ヒップホップをこれから聴き始めたい方に向けて、厳選した名曲18選をご紹介します。
洋楽・邦楽の有名ヒット曲から隠れた神曲、カラオケで盛り上がる曲まで、初心者でも楽しめるラインナップをセレクト。

この記事のもくじ
ヒップホップの名曲|洋楽5選
ヒップホップの歴史を彩る洋楽の名曲は、ビートやフロー、そしてリリックの魅力が詰まっています。
今回は初心者にも聴きやすく、ヒットソングとしても知られる定番から、今なお支持される伝説的トラックまで幅広くセレクトしました。
まずはこの5曲から、洋楽ヒップホップの世界を体感してみてください。
HUMBLE./Kendrick Lamar
現代ヒップホップシーンのキングと称されるラッパー、Kendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)。
彼が2017年にリリースした「HUMBLE.」は、ヒップホップの枠を超えて世界的な大ヒットを記録した一曲です。
強烈なピアノのループと硬質なビートが印象的なこのトラックの上で、Kendrickは圧倒的なスキルとカリスマ性を見せつけます。
歌詞では、現代社会に蔓延る偽物や見せかけの謙虚さを痛烈に批判し、力強くラップで訴えるのは「謙虚になれ」。
サウンドは中毒性が高く、ヒップホップ初心者でもすぐに虜になるキャッチーさがあります。
音楽界最高の栄誉の一つであるグラミー賞を受賞したこの楽曲は、彼の代表曲であり、2010年代のヒップホップを語る上で欠かせません。
Lose Yourself/Eminem
ヒップホップをあまり聴かない人でも、この曲のイントロには聴き覚えがあるかもしれません。
Eminem(エミネム)の「Lose Yourself」は、映画『8 Mile』の主題歌であり、ヒップホップ史上初めてアカデミー歌曲賞を受賞した歴史的な名曲です。
静かなギターリフから始まり、徐々に熱を帯びていくドラマチックな展開は、リスナーの心を鷲掴みにします。
歌詞では、ラッパーとして成功を夢見る主人公の葛藤や決意が描かれており、逆境に立ち向かう全ての人々への応援歌として、今なお世界中で愛され続けています。
エミネムの代名詞である、感情を爆発させるようなラップはまさに圧巻の一言です。
Juicy/The Notorious B.I.G.
90年代の東海岸ヒップホップを象徴する伝説のラッパー、The Notorious B.I.G.(ザ・ノトーリアス・B.I.G.)、通称ビギー。
彼のデビューアルバムに収録された「Juicy」は、ヒップホップ・ドリームを体現したアンセムとして知られています。
Mtumeの名曲「Juicy Fruit」をサンプリングした心地よいトラックの上で、自身の貧しかった過去からスターダムにのし上がるまでの道のりを、生き生きとしたリリックで描いています。
彼のラップは、まるで情景が目に浮かぶような語り口と、重量感がありながらも滑らかなフロウ(節回し)が魅力です。
Still D.R.E. ft. Snoop Dogg/Dr. Dre
1999年にリリースされた「Still D.R.E.」は、Dr. Dre(ドクター・ドレー)とSnoop Dogg(スヌープ・ドッグ)による歴史的コラボレーション曲です。
一度聴いたら忘れられない象徴的なピアノのメロディと、シンプルで洗練されたビートは、Gファンクと呼ばれるスタイルを象徴しています。
20年以上前の楽曲でありながら、そのかっこよさは全く色褪せることがなく、スーパーボウルのハーフタイムショーでも披露され再注目を浴びました。
ドライブのBGMにも最適な、ヒップホップ史に残る西海岸ヒップホップの代表曲として、今なお高い人気を誇ります。
In Da Club/50 Cent
2000年代初頭のヒップホップシーンを語る上で、50 Cent(フィフティ・セント)の存在は欠かせません。
Dr. DreとEminemという二大巨頭に見出された彼が、ヒップホップシーンに衝撃を与えたのがこの「In Da Club」です。
Dr. Dreが手がけた強烈なビートは、クラブで鳴り響くことを想定して作られており、聴く者の体を自然と揺らします。
「In Da Club」は「Go shorty, it's your birthday」というキャッチーなフックはあまりにも有名で、誕生日パーティーの定番ソングとしても定着。
50 Centの少し気だるげで、しかし力強いラップスタイルがトラックと見事に融合し、世界的な大ヒットを記録しました。
ヒップホップの名曲|邦楽5選
日本のヒップホップシーンには、独自の進化を遂げた魅力的な楽曲が数多く存在します。
90年代から2000年代にかけて日本のヒップホップ黎明期を支えた名曲から、ジャンルの垣根を超えて多くのリスナーに愛された楽曲まで、邦楽ヒップホップの奥深さを感じられる5曲をセレクトしました。
日本語ラップの魅力や、和のテイストを取り入れた独自のビートワークなど、日本発のヒップホップカルチャーの魅力を存分に味わえる作品ばかりです。
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人間発電所/BUDDHA BRAND
1996年にリリースされた「人間発電所」は、日本のヒップホップシーンを代表するグループBUDDHA BRANDの代表曲です。
ソウルミュージックを巧みにサンプリングした哀愁漂う美しいトラックの上で、唯一無二の言葉選びと独特のリズム感(フロウ)で聴く者を圧倒します。
当時の常識を打ち破る自由なラップスタイルは、後のアーティストたちに計り知れない影響を与えました。
日本語ラップの芸術性を高めた先駆的存在として、時代を超えて輝き続けており、初心者から上級者まで幅広く楽しめる名曲です。
Grateful Days/Dragon Ash
1999年にリリースされ、音楽シーンに社会現象を巻き起こしたのが、Dragon Ashの「Grateful Days」。
ロックとヒップホップを融合させたミクスチャー・スタイルを確立した彼らが、ZeebraとACOを迎えたこの曲は、オリコンチャートで1位を獲得。
希望に満ちたメロディアスなサウンドと「感謝」をテーマにしたポジティブなリリックは、多くの人々の心を掴みました。
ヒップホップの持つメッセージ性と、J-POPの持つキャッチーさが見事に融合したこの楽曲は、日本の音楽史に残る名曲であり、多くの初心者にとってヒップホップへの入り口となった一曲と言えるでしょう。
NITRO MICROPHONE UNDERGROUND/NITRO MICROPHONE UNDERGROUND
「NITRO MICROPHONE UNDERGROUND」は、グループ名であり、彼らの存在をシーンに知らしめた楽曲のタイトルでもあります。
当時すでにシーンで活躍していた、8人の実力派ラッパーが集結したドリームチーム。
彼らの名刺代わりとなるこの曲は、重厚で緊張感あふれるビートの上を、8人の個性的なラッパーが次々とマイクを回していくスタイルが圧巻です。
一人一人が放つ強烈なキャラクターとスキルのぶつかり合いは、まさにヒップホップの醍醐味。
ストリートのリアルな空気を凝縮したこの楽曲は、日本のヒップホップシーンに衝撃を与え、彼らを一躍スターダムへと押し上げました。
蜂と蝶/SOUL SCREAM
90年代の日本語ラップシーンにおいて、ひときわクールで知的な存在感を放っていたのがSOUL SCREAMです。
彼らの代表曲である「蜂と蝶」は、DJ CELORYが作り出すジャジーで洗練されたトラックが心地よい一曲。
攻撃的なイメージが強いヒップホップとは一線を画す、メロウで落ち着いた雰囲気がこの曲の魅力です。
モハメド・アリのボクシングスタイル「蝶のように舞い、蜂のように刺す」をオマージュしており、情景が目に浮かぶような巧みなリリックと滑らかなフロウは、じっくりと歌詞を味わいたいリスナーにぴったり。
夜に一人で聴きたくなるような、大人の魅力に満ちた日本語ラップのクラシックです。
今夜はブギー・バック小沢健二 feat. スチャダラパー
「今夜はブギー・バック」はヒップホップ初心者にとって、最も親しみやすい一曲。
1994年にリリースされたこの曲は、渋谷系を代表するミュージシャン小沢健二と、ユーモアあふれるラップが魅力のヒップホップグループ・スチャダラパーによる画期的なコラボレーションでした。
軽快でポップなギターカッティングに乗せて、日常を切り取ったようなスチャダラパーのラップが心地よく展開されます。
このJ-POPとヒップホップの融合は、当時の音楽シーンを驚かせ、大ヒットを記録。
現在に至るまで数多くのアーティストにカバーされ、世代を超えて愛されるパーティーアンセムとなっています。
ヒップホップの楽しさが詰まった、色褪せることのない名曲です。
ヒップホップの名曲|隠れた神曲3選
ヒットチャートを賑わせた曲だけがヒップホップの魅力ではありません。
コアなファンの間で高く評価される隠れた神曲こそ、このジャンルの奥深さを体感できる宝物です。
ここでは、メインストリームで大きく取り上げられることは少なかったものの、その芸術性や表現力、メッセージ性において第一級の評価を受ける3曲をご紹介します。
ぜひこうした隠れた神曲にも耳を傾け、ヒップホップの多様な表現の世界を楽しんでみてください。
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Where I'm From/JAY-Z
ヒップホップ界のキングとして君臨し、音楽ビジネスの世界でも絶大な成功を収めたJAY-Z(ジェイ・Z)。
彼の華やかなイメージとは一味違う、ラッパーとしての原点と凄みを感じられるのがこの「Where I'm From」です。
この曲で彼が描くのは、自身が育ったニューヨーク・ブルックリンの過酷なストリートの現実。
派手なサウンドを排したダークで緊張感のあるトラックの上で、JAY-Zは冷静かつ鋭い言葉で、自身のルーツを誇り高くラップします。
彼のラップからは、ただの自慢話ではない、厳しい環境を生き抜いてきた者だけが持つリアリティとハングリー精神が伝わってきます。
Morris Brown (feat. Scar & Sleepy Brown)/Outkast
「Morris Brown」は、実力派デュオOutkast(アウトキャスト)が2006年に発表したアルバム『Idlewild』に収録された楽曲。
曲名はアトランタにある歴史的な黒人大学「Morris Brown College」に由来し、南部の伝統と文化への敬意が込められています。
Outkastならではの実験的かつソウルフルなアプローチが光り、マーチングバンドのブラスセクションを取り入れた明るく躍動感のあるサウンドが特徴的です。
ゲストにはScarとSleepy Brownが参加し、多彩なボーカルが見事に融合。
ヒップホップの多様な表現の幅を知る上で貴重な一曲であり、ジャンルの奥深さを感じさせてくれます。
2nd Childhood/Nas
2001年にリリースされたNas(ナズ)の「2nd Childhood」は、彼の名盤「Stillmatic」に収録された楽曲。
メインストリームでは大きく取り上げられなかったものの、その詩的な表現力と鋭い社会観察から、多くのヒップホップヘッズから高い評価を受ける隠れた名曲です。
DJ Premierが手掛けたソウルフルかつノスタルジックなビートの上で、Nasは成長できない大人たちの「第二の子供時代」という概念を通じて、都市の貧困と社会問題を鋭く描写しています。
派手さはありませんが、聴き込むほどに味わいが増す、文学的な香りに満ちた一曲です。
ヒップホップの名曲|カラオケで歌いたい曲5選
カラオケでヒップホップを楽しみたい方にぴったりの選曲をご紹介します。
テレビやラジオで話題になった人気曲から、フロウが比較的掴みやすい曲まで、初心者でも挑戦しやすい楽曲を厳選しました。
日本語ラップは英語と違い、私たち日本人にとって言葉の壁がないため、カラオケでも表現しやすいのが魅力です。
自分で歌ってみることで、さらにヒップホップの魅力を深く知ることができるでしょう。
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doppelgänger/Creepy Nuts
今や国民的な人気を誇るヒップホップユニット、Creepy Nuts。
彼らの楽曲の中でも、特にカラオケでの挑戦意欲を掻き立てられるのが「doppelgänger」です。
ラッパーのR-指定による、超絶的なスキルが詰め込まれた高速ラップは圧巻の一言。
全てを完璧に歌いこなすのは至難の業ですが、だからこそ挑戦する楽しさがあり、歌いきると爽快感も格別でしょう。
DJ松永が作り出すキャッチーなトラックと、メロディアスで覚えやすいサビは、ラップに自信がない人でも一緒に盛り上がれます。
Rep feat. MACCHO/ZORN
ZORNの「Rep feat. MACCHO」は、ヒップホップシーンで絶大な支持を集める実力派MC同士のコラボ楽曲。
地元や仲間への愛を熱く語る叙情的なリリックと、力強いビートが心に響きます。
MACCHOの独特な低音とZORNのリアルな言葉が交錯するバイブスは、カラオケで披露すれば盛り上がること間違いなし。
初心者にもトライしやすいフロウと親しみやすいメロディで、思いきり気持ちを込めて歌ってみてください。
BUDS MONTAGE/舐達麻
独特の存在感でシーンに衝撃を与え続ける舐達麻。
彼らの代表曲の一つである「BUDS MONTAGE」は、カラオケで独特の「チル」な空気感を作り出したい時にぴったりの一曲です。
シンプルながら重厚感のあるビートと、淡々としたフロウが特徴的で、ストリート感あふれるリリックで描く等身大の生き様や日常が、リアルなヒップホップの雰囲気を醸し出しています。
高速ラップが少ないため、初心者でも挑戦しやすく、仲間と一緒に歌うと独特の一体感を楽しめます。
なんでも言っちゃって (feat. JP THE WAVY)/LEX
新世代のアイコンとして絶大な支持を集めるLEX。
彼が同じくシーンの人気者JP THE WAVYとコラボしたこの曲は、ヒップホップの楽しさが詰まったポップなパーティーチューンです。
オートチューンがかったメロディアスなボーカルは、歌とラップの中間のようなスタイルで、ラップ初心者でも非常に親しみやすいでしょう。
「なんでも言っちゃって」というキャッチーなフックは、一度聴いたら誰もが口ずさめるはず。
カラオケでこの曲を入れれば、明るい雰囲気で場が盛り上がること間違いありません。
美人/ちゃんみな
圧倒的なパフォーマンスとセルフプロデュース能力で輝きを放つ、ちゃんみな。
「美人」は、世の中の美の基準に対して力強いメッセージを投げかける、彼女の代表曲です。
この曲の魅力は、ラップと歌唱が高次元で融合している点。
感情を剥き出しにするようなラップパートから、美しいメロディを歌い上げるパートへのドラマチックな展開は、歌っていて非常に気持ちが良いです。
特に女性が歌うと、そのかっこよさは格別。
歌詞に共感しながら、内に秘めた思いを解放するように歌い上げてみましょう。
ヒップホップの名曲に触れて、ストリートカルチャーの奥深さと面白さにハマってみよう
今回は、洋楽・邦楽のヒットソングから隠れた神曲まで、ヒップホップの世界への入り口となる18曲をご紹介しました。
力強いメッセージを持つ曲、仲間との絆を歌う曲、ただ純粋に体を揺らしてくれるパーティーチューンまで、その表現の幅広さと奥深さを感じていただけたのではないでしょうか。
この記事をきっかけに、気になったアーティストの他のアルバムを聴いたり、関連するラッパーを掘り下げてみたりと、自分だけのお気に入りを探してみてください。
きっとあなたの音楽ライフを、より一層豊かにしてくれるはずです。
この記事のまとめ!
- ヒップホップは洋楽・邦楽ともに名曲・ヒットソングが豊富で、初心者でも楽しめる定番から隠れた神曲まで幅広い魅力がある
- 名曲に触れることで、リリックやビート、ストリートカルチャー、アーティストの個性などヒップホップの奥深さを体験できる
- カラオケでも盛り上がる日本語ラップや人気曲が多く、友人と一緒に楽しむことでヒップホップのバイブスを感じやすくなる
- 自分なりの好きな曲やアーティストを見つけながら、ヒップホップの世界を気軽に深く楽しんでみよう