アドナインスコードに興味はあるけれど、使い方や弾き方が分からないという人も多いのではないでしょうか?
実はとてもシンプルなので、簡単なルールさえ覚えればすぐに使いこなせるようになりますよ。
この記事のもくじ
アドナインスコードとは
アドナインスコードとはシンプルな構造ながらも、独特なサウンドを持つ和音です。
基本コードよりも使いどころが難しいですが、構造や特徴を把握すれば、効果的に使ったり自分なりの弾き方を見つけたりできるようになりますよ。
はじめに、アドナインスコードの構造や特徴を譜例と共に紹介するので、ぜひ楽曲制作や演奏の参考にしてみてくださいね。
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3和音に9thを加えたコード
アドナインスコードは、3和音(トライアド)に9thの音を加えて作られた4音構成の和音です。
9thとは、ルート音からスケールをなぞるように上昇させたときに9番目となる音で、2ndの1オクターブ上音と同じもの。
「C・E・G」で構成されるCメジャーコードで考えるなら、D音を追加(additional)するだけで簡単にCadd9が作れます。
構造はシンプルですが、トライアドとは一味違う幻想的なサウンドを演出できるコードです。
9thコードとの違いは7thの有無
アドナインスコードとナインスコード(9thコード)の違いは、ルートから数えて7番目の音・7thの音があるかどうかです。
7thの音を含まないものがadd9、7thを含むものが9thコードで、add9のほうが1音少ない構造。
アドナインスは力強さと浮遊感を併せ持ったサウンドなのに対し、9thコードはおしゃれで柔らかい雰囲気と異なっています。
2つの違いを把握すれば、作曲や演奏でよりベストなコードを選べるようになるので、ぜひ覚えておきましょう。
色々なジャンルで使われている
ポップスやロックはもちろん、現代音楽やジャズ、R&B、HR/HMまで幅広く使われているのがアドナインスコードの特徴です。
トライアドのシンプルな響きと9thの浮遊感を併あわ持つサウンドなので、複雑な響きが求められるジャンル、シンプルな響きが好まれるジャンルの両方で使えます。
パワーコードやトライアドと比べると安定感はありませんが、きらびやかな雰囲気や浮遊感を演出したいときに活躍するコードです。
ギターでのアドナインスコードの押さえ方
アドナインスコードの構造や特徴を覚えたら、次は実際に楽器を弾いて響きを覚えていきましょう。
しかし、タブ譜やコード譜を読むことも多いギタリストにとっては、音符の知識だけで弾くのはハードルが高いですよね。
そこで次は、ギターでのアドナインスコードの押さえ方をコード表と共に紹介するので、気になるものから弾いて響きを感じてみてくださいね。
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開放弦を使う押さえ方
開放弦を使ったアドナインスコードの押さえ方のなかでも、特に使用頻度が高いのがこちらです。
オープンコードのフォームを1箇所〜2箇所変えるだけで簡単に押さえられるので、基本コードを覚えている人なら楽に弾けますよ。
「()」の音はアドナインスコードの構成音なので、響きを変えたいときや、定番フォームが押さえにくいときに使ってみると良いでしょう。
低音から高音までのバランスが良く、9thの響きも楽しめるフォームばかりなので、響きを覚えたい人は、こちらから挑戦してみるのがおすすめです。
指板上の音のみを使う押さえ方
こちらは、指板上の音だけを使ったアドナインスコードの押さえ方。
最も使用頻度が高いのは、5弦ルートのフォームの1つ目、バレーコードを変化させたフォームです。
簡単に押さえられるだけでなく、スライドさせるだけでCやC#、D、E、F#など色々なアドナインスコードを押さえられるので、ぜひ覚えておきましょう。
その他のフォームは少し難易度が高い押さえ方ですが、独特なサウンドが出せるのでコードに自信がある人は挑戦してみてくださいね。
アドナインスコードの使い方
アドナインスコードを楽曲制作やアレンジに使いたいなら、まず定番の使い方を覚えましょう。
トライアドや7thコードほど汎用性の高いものではないので、いくつかのパターンを覚えれば作曲初心者でも作曲やアレンジに使えるようになりますよ。
次は、アドナインスコードの定番の使い方や、使うときの注意点などを紹介します。
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ⅠかⅣコードで使うのが基本
アドナインスコードはメジャーキーのⅠやⅣコードで使うのが基本です。
ⅠとⅣコード上ならコードの機能を損なわずに9thを使えるので、作曲初心者でも気軽に使えますよ。
やり方もシンプルで「Ⅰ→Ⅰadd9、Ⅳ→Ⅳadd9」と置き換えるだけ。
もちろん、マイナーコード版の「madd9」も使われることがありますが、Ⅲm上では使えなかったり、♭3rdと9thが半音でぶつかったりするため、コード理論に詳しい人向けです。
広がりを演出したいとき
トライアドを使った進行に広がりをプラスしたいときに使うのも、アドナインスコードのおすすめの使い方です。
既存のコードのマイナーメジャー感を保ちつつ、9thによる浮遊感も足せるため、元の進行の印象を残したアレンジができます。
7thコードのようにジャジーな雰囲気や柔かさもないので、ロックな雰囲気の曲にも合わせやすいですよ。
こちらも、置き換えるだけとシンプルなので、気軽に使ってみてくださいね。
9thから始まるメロディを作りたいとき
アドナインスコードは9thから始まるメロディを作りたいときに便利です。
これは、コード上で9thの音が鳴っているためで、歌メロに多めに9thを組み込んでも違和感なく響きます。
トライアドの構成音(ルート・3rd・5th)から始まるメロディよりも、幻想的な響きになるためリスナーを引きつけやすくなるのもポイント。
おしゃれポップスやバラードにも使われる定番手法なので、ポップスが好きな人はぜひマスターしておきましょう。
コード進行に変化をつけたいとき
アドナインスコードは7thコードやトライアドとは違ったサウンドを演出できるため、進行に変化をつけたいときに使うのもおすすめです。
シンプルすぎると感じた部分に挿入したり、既存のコードと置き換えたりするだけでも、独特な響きを演出できます。
ポイントは、狙った部分にピンポイントで使用すること。
使いすぎてしまうと安定感のない曲になってしまうので、2小節に1個を目安にするのがおすすめです。
アドナインスコードの響きが楽しめる曲
アドナインスコードの基礎知識や弾き方を覚えたら、次は実際に使われている曲を聴いて使い方のイメージを固めていきましょう。
基本を知るだけでも十分に使えますが、有名曲や人気曲を参考にすればより効果的な使い方が分かるようになりますよ。
最後に、アドナインスコードの響きが楽しめる曲を紹介するので、気になる曲はぜひ聴いてみてくださいね。
Message In A Bottle / The Police
「Message In A Bottle」は、有名アーティストのスティングが所属していたバンド・The Policeの代表曲です。
単音で「ルート→5th→9th」と弾かれるリフが印象的な楽曲で、イントロ~Aメロにかけての全てのコードがこのフォームを中心に演奏されています。
パワーコードに9thを足しただけとシンプルな構造ですが、独特なサウンドを演出できるため近年の楽曲でも使われていますよ。
アドナインスコードを想定した単音フレーズが多く登場する、9thの響きを学ぶのにピッタリの名曲です。
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MESSAGE IN A BOTTLE 歌詞 The Police 孤独のメッセージ ふりがな付 - うたてん
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Dreams / Van Halen
Van Halenの「Dreams」は、アドナインスコードを効果的に使った楽曲です。
イントロのキーボードとギターのユニゾン部分のコード進行を見てみましょう。
Ⅰadd9から始まり、5小節目にⅣadd9が使われているのが特徴。
この2つのadd9により、爽やかで広がりを感じさせるサウンドに仕上がっています。
エドワード・ヴァン・ヘイレンの素敵なギターソロも楽しめる、アメリカンロックらしさ全開の楽曲です。
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DREAMS 歌詞 Van Halen ふりがな付 - うたてん
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前前前世 / RADWIMPS
アドナインスコードを多用し、ロックのスピード感とモダンなサウンドを両立させている曲がRADWIMPSの「前前前世」です。
サビの入り部分を参考に作成したのが上記のコード進行で、1小節目の4拍目のウラにadd9コードが配置されています。
シンプルな「6415進行」ですが、偶数の小節に独特な響きのコードを入れて、モダンな雰囲気を演出していますよ。
他にも色々なパートでアドナインスコードが使われているので、ぜひ聴いて独特なサウンドを感じてみてくださいね。
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前前前世 (movie ver.) 歌詞 RADWIMPS 映画『君の名は』主題歌 ふりがな付 - うたてん
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コルテオ ~行列~ / Salyu
アドナインスコードの発展的な使い方を学びたい人におすすめなのが、Salyuの人気曲「コルテオ〜行列~」です。
作曲と編曲は、有名プロデューサーの小林武史が担当。
歌い出しの1小節目にⅠadd9が配置されており、歌メロもDの9thであるEから始まっています。
加えて、Gの13th、Emのルート、Aの5thが全てEと、4小節続けて同じ音を鳴らし続ける「ペダルトーン」というテクニックも登場。
応用テクニックを上手く使った、美しいハーモニーが楽しめるバラードです。
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コルテオ ~行列~ 歌詞 Salyu ふりがな付 - うたてん
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アドナインスコードは個性的な響きが魅力のコード!弾き方を覚えて作曲や演奏に使ってみよう
アドナインスコードは、トライアドや7thコードとは一味違う個性的な響きを持つコードです。
基本的な使い方は置き換えるだけとシンプル。
応用テクニックと組み合わせれば、複雑で美しいハーモニーの曲も作れるようになります。
まずは、弾き方を覚えて響きを感じてみるところからはじめるのがおすすめ。
慣れてきたらアドナインスを使ったフレーズや曲を作ったり、人気曲を参考にしたりしながら、自分に合った使い方を見つけてみてくださいね。
この記事のまとめ!
- アドナインスコードはトライアドに9thの音を加えたコード
- 弾き語りで使いたい、響きを感じたい人には開放弦を使った押さえ方がおすすめ
- アドナインスコードは広がりを演出したい場面、独特なメロディをつけたいときに便利
- 実際に使われている曲を参考にすれば、自分好みのアドナインスコードの使い方が見つかる