日本の音楽シーンでときどき話題となる「ビルボード」。
耳にしたことはあるものの「どうしてビルボードがからむと大々的なニュースになるの?」と不思議に思うかもしれません。
そこで今回は、ビルボードとは?という疑問を解決していきます。
この記事でわかること
ビルボードとは?分かりやすく解説!
ビルボードというと音楽に関するランキングとイメージできるものの「実はよく知らない」という方もいるのでは?
とくに洋楽が好きなら、ビルボードのことは詳しく知っておきたいもの。
まずは、ビルボードについて解説していきます。
アメリカの音楽雑誌「Billboard」で扱うランキング
ビルボード(Billboard)は、音楽やビデオに関するアメリカの雑誌の名称です。
ビルボードでは、音楽関係のランキング(チャート)を発表しています。
例えば、シングル曲の最新ヒットやアルバム、アーティスト別のチャートなど。
雑誌名ではありますが、一般的にビルボード=音楽チャートと認識されています。
つまり「ビルボードにランクイン!」と紹介されている場合、ビルボードで扱うチャートにランクインしたと考えて差し支えないでしょう。
音楽チャートの中で世界的に権威がある
ビルボードが音楽チャートで有名なのは、世界的な権威があるためです。
ビルボードで紹介されるチャートは、音楽番組で指標になったり、関係者が必ずチェックしていたりと、アメリカのみならず世界中で注目を集めています。
そのため「ビルボードにランクインするのが目標」としているアーティストも少なくありません。
ビルボードで発表されているチャートの種類は?
ビルボードでは、実に多くのチャートを発表しています。
そのため、チャートの内容を知っておかないと「これは何のランキング?」と困惑しかねません。
ここでは、数あるチャートの中から注目度の高いものの概要をまとめました。
Billboard Hot 100
Billboard Hot 100は、シングル曲の週間ランキング上位100のチャートです。
音楽ジャンルの垣根を越え、全米で今最も人気のある楽曲が一目瞭然。
CDの売り上げだけでなく、YouTubeにおけるストリーミング回数やラジオのエアプレイ回数など、あらゆる情報が加味された結果となっています。
ビルボードの公式ホームページでは、順位変動やチャートにランクインした週数なども確認できますよ。
Billboard 200
全米におけるアルバム週間チャートである、Billboard 200。
1週間で人気を集めたアルバム上位200が発表されています。
アルバム自体のセールスに加え、収録曲ごとにダウンロードされた数も集計。
200位まで確認できるため、ランクイン週数が300週を超えるロングヒット作品も見つかります。
Billboard Global 200
Billboard Global 200は、全米のみならず世界200以上の国と地域における楽曲チャートです。
世界各国の主要なサブスクや公式ストリーミング(広告支援型)、ダウンロード数などから毎週ランク付けしています。
世界でトレンドとなっている曲を発信することで、国際的に活躍するアーティストの輩出も期待されています。
なお、Billboard Global 200からアメリカのデータを除外した「Global Excl. U.S.」というチャートも発表中です。
Billboard Artist 100
最も旬なアーティストを知りたいなら、Billboard Artist 100をチェックしてみましょう。
アメリカで人気のアーティスト上位100が発表される、ウィークリーチャートです。
アーティストの人気を評価するのはシングルやアルバムのセールス、ストリーミング数だけではありません。
SNSのファン交流も含め、総合的に判断しています。
音楽ジャンル別
ビルボードでは、音楽ジャンル別のチャートも取り扱っています。
一例を見てみましょう。
- Hot Rock & Alternative Songs
- Hot R&B Songs
- Hot Country Songs
- Hot Dance/Electronic Songs など
ビルボードには、紹介しきれないくらい数多くのチャートがあります。
どんな音楽のトレンドも、ビルボードを見れば最新情報が手に入るところも大きな魅力でしょう。
ビルボードチャートの集計方法とは?
チャートの種類紹介でも少しふれましたが、ビルボードでは独自の集計方法に基づいてランク付けしています。
集計の指標となるものは、主に以下の3点です。
- アルバム・シングルの販売(ダウンロード購入を含む)
- ストリーミングデータ(オンラインにおける音楽サービスでの再生数)
- エアプレイ(ラジオでの放送回数)
チャートによって集計データを組み合わせたり、SNSの動向も対象になったりと、あらゆる角度から総合的にアプローチしています。
なお、1週間のカウントは金曜日から木曜日で、毎週火曜日に最新チャートが掲載されるルーティンとなっています。
ただし、集計方法は常に同じではありません。
ビルボードでは、たびたび指標の算出方法を変更しており、常に進化を遂げています。
米国ビルボードにチャートインした日本人アーティストは?
ここからは、米国ビルボードでチャートインした功績のある日本人アーティストにスポットを当てていきましょう。
歴史的な快挙を遂げた方から、2023年最新情報まで、一挙に紹介していきます。
話題に乗り遅れないよう、ぜひチェックしてくださいね。
坂本九「SUKIYAKI」
坂本九の代表曲と言えば「上を向いて歩こう」です。
1961年にリリースされ、大ヒットしました。
「上を向いて歩こう」は「SUKIYAKI」という英語タイトルがつけられ、日本のみならず世界中に浸透していきます。
そして、1963年6月15日から3週連続でBillboard Hot 100の首位を獲得。
その後もさまざまなアーティストが「SUKIYAKI」をカバーして歌い継がれ、今では誰もが口ずさめる有名な楽曲となりました。
ピンク・レディー「KISS IN THE DARK」
「KISS IN THE DARK」は、ピンク・レディーが世界40ヵ国でリリースしたシングルです。
1979年5月のリリースから3ヵ月後の8月4日。
Billboard Hot 100で37位という好順位をマークしました。
日本人アーティストでBillboard Hot 100で40位以内にランクインしたのは、坂本九に続いて2組目という快挙を達成したのです。
和製のディスコを思わせるチューンが特徴的で、全編英語の歌詞になっています。
Travis Japan「JUST DANCE!」
男性7人グループである、Travis Japan。
2022年10月に、メジャーデビューと同時に全世界配信を果たしました。
そんなTravis Japanが発表したデビュー曲が「JUST DANCE!」です。
「JUST DANCE!」は、2022年11月12日のGlobal Excl. U.S.チャートにおいて初登場でトップ5を記録。
2020年9月に創設されたGlobal Excl. U.S.で、5位以内にランクインした日本人アーティストは、Travis Japanが初めてです。
YOASOBI「アイドル」
2023年、日本でビルボードの話題をさらっているのがYOASOBIの「アイドル」ではないでしょうか。
「アイドル」は人気アニメ「推しの子」のオープニング主題歌で、配信開始から5週でストリーミング再生数1億回を突破。
各音楽サービスにおいても首位を独占するほど「アイドル」旋風が巻き起こっています。
「アイドル」の人気は日本に留まらず、2023年6月10日付のGlobal Excl. U.S.で1位を獲得。
日本人アーティストにおける、史上初の快挙となりました。
ビルボードとは世界中の注目を集める音楽チャート!
ビルボードとはアメリカの音楽雑誌の名称ではありますが世界的に権威のある音楽チャートを意味しています。
ビルボードでは、シングルやアルバム、アーティストなど音楽に関する幅広いチャートを発表。
ビルボードにランクインすることは、世界中のアーティストの目標にもなっています。
日本人もたびたびビルボードで注目を集めており、今後も目が離せません。
この記事のまとめ!
- ビルボードとはアメリカの音楽雑誌の名称でさまざまな音楽チャートを発表
- Billboard Hot 100やBillboard Global 200といったチャートを取り扱っている
- ビルボードではあらゆる角度からデータを集計してランク付けしている
- 坂本九やYOASOBIは米国のビルボードで首位を獲得した