音楽スキルの向上にはギタースケールの知識が必須だと思うけれど、何から覚えるべきか分からないという人も多いのではないでしょうか?
種類が多いだけでなく、理論知識も必要なため難しく感じますが、構造や響きに注目して覚えれば誰でも弾きこなせるようになりますよ。
この記事のもくじ
ギタースケールとは
ギタースケールとは、1オクターブ内の音を特定の順番で並べたものです。
使う音の数や種類、並べ方によってサウンドが変化するのが特徴で、音が1つ違うだけでも違った響き方をします。
アドリブや作曲で使われることが多く、使い方次第ではアレンジやコード理論などにも応用できますよ。
基本のテクニックやコードよりも習得が難しいですが、ギターや作曲の幅を広げてくれる便利なツールです。
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ギタースケールの種類一覧
ギタースケールの種類は色々なジャンルで使われる定番音階から、独特な響きで現代的な音楽に使われるタイプ、民族音楽寄りの音階まで、とても幅広いです。
全てを覚えるのは難しいですが、基本的な音階と定番のコード進行で使えるものから練習すれば簡単です。
好みに合わせて覚える数を増やしていくと、幅広いアプローチができるようになりますよ。
次は、ギタースケールの種類を、使用頻度が高いものを中心に紹介します。
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メジャースケール
「メジャースケール」は、初心者から上級者まで幅広いギタープレーヤーが使う、基本のギタースケールです。
モードというスケール理論では「イオニアン(アイオニアン)スケール」、日本語では「長音階」と呼びます。
クセのない明るい響きが特徴で、ジャンルを選ばずに使用できるため、初心者にもおすすめのギタースケールです。
ペンタトニックスケール
ギターと相性が良い、5音構成のスケールが「ペンタトニックスケール」です。
明るい雰囲気の「メジャーペンタトニック」、ロックな響きの「マイナーペンタトニック」の2種類があります。
ギターの基本スケールとして有名ですが、ブルーノートの♭5thを足してブルース風の雰囲気にする、他のスケールを想定して弾くなど色々な使い方ができるのが特徴です。
ドリアンスケール
「ドリアンスケール」は、メジャースケールを第2音から弾き始めたものと同じ並びのギタースケール。
♭3rdを持つマイナースケールの仲間で、明るさと浮遊感のある響きが印象的な6thの音が特徴音です。
ジャズ・フュージョンと相性が良いだけでなく、ハードロックやファンクなどのジャンルでも使える万能スケールです。
ホールトーンスケール
フランスの音楽家ドビュッシーの使用が有名で、ジャズや現代音楽を中心に使用されているスケールが「ホールトーンスケール」です。
augやaug7、7(♭13)コードなどで使うのが主な活用方法。
全ての音が全音の間隔で並んでいて、5度が半音上がった増5度を持つ「オーギュメントトライアド」を含んでいるため、強い浮遊感があります。
ギターでは指を広げるフォームになりやすいので、少し弾きにくいですが上手く使うと個性的なプレイができるスケールです。
フリジアンスケール
メジャースケールを第3音から始めた、クセの強い響きが魅力のスケールが「フリジアンスケール」です。
マイナーコードやマイナーセブンスコード上で使えるマイナースケールの仲間で、特徴音はダークで不協和音的な響き方をする♭2nd。
ロックでは使われませんが、フラメンコや現代ジャズ、フュージョンのサウンドには欠かせないスケールなので、これらのジャンルが好きな人は覚えておきましょう。
ロクリアンスケール
「ロクリアンスケール」は、マイナーセブン♭5コード上で使えるスケールです。
音の並びはメジャースケールを第7音から弾き始めたものと同じで、クセが強いサウンドの♭5thや♭9thを含んでいるのが特徴。
シンプルなロックでは使わないスケールですが、転調の多いジャズやポップス、クールな雰囲気のR&Bではよく使われています。
オルタードスケール
ジャズやフュージョンの定番スケールとして知られているのが「オルタードスケール」です。
メロディックマイナーを7度から始めたもので、3rdと♭7thの間隔が減5度のトライトーンになっているほか、不安定な響きの♭9や#9、#11、♭13をテンションに持っています。
ドミナントセブンスコードをより不安定にしたいときに使われる、不協和音的な響きのギタースケールです。
コンビネーションオブディミニッシュスケール
「コンビネーションオブディミニッシュスケール」は、ドミナントセブンスコード上でよく使われる不安定な響きを持ったスケールです。
半音違いのディミニッシュセブンコードを2つ組み合わせた構造で、音の間隔が「半・全・半・全・半・全・半・全」と規則的。
オルタードと似た構造ですが、♮6thと5thを含んでいるため、やや浮遊感のある響き方をしますよ。
メジャーコードに解決するⅤ7上で使うのが定番で、マイナーで使うとアウト感を演出できるギタースケールです。
リディアンスケール
メジャースケールの第4音から弾き始めたスケールが「リディアンスケール」です。
メジャーセブンスコード上で使える音階で、#4というメジャースケールにはない浮遊感のある音を含むのが特徴。
ジャズ・フュージョン系のギタリストが好んで使うほか、スティーヴ・ヴァイやジョー・サトリアーニなどのインスト中心のロックギタリストも使っているギタースケールです。
ミクソリディアンスケール
「ミクソリディアンスケール」はドミナントセブンス上で使える、クセの無い響きが魅力のギタースケールです。
メジャースケールの第5音から始めた音階で、メジャースケールの7度を半音下げた構造になっています。
ブルースやロックだけでなく、ポップスやジャズ、R&Bなど色々なジャンルで使われている使用頻度が高いスケールです。
リディアン7thスケール
メロディックマイナースケールの第4音から弾き始めた、ドミナントセブンスコード上で使えるギタースケールが「リディアン7thスケール」です。
「リディアン♭7」と呼ばれることもある音階で、リディアンスケールの7度を♭7にした構造を持ちます。
半音下のコードに解決するときに使われる♭Ⅱ7、Ⅱm7の直前に挿入されるⅡ7など、おしゃれなポップスやジャズで見かけるコードで使える便利なスケールです。
ナチュラルマイナースケール
「ナチュラルマイナースケール」は、ロック系のジャンルで良く使われる定番のギタースケールです。
メジャースケールの第6音から始めたもので、モードに当てはめたときの名前はエオリアンスケールとなります。
マイナー特有のダークな響きを持ちつつも、シンプルな響きであるためギター初心者でも気軽に使えるスケールです。
ハーモニックマイナースケール
バロック期のクラシック音楽のような、独特な響きを持っているのが「ハーモニックマイナースケール」です。
ナチュラルマイナースケールの7度を半音上げた音階で、マイナーメジャーセブンスコードやマイナーコード上で使えます。
メタルの速弾きで使われるほか、クラシックやジャズ、ポップスなど色々なジャンルで使われているスケールです。
メロディックマイナースケール
「メロディックマイナースケール」は、ジャズやポップスで良く使われているマイナー系のスケールです。
メジャースケールの3度を半音下げただけのメジャー寄りな構造のため、他のマイナー系音階よりも明るいサウンドになっています。
使えるコードはマイナーメジャーセブンスやマイナーコード、マイナーシックスコードなど。
使い方が少し難しい音階ですが、定番スケールをマスターした人はぜひ挑戦してみてくださいね。
ギタースケールの覚え方や練習のコツ
好みのサウンドのスケールを見つけたら、次は実際にギターを弾いたり、分析したりしながら理解を深めていきましょう。
楽曲の練習と比べると少し地味な作業ですが、継続していけば自由にアドリブや作曲ができるようになって、音楽をもっと楽しめるようになりますよ。
次は、ギタースケールの覚え方や練習のコツを紹介するので、ぜひ練習に役立ててみてくださいね。
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指板のポジションを覚える
ギタースケールは指板のポジションとリンクさせて覚えるのがおすすめです。
もちろん、音名や場所を覚えることも重要ですが、形から覚えることでキーやコードが変わっても対応しやすくなります。
ポジションにもいくつか種類がありますが、ギター初心者には指板上の音の並びを5分割した「5ポジション」がおすすめ。
各ポジションがローコードのCやD、G、バレーコードのFやBに対応した形になっているので、基本コードと関連付けて覚えられるでしょう。
慣れてきたら、1本の弦で3音弾く「スリーノートパーストリングス」や、横に広がるフォームを練習すると演奏の幅が広げられます。
5線譜で各スケールの違いを理解する
スケールの特徴を覚たい場合には、5線譜で違いを理解する方法がおすすめです。
メジャー系の音階であればメジャースケール、マイナー系ならナチュラルマイナースケールと比較すると、違いが分かりやすくなります。
音階の特徴音も一緒に理解できるので、アドリブ演奏や作曲のアイディアにすることもできますよ。
ベース音とテンションの関係も一目で分かるようになるため、コードの音を考える「ボイシング」にも応用できるなど、音楽の基礎力向上にピッタリの練習方法です。
度数を理解する
スケールの響きをより深く理解するためには、構成音の度数を把握しておくのが効果的。
度数とはトニック(ルート音)から各音までの距離を表す言葉で、オクターブ内であれば1~7の数字を使って表現します。
テンション系の音を表現する場合に使われるのが、2度のオクターブ上の9、4度と同じ音名の11、6度と同じ13の合計3つです。
各構成音の度数が分かれば、スケールを規則的に理解できるようになるほか、キーが変わってもポジション内の音を見分けやすくなります。
特徴音を活かしたフレージングができるようにもなるので、フレーズや響きにこだわりたい人はぜひ試してみてくださいね。
声に出して練習し音程を覚える
アドリブや作曲でスケールを使いこなしたい人には、声に出して音程を覚える練習がピッタリです。
指板の音と脳内イメージをリンクさせることができる練習で、慣れてくるとギターのアドリブも鼻歌感覚でできるようになります。
音に対する感覚も鋭くなるので、耳コピのスピードや精度が上がるのもポイント。
楽器をあまり使わない練習は物足りないと感じるかもしれませんが、効果は絶大なので毎日少しずつ取り組んでみてはいかがでしょうか。
ギターのスケール練習アプリ
ギターのスケール練習をより楽しく、効率的にしてくれる頼もしい存在「スマホアプリ」。
ゲーム感覚で練習できるアプリや、教則本レベルの内容を手軽に学べるアプリなど、ハイクオリティなものが増えているので初心者にもおすすめですよ。
最後にギターのスケール練習に役立つアプリを紹介するので、ぜひインストールして使ってみてくださいね。
ギタトレ
「ギタトレ」は、島村楽器がリリースしているギター練習のサポートアプリです。
App StoreとGoogle Play Storeの両方で配信されてるので、スマホの機種を気にせず使えます。
基本的なスケールを音楽ゲーム感覚で学べる「アドリブ練習モード」を搭載しているのが特徴。
ほかにも、コード練習にピッタリな「ライブモード」や、スキルチェックができる「検定モード」、チューナーなど、ギター練習に役立つ機能が満載のアプリです。
PhraseStock Lite
「PhraseStock Lite」は、スケールやギターフレーズの練習に特化した無料のiOS向けアプリです。
有料版より練習フレーズが少ないですが、その他の機能は同じなので基本的なスケール練習までは十分に対応できます。
日本の企業が開発しているので、自然な日本語表記になっているのもポイント。
ギター初心者には少し難しい内容が多いかもしれませんが、演奏のヒントや便利な機能が豊富なアプリなので、気になる人はぜひ試してみてくださいね。
ギタースケールを覚えてアドリブに挑戦!アプリを活用して練習しよう
ギタースケールは、アドリブやコードボイシング、作曲の幅を広げてくれる便利なツールです。
基本音階から派生スケールまで弾けるのが理想ですが、メジャースケールやペンタトニックスケール、ナチュラルマイナースケールを覚えるだけでも十分に音楽を楽しめますよ。
まずはアプリを活用して音の並びや響きを覚え、簡単なコード進行でアドリブに挑戦して、フレーズ作りを楽しんでみましょう。
慣れてくると、複雑な曲を弾いたり、作曲に応用したりできるようになるので、楽しみながら練習を続けてみてくださいね。
この記事のまとめ!
- ギタースケールは1オクターブ内の音を、特定のルールに沿って並べたもの
- メジャースケールやペンタトニックスケール、ナチュラルマイナースケールは色々なジャンルで使える初心者向け
- 派生スケールや規則的な並びのスケールは独特な響きを持っている
- ギタースケールは音の位置と構造、響きに注目して覚えるのがおすすめ
- ギタースケール練習の手助けをしてくれるアプリもある