カッティングに挑戦してみたいけど、キレのある音の出し方や弾き方が分からなくて悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
コードストロークとは違ったテクニックが必要になるため、少し難しいですが、基本をマスターすれば初心者でもかっこいい演奏ができるようになりますよ。
この記事のもくじ
カッティングとは
カッティングとは打楽器のようなパーカッシブなサウンドとコードの音を組み合わせて、リズムを強調する奏法です。
ファンクやポップスだけでなく、フォークやロック、R&Bなど色々なジャンルで使われています。
スタイルの幅も広く、音の長さ(音価)を長めにとったルーズなプレイ、音価を短くしてタイトな雰囲気を出すタイプなど色々なものがありますよ。
アップとダウンを繰り返す動きを使ったテクニックなので、まずはオルタネイトピッキングをマスターしておきましょう。
詳しく解説した記事もあるので、オルタネイトピッキングに不安がある人はぜひ読んでみてくださいね。
ライブUtaTenの関連記事!
-
オルタネイトピッキングのコツは?練習で引っかかる原因や空ピッキングについても解説
続きを見る
カッティング・ブラッシングの違い
カッティングは本来、弾いた音を切るテクニックを意味します。
コードを押さえている左手を軽く浮かせ、音が鳴らないミュート状態にすることで音をカットするのが基本です。
一方、ブラッシングとはミュートした状態でコードストロークと似た感覚でピッキングし、パーカッシブな音を出すテクニックのこと。
それぞれ別のテクニックを意味する言葉ですが、多くの場合は2つを複合したものをカッティングと呼びます。
Tab譜や五線譜には「×」のマークで書かれており、基本的に押さえる場所の指定はされていません。
カッティングのやり方をできない人向けに解説|右手はどう使う?
カッティングは左手の使い方、右手の振りが重要なテクニックです。
コードストロークやオルタネイトピッキングと共通するポイントも多いですが、このテクニックならではのコツもいくつかありますよ。
コード弾きやソロ演奏に生かせるポイントも多いので、ぜひマスターしてワンランク上のギタースキルを手に入れてくださいね。
次は、カッティングのやり方をキレイに鳴らすコツ、演奏するときのイメージなどと共に紹介します。
ライブUtaTenの関連記事!
-
【紆曲】ワウペダル・オートワウおすすめ14選!ギター用とベース用の人気モデルを紹介
続きを見る
左手はミュートを工夫する
カッティングで歯切れの良いサウンドを出すためには、左手のミュートが重要です。
ブラッシングをするときは弦全体に軽く触れミュートするだけですが、音を出すときは鳴らす音以外を確実にミュートする必要があります。
5弦に一番低い音のルート音がくるバレーコードの場合は、人差し指の先を6弦に触れ鳴らないようにするのがポイント。
中指や薬指で低音を押さえるコードフォームの場合は、人差し指を寝かせて高音を鳴らないようにしたり、余った指を低音弦に当てると上手く鳴らせます。
また、指の長さに余裕がある場合は親指の位置を指板側に動かし、6弦に触れてミュートしても良いでしょう。
このように、弦を押さえた指の先やハラ、余った指を上手く使うのがミュートのコツです。
右手は力を抜いてストローク
カッティングするときには右手の力を抜いて、手首のスナップを効かせやすい状態にしましょう。
力を抜くといっても完全に脱力するのではなく、スナップと手の回転でストロークするスピードを稼ぐイメージを持つとほどよい力加減になりますよ。
また、ピックを持つ手も同様で、ガチガチに力を入れ過ぎず、反対の手でピックに触れたときに軽く動かせるほどの力加減にしましょう。
弾くときは、打楽器のように一瞬でパンと鳴らすイメージを持って弾くとキレのあるカッティングになるのでおすすめです。
アップとダウンを安定させる
アップとダウンの振り幅やフォームを安定させるのも、カッティングのコツです。
基本的にどちらもピックを浅めに当て、扇子をあおぐような動きで手首を回転させて弾きます。
アップに関しては力が入りやすく、フォームも不自然になりやすいので、ピックや手の動きを確認しながら練習してみましょう。
引っかかりや、違和感を感じる人はアップのみの練習や、フレーズをアップから弾き始める練習をするとスムーズに弾けるようになりますよ。
イメージはダウンの手を返すようにアップを弾く、アップで弾いた手をダウンで戻すように弾くなど人それぞれなので、両方試して気に入ったほうを取り入れてみてくださいね。
カッティングの練習フレーズ
はじめてカッティングを弾くなら、まず練習のコツや簡単なフレーズをマスターしましょう。
やり方で紹介したフォームやイメージを意識して少しずつ取り組んでいけば、シンプルな曲なら簡単に弾けるようになりますよ。
次は、カッティング練習をするときのコツや、初心者におすすめのフレーズを紹介するので、ぜひ練習の参考にしてみてくださいね。
ライブUtaTenの関連記事!
メトロノームはゆっくりから
カッティングを練習するときには、BPM60くらいのゆっくりとしたテンポから練習するのがおすすめです。
リズムや音を切るタイミングが重要なテクニックなので、まずは遅めのテンポで左右の手の連携や弾くタイミングなどをマスターしましょう。
ブレを感じる、細かなリズムが上手く取れない場合は、メトロノームのカッティングフレーズの最小単位と同じ、8分音符や16分音符で鳴らす機能を使うと良いですよ。
おすすめ練習フレーズ
カッティングをはじめて練習する人には、押さえるのが簡単なパワーコードを使った8分音符中心の練習フレーズがおすすめです。
16分のフレーズよりもゆったりとしたノリなので、左右の手の連携やリズムの確認をしながら弾けますよ。
速いフレーズでもよく使われる、定番のカッティングパターンを盛り込んだフレーズなのでぜひ挑戦してみてくださいね。
まずは片手ずつ練習
カッティングのフレーズを弾くときは、片手ずつの練習から始めましょう。
左手はミュートや、鳴らしたり指を離したりするタイミングの練習が中心です。
上記のフレーズでミュートする場合は、人差し指を寝かせて高音弦を鳴らないようにし、もう1本の弦を押さえている薬指、小指を下の弦に触れさせます。
Cコードの場合は、人差し指の先を6弦に触れさせておけばミュートの完成です。
タイミングはメトロノームのクリック音と重なる部分、クリック音同士の中間を意識し、コード音とブラッシング音をリズム通りに鳴らせるように練習します。
右手はシンプルですがブレがあるとかっこ悪くなるので、ダウンとアップのフォーム、当てる場所を意識しながら一定のリズムで刻めるようにしましょう。
左手のコードチェンジを増やす
片手ずつの練習が終わり、ある程度連携が取れフレーズが弾けるようになったら、左手のコードチェンジを増やします。
上記のフレーズであれば、リズムパターンはそのままに、3小節目に6弦ルートのBm、4小節目に5弦ルートのEを足してみましょう。
この進行に慣れてきたら4音のかたまりごとに「Am→C→Bm→E」と弾き、繰り返しながら速いコードチェンジに対応する練習をします。
リズムやミュートにブレが無くなれば基本はバッチリなので、次は好きなフレーズや教則本の練習フレーズなどに挑戦してみてくださいね。
カッティングが上手いギタリスト
やり方や練習フレーズをマスターしたら、素敵な演奏をたくさん聴いて、カッティング演奏のイメージを作っていきましょう。
ファンクやソウルなどのリズミカルなジャンル以外にも、ロックやポップスをメインに演奏するプロギタリストにも名手がいますよ。
最後に、カッティングが上手いギタリストを紹介するので、気になるアーティストはぜひ聴いて演奏の参考にしてみてくださいね。
ジミー・ノーラン
ジミー・ノーランはファンクの帝王と呼ばれる、ジェームス・ブラウンのバンドに参加していたギタリストです。
キレのあるカッティングをするギタリストで、高音が際立ったシンプルなフレーズをグルーヴィーに弾いています。
ファンクの基本を学びたい人、ヒップホップやR&B、ポップスなどにも使えるようなフレーズをマスターしたい人におすすめのギタリストです。
ジェームス・ブラウンが67年にリリースした人気曲「Cold Sweat」では彼のキレの良いカッティングがたくさん聴けるので、気になる人はチェックしてみてくださいね。
アル・マッケイ
ファンクやソウル、ディスコ系のグルーヴィーでおしゃれなカッティングを得意とするギタリストがアル・マッケイです。
有名バンドEarth, Wind & Fireに1972年~1981年まで在籍し「September」や「Shining Star」などで名演を残したことでも有名。
脱退後は自身のリーダーバンドAl McKay Allstarsで、リズム感満載のギタープレイを披露していますよ。
ポップでリズミカルなカッティングが好きな人におすすめの、ファンキーなギタリストです。
トニー・メイデン
トニー・メイデンは有名ソウルシンガーのチャカ・カーンのバック演奏、ファンクバンド・Rufus(ルーファス)での活躍が有名なギタリストです。
キレの良いカッティングのなかに、歌を引き立てるフレーズを挟みこむ、メロディとリズムを大切にした演奏を得意としています。
名演も多いですが、特にRufus & Chaka Khanのアルバム「Rufusized」収録の「Once You Get Started」で彼らしいテンションの高いプレイ演奏が楽しめますよ。
歌を引き立てながらも、リズムを刻むプレイが好きな人は、ぜひトニー・メイデンのカッティングを参考にしてみてくださいね。
ジョン・フルシアンテ
現代の3大ギタリストの1人に数えられ、サイケデリックなロックとファンクを組み合わせたユニークなスタイルを持つプレイヤーがジョン・フルシアンテです。
Red Hot Chili Peppersでの活躍が有名で、ソロ活動のため一時的に脱退してしまいますが、2019年にバンドに復帰しています。
独特な音使いと乾いたサウンドが人気で、単音カッティングのフレーズが印象的な有名曲「Can't Stop」は、今でも多くのギタリストがコピーしていますよ。
ロック風のカッティングが好きな人におすすめの、個性的なギタリストです。
山下達郎
山下達郎は歌や作曲センスだけでなく、カッティングの名手としても有名な日本を代表するアーティストです。
アメリカンポップやロック、ブラックミュージックなどを上手く取り入れたスタイルが特徴で、シティポップ風の曲を引き立てる素敵な演奏を多く残しています。
ギターが目立たない曲も多いですが、人気曲の「Loveland, Island」や「Sparkle」ではキレが良く、歌にマッチしたカッティングを聴くことができますよ。
ポップスのギターアレンジに興味がある人や、歌を引き立てる演奏が好きな人は要チェックのギタリストです。
カッティングができない理由は左手のミュートかも?難しいフレーズは片手ずつの練習がおすすめ
カッティングは左手のミュートが難しいテクニックです。
キレイに鳴らないという場合はミュートが甘い場合が多いので、一度左手のフォームやミュートを確認してみると何か発見があるかもしれません。
1本の弦以外を全てミュートする、単音カッティングにも対応できればミュートはバッチリなので、このテクニックを目標にしながら練習を積み重ねていきましょう。
上手く鳴らせないフレーズが登場したときには、片手ずつ練習してリズムやフォームを確認すると弾けるようになるので試してみてくださいね。
この記事のまとめ!
- カッティングとは、ブラッシングと音を切るテクニックを組み合わせたもの
- 左手ミュートと右手の安定感のあるスピーディー動きがカッティングのコツ
- カッティングの練習は、簡単なコードをゆっくりとしたテンポで弾くことから始めよう
- 難しいカッティングフレーズの練習は、片手ずつフォームや動きを確認する方法がおすすめ
- 色々なジャンルにカッティングの名手がいるので、好みのギタリストを見つけて真似してみよう