バンドを中心に、登場人物の切なく苦しい恋愛を描いたBL(ボーイズラブ)漫画の「ギブン」。
2019年にテレビアニメ化、2020年には映画化もされ、その勢いは止まりません。
バンドのライブシーンも繊細に描かれており、主題歌や劇中歌のクオリティも高いので、音楽面でも楽しめるでしょう。
この記事のもくじ
アニメ「ギヴン」とは
「ギブン」は、新書館が発行する雑誌「シェリプラス」で連載しているBL漫画です。
2019年7月からフジテレビでアニメ化されており、翌2020年には劇場版が公開されました。
原作はキヅナツキで、美しい描写や圧巻のライブシーン、登場人物たちの切ない恋愛が話題です。
まずは、アニメ「ギブン」のあらすじや魅力について紹介します。
ライブUtaTenの関連記事!
-
アニメ「のだめカンタービレ」あらすじ・声優&作中で使用された曲16選を紹介
続きを見る
あらすじ
ギブンの舞台となっているのは東京と神奈川の県境に位置する、郊外の街です。
そこに住む高校生の上ノ山立夏は、好きだったギターへの情熱も冷め、どこかつまらない毎日を送っていました。
そんなある日、立夏は赤いギターを抱えた佐藤真冬と出会います。
真冬と立夏、先輩の梶秋彦と中山春樹の4人は「given(ギブン)」というバンドを組み、時にぶつかり合い、お互いに向き合いながら青春の日々を過ごしていくという物語です。
作者はキヅナツキ
ギブンの作者である「キヅナツキ」は、「雪村せんせいとケイくん」「リンクス」など、すれ違う恋を描くのが得意な作家です。
中でもギブンは代表作で、それまでのキヅナツキ作品に見られるすれ違いや、大事な人との死別が描かれています。
登場人物がただ両想いになるわけではなく、それぞれの胸に秘めた思いや葛藤、苦しみの表現が特徴的な作家です。
魅力①共感しやすいストーリー
ギブンは、視聴者が共感しやすいストーリーが魅力的です。
お互い好きだとしてもなかなか上手くいかない恋愛、自分と他人を比べてしまうといった苦しい感情など、多くの人が抱いたことのあるネガティブな感情も表現されています。
登場人物たちの恋愛も上手くいかないことが多く、そのどれもが視聴者自身に通じるものがあるでしょう。
魅力②圧巻のライブシーン
ギブンでは、登場人物たちがバンドを結成し、その中で物語が展開していきます。
この作品のライブシーンは、まるで本物のバンドを見ているような迫力が魅力です。
楽器隊の音はもちろん、ボーカルの息遣いなど、細かい部分まで臨場感たっぷりに表現されています。
演奏する時の体の動きもリアルに描かれており、楽器を弾いたことがある人やバンド経験者でも見入ってしまうような作画にも注目しましょう。
魅力③センチミリメンタルの楽曲
ギブンのテレビアニメや映画の主題歌・劇中歌は、「センチミリメンタル」が手がけています。
センチミリメンタルとは、作詞作曲、歌唱やプログラミングまで全てを温詞が担当するソロプロジェクト。
オープニングテーマの「キズアト」やエンディングテーマの「まるつけ」、その他劇中歌まで、ギブンの世界観にぴったりな楽曲を提供しています。
アニメ「ギヴン」のキャラクター
ギブンは立夏や真冬のバンド「given」を軸に進み、バンドメンバーが中心となって展開していきます。
バンドメンバーにはそれぞれさまざまな過去を持った人物がおり、彼らを取り巻く登場人物たちも、個性豊かなキャラクターばかりです。
バンド内外で複雑に絡み合う恋愛関係も見どころがたくさんで、どう展開していくのか一瞬たりとも目が離せません。
ここからは、ギブンの登場人物を紹介していきます。
ライブUtaTenの関連記事!
-
アニメ「四月は君の嘘」は涙腺崩壊するほどの感動作!評価や声優・主題歌をまとめて紹介
続きを見る
佐藤真冬-given- / (CV:矢野奨吾)
矢野奨吾が声を演じる佐藤真冬(さとうまふゆ)は、ストーリーの中核を担う人物で、givenではギターとボーカルを担当しています。
階段の踊り場で亡くなった恋人・吉田由紀のギターを抱え、うたた寝している時に上ノ山立夏と出会いました。
それをきっかけにギターを立夏に教わるようになった真冬は、バンドに参加することになります。
天才的な歌唱力を持ちますが、過去のトラウマで自己表現に苦手意識を持っており、どう克服していくのかも物語の見どころです。
上ノ山立夏-given- / (CV:内田雄馬)
内田雄馬が声優を務める上ノ山立夏(うえのやまりつか)は、givenのギターを担当しており、高校生離れしたギタースキルを持っています。
ひょんなことから真冬にギターを教えることになり、失いかけていたギターとバスケへの情熱を取り戻しました。
始めは真冬のことをうっとうしいと思いながらも、真冬の歌声に衝撃を受け、次第に真冬自身にも惹かれていきます。
中山春樹-given- / (CV:中澤まさとも)
中澤まさともが声を演じている中山春樹(なかやまはるき)は、明彦と同じ大学で映像を専攻する大学院生です。
given最年長でリーダーを務めており、お人好しで面倒見の良いお母さん的な存在でもあります。
他の3人が天才肌であることにコンプレックスを持っていますが、SNS更新などの雑務もこなしており、バンドを支えていることには間違いありません。
明彦に恋心を抱いており、構ってもらうために髪を伸ばしているという乙女な一面もあります。
梶秋彦-given- / (CV:江口 拓也)
江口拓也が声を演じる梶秋彦(かじあきひこ)は、強面ですが面倒見の良い兄貴分的な人物で、givenではドラムを担当しています。
年下の立夏や真冬からは慕われており、恋愛経験も豊富なのでかなりモテています。
かつて付き合っていた村田雨月とは、未だに同棲して肉体関係も続いており、共依存の関係から抜け出せていません。
大学ではヴァイオリンを専攻しており、他にもさまざまな楽器を弾ける器用さもあります。
村田雨月 / (CV:浅沼 晋太郎)
浅沼晋太郎が声優を務める村田雨月(むらたうげつ)は、秋彦のかつての恋人であり、天才ヴァイオリニストとして世界中を飛び回っています。
秋彦の嫉妬にも気づいていながら彼を振り回す魔性の男と思われがちですが、実は雨月も秋彦への思いに縛られ、前に進むことができません。
真冬のことを気に入っており、アドバイスや自宅の防音室を貸し出すなど、サポートを続けています。
鹿島柊 / (CV:今井文也)
今井文也が声優を務める鹿島柊(かじまひいらぎ)は、真冬・由紀の幼馴染で、かつて由紀とはバンドも組んでいました。
現在は同じく幼馴染の八木玄純(やぎしずすみ)とバンドを組んでおり、ベースを担当しています。
思ったことをはっきり言うタイプですが、真冬と由紀の関係を知りながら何もできなかった自分を気に病んでいました。
吉田由紀 / (CV:新祐樹)
新祐樹が声優を務める吉田由紀は、真冬の幼馴染で初めての恋人です。
柊や玄純とも幼馴染で、2人とバンドを組んでギターを弾いていました。
派手好きで支配的、気まぐれという真冬と真逆の性格で、お互いの足りない部分を埋め合う共依存のような関係でした。
親も公認のカップルでしたが、真冬との些細な喧嘩のすぐ後に亡くなってしまい、真冬の心に大きな傷を残すことになります。
テレビアニメ「ギヴン」主題歌
OP:「キヅアト」 / センチミリメンタル
ギブンのオープニング主題歌に起用されたのは、作詞作曲、その他すべて温詞(あつし)が行うセンチミリメンタルの「キヅアト」です。
疾走感のあるバンドサウンドはとても重厚で、温詞の透明感のある歌声を引き立てています。
恋愛の忘れられない辛い思い出、葛藤や苦しみを歌っており、上手くいかない恋愛を描いたギブンの世界観にぴったりです。
ED:「まるつけ」 / ギヴン
「まるつけ」はギブンのエンディングテーマで、温詞が2015年に作った弾き語りの曲をバンドアレンジしたものです。
作曲時点ではギブンと全く関わりがなかったものの、作中に出てくる言葉と重なるワードも多く、歌詞に関してはほとんど変更されていません。
シンプルなバンドサウンドで、真冬役の矢野奨吾が担当するボーカルの切ない雰囲気がとても映えています。
劇中歌1:session / the seasons
session / the seasons
作曲者本人がシンセサイザーで弾いてみた。#ギヴン pic.twitter.com/FpbU146JAo
— センチミリメンタル (@cenmilli) July 20, 2020
ギブンの劇中歌として使われている「session/the seasons」も、センチミリメンタルの温詞が作曲した作品です。
歪んだギターとシンセの音色が特徴で、変拍子が印象的に用いられています。
変拍子や複雑な展開の中でそれぞれの楽器が絡み合いつつも、ギターの衝動が溢れたフレーズに注目しましょう。
劇中歌2:冬のはなし / ギヴン
「まるつけ」と両A面シングルでリリースされた「冬のはなし」は、ギブンの劇中歌として使用されました。
真冬の声を演じる矢野奨吾が歌っており、パワフルなサウンドに負けない情熱的に叫ぶ姿が特徴の王道ロックです。
作品の印象に残る部分で効果的に使用されているこの曲は、作者であるキヅナツキも絶賛するほどエモーショナルな楽曲に仕上がっています。
アニメ「ギヴン」が映画化
2019年、テレビアニメで話題を集めたギブンは、翌2020年に「映画 ギブン」の名前で映画化も果たしました。
テレビアニメ版は主に立夏と真冬の淡い恋を描いたシリーズだったのに対し、映画版では大人メンバー(春樹・秋彦・雨月)の熱い恋が中心です。
また、主題歌や劇中歌は引き続きセンチミリメンタルが担当。
最後に、劇場版ギブンの主題歌を紹介します。
ライブUtaTenの関連記事!
-
アニメ「幕末Rock」を解説するぜよ!キャラ・声優・おすすめ曲を紹介
続きを見る
主題歌:「僕らだけの主題歌」 / センチミリメンタル
「映画 ギブン」の主題歌に起用されたのは、センチミリメンタルの「僕らだけの主題歌」でした。
温詞が映画のために書き下ろした曲で、バンドサウンドにストリングスやピアノの音が何重にも重なった分厚いサウンドが特徴です。
温詞の透明感のある歌声とピアノの儚いメロディ、エモ―ショナルなギターロックサウンドが涙腺を刺激します。
劇中歌:「夜が明ける」 / ギヴン
「映画 ギブンの」劇中歌に使用されているのは、原作者のキヅナツキがプロデュースするバンド・ギブンの「夜が明ける」。
シンプルなバンドサウンドに透き通った真冬(矢野奨吾)の歌声が印象的で、登場人物たちの切ない恋愛にぴったりです。
「眠れなくても夜は明ける」という歌詞は、春樹・秋彦・雨月の3人それぞれに重なる歌詞で、映画で描かれるストーリーをさらに盛り上げてくれるでしょう。
アニメ「ギヴン」は心温まる青春バンド漫画!美しく繊細な描写でBL初心者にもおすすめ
バンドメンバーの切ない恋愛を描いたアニメ「ギブン」は、恋が上手くいかない切なさや、苦しさを見事に表現しています。
複雑に入り乱れた恋愛関係は、過去に恋愛で苦しい思いをしたことがある人は深く共感できるでしょう。
また、バンドを中心に物語が進んでいくので、繊細に作り込まれた圧巻のライブシーンにも注目です。
作画や心理描写が美しいので、BL初心者にもおすすめのアニメですよ。
この記事のまとめ!
- 「ギブン」はシェリプラスで連載されているBL漫画
- 2019年にアニメ化、2020年に映画化を果たした
- 共感しやすいストーリー、圧巻のライブシーン、物語とマッチした主題歌や劇中歌が魅力
- 個性豊かな登場人物たちの、なかなか上手くいかない恋愛が見どころ