WANIMA、THE BAWDIES、Hi-STANDARD、ヤバイTシャツ屋さん。
有名で人気のバンドばかりですが、これらのバンドの共通点は、「メインボーカルがベーシストであること」です。
バンドのリズムを作る上で大きな役割を果たしているベースですが、最近では同時にメインボーカルを務めることも珍しくなくなってきました。
この記事のもくじ
ベースボーカルは難しい?
一般的に、ピンボーカルやギターボーカルに比べると、ベースボーカルの難易度は高いと言われています。
例えばコーラスであっても、「ベースを弾きながら歌うのはすごく大変だった」という経験のある方も多いのではないでしょうか。
ここからは、その理由を解説します。
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歌だけに集中できない
ベースは、ドラムとまとめて「リズム隊」と呼ばれるほど、バンドのリズム作りに大きな役割を果たしています。
そのため、曲中にベースのない箇所は少なく、常に何かを弾いていなければなりません。
また、リズム隊が崩れてしまうとバンドとしての演奏も崩れてしまいますので、手元により一層の集中が求められます。
バンド内での役割の大きさによって、ベーシストは歌だけに集中できないのです。
リズムが一定じゃない
さらに、ベースはルート弾きだけをしていればよい訳ではありません。
これは右手の動きがある程度一定なギターボーカルとの大きな違いです。
スタッカートや単音弾き、グリッサンドなど、様々なリズムのフレーズをドラムに合わせてこなさなければならないのです。
また、ベースはネックが長く、上下に広く移動しながらの運指が特徴的な楽器でもあります。
ドラムのノリに合わせながら縦横無尽に手を動かし、さらに全く違うリズムのボーカルをこなすのは並大抵のことではありません。
ベースボーカルが上手くなる練習方法とコツ
ここまでベースボーカルの難しさを解説しましたが、諦めるのはまだ早いですよ。
これから紹介する方法で練習してコツをつかめば、上手く演奏することは可能です。
ベースボーカルをしたい人だけでなく、コーラスを上手くできるようになりたい人にも役に立つ内容なので、ぜひ日々の練習に活かしてくださいね。
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運指をスムーズにする
まずは、ベースの運指をスムーズにしましょう。
ここでのコツは、単に楽譜通り弾き込むのではなく、同音異弦を探して、楽な運指を自分で見つけ出すことです。
先ほど紹介した通りベースは上下の移動が激しい楽器ですが、ボーカルやコーラスを同時に行う時にはマイクに顔を向けるため、指板をチェックすることができません。
指板を見なくてもスムーズに弾けるような運指を見つけ出し、それをスラスラ弾けるようになるまで、反復練習を積み重ねましょう。
そうすることで、歌に意識を向けられるだけの余裕も生まれます。
リズムを合わせる
ベースのフレーズをマスターして歌に意識が向けられるようになったら、自分が弾いている音と歌詞の関係をしっかり把握しましょう。
そのために効果的なのが、「歌詞のどの部分で・どの音を弾くのか」を楽譜を見ながらしっかり分析するという方法です。
歌詞に連動させて、ベースラインを少しずつ繋いでいくようなイメージで練習していきましょう。
楽器は楽器、歌は歌と分けて考えるのではなく「歌いながら弾く」を意識すると、より早くフレーズをマスターすることができますよ。
ベースラインで歌う
ベースのメロディに歌詞を乗せて歌うのも、非常に効果的な練習方法です。
と言うのも、歌のメロディラインはコードに沿うように作られているので、コードのベース音を鳴らしているベースとは、実は相性がとてもよいのです。
この練習でベースラインをガイド代わりにすることによって、ボーカルの音程を安定させることができるようになります。
歌のクオリティを意識する
ベースボーカルのメインは、あくまで「歌」です。
特にライブでは、観客はボーカルに注目しています。
歌へ優先的に意識を傾けつつ、それでも乱れないほどベースを弾き込んでおくのが理想です。
バンドのフロントマンとして、最終的には多少ベースラインにアレンジを加えてでも、しっかり質の高い歌を歌えるように意識しましょう。
日本のベースボーカルバンド
ここまでは、ベースボーカルの難しさや練習のコツを解説してきました。
具体的なイメージが湧いたことで、実際にベーシストがメインボーカルを務めるバンドに興味を持った人も多いのではないでしょうか?
ここからは、日本のベースボーカルバンドを6組紹介します。
練習曲や憧れのフロントマンをぜひ見つけてください。
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WANIMA
まず紹介するのは、熊本県出身の3ピースロックバンド「WANIMA」。
CMや映画の主題歌を数多く担当しているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
エネルギッシュで力強い楽曲が老若男女から大人気で、まっすぐな歌詞はいつでもリスナーの心にそっと寄り添い、背中を押してくれます。
彼らの楽曲はテンポが早く、ルート弾きの作品が多いので「ベースボーカルに挑戦してみたい!」という初心者の方にもおすすめのバンドです。
MONGOL800
誰もが一度は耳にしたことがある「小さな恋のうた」や「あなたに」を手がけたMONGOL800は、ギターとベースでツインボーカルをする曲が多かったのですが、2019年にGt.Voの儀間崇が脱退したことで正式にベースボーカルのバンドとなりました。
インディーズながらチャートを席巻し、一時代を築いたMONGOL800。
優しくて素朴な歌声と、温かみのある歌詞、さらにマイペースに自分たちの音楽を表現し続ける姿勢は、多くの人に長く愛されています。
04 Limited Sazabys
「フォーリミ」の相性で若者を中心に親しまれている「04 Limited Sazabys」は、名古屋出身の4人組メロコアバンドです。
彼らは、曲に幅をもたせにくい「メロコア」というジャンルを独自の個性で切り開いた革新的なバンドとして、高く評価されています。
4人組でベースがメインボーカルなので、ギターの2人はより高度で挑戦的なフレーズを弾くことが可能に。
さらにBa.VoのGENの爽やかな歌声はメロコアの泥臭さを中和して、若い女性など、それまでメロコアに馴染みのなかったリスナーを数多く獲得しました。
これからも要注目のバンドですね。
THE BAWDIES
「ベースボーカル」といえば、メロコアやパンクといった激しくて疾走感のあるジャンルが思い浮かびますが、その対極にいるのが「THE BAWDIES」です。
彼らの楽曲からはガレージロックやブルースを連想しますし、ライブの際にはメンバーは全員かっちりしたスーツに身を包んでいます。
ベースラインも特徴的で、ベースボーカルには珍しくアグレッシブな単音が連なります。
スタイリッシュで技巧的、それでもどこか親しみやすさもある彼らに魅了される人は後を絶ちません。
THE ALFEE
2018年に結成45周年を迎えた「THE ALFEE」。
もともとはフォークバンドでしたが現在はロックバンドとして活動しており、バンドメンバーそれぞれのバラエティ番組等での活躍も印象に残るバンドです。
代表曲は、言わずと知れた名曲「星空のディスタンス」。
メンバー全員がボーカルラインをとることがありますが、最もよくメインボーカルを務めているのがベースの桜井であり、「星空のディスタンス」でもメインボーカルを担当しています。
Hi-STANDARD
「ハイスタ」の相性で親しまれる「Hi-STANDARD」は3人組のパンクロックバンドです。
彼らの功績は偉大で、ここまでに紹介したバンドや数多くのアーティストに影響を与え、90年代のパンクブームの火付け役にもなりました。
「ファスト・ラウド・ショート」(テンポが速く、メロディアスで短い曲)と呼ばれる彼らの音楽性は、まさにメロコアの元祖として愛されています。
活躍の場は国内に止まらず、海外レーベルと契約を交わして有名ミュージシャンと海外公演を行ったり、バンドのプロデュースも手がけています。
ヤバイTシャツ屋さん
キャッチーなバンド名に違わず、コミカルな楽曲で若者を中心に多くの人々を虜にしている「ヤバイTシャツ屋さん」は、大阪芸術大学出身の3人で結成されたロックバンドです。
『あつまれ!パーティーピーポー』や『鬼POP激キャッチー最強ハイパーウルトラミュージック』など、愉快な曲名や歌詞が彼らの魅力ですが、その裏にあるのは確かな演奏技術と、計算され尽くしたキャッチーなメロディです。
メンバーのうち2人が映像学科出身ということもあり、作り込まれた楽しいMVにも要注目です。
海外のベースボーカルバンド
ここまでは日本のベースボーカルバンドを紹介してきましたが、世界に目を向けてみると、まだまだクールなバンドがたくさんあります。
そこで、ここからは海外のベースボーカルバンドを4組紹介します。
邦楽とはまた違った雰囲気やグルーブを楽しんでみてください。
The Police
The Policeはイギリスのロックバンドで、「伝説」と呼ばれるほどその後の音楽界に影響を与えたバンドです。
メンバーが親日家だった影響もあり、日本でも高い人気を獲得した彼らが手がけるキリンビールのCMソングは、誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ジャズ出身のBa.Voスティングが織り成す繊細かつ力強いグルーブと、それを支える見事なテクニックには惚れ惚れしてしまいますよ。
SLAYER
1981年に結成された「SLAYER」は、アメリカのスラッシュメタルバンドで、音圧の高い破壊力抜群の演奏によって「アメリカのスラッシュメタルバンド四天王」の1つに数えられています。
グラミー賞を3度受賞し、ゴールドディスクには4枚が選出されるなど、輝かしい実績を誇る偉大なバンドです。
ボーカリスト兼ベーシストのトム・アラヤの特徴は、正確なピックさばき。
あれだけ激しい演奏をしながら音源とほとんど変わらない完璧な演奏を成し遂げるのは、何度観ても驚いてしまいます。
Emerson, Lake & Palmer
次に紹介するのは、「異端」「天才」との呼び声も高いプログレッシブバンド「Emerson, Lake & Palmer」です。
結成前からメンバーがそれぞれのバンドで成功を収めており、当初から「スーオパーバンド」として圧倒的な支持を受けていた彼ら。
当時革新的だったシンセサイザーをバンドに取り入れ、後のYMOにも影響を与えました。
クラシックを取り入れた味わい深い音楽を、ぜひ体感してみてください。
Cream
音楽好き以外にもその名を知られる伝説的ギタリスト、エリック・クラプトン率いる「Cream」は、ロック史に名を残す60年代の超有名バンドです。
ベースボーカリスト兼作曲家のジャック・ブルースはもともと音大でクラシック音楽のチェロを学んだ後にジャズ分野に転向。
そのあとロックバンドを結成した珍しい経歴を持つ人物です。
Creamの大きな特徴・魅力である超長尺の即興演奏には、ブルースとジャズ、そして時代の熱気が込められています。
ベースボーカルは難しいけどコツを掴めばできるようになる!有名なベーシストを参考にして弾いてみよう
この記事では、ベースボーカルの難しさや練習方法とコツを解説し、ベーシストがメインボーカルを務めるバンドを紹介しました。
ベース演奏と歌唱を同時にこなすことは確かに難しく、最初は心が折れそうになるかもしれませんが、一度コツを掴んでしまえばずっと役に立つスキルです。
紹介したバンドやベーシストを参考に、ぜひ挑戦してみてくださいね。
この記事のまとめ!
- ベースボーカルは歌に集中しにくくリズムをとるのが難しい
- 運指を工夫してリズムを分析し、コツをつかもう
- 国内外にベースボーカルの魅力的なバンドはたくさんある