音楽関連のメディアやSNS、動画などで初音ミクを見かけて以来気になっているけど、何のキャラクターなのか分からないという人も多いのではないでしょうか?
現時点では映像作品も無く、詳細な情報も音楽制作に関連したサイトが多いので余計に分からなくなってしまうものですよね。
この記事でわかること
初音ミクとは
初音ミクとは音楽制作で使用する「DAW(DTMソフト)」用の音声合成ソフトウェア、およびソフトのイメージキャラクターの名称です。
誰でもプロデュースできるバーチャルシンガーとして、発売以降多くのDAW好きから支持されています。
また、このソフトを使った名曲もたくさんあるので、1人のアーティストとしても親しまれているのです。
最近では地域のイベントやコンビニとのコラボ、有名企業のCMへの起用といった音楽以外の分野でも活躍中。
発売から10年以上経っていますが、数年ごとに表現力や性能が上がった新しいバージョンが発表されるなど、今後の進化も大注目なソフト・キャラクターです。
ヤマハが開発したVOCALOID
初音ミクの元となっているものが、ヤマハが開発した音声合成技術「VOCALOID」です。
VOCALOIDとはサンプリングした人の声と、PC上で入力された歌詞とメロディを合成する技術。
この技術と、サンプリングした声を組み合わせて初音ミクは作られました。
開発を担当したのは、DAW関連のソフトやBGM、効果音の販売で有名な企業「クリプトン」。
2つの企業が登場するので少し分かりにくいですが元の技術をヤマハ、パッケージやソフトの制作がクリプトンと覚えると簡単なので、ぜひ覚えておきましょう。
声優「藤田咲」が担当
機械で歌声を作っているイメージが強い初音ミクですが、実は声優の声をサンプリングして作られています。
声は「進撃の巨人」のユミル役や「艦隊これくしょん」の赤城役などで有名な「藤田咲」が担当。
制作現場では実際に彼女の歌声をサンプリングし、初音ミクの歌声が作られたそうです。
収録方法は、意味のないカタカナの羅列をメロディに乗せて歌うという独特なもの。
プロの声優でも戸惑うほどの個性的な収録だったそうですが、藤田咲のイメージにピッタリの声とスタッフの努力により素晴らしいボーカロイドが誕生することとなりました。
初音ミクの公式プロフィール
年齢 | 16歳 |
身長 | 158cm |
体重 | 42kg |
得意なジャンル | アイドルポップス/ダンス系ポップス |
得意なテンポ | 70~150BPM |
得意な音域 | A3~E5 |
イメージカラー | ブルーグリーン |
最初のソフトウェア発売日 | 2007/8/31 |
初音ミクは「未来的なアイドル」をコンセプトにデザインされたキャラクターです。
制作チームの「まだ見ぬ未来から、初めての音がやって来る」という想いが込められたキャラで、名前も想いに由来したものが付けられています。
近未来的な衣装と長めのツインテールといった、アンドロイドや未来の要素が詰め込まれたキュートなルックスが印象的。
キャラとしての人気も高く、pixivでは彼女をテーマにした作品が多数投稿されているほか、初音ミク関連グッズも数多く販売されています。
また最近では、コンビニやアパレル関連の企業ともコラボを発表するなどマルチに活動していますよ。
「声から彼女の性格をイメージして欲しい」という想いが込められた、控えめな設定も味わい深い大人気キャラクターです。
初音ミクの歴史
15年以上の歴史がある初音ミクですが、現在のように音楽界を代表するバーチャルシンガーとして多くのファンから親しまれる存在になるまでには、色々な歴史があります。
初めはニコニコ動画を中心とした、ネット上の活躍が中心。
次第にカラオケや音源を楽しむ人が増えはじめ、最近では一流アーティストとのコラボやライブも披露するなど、動画サイトの枠を飛び超えた活躍を見せていますよ。
ここでは、国民的なバーチャルシンガーとして有名になった、初音ミクの歴史を紹介します。
発売当初はカバー曲で話題に
初音ミクが注目されるきっかけとなったのが、発売日の8月31日から翌月の半ばごろまでに発表されたカバー曲です。
カバーされた楽曲は「もののけ姫」や「ふたりのもじぴったん」といった、アニメやゲーム関連のもの。
なかには、JRの発車音を歌わせたものや替え歌といった、ネットらしいユニークな作品もありますよ。
人間の声とは違った雰囲気ながらも、初音ミクの斬新な技術と独特な歌声、動画の面白さ、原曲の人気などの要素が合わさり、話題を集めるようになりました。
オリジナル曲で多くの名曲が誕生
初音ミクの人気をさらに拡大したのが、クリエイターたちによるオリジナル曲です。
2007年代に発表された「みくみくにしてあげる♪」や「ハジメテノオト」「メルト」を皮切りに数々の名曲が誕生。
以降も2010年代の「マトリョシカ」「千本桜」、2020年代の「ヴァンパイア」などボカロ曲を代表する名曲が次々と登場しています。
今後も初音ミクを使った、素敵な楽曲が登場する可能性も十分にあるので気になる人は、クリエイターの動向やSNSの流行などをチェックしてみてくださいね。
初音ミクはなぜネギを持っているのか
長ネギを持った初音ミクのイラストを見かけたけれど、なぜネギを持っているのか不思議に思ったという人も多いでしょう。
色合いは似ているものの、公式のプロフィールに記載されていないので疑問に思ってしまうものですね。
彼女とネギの組み合わせが生まれたきっかけは、カバー曲が中心だった時期に投稿された「初音ミクに『Ievan Polkka』を歌わせてみた」という動画です。
ミクがネギを持ってフィンランド民謡を歌うという動画で、当時流行していた「BLEACH」のヒロイン・織姫がネギを回す動画のインスパイア作品として発表されました。
元ネタがありながらも、独特なメロディとイラストの可愛らしさが話題となりニコニコ動画の殿堂入りを記録。
この大ヒットにより「ミク=ネギ」というイメージが定着しました。
【派生キャラ】初音ミクの種類
初音ミクには、複数の派生キャラがいるのをご存知でしょうか?
実は公式が発表しているだけでも「雪ミク」と「桜ミク」の2人がいるほか、非公式ながらもクリプトンから公認された派生キャラも複数名いますよ。
次は、初音ミクの派生キャラを代表曲や活動と共に紹介するので、気になるキャラはぜひチェックしてみてくださいね。
雪ミク
雪ミクは「北海道を応援するキャラクター」として登場した、初音ミクの公式派生キャラです。
雪をイメージさせる白と青を基調としたデザインで、本家のミクよりも爽やかな雰囲気に仕上げられています。
初登場は2010年に開催された「さっぽろ雪まつり」。
以降は雪ミクが主役の「SNOW MIKU」を開催したり、キャラクターや企業とのコラボを行ったりと北海道を盛り上げる活動を精力的に続けています。
雪のイメージにピッタリの代表曲「好き!雪!本気マジック」も大注目の、冬仕様の初音ミクです。
桜ミク
春と桜をイメージした、キュートでポップなデザインの初音ミクが「桜ミク」です。
雪ミクと同じく各所でコラボやPRを展開中で「弘前さくらまつり」や「ねぶた祭り」といった有名なお祭りともコラボしています。
代表曲はきらびやかで、軽快なサウンドが楽しめる「春を待つ人」。
明るいデザインのキャラが好きな人に特におすすめなので、気になる人はぜひ初音ミク公式ブログやグッズなどをチェックしてみてくださいね。
はちゅねミク
「初音ミクに『Ievan Polkka』を歌わせてみた」に登場する、コミカルな雰囲気の派生キャラが「はちゅねミク」です。
2次創作発ではあるものの、多くのファンから親しまれているキャラで、初音ミク関連グッズとしての発売はもちろん、有名ゲームへのゲスト出演も果たしています。
手に持っているのは群馬県の名産「下仁田ネギ」と決まっているなど、細かな設定が決まっているのもチャーミングポイント。
「ミク=ネギ」というイメージを多くのファンに広めただけでなく、デフォルメキャラとしても愛され続けている派生キャラです。
亞北ネル
初音ミクに関するメディアの報道や、関連画像が消える事件がきっかけで起こった、掲示板の炎上から生まれた派生キャラが「亞北ネル」です。
名前の由来は炎上を鎮めるためにコメントを続けていた勢力が書き込んでいた「もう飽きた。寝る」で、イラストはクリエイターのスミス・ヒオカが担当しています。
ネル名義の曲も多数発表されており、ネガティブな歌詞と中毒性のあるサウンドを得意とするオワタPによる「ゴチャゴチャうるせー!」などは今でも根強い人気がありますよ。
初音ミクとは違った、アグレッシブなルックスも魅力の個性的なキャラクターです。
弱音ハク
「弱音ハク」は初音ミクを購入したものの、うまく曲が作れずに落ち込むニコ動ファンの気持ちを表現したキャラです。
代表曲には、ストーリー性のある楽曲を得意とする悪ノPが手掛ける「白ノ娘」などがあります。
設定は2chのスレッドで決められたようで、デザインは絵師として活躍するCAFFEIN(カフェイン)が担当。
ネガティブな設定と落ち着いたルックス、自虐的なキャラが親しみやすいと、多くのファンから支持されている派生キャラです。
【ソフト別】初音ミクの種類
初音ミクのソフトにも、いくつかの種類があります。
イメージキャラの違いは少ないですが、対応するVOCALOIDのバージョンや収録している歌声や機能的には大きく違っていますよ。
基本的に新しいソフトのほうが機能は充実していますが、それぞれに味があるので聴き比べて好みのミクを探してみるのもおすすめです。
最後に初音ミクのソフトの種類を、機能や特徴などを交えて紹介します。
初音ミク
「初音ミク」はシリーズの第一作目として発表されたソフトです。
2007年に発表されたバージョンで、当時最新だった「VOCALOID2」を元に制作されています。
DAW関連のソフトは1年に1000本ほど売れれば大ヒットとされていますが、初音ミクはなんと40000本以上の売上を記録。
キャラクターのファンによる購入も多いと言われていますが、たくさんの人が音楽制作に触れるきっかけを作ったことは偉大な功績といえるでしょう。
初音ミク・アペンド
1作目の追加音声として発売された製品が「初音ミク・アペンド」です。
従来は1つの声質しか使えない仕様でしたが、アペンドを導入すれば「Sweet」や「Soft」「Solid」といった6種の表情が違う声質を使えるようになるのが特徴。
この追加により得意ジャンルのポップスはもちろん、落ち着いた曲や激しい曲など幅広い楽曲に対応できるようになりました。
以降のバージョンでも使われる声質を多数収録した、初音ミクの表現の幅を広げるきっかけとなったパッケージです。
初音ミク V3 English
「初音ミクV3 English」はシリーズ初のVOCALOID3対応ソフトとして発売された音源ソフトです。
クリプトン社の社長が発案したSNSの企画により開発がスタートしたソフトで、2013年の8月に発売されました。
収録されているのはナチュラルな英語の歌が楽しめる「ENGLISH」。
英語に特化しているためネット上の作品も少なめですが、洋楽風のエレクトロサウンドにマッチする爽やかなボーカルを聴かせてくれる魅力的なソフトです。
初音ミク V3
「V3 English」発売の翌月、2013年9月に発売されたのが「初音ミクV3」です。
Englishと同じくVOCALOID3に対応したソフトで、1作目やアペンドのイメージを保ちつつも、より自然な歌声を表現できるよう細かな改良が加えられているのが特徴。
音程の変化もスムーズになったので、楽曲を聴いたときの機械らしさも少なくなっていますよ。
音質はやや暗く、こもり気味な声質ではありますが、以降のソフトとは違った個性を持つ完成度の高い初音ミクとして今でも親しまれているソフトです。
初音ミク V4X
「初音ミク V4X」はVOCALOID4対応版として、2016年に発表されたバージョンです。
調整なしでもナチュラルな歌声が表現できるように進化したバージョンで、新作が登場した現在でも根強い人気があります。
「ORIGINAL」や「Soft」といった声質が選べるほか、発音の切り替えや息の抜き方などを細かく設定できるので、作り込み次第でリアルな歌声を再現できるのもポイント。
使いやすさもバツグンなので、初音ミクデビューを考えている人にもおすすめのソフトです。
初音ミク NT
2020年に発売された、最新バージョンのソフトが「初音ミクNT(ニュータイプ)」です。
音声合成技術に産業技術総合研究所とクリプトンが開発した、独自の技術を取り入れているのが特徴。
VOCALOIDエンジンを使っていないため厳密にはボーカロイドではありませんが、前作よりも高性能なソフトに仕上がっていますよ。
ビブラートや音の高さなどを細かく調整する新機能を搭載することで、より人に近いリアルな歌声が楽しめます。
デスボイスにも対応したので、デスメタル風の楽曲を歌わせて楽しむことができるのも魅力。
アップデートも次々と発表されるなど、今後の進化にも大注目の最新の初音ミクです。
初音ミクは音楽界に衝撃を与えた電子の歌姫!これからの活躍も期待大
初音ミクは音楽を作る人だけでなく、リスナーにも衝撃を与えた電子の歌姫です。
さらに、YOASOBIのAyaseや米津玄師、DECO*27といった、才能あるクリエイターが注目を集めるきっかけを作るなど、音楽界全体に多大な影響を与え続けています。
今後もソフトのアップデートや若手クリエイターの登場により、彼女を中心とした音楽シーンはさらに加熱していくでしょう。
もちろん、キャラとしても第一線で活躍中で、2022年には電子楽器「オタマトーン」とのコラボやデジタル技術を用いた歌舞伎への出演なども果たしていますよ。
そんな大活躍中の初音ミクが気になる人は、ぜひライブイベントに参加したり、グッズや音源をチェックしたりして、魅力を体験してみてはいかがでしょうか?
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この記事のまとめ!
- 初音ミクとはDAW上で使う音声合成ソフトと、パッケージのイメージキャラクターのこと
- 彼女のプロフィールは一人ひとりが想像して楽しめるよう、控えめなプロフィールになっている
- 初音ミクはカバー曲をきっかけに注目され、クリエイターたちの名曲によって有名になった
- 雪ミクや桜ミクといった、派生キャラも複数存在している
- 初音ミクのソフトは、日々進化し続けている