ルーパーの購入を考えているけど、機能や使い方が分からないので迷っているという人も多いのではないでしょうか?
難しいイメージはありますが、実際の操作はシンプルで、楽器初心者からアドリブ演奏ができる中上級者まで幅広いミュージシャンが楽しめる機材ですよ。
この記事のもくじ
ルーパーとは?
ルーパーとは音声の録音やループ再生ができる、音楽用の機材です。
楽器用エフェクターと似たルックスをしている機材で、主にギターやマイクなどを接続して使います。
複数の録音した音源を重ねられるので、自宅練習からライブでのパフォーマンスまで幅広く使えるのが特徴。
かつてはマイナーな機材でしたが、この機能を上手く使ったシンガー・ソングライターのエド・シーランの活躍により注目を集めています。
基本的に単体で販売されていますが、Line6のDL4やTC ElectronicのFlashback X4のようにルーパー機能を持ったディレイペダルも販売されていますよ。
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ルーパーの使い方
ルーパーの魅力は、1人でもアンサンブル(合奏)を楽しめることです。
DAWソフトを持っていない、バンド仲間と会えないという状況でも気軽に利用できるのがメリットで、楽器や歌の練習を楽しく、効率良くしてくれます。
また、スキル次第でライブでも披露できるようなハイレベルな演奏も可能なので、ソロライブや動画デビューを考えている人にもピッタリです。
次は、ルーパーの基本的な使い方や楽しみ方を紹介します。
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コードを録音して重ねてみよう
ルーパーを初めて使うという人は、まずコードを録音して重ねていって、自分好みのループを作ってみましょう。
好きな曲や自分で作ったコード進行を弾くのが定番で、コードが思い浮かばない人は「C・Am・Dm・G」のような循環コード(ループ可能な進行)を弾いても良いでしょう。
また、椎名林檎の「丸の内サディスティック」やYOASOBIの「夜に駆ける」のような、同じ進行を繰り返している曲はルーパーとも相性が良いので試してみてくださいね。
ある程度楽器の演奏に慣れている人は、1回目の録音と違った音域や弾き方のコードを重ねて、曲らしく仕上げていくという方法もおすすめです。
まずはジングルを作ってみよう
コードの重ね録りに慣れたら、次は「ジングル」を作るのがおすすめです。
ジングルとはラジオのタイトルコールやテレビのコーナーの最初に流れるような短い曲で、コードの上に単音や歌を重ねるだけで手軽に作れますよ。
ポイントは、ハードルを上げすぎずに楽しみながら録音することです。
慣れてくると作曲もスムーズにできるようになり、演奏や歌も上達するので気軽に挑戦してみてくださいね。
一人でセッションをしてみよう
ループ音源の作成をマスターしたら、録音したコード進行に楽器のアドリブソロを重ねて1人セッションをやってみましょう。
用意するものはアンプとルーパー、楽器、ケーブルだけなので、気軽にアドリブの練習ができます。
アドリブ演奏に不慣れな人はジングル作成のように、あらかじめ決めたメロディを弾くことからはじめ、部分的に変えながら演奏してみるとセッション気分を体験できますよ。
ジングル作成と同様に、楽しみながら作曲や演奏スキルを向上させられるので、初心者から上級者まで幅広いギタリストにおすすめの練習方法です。
ルーパーの機能
使い方の次はルーパーの基本機能を覚えて、具体的な操作方法をイメージしていきましょう。
複雑なパフォーマンスやエフェクトの多用などは慣れが必要ですが、基本機能はシンプルな操作で使用できるので、音楽の機材に不慣れな人でも簡単に使いこなせますよ。
次は、ルーパーの基本となる機能を紹介するので、購入を考えている人はぜひ参考にしてみてくださいね。
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スタート(Start)
ルーパーの「スタート(Start)」は録音を開始させるルーパーの基本機能です。
録音開始時にスイッチを押し、終了時にもう一度同じスイッチを押すだけと、シンプルな操作のみで使えるようになっています。
押すタイミングは小節の1拍目(1234と数えているなら1と同時)が基本と少しシビアになっているので、録音前にタイミング通りにスイッチを押す練習しておきましょう。
オーバーダブ(Over Dub)
「オーバーダブ(Over Dub)」は録音したループ音源の上に、新たに音を重ねるための機能です。
オーバーダビングという2回以上重ね録りを意味する言葉の略称で、ルーパーの機能以外もレコーディング用語としてもよく使われています。
やり方はスタートと同様にスイッチを押すだけとシンプルですが、こちらも小節の1拍目に押さないとズレてしまうのでタイミングを意識してみてくださいね。
プレイ(Play)
スタートやオーバーダブなどの録音機能を使わず、ループ音源と入力された音声の再生のみを行う機能が「プレイ(Play)」です。
プレイモード中に入力した楽器や声は録音されないため、作成したループ音源を使っての練習やパフォーマンスなどが自由にできます。
基本的に録音終了と同時に立ち上がるので、スイッチやボタンの操作なども不要です。
アンドゥ(Undo)
「アンドゥ(Undo)」は直前のオーバーダブを取り消せるルーパーの基本機能です。
主に演奏フレーズをミスしてしまった、スイッチのタイミングがズレてしまったときに使用します。
また、曲調に合わせて直前のオーバーダブを鳴らないようにするといった、一時的なミュート機能としての使い方もありますよ。
基本的に長押し操作が必要ですが、BOSS製品のように別売りフットスイッチで簡単に使えるモデルもあるので、ライブでの使用を考えている人はチェックしてみてくださいね。
リドゥ(Redu)
アンドゥで消したループ音源を復活させる機能が「リドゥ(Redu)」です。
イラストや文章の編集アプリの「元に戻す」機能と同じ感覚で使える機能で、間違ってオーバーダブを消してしまった場合や、ライブ中の雰囲気を変えたいシーンに使用します。
操作もアンドゥと同様で長押しが基本で、外付けのフットスイッチで素早く使えるモデルもありますよ。
低価格なおすすめルーパー
音楽初心者や気軽にルーパーを試してみたい人におすすめなのが、低価格帯のモデルです。
かつての低価格帯モデルは音質や機能がイマイチなものも多く、耐久性にも不安がありましたが、最近では高品質で使いやすいモデルがたくさんあります。
基本機能の次は、低価格帯のおすすめルーパーを紹介するので、ぜひ購入の参考にしてみてくださいね。
VOX / Lil’ Looper
VOXの「Lil’ Looper」はお手頃な価格ながらも、2つのループ回路を搭載し、複雑な演奏にも対応したルーパーです。
フットスイッチも2個付いているため、リドゥやアンドゥも回路ごとに行えるのが特徴。
最大録音時間は90秒とライトな使用には十分で、エフェクトやメトロノーム機能など便利な機能も多数備わっています。
電池とACアダプター両方で駆動できるため、自宅練習から屋外のパフォーマンスまで幅広く対応できるルーパーです。
TC Electronic / Ditto Looper
「Ditto Looper」はTC Electronicがギタリスト向けに開発した、ミニエフェクターサイズのルーパーです。
価格も1万円前後とお手頃ですが、24bitというレコーディングレベルの解像度で録音ができる高音質仕様になっています。
操作系統はツマミとスイッチのみとシンプルなので、ギター初心者でも気軽に使えるのもポイント。
録音時間も最大5分で録音の回数制限が無いなど、機能性も十分な操作性に優れたルーパーです。
BOSS / RC-1
「誰もが気軽に始められるルーパー」をコンセプトにBOSSが開発したルーパーが「RC-1」です。
フットスイッチと音量のツマミのみとシンプルな設計に加え、ループ状態を一目で確認できる円形のインジケーターを搭載しています。
また、本体表面にはインプットやアウトプットの説明に加え、停止やリドゥ、アンドゥの操作方法が記載されているという親切設計になっていますよ。
最大12分の録音やステレオの入出力、別売りのフットスイッチ用端子など機能面も充実した使いやすいルーパーです。
コンパクトなおすすめルーパー
エフェクターボードに入れて、サウンドのバリエーションを増やしたい人におすすめなのが、コンパクトなルーパーです。
サイズ感は低価格帯と同じですが、ワンランク上のモデルや機能面が充実したタイプ、個性派のモデルなどが揃っていますよ。
低価格モデルの次は、コンパクトサイズながらも、機能性と音質に優れたルーパーを紹介します。
BOSS / RC-3
「RC-1」の機能面をさらに充実させたルーパーがBOSSの「RC-3」です。
録音可能な時間は最大3時間と15倍ほど長くなり、ループ音源も99個まで保存できるようになっています。
入出力端子も充実し、ステレオのイン・アウトに加えフットスイッチ用端子、音楽プレーヤーの音を取り込めるAUX端子、PC接続用のUSB端子を搭載。
また、10パターンのリズムガイトも内蔵しているので、リズムを鳴らしながらの録音もできますよ。
BOSSのコンパクトエフェクターと同じサイズながらも、機能性に優れたルーパーです。
TC Electronic / DITTO X2 LOOPER
TC Electronicの「DITTO X2 LOOPER」は、同ブランドが販売するDitto Looperの機能面を充実させ、幅広いパフォーマンスに対応できるように改良したモデルです。
シンプル設計や高い音質はそのままに、ステレオの入出力が可能になっています。
また、録音やアンドゥ、リドゥが可能なLOOPスイッチに加え、特殊エフェクトのリバースや1/2倍速再生のオンオフ、ループの停止ができるFXスイッチを搭載。
加えてPCとUSB接続する機能を持つなど、使いやすさと機能性を両立したモデルです。
HOTONE / WALLY+
ミニエフェクターよりも一回り小さいボディに、多彩な機能を詰め込んだルーパーがHOTONEの「WALLY+」です。
ツマミはボリュームに加え、オーバーダブの速さを調節するテンポを搭載。
最大11トラックまで保存でき、ボディ上部の大きなノブを操作すると保存したトラックを簡単に呼び出せるようになっています。
また、24bit/44.1kHzというCD音質(16bit/44.1kHz)より優れた音質で録音できるのもポイントです。
コンパクトで機能性に優れたルーパーが欲しい人は、ぜひチェックしてみてくださいね。
BOSSのおすすめルーパー
多機能なルーパーを使って、本格的なライブパフォーマンスがしたい人にはBOSSの上位モデルがおすすめです。
サイズはコンパクトタイプの倍以上になりますが、どれもRC-3以上の機能を持っているので多彩なサウンドが出せますよ。
最後に、機能性と音質に優れたBOSSのおすすめルーパーを紹介するので、ライブや動画のパフォーマンスをしたい人はぜひチェックしてみてくださいね。
BOSS / RC-30
「BOSS / RC-30」はフットスイッチを2つ備えた、ボスRCシリーズの上位モデルです。
録音時間は3時間、トラック数は99とRC-3と同等になっていますが、トラックごとのオンオフ、音量の調整が可能になっています。
また、フィルターやディレイ、フェイザーを含む5種のエフェクトが追加され、より多彩なループ音源の作成が可能です。
マイクの定番プラグであるXLR端子も新たに搭載、加えてファンタム電源にも対応しているのでコンデンサーマイクにも使えます。
ギタリストだけでなく、ボーカリストにもおすすめの、高性能なルーパーです。
BOSS / RC-300
ギタリストやベーシスト向けに開発された、マルチエフェクターサイズのルーパーが「RC-300」です。
録音可能なトラック数はRC-30より多い3つで、それぞれにオンオフや音量調整ができるようになっています。
エフェクトはフランジャーやコーラスなどの定番エフェクトから、ボーカル向けのボイスチェンジャーまで計16種類の幅広いエフェクトを搭載していますよ。
多機能ながらもBOSSらしい直感的な操作で音作りが楽しめるルーパーなので、機能性を重視する人は要チェックです。
BOSS / RC505
「RC505」はテーブルやスタンドに設置して使用する、テーブルトップタイプのルーパーです。
トラックは5とRCシリーズの中でも多く、それぞれにRC-1のような視認性に優れたインジケーターが付いています。
マイクやギター、ベース、シンセサイザーなどの接続に対応し、エフェクトもボーカル用から楽器用まで幅広く搭載。
DJやボイスパーカッション、ボーカル向けですが、外付けフットスイッチを使えば楽器を演奏する人でも使えますよ。
視認性と機能性を重視する人にピッタリのルーパーです。
ルーパーを使えば気軽にひとりセッションができる!おうち時間を有効活用しよう
ルーパーは1人でも練習やセッション、パフォーマンスをできるようにしてくれる便利な機材です。
お手頃価格で高品質なモデルから、多機能なハイエンドモデルまで幅広い商品が揃っているので、スキルや知識に合わせて選べますよ。
スタジオ練習やライブが難しい状況でも、ぜひルーパーを活用しておうち時間を充実させてみてはいかがでしょうか。
この記事のまとめ!
- ルーパーとは音声の録音やループ再生ができる機材
- ルーパーが初めての人はコードの重ね取りから初めて、短い曲の作成やセッションにステップアップするのがおすすめ
- 基本的なルーパーの機能はスイッチを押したり、長押したりするだけで使える
- 低価格帯やコンパクトサイズのルーパーにも使いやすいモデルがたくさんある
- 多機能なルーパーが欲しい人はBOSSの上位モデルをチェックしてみよう