歌を唄うにも、楽器を弾くにも、ダンスを踊るにも必要となってくるのが「リズム感」です。
この感覚がないと、音程がしっかり取れていたとしても「音痴だね」と言われかねません。
実は音痴だとされている人の多くが、「リズム感」を持っていないとされているのです。
カラオケで「音痴」と言われたら、恥ずかしくて歌うのが嫌になってしまいますよね?
この記事でわかること
リズム感とは
リズム感とは、音と音の長さを感じ取り、音楽を演奏したり身体を動かしたりする能力のことです。
日常にはさまざまなリズムが存在します。
たとえば「ガタンゴトン、ガタンゴトン」という電車の音、「ドキドキ」という心臓の鼓動音、「ピッピピ、ピッピピ」というアラーム音など、日々さまざまなパターンのリズムに囲まれて私たちは生活しています。
リズム感のよい人は、このリズムを安定して感じ取ることができます。
反対に悪い人はリズムを感じ取ることができず、鳴っているテンポについていくことができません。
リズム感と音痴は関係する?
リズムがズレている人や、音程が取れない人のことを「音痴」といいます。
カラオケで唄っていて「音痴だね」と言われたことがある方は、両方か片方のどちらかが当てはまっているということになります。
リズム感と音痴には深い関係性があるのです。
リズム感と音痴が関係する理由
音痴とされる人に多い特徴が、「リズムが取れない」ということ。
しっかり音程が取れていたとしても、リズムに乗れていないだけで周りから「音痴な人」と認識されてしまいます。
基本的に歌の音程はリズムのなかで常に動いています。
つまり、歌うタイミングを外せば必然的に音程もズレることになる…これがリズム感と音痴の関係性です。
タイミングが合わず音痴な歌声が続けば、聴いている人たちのテンションも萎えてしまうかもしれません。
まずは正しいリズムに沿って表現する練習を心がけましょう。
すると自然に音程も取りやすくなります。
アプリで簡単!リズム感診断
今まであなたは自分のリズム感をチェックしたことがありますか。
恐らく楽器やダンスといったレッスンの経験者でない限り、自分がうまくリズムに乗れているのかどうか、確かめる機会もなかったという人がほとんどでしょう。
そこで、簡単にあなたのリズム感をチェックできるアプリを紹介します。
心臓くん
「心臓くん」は無料でリズム感をチェックできるアプリです。
チェック方法は、単純に「ぽん、ぽん、ぽん……」と画面の心臓をタップするだけ。
上のゲージ上にあるハートの位置で、一定のリズムをキープできているかを目で確認できます。
ハートの位置がゲージの真ん中であれば、リズムキープができているということです。
ハートが右に動くとタップが速く、左に動くと遅いということがわかります。
また、この心臓くんは、おじいちゃんの心臓という設定です。
一定時間リズムを保ち、おじいちゃんを元気にすることを目指しながら、ゲーム感覚でリズム感をチェックできます。
おじいちゃんを見事元気にすることができれば、あなたにはリズム感があるといえるでしょう。
簡単なチェック方法ではありますが、不安な方は挑戦してリズム感をチェックしてみてください。
リズム感を良くする方法
自分のリズム感を確認したら、次はいよいよ“リズム感を良くする方法”を教えます。
音痴を克服するには、必ずリズム感を改善する必要があります。
次に紹介する練習方法でリズム感をアップさせましょう。
メトロノームに合わせる
リズム感を良くするには、音楽の速度をはかる器械「メトロノーム」に合わせてリズムを取る練習からはじめましょう。
メトロノームをすぐに準備できないという方も心配ご無用。
最近ではスマートフォンアプリがたくさん出ているので、気軽に「メトロノーム」をダウンロードすることができます。
また、YouTubeなどの動画にも「メトロノーム」がアップされていますから、どちらかの利用で結構です。
メトロノームの準備ができたら、はじめはスローテンポで音を鳴らします。
設定BPMは「70」からはじめてみましょう。
慣れてきたら、「80⇒90⇒100」とアップテンポにチェンジして練習を重ねていってください。
まずは、基礎練習です。
このリズムに合わせて、一緒に「カッ、カッ、カッ…」と声を出します。
リズムと声が合ってきたら、一緒に手拍子をしましょう。
慣れてきたら、裏拍を取ってみましょう。
「カ」の部分が表拍、「ウン」の部分が裏拍になります。
この裏拍が取れるようになるとリズム感がかなり向上するので、少しづつ練習して的確に音のリズムを捉えていきましょう。
歌に合わせて四拍子
実際の曲に合わせて四拍子を取る練習をしましょう。
四拍子とは、曲の一小節が四つの拍子からなるものをいいます。
簡単にいうと「1・2・3・4、1・2・3・4…」というリズムの繰り返しですね。
J-POPのほとんどが四拍子を使っているので、四拍子をマスターすればほとんどの楽曲に乗れるということになります。
その練習方法はいたって簡単。
四拍子の曲に合わせて、歌詞や音程を無視しながら、
「1・2・3・4、1・2・3・4…」
と、数字を声に出してリズムを取るだけです。
ひたすら数字を四拍子に合わせてカウントするだけで、無意識にリズム感を掴むことができます。
四拍子のおすすめ練習曲
ここでは、四拍子のリズムトレーニングにふさわしい3曲を紹介します。
平井堅 「大きな古時計」
おおきなのっぽの古時計
おじいさんの時計
百年 いつも動いていた
ご自慢の時計さ
皆さんご存知の童謡「大きな古時計」。
2002年、平井堅のカバーによって大ヒットしました。
ゆっくりとしたテンポで曲調が流れていくので、リズムが非常に取りやすい楽曲です。
初めて四拍子を練習する基礎曲としておすすめします。
AAA 「さよならの前に」
最後のページに結末があるように
二人の日々も終わる時がくるのかな
揺れる気持ちを胸の奥に秘めたまま
ごまかすように抱きしめたりキスをしたね
「AAA」の42枚目のシングル。
恋が終わることを知ってはいても、「好きだ」という気持ちを伝えたい…という切なくもどかしいラブソングです。
一部を除いて、曲の最初から最後までリズム音がしっかり鳴っているため比較的リズムが取りやすい曲になっています。
基礎を培うのに適した、初心者向けの四拍子曲です。
E-girls 「Follow Me」
高いビルの展望台のぼって 君とふたり
広い空と小さく見える街 ドキドキしちゃう
サマンサタバサのCMソングにも起用されていたE-girlsの「Follow Me」。
ノリがよく明るい曲調で、ついつい踊りだしたくなる楽曲となっています。
終始アップテンポなため、四拍子に慣れてきた頃チャレンジしてもらいたい一曲です。
歩きながら裏をとる
メトロームや実際の曲に合わせて練習することは、リズム感を養うには最適ですが、なかなか練習する時間が取れないという方もいるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、歩きながらリズム感を養うトレーニングです。
出勤中・帰宅中・買い物中・掃除中など、日常のなかにトレーニングを取り入れることができるので仕事で忙しい方にも最適です。
歩きながらリズム感を養う方法
そのやり方はとてもシンプル。
歩いている最中に四拍子を取るだけです。
「1ッ・2ッ・3ッ・4ッ、1ッ・2ッ・3ッ・4ッ…」
と、頭の中で数を数え、そのリズムに合わせて歩きます。
慣れてきたらテンポを早めたり遅めたりして、それに合わせて歩きます。
リズムを自由自在にコントロールできるようになったら、今度は裏拍を取る練習です。
「1ウン、2ウン、3ウン、4ウン…」
と、裏拍子も頭の中でいいながら、リズムを取って歩きましょう。
ただ歩くだけの練習ではありますが、この練習で「表」と「裏」のリズムを取りやすくなります。
時間のない方は、ぜひ試してみてください。
その他のビート感覚トレーニング
前述した3つの練習方法が基礎にはなりますが、リズム感を良くする方法はほかにもたくさんあります。
さらにレベルの高いリズム感を養うために、おすすめの練習方法を紹介します。
縄跳びをする
小学生のとき、誰もが一度は夢中になった「縄跳び」。
実はその縄跳びも、リズム感を良くするのに適した遊びです。
主に両足を揃えて縄を跳ぶというシンプルな遊びですが、そこには必ずリズムが存在します。
縄を回すリズム、そして縄を跳ぶリズムです。
その2つのリズムが合わないと、縄が足に引っかかり連続で跳ぶことはできません。
反対に、うまく縄跳びができていればリズムを感じ取れているということです。
まずは、ゆっくり縄を回して両足跳びで一定のリズムを保ちましょう。
慣れてきたら片足で跳びます。
「右足、右足、右足、右足…」「左足、左足、左足、左足…」と連続で跳んでみたり、交互に「右足、左足、右足、左足…」と跳んでみたり、さまざまなステップで縄跳びを跳んでいきます。
ときにはリズムをチェンジして、縄を早く回したり遅くしたりして変化をつけていきましょう。
ゲーム感覚で身体を動かしながらできるので、楽しんでリズム感を鍛えたい方にもってこいの練習方法です。
日常生活の中でリズムを意識する
日常生活での意識でもリズム感を養うことができます。
例えば
- 掃除機をかけるときは音楽をかけてリズムにのる
- 窓を拭くときはリズムよく拭く
- ショッピング中に店内の曲に合わせて歩く
- スーパーでリズムよく商品を取る
- 一定のリズムで腹筋する
など、普段何気なく過ごしているシチュエーションのなかでリズムを感じ取る方法です。
常にリズムを意識していれば、おのずとそれが練習になります。
気に入った曲をとことん聴く
自分の好きな曲をとことん聴いて、手拍子したり裏拍を取ってみたりして、その楽曲をリズムで感じ取りましょう。
何度も聞いているうちに、今まで聴こえていなかった楽器が聴こえるようになったり、その曲のテンポに慣れることで自然とリズムを取りやすくなります。
リズム感の良い人に意見をもらう
大勢でカラオケに行くと、ときどき歌がスバ抜けて上手い人がいますよね。
そういったタイプは、絶対音感の持ち主であることが多く、リズムを取るプロでもあります。
才能もあるでしょうが、必ずそこには努力が存在するもの。
そのリズムを取るプロに、練習するときのコツや現状のアドバイスをもらいましょう。
もし周りに聞ける人がいなければ、プロの先生に教わるのも得策です。
自分にピッタリのアドバイスがもらえたら、段違いの成長を遂げることもあり得ます。
ドラムを練習してみる
プロのドラマーにリズム感のない人はいません。
そこで、ある程度リズム感が備わってきたと感じている方におすすめの練習方法が「ドラム」です。
とはいえ、わざわざ本格的な機材を用意する必要はありません。
ドラムを意識して、スティックの代わりにペンで机を叩いてリズムを取る練習だけでOKです。
曲に合わせて四拍子を取ってもいいですし、先ほど触れた「1ウン、2ウン、3ウン、4ウン…」の裏拍のときに叩く練習をしても、リズム感のトレーニングになります。
リズム感ゲットして気持ちよく歌おう
「音痴」がコンプレックスで、カラオケで歌うのが恥ずかしいと感じている方は、まずリズム感テストに挑戦してみましょう。
そこでもリズム感がないと判断されたなら、さっそく今回紹介した練習方法の実践です!少しずつ感覚を養っていきましょう。
もちろんリズム感はすぐに身につくものではありませんが、日々の練習の積み重ねで改善することができます。
トレーニングを継続しても効果を感じなかった場合は、その道のプロに助言をあおいでみてください。
きっと問題点がみつかるはずです。
とはいえ、カラオケで一番重要なのはノリよくその場の雰囲気を楽しむこと!
「音痴」というコンプレックスにとらわれ過ぎず、これまで以上にビートを感じて音楽を思いっきり楽しみましょう。
この記事のまとめ!
- リズム感=「リズムに乗って音楽を演奏したり身体を動かしたりする能力」
- 「音痴」とされている人はリズム感がなく音程も取れないことが多い
- リズム感に不安がある人はリズム感テストを試してみよう
- リズムトレーニング初心者はメトロノームに合わせて感覚を養おう
- 上達しない人はプロや歌が上手な人にアドバイスをもらおう