めた薬師丸ひろ子のデビュー曲となったのが、この映画の主題歌である「セーラー服と機関銃」です。
作曲をしたのは、シティポップをよく聴く人にはお馴染みの来生たかお。
「夢の途中」として、来生のソロ名義でタイトル違いのバージョンがリリースされています。
薬師丸と来生、それぞれの良さがあるのでぜひ聴き比べてみてくださいね。
【3位】Rhythm And Police / 踊る大捜査線
「踊る大捜査線」シリーズのメインテーマ曲である「Rhythm And Police」。
不思議なテイストのイントロから徐々にボルテージを上げていき、疾走感のあるフレーズに繋がっていく構成が印象的な1曲です。
作曲を手がけたのは松本晃彦で、1999年の日本アカデミー賞の優秀音楽賞を受賞しています。
メキシコのロレンソ・バルセラータが作曲した「El cascabel」という曲をオマージュしており、一時話題にもなりました。
【2位】ゴジラのテーマ / ゴジラ
作曲家の伊福部昭によって制作された「ゴジラのテーマ」は、「ゴジラ」が最初に公開された1954年に初めて披露されました。
ゴジラの新シリーズが公開される度に、アレンジを変えながら現在まで引き継がれています。
ゴジラのテーマ曲として知られていますが、元々はゴジラに立ち向かう人類のテーマとして作られたのだとか。
ラヴェルの「ピアノ協奏曲ト長調 第3楽章」に似ているとの声もありますが、それは伊福部昭がラヴェルのファンだったためだと言われています。
1954年の公開当時、伊福部は先鋭的な演奏手法に数多く挑戦しました。
その功績は、当時の音楽業界に大きな影響を与えたそうです。
【1位】Merry Christmas Mr.Lawrence / 戦場のメリー・クリスマス
坂本龍一が初めて映画のサントラを手がけた、1983年公開「戦場のメリークリスマス」。
この映画のメインテーマとして有名な「Merry Christmas Mr.Lawrence」は、英国アカデミー賞を受賞しており、映画音楽として世界的に認められている楽曲です。
クリスマスソングというコンセプトがあったものの、全く新しいものを作ろうとして作られたという1曲。
国内外のアーティストがカバーしたりサンプリングに使ったりと、リリースから40年近く経った今でも幅広い年代層から支持されています。
洋画・邦画のおすすめサントラ音楽
映画音楽と言えば主題歌やメインテーマに注目しがちですが、作中で流れる楽曲も忘れてはいけません。
物語に夢中で楽曲を聴き逃してしまった人には、サウンドトラックがおすすめ。
きっと映画の感動を簡単に思い返すことができます。
通勤や通学中にも気軽に聴けるので、聴けばなんだかその日が上手くいく気がするかもしれません。
洋画
ラ・ラ・ランド
夢を追いかける男女を追った名作、「ラ・ラ・ランド」。
サウンドトラック集には、これぞミュージカル音楽といったようなアップテンポの音楽がメインで、聴けば踊りたくなるような多幸感溢れるものが多く収録されています。
映画を見たことがある人は、きっと名シーンの数々が思い出されるはず。
劇中歌の「City of Stars」は、2016年のアカデミー賞主題歌賞を受賞しています。
主題歌の「Another Day of Sun」はCMでも使われていたので、どこかで耳にしたことがある人も多いでしょう。
タイタニック
1997年に公開されたにもかかわらず、2022年現在でも全世界の興行収入3位に位置している大ヒット映画「タイタニック」。
画家志望の青年と、上流階級の女性による身分違いのラブストーリーは多くの人に感動を与えました。
サウンドトラックの中でも、やはり一番有名なのはセリーヌ・ディオンが歌った主題歌「My heart will go on」。
2012年には3Dバージョンとなってリバイバル上映され、DVDやBlu-rayも発売されました。
キレイな映像とともに音楽を楽しんでみてはいかがでしょうか。
グレイテスト・ショーマン
19世紀のアメリカで、興行師の男性が奮闘する姿を描いたのは「グレイテスト・ショーマン」です。
ミュージカル映画のため音楽にこだわっており、聴けば元気が出てくるような楽曲がたくさん収録されています。
特に、キアラ・セトルが歌った主題歌「This is me」はこの作品の世界観を体現しています。
大事な場面に立ち向かう時に聴けば、きっと勇気づけられてポジティブなイメージができるでしょう。
邦画
竜とそばかすの姫
「竜とそばかすの姫」は音楽がメインの映画ということもあり、シーンごとに音楽が重要な役割を果たしています。
中村佳穂、millenium parade、岩崎太整、Ludvig Forssell、坂東祐大など、2020年代を代表する演奏者たちが楽曲制作を手がけたことでも話題になりました。
コロナ禍で制作された作品であるため、楽曲の中にはリモートで制作された楽曲もあるそう。
仮想空間をテーマにした作品らしいエピソードですね。
うみべの女の子
浅野いにお原作の「うみべの女の子」は2021年に公開された映画。
中学生の恋愛が生々しく描かれ、話題を呼んだ作品です。
サントラを手がけたのは、エレクトロニカ作品を中心とした活動を続ける、world’s end girlfriend。
ダークだけど美しいテイストが、思春期の難しい感情を描くストーリーにぴったりで引き込まれてしまいます。
千と千尋の神隠し
全曲フルオーケストラによる収録が行われた、「千と千尋の神隠し」のサウンドトラック。
作曲は全曲久石譲が担当し、さらにオーケストラの指揮も執っています。
スケールのある映画に合わせて閉じた世界観ではもったいないと、普段ではオーケストラと一緒に演奏しないようなエスニックな楽器を、沖縄、バリ島、アジアンなどからさまざま取り入れて制作されました。
キャラクターに寄り添って、そのキャラ自体を音楽で表現するのにとても苦労したそう。
アニメ映画として初めて6.1チャンネルのドルビーサウンドを取り入れるなど、当時最先端の技術も盛り込まれていました。
映画音楽の名曲にはかっこいいサントラが多い!名作映画と音楽を同時に楽しもう
ストーリーや俳優の演技を中心に映画を楽しむのも良いですが、時には使われている楽曲にも注目してみてください。
今回紹介した楽曲のうち、「題名は知らなかったけど聴いたことがある曲だった」とピンときた人もいるのではないでしょうか。
気になる映画音楽があったら、どこで流れるかを気にしながら作品を鑑賞してみてくださいね。
この記事のまとめ!
- 名作映画には良い音楽が欠かせない
- たとえ白黒時代の映画の音楽でも、現在まで聴き継がれているものがある
- 日本の有名な映画音楽は、テレビや街中で良く流れている
- 映画の感動を手軽に思い返したい時はサントラを聴こう