ベースにもコードがあることを知っていますか?
ベースは単音で鳴らすことが多いので、あまり馴染みのない方や「学ぶ必要あるの?」と思う方もいるかもしれません。
しかし基本的に「コードのない曲」というのは存在しないので、あなたも知らず知らずの内にコード進行に合わせて演奏しているのです。
この記事のもくじ
ベースはコードで弾ける?
ベースの役割は、ドラムとともに曲の基礎となるリズムを作って、曲に躍動感を生み出すことです。
そういう理由もあって、ベース単体で何かを演奏する機会はほとんどありません。
しかし、コードを知っておけばかっこいいフレーズを自分で作ることができるようになり、バンド練習だけでなく、ベーシスト同士でセッションを楽しむことも可能になります。
さらに、フレーズのコードさえ分かれば使う音がわかるので、自分でベースラインを作ることができ、曲を演奏することができるのです。
例えばTAB譜の無い曲を弾きたい時や、楽譜はあっても譜面通りに弾くのが難しい場合に役立ちますよ。
ベースでコードを弾こう【初級編】
コードとは日本語で「和音」と言い、音が3つ以上重なっているもののことを指します。
重なっている音が不協和音にならず、きれいに調和することで曲の様々な雰囲気を作り出しているのです。
コードを理解するためには、まずは音名を知っておきましょう。
各国の音名
音名と聞いて思い浮かぶのは「ドレミファソラシド」ですが、実はこれはイタリア語。
コード記号には、この「ドレミファソラシド」を英語にしたアルファベットが使われています。
「ドレミファソラシド」=「CDEFGABC」です。
ちなみに日本語では「ドレミファソラシド」=「ハニホヘトイロハ」。
「ハ長調」や「ロ短調」などのカタカナはここからきているのですね。
ではさっそく、実際にベースで弾いてみましょう。
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まずは1音ずつ弾こう
楽譜を読んでいて、
C△7
Em7
などの記号を見たことはありませんか?
これらは、コードを表す記号です。
先ほど「ベースは基本的には一音ずつ音を鳴らす」と紹介しましたが、コードは音が「3つ以上」組み合わさったもの。
では、ベーシストはこの記号をどのように読み取ればいいのでしょうか。
答えはズバリ、「左端のアルファベットに注目する」こと。
1音だけ弾きたい場合は、例えば「C△7」ならC音(ド)を、「Em7」ならE音(ミ)を弾けば問題ありません。
この左端のアルファベットのことを「ルート音」と呼ぶので、覚えておいてくださいね。
メジャーコードに合わせよう
コード記号からルート音を読み取れるようになったら、その他の音にも注目してみましょう。
コードは2種類
「メジャーコード」と「マイナーコード」があります。
メジャーコードは明るく安定した印象を与えるのが特徴で、ルート音と長3度(ちょうさんど)、完全5度(かんぜんごど)の3音で構成されています。
単語は専門的で難しいのですが、長3度はルート音からフレット4つ分先、完全5度はルート音からフレット7つ分先、と覚えれば簡単ですね。
また、メジャーコードはルート音単体か、大文字のMで表されます。
今回はCメジャーを弾いてみましょう。
C音は3弦3フレットなので、Cメジャーは「3弦3フレット・3弦7フレット・3弦10フレット」から構成されています。
指が広がらず弾きにくい場合は、1つ下の弦(画像では1つ上の弦)の5つ前のフレットを押さえれば同じ音が鳴るので、自分が弾きやすいポジションをその都度探しましょう。
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マイナーコードに合わせよう
次はマイナーコードを見ていきましょう。
マイナーコードはルート音と短3度(たんさんど)、完全5度で構成されています。
短3度は長3度よりも半音低い音なので、メジャーコードに比べてやや暗い印象を与えることが特徴です。
ルート音からフレット3つ分先にある、と覚えましょう。
また、マイナーコードは小文字のmで表します。
例えば、Cコードのマイナーを表すときには「Cm」となります。
それでは、Cmを弾いてみましょう。
C音は3弦3フレットなので、Cmは「3弦3フレット・3弦6フレット・3弦10フレット」から構成されています。
ただ、そのままだとミ♭とソの音が弾きにくいので、一般的にはメジャーコードの時のように異弦同音を探して2弦の1フレットと2弦5フレットを押さえることが多いです。
図を参考に練習してみてくださいね。
音を重ねたい時は7thコード
3つ以上音を重ねたい時は、「ルート音から7つ離れた音(7度の音)」を足しましょう。
例えば、C(ド)がルート音の場合は「CDEFGAB……」と数えますので、B(シ)の音を足せば良いですよ。
これを7thコード(セブンスコード)と呼びます。
ただし、注意しておかなければならないのは、B(シ)には長短があるということ。
つまり、普通のB(シ)と、半音下がったB♭(シ♭)の2種類があるのです。
例えば、Cに普通のB音が足される場合は「CM7」、B♭が加わる場合は「C7」と表記します。
CmにB音なら「CmM7」、CmにB♭なら「Cm7」です。
大文字のMはメジャーのM、と覚えるとわかりやすいでしょう。
押さえ方は簡単で、ルート音から見て2つ下の弦(画像では2つ上)の同じフレットが7度♭の音、その半音上が普通の7度です。
ベースでコードを弾こう【中級編】
ここまでをマスターしたら、次は中級編に移りましょう。
鍵となるのは、ベースをピックではなく指で弾く奏法「フィンガーピッキング」。
フィンガーピッキングの特徴は、指の動かし方や振り幅によって豊かな音色を生み出せること。
曲の雰囲気に合わせて硬い音から柔らかい音までを自由自在に操れば、より躍動感のある演奏が可能になります。
右手の人差し指と中指の2本で演奏するツーフィンガーピッキングが一般的ですが、さらに発展してスリーフィンガーピッキングを習得すれば、ベースでも和音を弾くことができるのです。
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スリーフィンガーピッキング
スリーフィンガーピッキングには、人差し指と中指に加えて薬指を使うものと、親指を使うものの2種類があります。
薬指を使う奏法では、通常の指弾きでは難しい高速のピッキングが可能になります。
3本の指で4拍子を演奏するのはすごく難しいのですが、薬指の筋トレをするなどして、ぜひ練習してみてくださいね。
そして、親指を足す奏法では和音を弾くことができます。
これはギターでもよく用いられる方法です。
親指は上から下に弦に当て、他の指は軽く引っ掛けるようにして下から上に動かします。
良い音を鳴らすコツは脱力すること。
複雑なことをする時ほど、力を抜いてきれいなフォームを作ることを意識してくださいね。
ではさっそく、実際に弾いてみましょう。
Am7を弾いてみよう
左中指:(4弦、5フレット)右親指でダウン
左薬指:(2弦、5フレット)右人差し指でアップ
左小指:(1弦、5フレット)右中指でアップ
ベースもコードで演奏が可能!基本を理解すれば簡単に弾ける
ここまで、コード記号の読み方や覚え方、フレーズの弾き方を紹介してきました。
単音ずつ弾くことの多いベースにも実はコードが密接に関わっていて、基本さえ分かっていれば自分でフレーズを作ったり和音を演奏することも簡単です。
さらに、他の楽器への理解が深まってバンド全体のアンサンブルが上がったり、コード同士を繋がりを考える「スケール」へと音楽理論の知識を発展させることもできます。
ぜひ、コードを理解してあなたも音楽活動の幅を広げてくださいね。
この記事のまとめ!
- ベースにもコードは深く関わっている
- コードを理解すれば楽譜のない曲の演奏やセッションが可能
- 中級者はスリーフィンガーピッキングでの和音弾きに挑戦してみよう