ベースのピック弾きが気になっているけど、ネットや音楽仲間の間で「ダサい」という意見が多いので、指弾きにすべきか迷っているという人も多いのではないでしょうか。
エレキベースの演奏経験が浅いと、リズム感や音の良し悪しを判断しづらいので、周りの意見に振り回されることも多いですよね。
この記事のもくじ
ベースのピック弾きがダサいと言われる理由
ベースのピック弾きはダサい、邪道などと言われることが多いですが、ここまでネガティブな意見ばかりだと理由も気になってしまいますよね。
実際は弾き方に優劣はなく、演奏者の好みや出したい音に合わせて選ぶのが基本です。
どの弾き方でも楽しめなかったり、良い音を心地よいリズムで鳴らせていなかったりするとかっこ悪い演奏になってしまいます。
まずはじめに、なぜベースのピック弾きがダサいと言われるのか、その理由を紹介します。
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指弾きのベーシストが多い
ピック弾きのベーシストよりも指弾きのベーシストのほうが圧倒的に多いため、エレキベースは指で弾く楽器というイメージが強いです。
エレキベースの基となった、ウッドベース(コントラバス)が指弾きスタイルだったことも影響し、ベースは指弾き専門の弦楽器だというイメージを強くしています。
このため、ベースのピック弾きは邪道で、ダサいと思われることが多いです。
ピック弾きは簡単だと思われている
ベースのピック弾きは指弾きに比べると動きがシンプルで、音を出すコツを掴みやすいため簡単だと思われています。
2本の指で持ったピックを上下に動かす動作が基本で、指弾きのように色々な指を使ったり、弾き方を変えて派手な音を出したりすることは少ないです。
楽器奏者の間では簡単な奏法や、目立たない奏法はネガティブなイメージが強いため、ピック弾きがダサいと思われてしまいます。
ベースでピック弾きをするデメリット
ダサいと言われる理由の次は、実際にベースをピック弾きするとどんなデメリットがあるかを確認していきましょう。
デメリットを知っておくと、不得意な音や奏法が分かるので、自分に合っているか判断しやすくなりますよ。
ベースでピック弾きをするときに発生するデメリットを3つ紹介するので、弾き方選びの参考にしてみてくださいね。
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指ならではの奏法が使えない
ピック弾きをすると指ならではの奏法が使えないため、弾き方のバリエーションが少なくなりがちです。
指で弦を叩いたり引っかけたりするスラップのような派手な音、親指を使ったマイルドなサウンドは、ピックで再現することはできません。
また、左手の指4本に加え、右手の指4本を使い指板を押さえる8フィンガーのような、多くの指を使う奏法は、一度ピックを置かないと難しいです。
特殊な奏法に挑戦したい人や、指ならではの奏法のサウンドが好きという人は、指弾きのほうが向いていますよ。
コストがかかる
ベースのピック弾きは、指弾きよりもコストがかかってしまうのがデメリットです。
ピックは消耗品なので使えば使うほど削れてしまい、良い音が出せなくなってしまいます。
また、種類がとても多いので、自分に合った1枚を探すためには何枚も購入する必要があるでしょう。
1枚100円前後とお手頃な価格ですが、毎月3枚購入すると1年で3600円ほどと、弦が1セット購入できる金額になるのです。
スタジオ練習やライブでピックを忘れた場合には、スタジオの窓口や近くの楽器店で購入する必要も出てくるので、さらにコストがかかってしまいます。
甘い音が難しい
ピックは指よりも硬い素材であるため、甘くマイルドな音を出すのが難しいです。
弦をはじく素材の硬さが増すほどに、音は硬くタイトになり、音の反応性も高くなります。
その反面、甘い音や柔らかい音、低音や高音を抑えたマイルドな音を出しにくくなってしまいますよ。
このため、ロック以外の幅広い音色が必要となるジャンルではピック弾きのベーシストは少ないです。
フュージョンベーシストのアンソニー・ジャクソン、ファンク系のボビー・ベガのように、セッティングや弾き方で色々な音を出すベーシストもいるので、ピック弾きにこだわりたい人はチェックしてみてくださいね。
ベースでピック弾きをするメリット
ピック弾きにはメリットもたくさんあり、指弾きでは再現が難しかったり、高い演奏スキルが必要になったりする曲にも挑戦しやすくなるのが魅力です。
メリットを上手に生かせると、リズムや音色が安定してかっこいい演奏になり、ベースを弾くのがもっと楽しくなりますよ。
ベースでピック弾きをするメリットを紹介するので、ぜひ弾き方選びや練習の参考にしてみてくださいね。
リズムが安定する
ベースのピック弾きはオルタネイトピッキングという手を上下させる動き、ダウンピッキングのように手を振り下ろす動きが基本です。
これらのピッキングの動きは、簡単に楽曲のノリに合わせられるので、初心者でもリズムや音量を一定に保ちやすくなります。
また、リズムに変化を与えるシンコペーション、2拍の中に音を3つ均等に詰め込む2拍3連などの複雑なリズムも、ピッキングの上下運動の応用で手軽に弾くことができますよ。
指弾きでは、基本のリズムから複雑なリズムまでを感覚で把握する必要があるため、手の動きでリズムを取れるピック弾きのほうが安定感が高いです。
硬くて強い音が出る
ベースのピック弾きは、指弾きよりも硬くて強い音を出しやすいのが特徴です。
硬い素材を使っているので、弦を大きく振動させることができ、音のキレや音量なども増します。
また、手首や肘、肩などの関節もまんべんなく使えるので、簡単に力強い音が出せますよ。
このため、硬く力強い音が求められるハードロックやメタル、パンクのような激しいジャンルのベーシストにはピック弾きが多いです。
ピックの素材で音質が変わる
素材で音質が変わるのも、ピックの特徴です。
定番でバランスの良い音のセルロイド、マイルドな音質のナイロン、爪に近い素材で軽快なサウンドのウルテックス、ハッキリとした音質のトーテックスなど色々な素材があります。
素材に加え、厚さや形状でも音質が違い、ピックの体積が大きいほど太いサウンド、先端が尖っているほどタイトな音になりますよ。
セッティングや弾き方と組み合わせると音のバリエーションがさらに増えます。
実はピック弾きは色々な音が出せる弾き方なのです。
ライブでノリやすい
ピック弾きは基本的にボディの上に腕を固定して行うため、ピッキングする手の安定感が高いです。
慣れてくると右手をあまり意識しなくても演奏できるようになるので、ライブパフォーマンスに集中できますよ。
また、ストラップを長くして、ベースを低くかまえた場合の安定感も高いのも特徴。
派手にパフォーマンスをしても演奏に支障が出にくく、見た目もカッコいいので、ライブでのノリを重視する激しいサウンドのバンドをやりたい人におすすめです。
ピック弾きがかっこいいベースの名手5選
プロのベーシストには、ピック弾きでかっこいい演奏をしている人がたくさんいます。
メリットを最大限に生かしたベーシストや、デメリットを工夫で克服し幅広い音色を奏でるベーシストなどさまざまです。
また、エレキギターの奏法を参考にして、独自のスタイルを築いたベーシストもいますよ。
最後にピック弾きがかっこいいベースの名手を紹介するので、気になるベーシストがいたらチェックしてみてくださいね。
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クリス・スクワイア / YES
クリス・スクワイアは、イギリスのプログレッシブロックバンド「YES」のベーシストです。
リードベースというメロディラインのようなフレーズが特徴のスタイルで、ファズ系の荒々しい歪みエフェクターを使い、高音域が強調された歪みサウンドを作り出しています。
Rickenbacker(リッケンバッカー) 4001の使用が有名で、ライブではネックが3本ある特殊なベースも使っていますよ。
ソロ作品もあり、クリス・スクワイアの個性的なベースラインとブリティッシュロック風の歌が楽しめます。
パンクやメタル系のベーシストとは全く異なるスタイルなので、ピック弾きで個性的なサウンドを出したい人はぜひ聴いてみてくださいね。
ポール・マッカートニー / The Beatles
The Beatlesのベーシストとしてだけでなく、シンガーソングライターとしても有名なピック弾きのベーシストがポール・マッカートニーです。
バイオリンベースやリッケンバッカーの使用で有名ですが、過去にはフェンダーのジャズベースや、ヤマハ製のベースなども使っていました。
メロディアスなベースラインから、独特な雰囲気を持ったフレーズ、シンプルなベースラインまで演奏の幅も広いベーシストです。
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ロジャー・ウォーターズ / Pink Floyd
ロジャー・ウォーターズは、人気プログレッシブロックバンドの「Pink Floyd」のベースボーカルで、ソロアルバムも高い評価を受けるアーティストです。
シンプルで楽曲の響きやバンドサウンドを大切にした演奏スタイルが特徴で、サイケデリックな世界観をもつ楽曲をベースラインで引き立てています。
現在ではフェンダーのシグネチャーモデルのプレシジョンベースを使っており、過去にはリッケンバッカー4001やジャズベースも使用していました。
リズムやバンドサウンドの支え方の参考になる名演をたくさん残しているベーシストなので、楽曲を生かすベースを弾きたい人は聴いてみてくださいね。
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佐久間正英 / 四人囃子
ロックバンド四人囃子のベーシストとして活動し、GLAYやBOØWY、JUDY AND MARYなどのプロデューサーとしても活躍したミュージシャンが佐久間正英です。
太い音を出すための弾き方「逆アングル奏法(佐久間式ピッキング法)」を提唱したベーシストとしても有名で、多くのピック弾きのベーシストに影響を与えました。
ギタリスト、キーボーディスとしても活躍したマルチプレイヤーであり、逆アングル奏法はギターのピック弾きを応用して作られています。
2014年に亡くなってしまいましたが、日本の音楽界に数々の功績を残したミュージシャンです。
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亀田誠治 / 東京事変
亀田誠治は東京事変でのハイレベルで音楽的な演奏が人気のピック弾きベーシストです。
プロデューサーとしても活躍する人物で、JUJUや秦基博、大森靖子、SCANDALなど数々のアーティストのプロデュースやアレンジを手がけていますよ。
演奏スタイルの幅も広く、パワフルで疾走感のあるフレーズ、タイトでリズミカルなベースライン、ギターのような2音のコードを使ったフレーズなど色々なプレイを楽曲で披露。
また、楽曲によってはピック弾きと指弾き、スラップなどを使い分けることもあります。
音楽理論や奏法の解説、イベントの開催にも積極的で、多くの人に音楽を楽しんでもらうために精力的に活躍しているベーシストです。
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ベースのピック弾きは全然ダサくない!プロを真似してかっこいいベーシストを目指そう
ベースのピック弾きはダサいと言われることが多いですが、指弾きにはないメリットをたくさん持った素晴らしい演奏スタイルです。
得意とする音色や弾き方も指弾きと異なっているので、ダサいという意見は気にせず、自分の演奏スタイルや音の好みを基準にして弾き方を選びましょう。
まずはピック弾きの好きなベーシストを見つけて、フレーズを参考にしたり、弾き方を真似したりしながらかっこいいベーシストを目指してみてくださいね。
この記事のまとめ!
- ベースのピック弾きは人口が少なく、簡単だと思われているのでダサいと言われている
- ピック弾きは、指弾きが得意とする柔らかい音色や特殊な奏法が難しいのがデメリット
- 指弾きにはないメリットも多いので、ピック弾きを選んだ人はメリットを意識してベースの練習をしてみよう
- ピック弾きで素晴らしい演奏をしているプロもいるので、弾き方やフレーズなどを参考にしてみよう
- 弾き方は周りの人たちやネットの評判ではなく、自分の好みや出したい音に合わせて選ぼう