ギターがある程度弾けるようになると、基礎練習だけでなく曲を練習したいと思いますよね。
しかし「曲を練習するのには楽譜を読まないといけないから、自分にはまだ難しい」と考える人も多いのではないでしょうか。
実は、ギターやベースの楽譜はそれほど難しいものではありません。
また、楽譜を簡略化した「TAB譜(タブ譜)」というものもあるので安心ですよ。
ココがおすすめ
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この記事のもくじ
ギターの楽譜の種類
ギターの楽譜といっても、コード譜やタブ譜など様々な種類があります。
それぞれに特徴があり、表記の方法や読み方も全く違います。
まずは、楽譜の種類やそれぞれの特徴を紹介します。
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コード譜
「コード譜」はその名の通り、曲のコード(和音)を記載した譜面のことです。
曲の歌詞の上にコード名が記されているものもありますが、一般的に「コードダイアグラム」と「リズム譜」を組み合わせて記されることが多いです。
- コードダイアグラム
弦とフレットの簡易図、左手で押さえるべき場所が記されている譜面です。
楽譜の黒い点と同じ場所を、楽譜で見たままに押さえればいいだけのため、コードを覚えていない人でもその場ですぐに音がわかります。
- リズム譜
ピックを動かすタイミングを表したものです。
「コ」の字を縦にしたような記号がタッピング、「V」の記号はアップピッキングを示しており、右手の動きとリズムがわかります。
TAB譜
TAB譜(タブ譜)とは、ギターの楽譜をわかりやすく簡略化したものです。
タブ譜には6本の横線と数字が書かれています。
横線はギターの弦、数字がフレット数を表しています。
タブ譜は誰でも簡単に見ることができるため、初心者はタブ譜から入るのがおすすめです。
ただし、初心者でもわかりやすい一方、簡易的なため細かいニュアンスやリズムなどを楽譜から読み取りづらいという難点もあります。
五線譜
五線譜は、その名の通り5本の線の上に音符や休符が書かれている楽譜のことです。
一般的に「楽譜」というとこれをイメージする人が多く、ピアノや合唱曲など、様々な場面で目にしているのではないでしょうか。
全ての楽器を統一して表記するバンドスコア(総譜)やセッション譜では、五線譜が使われることが多いです。
初心者にとっては少し難しいですが、音程やリズムを意識しやすい楽譜ですよ。
ギターの楽譜(TAB(タブ)譜・コード譜・五線譜)の読み方
楽譜には様々な種類がありますが、それぞれ読み方が違います。
慣れないうちは楽譜を読むのに時間がかかるかもしれませんが、基本をしっかり理解すればすらすらと読めるようになりますよ。
TAB譜の読み方
TAB譜は6本の線があり、上の線から順にギターの1弦~6弦を表しています。
線上に書かれている数字は、その弦の押さえるべきフレット数です。
上部に書かれている「コ」のような記号がダウンストローク、「V」のような記号はアップストロークを表しています。
例えば、上の図のダウンストロークでは、タブ譜では2弦1フレット、4弦2フレット、5弦3フレットを押さえて5~1弦を弾きます。
また、6弦はピッキングせず、1弦と3弦は開放弦を鳴らします。
ダウンストローク、アップストロークのついては以下の記事で詳しく解説しています。
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五線譜の読み方
五線譜には平行な5本線の上に、音程を表す音符が記されています。
学校の音楽の授業で習いましたよね。
線の下から上にいくにつれて音程も高くなります。
図の最も左側にある記号は「ト音記号」といい、ほとんどの楽譜についています。
「ヘ音記号」「ハ音記号」などもあり、五線譜内で表現できる音程がそれぞれ異なります。
その右横の数字は拍子、リズムを表し、図の楽譜が4分の4拍子であることを示しています。
これは「一小節の中に4分音符が4つ入る」ことを意味します。
コード譜の読み方
「コード譜」とは、曲のコード進行が記された譜面のことを表します。
歌詞とコードのみが記された非常に簡易的な楽譜もありますが、初心者におすすめなのは「コードダイアグラム」がついているコード譜です。
上述したように、コードダイアグラムにはギターの弦とフレットが描かれています。
上から1弦、左から1フレットを表し、黒い点は押さえるフレットを表しています。
左に「〇」と書かれてる弦は開放弦を鳴らし「×」と書かれていれば、その弦はミュートします。
例えば上記のコード譜の場合、2弦1フレットと4弦2フレット、5弦3フレットを押さえ、1弦と3弦は開放弦を鳴らします。
6弦は「×」がついているのでミュートしましょう。
TAB譜の記号・テクニック
タブ譜はギターやベース用の楽譜で、曲によっては楽器特有のテクニックがタブ譜に記されている場合があります。
他の楽器経験があって楽譜が読める人も、ギターやベースに用いられるテクニックとその記号を知っておきましょう。
ここでは、タブ譜での記号や演奏テクニックを紹介します。
チョーキング
「チョーキング」とは、弦を指で押さえたまま上に押し上げ、音を少しだけ高くする奏法です。
図のように、音符の上にスラーが記され、その上に「C」もしくは「Cho」と書かれます。
海外では、「ベンド」と呼ばれています。
五線譜では記号のスラーの終点の音程まで音を上げ、タブ譜では「C」であれば1音、「H.C(ハーフ・チョーキング)」であれば1音半、音程を上げます。
図のタブ譜であれば、4弦7フレットを押さえ、4弦8フレットの音程までチョーキングしましょう。
スライド
「スライド」は、弦を押さえたまま指を横に滑らせ、なめらかに音を繋ぐテクニックです。
図のように、スラーの上下に「S」と書いて表されます。
図のタブ譜であれば、4弦5フレットを鳴らした状態で、7フレットに指を素早くスライドさせ、音を高くしましょう。
ビブラート
「ビブラート」はチョーキングの繰り返しです。
弦を押さえたまま、左手の指で弦を押し上げたり押し下げたりして、音程を細かく揺らすテクニックです。
タブ譜や楽譜には音符の横に波線が引かれ、「Vib」と書かれます。
図の楽譜であれば、3弦5フレットを鳴らしたまま指を上下させて音程を揺らしましょう。
ハンマリング・オン
「ハンマリング・オン」は、右手でピッキングをせず、フレットを指で叩いて音を鳴らす奏法です。
スラーの上下に「H」または「H.O.」と書かれており、スラーで記された範囲の音符をハンマリング・オンで鳴らします。
図のタブ譜であれば、4弦5フレットをハンマリングし、次に4弦7フレットをハンマリングして音を出しましょう。
プリング・オフ
「プリング・オフ」も、右手でピッキングせずに左手で押さえた弦に指を引っ掛けて弾くようにして音を出す奏法です。
「P」や「P.O.」と表記され、ハンマリング・オンと組み合わせて用いられることも多いです。
図のタブ譜であれば、3弦7フレットでプリングし、次に3弦5フレットをプリングして音を出しましょう。
トリル
「トリル」はハンマリングとプリングを素早く交互に繰り返し、音を途切れないように左手のみで弾く奏法です。
「tr」と表記され、その後に波線が引かれます。
図のタブ譜であれば、3弦5フレットをハンマリング、3弦7フレットをプリングし、それを高速で繰り返しましょう。
ハーモニクス
「ハーモニクス」は主に5フレットや7フレット、12フレットに指を軽く当て、ピッキングと同時に指を離すことで、弦の倍音を出すテクニックです。
楽譜では、音符がひし形で表され、該当する範囲には「Harm.」と表記されます。
図のタブ譜なら3弦5フレットでハーモニクスの音を出しましょう。
ブラッシング
「ブラッシング」とは、弦を押さえず、手のひらで軽く弦に触れた状態で複数の弦を同時に弾くことです。
楽譜やタブ譜では「×」と表記され、数字や音符のかかれた横に「×」が書かれますが、実際には全ての弦や周りの弦もまとめてブラッシングします。
図のタブ譜であれば、3弦と4弦の5フレットを通常通り弾いた後、左手を弦に軽く当てて2回ブラッシングしましょう。
ミュート
ブラッシングと同じように弦に軽く触れた状態で、単音を弾く場合は「ミュート」といいます。
図のように「M」や「mute」と表記されている場合は、右手の小指側の側面をブリッジ部分に当て、軽くミュートする「ブリッジミュート」を表しています。
図のタブ譜であれば、4弦2フレットと5弦開放弦を通常通り弾き、3回ミュートして弾きましょう。
ライトハンド / タッピング
ピッキングをせず、ハンマリングのように右手でフレットをタッピングする奏法を「ライトハンド/タッピング」といいます。
楽譜やタブ譜には「RH」と表記されます。
基本的に、ハンマリングやプリングと組み合わせて使われるため、「H」や「P」といった記号と併用されます。
図のタブ譜であれば、左手で3弦5フレットと3弦7フレットをハンマリングで弾いた後、右手で3弦9フレットをタッピングしましょう。
ギター初心者はまずTAB(タブ)譜を読めるようになろう!音符が苦手な人は曲を聴きながら学ぶのもおすすめ
「曲をコピーしてみよう!」と意気込むギター・ベース初心者は、まず簡単に読めるタブ譜から挑戦するのがおすすめです。
タブ譜は直感的でわかりやすいので、五線譜に苦手意識がある人でも楽に練習することができますよ。
曲によっては難しいテクニックや記号が出てくるため、わからない記号があればその都度調べてみましょう。
練習を重ねるうちにタブ譜をすらすらと読めるようになり、五線譜にも挑戦できるはずですよ。
この記事のまとめ!
- ギターの楽譜には五線譜・コード譜・タブ譜など、種類がある
- 五線譜は他の楽器でも用いられ、コード譜やタブ譜はギター用に簡易化されている
- 五線譜は初心者には難しいため、まずはタブ譜で楽譜に慣れるのがおすすめ
- タブ譜にはギター特有のテクニックを表す記号があるため、覚えておくと便利