ギターをやっている人なら必ず耳にする用語「ルート音」。
音楽に関連しているのは分かるけど、使い方や意味が分からないという人も多いのではないでしょうか?
この記事のもくじ
ギターのルート音とは
ギターのルート音とはアレンジや作曲、演奏の際に必ず使われる音です。
コード理論の基本とされており、知っておくだけでも演奏スキルの向上や理論知識を深める手助けをしてくれます。
さらに、音楽への理解を深めるきっかけにもなるので、スキルアップしたい人はぜひマスターしましょう。
はじめに、ギターのルート音の特徴や言葉の意味を紹介します。
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コードの基準音のこと
ルート音とはコードの音程や性質を左右するものです。
日本語では「根音」と呼ばれており、全てのコードが根音を基準に作られています。
ルートから数えて♭3rdが積まれているならマイナーコード、3rdと5th、7thが乗っているなら7thコードと、積まれた音との間隔によってコードの性質が決まるのが特徴。
テンションと呼ばれる「9th・11th・13th」も、この間隔によって決められていますよ。
このように、音楽の中でも重要な「ハーモニー」の基準となる音なので、演奏や作曲でも重要な役割を持つと考えられています。
ベース音よりも意味が狭い言葉
ルートは、コード内の最低音を意味する「ベース音」より意味が狭い言葉です。
ベース音の場合、C/EやC/Gなどの転回形(積む順番を変えたもの)、C/D、C/Fなどの特殊なオンコードの最低音を指すこともあります。
しかし、ルート音は基準音のみを指す言葉なので、オンコードの最低音には使えません。
混同されやすい言葉ですが、厳密には違う意味の言葉だと覚えておいた方が、応用理論の学習や作曲をするときにも役立ちますよ。
ベースがいる編成なら省略して弾いても良い
エレキベースやウッドベースなどの楽器がいる場合や、他のコード楽器が低音をしっかり鳴らしている場合はルートを省略して演奏しても問題ありません。
なぜなら、アンサンブルの中で誰かがルート音を弾いていれば、充分にコードとして成立するからです。
省略できるルールを知っておけば、3rdと7thを使った2音のボイシング、高音域のテンションを盛り込んだアルペジオなど、色々な演奏ができるようになります。
弾き語りやソロギターでは基本的に省略できませんが、バンドや打ち込み系のジャンルでは定番なので、これらのジャンルが好きな人は覚えておきましょう。
ギターのルート音の見つけ方
ギターのルート音の特徴を把握したら、演奏や作曲に生かすために見つけ方を覚えましょう。
見つけ方というと音楽理論が必要なイメージがありますが、理論初心者でも簡単に見つけられる方法もいくつかありますよ。
次は、ギターのルート音の見つけ方をパターン別に紹介するので、取り組みやすいものを選んで実践してみてくださいね。
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アルファベットから
コード譜や楽譜がある場合に便利なのが、アルファベットから導き出す方法です。
ルート音は左側に記載されている大文字のアルファベットが表しているので、指板の音名さえ覚えていれば簡単に押さえられます。
もちろん、横にマイナーコードを意味する「m」、セブンスやテンションの有無を表す数字などが付いていても、このルールは変わりません。
コード表記を見るだけで導き出せるので、簡単な見つけ方から試してみたい人におすすめの方法です。
コードフォームから
ルート音はコードフォームを確認するだけでも簡単に見つけられます。
やり方はシンプルで、フォームの中の最低音を確認するだけ。
Cコードなら5弦3フレットのC、Fコードなら6弦1フレットのFがルートになっています。
また、オープンのDやA、Eコードのように、開放弦が根音を担当している場合もありますよ。
オンコードのように、ベース音を変えられているケースには対応できませんが、ほとんどのコードフォームで使える簡単な見つけ方です。
コードの構成音から
コードの構造やルートについて深く知りたい人におすすめなのが、コードの構成音から判断する方法です。
和声の基本理論や音符の読み方などの知識は必要ですが、慣れれば積み方を変えたコードにも対応できるようになりますよ。
Cmaj7やG7などの定番コードであれば、ベース音を確認した後に3rd・5th・7thが積まれているかを見るだけでコード名と根音を簡単に導き出せます。
オンコードの場合も、ベース音以外を見る、もしくはベース音を3rdや5thと考えた後に、定番コードと同じ方法で確認すれば導きだせるでしょう。
少し難しい見つけ方ですが、アレンジや作曲に興味がある人は挑戦してみてくださいね。
耳コピなら他のパートを参考にする
バンド曲やポップスを耳コピして弾き語り用の譜面を作りたい、好きな曲のルートを正確に把握したいなどの場合は、他のパートを参考にするのがおすすめです。
もちろん、ギターだけの耳コピでも充分な場合もありますが、ベースやピアノなどの音も聴き取ると、より正確に把握できるようになります。
ギターの耳コピをした後に、ベースを聴いて確認するのが定番で、2パートだけでは判別できない場合は、鍵盤楽器やストリングスを聴くと判断しやすくなるでしょう。
普通の耳コピよりも難易度が高いですが、慣れれば高い精度でルートを判別できる方法です。
ギターのルート音の覚え方
ギターのルート音を使いこなすためには、見つけ方だけでなく、覚え方も重要です。
もちろん、コード進行や曲を弾きながら覚える方法も効果的ですが、基本的な練習からはじめたほうが効率良く覚えられますよ。
次はギターのルートの覚え方を紹介するので、ぜひ楽器練習の参考にしてみてくださいね。
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低音弦の音名を覚える
コードフォームは覚えているけれど、指板の音名には自信が無いという人は、低音弦の音名を覚える練習からはじめましょう。
ルートは基本的に「6弦・5弦の開放弦かフレット上の音」が使われることが多いです。
そのため、2本分の音名を集中して覚えるだけでも幅広く対応できるようになります。
練習のポイントは「#や♭が付かない音から覚える」「ポジションマークとセットで覚える」の2つ。
この2つを意識して練習すれば、#や♭が付いた音も1フレットずらすだけで対応できるようになるので、ぜひ試してみてくださいね。
ジャンルによっては4弦の音名も必須
おしゃれなポップスやファンク、ソロギター、ジャズなどを演奏したいなら、4弦の音名も必須です。
もちろん、低音弦の音名を覚えるだけでも演奏できますが、4弦をルートにしたコードを覚えていれば、よりジャンルの雰囲気にマッチした演奏ができますよ。
覚え方は、上記のように6弦の音名とシンクロさせながら覚えていくだけ。
低音弦のみを覚える場合と比べると大変かもしれませんが、演奏の幅を広げたいなら覚えてみましょう。
スケールやコードと関連付ける
ギターのルート音を効率良く覚えたいなら、定番の記憶テクニックの「関連付け」を使いましょう。
オープンコードやバレーコードをいくつか覚えているなら、コードフォームや根音を押さえる指などとセットで覚えるのがおすすめ。
Cメジャースケールを知っている人なら、スケールの2番目がD、3つ下ったところがGと覚えると思い出しやすくなります。
スケールやコードフォームの復習にもなるので、ギター初心者にもおすすめの覚え方です。
ギターのルートとして使える音の一覧
ギターのルートの覚え方を把握したら、次は一覧表を使いながら実際に練習していきましょう。
音の並び方や位置、間隔には特徴があるので、得意なコードフォームやスケールと照らし合わせながら練習を進めると、効率良く覚えられますよ。
覚え方の次は、ギターのルートとして使える開放弦~12Fの音を、一覧表形式で紹介します。
定番のルート音一覧
6弦から4弦までの、#や♭が付かない音を記載した表です。
全てがCメジャースケール内の音で3Fや5F、7Fといったポジションマークが付いている箇所に多く配置されているのが特徴。
間隔は「B→C・E→F」の部分のみ1フレット(半音関係)で、残りは2フレット(全音)になっています。
ギターのルート音としてよく使われるものばかりなので、音名を覚えるのが初めてという人はこの一覧から覚えてみましょう。
#や♭が付くルート音の一覧
#や♭などの臨時記号が付く音の一覧表がこちらです。
ポジションマークが付いていない箇所に多く配置されているため、臨時記号無しの音名やマークと照らし合わせれば簡単に覚えられますよ。
#FとG♭のように同じフレットに2つの音名が付いていますが、こちらは表記が違うだけで同じ音程を表します。
ト音記号の隣に#が付くG・D・Eメジャーキーなら#、F・B♭・E♭のように♭が付くキーなら♭を使うのが基本なので、よく演奏するほうを選んで覚えると良いでしょう。
ルート音の知識が役立つギターテクニック
ギターのルート音を覚えたら、実際の演奏で使ってみたくなるものですよね。
しかし、どんなテクニックに使われているか分からなず練習に生かしにくいと感じる人も多いのではないでしょうか?
最後に、ルート音の知識が役立つギターテクニックを、コード表やタブ譜と共に紹介するので、気になるテクニックがあったらぜひ練習してみてくださいね。
コードプレイ
ルート音の知識は、コードストロークやシンプルに鳴らすプレイをするときに役立つものです。
特にバレーコードを使うときに便利で、Fメジャーコードの押さえ方を保ったままルートを変えるだけで、簡単に色々なコードが押さえられます。
また、定番のFmコードやCmコードといった、セーハを使うマイナーコードに応用できるのもポイント。
積み方を変えて自分好みの7thコード・テンションコードを作るときにも役立つなど、幅広く応用できるのがルート音の特徴です。
ヘヴィメタル風の刻み
ヘヴィメタルのマシンガンのような刻みフレーズにも、ギターのルート音は多く使われています。
パワーコードを鳴らしたあとに16分で弾くプレイが定番で、歌の伴奏がメインの場合はルートを単音で刻み続けていることも多いです。
他にも、高音弦のコードと刻みを組み合わせるプレイもありますよ。
速いテンポで演奏されることが多いので、メタル系が好きな人は素早く押さられるように練習しておきましょう。
アルペジオ
ルート音の知識を生かせば、より音楽的なサウンドになるギターテクニックがアルペジオです。
弾き語りやソロ演奏をする場合なら、ルートから弾き始めるとコード感が出て安定した響きになります。
ベーシストと一緒に演奏しているなら、あえてテンションや3rd・5th・7thのみを弾いて独特なサウンドを演出するといったアレンジもおすすめ。
細かなポイントですが、意識するだけでもハーモニーが豊かになるので、ぜひ試してみてくださいね。
オクターブ奏法
オクターブ奏法とは、特定の音と1オクターブ高い音を同時に鳴らす、ロックやジャズの定番テクニックです。
一見難しそうなテクニックですが、ルートとオクターブの知識があれば簡単に押さえられますよ。
ギターの重要テクニックである「ミュート」や「スライド」も一緒に学べるので、スキルアップしたい人はぜひ練習してみてはいかがでしょうか?
ウォーキングベース
ジャジーな演奏が好きという人にぜひ挑戦してほしいのが、ベースラインをギターで弾くテクニック・ウォーキングベースです。
ルートの知識に加えて「コードの切り替わりの直前に半音階を使う」「1・3拍目はコードトーンを弾く」などのルールを覚える必要があるため、難易度は少し高め。
しかし、マスターできればギター2人でのセッション、ルーパーを使った多重録音なども楽しめるようになります。
ベーシストの役割や低音の重要性なども学べるので、気になる人はぜひ練習してみましょう。
ルートは色々なギターテクニックで使われる音!見つけ方や覚え方をマスターして演奏の幅を広げよう
ルートは基本のギターテクニックから、応用的なプレイまで幅広く使われている音です。
理論的な内容を少し含んでいるので、難しく感じてしまうかもしれませんが、仕組みや使い方を覚えれば上達スピードもアップしますよ。
まずは、見つけ方や覚え方をマスターするところからはじめるのがおすすめ。
慣れてきたら色々なテクニックに応用して、演奏の幅を広げてみてくださいね。
この記事のまとめ!
- ギターのルートとは、コードの構造を決める基準音のこと
- 初心者にはアルファベットやコードフォームから見つける方法がおすすめ
- ルート音を使いこなしたいなら、低音弦の音を覚えよう
- ギターのルート音は基本テクから、応用テクまで幅広く使われている