指板のメンテナンスに役立つアイテムとして有名なのが、楽器用のレモンオイルです。
主にギターのコンディションを保つために使われているもので、多くのギタリストやリペアマン、メーカーのギター職人から愛用されています。
この記事のもくじ
ギターにレモンオイルはよくない?
ギターにレモンオイルはよくないという情報が、ここ数年ネットを中心に出回っています。
しかし、科学的な根拠もハッキリしておらず、論文なども発表されていないため、詳しいことは分かっていません。
MartinやShurなどは悪影響があるとメンテナンスに関するページで発表していますが、メーカーや工房によってはおすすめしている所もあるなど見解は様々です。
基本的には汚れを落とす効果に加え、指板を保湿する効果もあるので、高品質なものを選んで正しい使い方を心がけていれば、楽器にもプラスの効果が期待できるでしょう。
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ローズウッド・エボニー向き
レモンオイルは主に、塗装がされていないローズウッド・エボニー材に使う道具です。
これらは木材がむき出しの状態になっているため、、非塗装面に使用でき、保湿効果もあるレモンオイルの方がエレキギター用のポリッシュよりも適しています。
一方、塗装がされているメイプル指板にはオイルは不要なので、間違って使ってしまうと塗装に悪影響が出てしまうので注意が必要です。
同じローズウッド材でも、Rickenbackerの指板やアコギのボディのように塗装されたタイプもありますが、こちらもメイプル指板と同じくオイルは必要ありません。
このように、使える材質が限られたオイルなので、使用前に必ず材質や塗装の有無を確認しておきましょう。
指板やブリッジのクリーナー専用
非塗装の指板や、アコギ用の木材でできたブリッジのクリーナーとして使うのが、基本的なレモンオイルの使い方です。
金属パーツや弦に使ってしまうと、サビやくすみの原因となってしまいます。
また、ラッカー塗装のボディに使ってしまうと塗装が割れたり、溶けたりしてしまうので使わないようにしましょう。
ボディがオイルフィニッシュの場合は、レモンオイルを使って保湿をする場合もありますが、使用前にはリペアマンや楽器店の店員さんに相談するのがおすすめです。
レモンオイルとオレンジオイルの違い
レモンオイルと似た商品として知られているのが、オレンジオイルです。
両者は価格帯やパッケージ、使い方などが似ていますが、効果や液体の状態が微妙に違っていますよ。
レモンオイルはサラッとした液体でクリーナー向き、オレンジオイルは粘度が高く保湿向きという特徴があります。
プロのギタリストやリペアマンの中には使い分けている人もいますが、大きな差はないため簡単なメンテナンスに使いたいなら、匂いや使い心地で選ぶのがおすすめです。
保湿に関してはBIGBENDSの「FRET BOARD JUICE」のようなミネラルオイルもよく使われるので、保湿のみをしたい人はミネラルオイルを選んでも良いでしょう。
レモンオイルの使い方は?
レモンオイルをギターに塗る前に、まず基本的な使い方をマスターしておきましょう。
弦交換をするときに塗るだけというイメージが強いですが、他にもいくつかポイントがあります。
このポイントを押さえて塗るだけでも、ギターに優しくオイルの効果をフルに発揮できるメンテナンスになりますよ。
次は、レモンオイルの基本的な使い方やを紹介します。
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クロスにオイルを垂らす
レモンオイルは指板やブリッジに直接塗るのではなく、クロスに染み込ませて使いましょう。
一度クロスに付けてあげるとオイルの使用量を抑えられ、ギターに優しいケアができるようになりますよ。
適量は1~2滴ほどで、拭いた後にすぐにオイルが目立たなくなる程度を目安にします。
少ないと感じるかしれませんが十分に効果があり、塗りすぎのリスクも回避できるので、ぜひ試してみてくださいね。
満遍なく指板を拭く
クロスにレモンオイルを染み込ませたら、次は満遍なく伸ばしていきます。
指板に使う場合はフレット間の中央部分から、フレットの際まで丁寧に伸ばしていきます。
ブリッジの場合も同様に、全体をバランスよく拭いていきましょう。
このときに、強くこすりすぎてしまうと指板が傷んでしまう場合があるので、できるだけ優しく拭きます。
汚れが気になる場合は、使わなくなったプラスティックのポイントカードや歯ブラシなどで優しくこすって落とすと良いですよ。
しっかりと乾かす
レモンオイルを塗り終わったらそのままの状態で10分程度置いて、保湿効果を高めたり、汚れを浮かせたりしていきます。
その後、別のクロスや、オイルを塗る時に使ったクロスの乾いた部分などで余った油分を拭き取り、しっかりと乾かしていきましょう。
全体を乾拭きした後に、しばらく置いてベタベタした感触がなくなったら、弦を張って演奏しても大丈夫ですよ。
レモンオイルをギターに使うときの注意点は?
レモンオイルはギターの保湿やクリーニングに役立つ商品ですが、注意点もいくつかあります。
この注意点を意識せずに使ってしまうと、ギターの状態が悪くなったり、演奏に支障が出たりするので必ず把握しておきましょう。
使い方の次は、レモンオイルをギターに使うときの注意点を紹介しするので、ギターのコンディションを良くしたい人は参考にしてみてくださいね。
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量が多いとフレット浮きに
レモンオイルの塗りすぎは、フレット浮きの原因になってしまいます。
これは指板がオイルを吸い込みすぎて膨張してしまい、フレットが打ち込まれたスキマも狭くなることで起こるトラブルです。
浮き上がってしまうと、音程が悪くなるばかりか、フレットが抜け落ちてしまい演奏できなくなる場合もありますよ。
他にも指板がもろくなる、ネックが反るなどのトラブルが起こる場合もあるので、レモンオイルの使用は適量を心がけるようにしましょう。
頻繁には使わない
レモンオイルの使用頻度は保存状態の良いギターなら年に1~2回、乾燥や汚れが気になるなら季節ごとに1~2回ほどの手入れがベストです。
これ以上の頻度で使っていると、塗りすぎと同じく指板に悪影響が出てしまいますよ。
また、湿度の多い梅雨や真夏などに塗ると逆効果になる場合もあります。
指板がキレイになるのでつい使ってしまうものですが、ギターの状態や湿度をこまめにチェックし、必要なときだけ使うのがポイントです。
おすすめのレモンオイル
Freedom Custom Guitar( フリーダムカスタムギターリサーチ )/SP-P-11 Lemon Oil
Freedom Custom Guitarの「SP-P-11」はプロのリペアマン視点で作られた、クリーニング効果と保湿力に優れるレモンオイルです。
ワックス効果のある蜜蝋や数種類のオイルをブレンドして作られたオイルで、同メーカーの工房でメンテナンスをするときにも使われていますよ。
ギターへの害が少ない、天然由来の成分を中心に作られているので古いギターにも安心して使えるのもポイント。
また、通常タイプよりも粘度が高い液体になっているので、余分な水分をはじき、指板やブリッジの水分を適切にキープする効果があります。
クリーニングから保湿まで幅広く使える、高品質なレモンオイルです。
レモンオイルは塗り方に注意!ギターに塗るときは材質に合わせて塗りすぎないことが大切
レモンオイルは塗り方によって、プラスにもマイナスにもなるので基本の使い方を意識しながら使いましょう。
ポイントは、材質や塗装の有無をチェックして、塗りすぎないように量をセーブすることです。
ギターの状態によってはオイルが不要だったり、保湿をメインに行ったほうがいい場合もあるので、不安な場合は信頼できるリペアマンに相談してみるのもおすすめですよ。
レモンオイルを上手に使って、ギターのコンディションを向上させ、快適なギターライフを過ごしてみてくださいね。
この記事のまとめ!
- レモンオイルはギターによくないという噂もあるが、品質の良いものを正しく使えば悪影響は少ない
- レモンオイルは木材や塗装の有無、効果を確認してから使おう
- クロスに少量を付け、伸ばすように塗るのがレモンオイルの基本的な使い方
- レモンオイルによるトラブルを防ぐためにも、塗る量や頻度は少なめにしよう
- ギターには優しい材料で作られた、保湿力やクリーニング力に優れたレモンオイルがおすすめ