ピアノの音程だけでなく、コンディションも整える「調律」。
頼もうと思っているけれど、どのくらいの頻度で実施するのがベストか分からないという人も多いのではないでしょうか?
この記事のもくじ
ピアノ調律の頻度はどれくらいが良い?
ピアノ調律の頻度は、どれくらいが良いのでしょうか?
定期的に実施している、定期調律をお願いしているのであれば大まかに把握できますが、そうでない場合は、なかなか分かりにくいものですよね。
はじめに、ピアノ調律の頻度について解説します。
適切な頻度・間隔
ピアノ調律の適切な頻度は、年に1回〜2回です。
この年に1回〜2回というのは、国内の大手メーカーが推奨している頻度となります。
多くの楽器店や調律師もこの頻度を目安にすることを勧めているので、迷っているならこの頻度を参考にして調律しましょう。
年1回を下回ると、コンディションの維持が少し難しくなる点には要注意。
そのため年1ペースは最低限の回数と考え、必要に応じて調律や調整(整調・整音など)をお願いするのがおすすめです。
また、新品のピアノに関しては音程が狂いやすい状態のため、半年に1回のペースが推奨されています。
演奏頻度によって変わる
ピアノ調律の最適な頻度は、演奏頻度によっても変わります。
これは演奏する頻度によって、部品の摩耗や劣化の具合、音の狂い具合などが異なるため。
使用頻度が高いほどコンディションが悪くなりやすいので、最適な調律の回数もそれに合わせて多くなります。
週に2回〜3回、1回あたり2時間ほど演奏している、もしくは毎日1時間ほど弾いている場合であれば、調律は年に1回ほど。
毎日長時間演奏しているなら、年2回ほどがおすすめです。
ほとんど弾かない場合でも、2年〜5年に1度を目安に調律したほうが楽器をより良い状態で保管できるでしょう。
保管環境や季節によっても変化する
最適な調律の頻度は、保管環境や季節によっても変化します。
ピアノは木材や金属といった環境に影響を受けやすい素材で作られた、アコースティック楽器です。
室温の変化が激しい季節や季節の変わり目になると、多少なりとも音程に狂いが出てしまいます。
演奏に支障が出ないレベルであれば問題ありませんが、気になるほどに音程が変わってしまった場合には調律が必要になりますよ。
年1回〜2回という目安はありますが、環境や季節、楽器の状態によっては回数が増えることもあると覚えておきましょう。
ピアノの調律をしないとどうなる?
ピアノのコンディションや音色を保つ役割がある調律。
ではこの調律をしないとどうなるのでしょうか?
次は、ピアノの調律をしないとどうなるのかや放置するデメリット、調律の必要性を紹介します。
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音程が整わなくなる
ピアノの調律をしないと、音程が悪くなりキレイな音が出せなくなります。
これは内部の弦が温度や湿度の変化で伸び縮みしたり、時間の経過で緩んだりしてしまうため。
半年〜1年程度であれば問題になることは少ないですが、長期間放置してしまうと弦の状態の変化により全体の音程が下がる、音程の間隔がズレるなどの症状が出てしまいます。
放置による音程の低下や狂いを治すためには、複数回の調律が必要になることが多いのもデメリットの1つ。
ピアノの美しい音を保ちたい、いつでも気持ちよく演奏できる状態にしたいなら定期的に調律をするようにしましょう。
ピアノの寿命が縮まる
ピアノの寿命が縮まることも、調律をしないことのデメリットです。
調律では音程の調節だけでなく、楽器全体のメンテナンスやコンディションのチェックも行います。
全く調律しない場合にはメンテナンスやチェックが行われないため、コンディションも悪くなりがちになりますよ。
また、ピアノ内部の小さなトラブルを放置した場合には、楽器としての寿命やパーツの寿命を縮めてしまうでしょう。
大切なピアノを良い状態で保管するためには、やはり定期的な調律が重要です。
弾き心地が最悪になる
長期間調律しないと、弾き心地が最悪になります。
基本的にピアノは調律せずに使い続けたり、長期間放置したりしてしまうと鍵盤の動きが悪くなるもの。
適切な頻度で調律していれば問題が起こることは少ないですが、何年も調律しないとタッチが悪くなり、演奏性も最悪になってしまいますよ。
最悪の場合、鍵盤が動かなくなる、戻らなくなるなどのトラブルに発展する可能性も。
大切なピアノを気持ちよく演奏するためにも、適切な頻度で調律をするようにしましょう。
ピアノの調律を久しぶりにした時の金額はいくら?
家にあるピアノを久しぶりに調律してあげたいけれど、料金がどのくらいになるか気になるという人も多いでしょう。
そこで次は、前回の調律から期間が空いてしまった場合の調律料金についてを紹介します。
あわせて、その他必要な費用についても解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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調律していない期間に応じて追加料金が発生
ピアノ調律の相場はグランドピアノで15,000円ほど、アップライトで12,000円ほどです。
しかし、長期間調律をしていないと追加料金が発生し、相場よりも割高になってしまいますよ。
追加料金に関してはお願いする場所によっても異なりますが、2年放置なら+1,000円、3年なら+2,000円と放置した年数によって増えるのが基本です。
数年の放置であれば大きな額にはなりませんが、何年も放置してしまうと料金も倍以上になってしまうので注意しましょう。
部品の交換になるとさらに費用が増加
部品の交換や修理が必要となる場合には、さらに費用が増加します。
増加する費用は内容によって異なりますが、簡単なものでも1000円前後、大掛かりなもの、多くのパーツを交換するものになると30,000円以上かかってしまいますよ。
あくまで交換・修理するかは自身の判断次第ですが、基本的に交換や修理が必要な場合には通常の調律費用に加え、さらに費用がかかると覚えておきましょう。
ピアノ調律の頻度を押さえるためには?
ピアノを良い状態で保つためには、日頃の管理がとても重要です。
この管理をしっかりとするだけでも、コンディションや音程を保ちやすくなりますよ。
最後に、ピアノを良い状態で保管するための管理方法を紹介します。
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湿度を適切に管理する
気温の変化によるコンディションの悪化や音程の狂いを防ぎたいなら、温度や湿度を適切に管理するようにしましょう。
ピアノは気温15度〜25度、湿度は冬なら35%〜65%、夏は40%〜70%での保管が推奨されています。
この範囲を完璧に守ることは難しいですが、多少意識して管理するだけでもより良い状態で保管できますよ。
具体的な対策は直射日光が当たらない場所に置く、乾燥剤や除湿機、加湿器を使って適切な湿度に保つ、温度や湿度が高い日に窓を開けないようにするなど。
簡単なことですが、効果は十分にあるので気軽に実践してみてくださいね。
温度変化に気をつける
気温による音程の狂いを防ぐためには、急激な温度変化を避けることも重要です。
やはり急激に温度が変化してしまうと、弦の状態にも急な変化が起こってしまい音程にも悪い影響が出てしまいます。
演奏に支障が出るほど狂ってしまうと調律が必要となるだけでなく、ピアノのコンディションも悪くなりやすいので注意しましょう。
対策に関しては直射日光が当たらない場所に置くのが基本。
加えてエアコンを使う季節には、エアコンの設定温度を控えめにして外気温との差を縮めてあげると良いでしょう。
使用後にはお手入れをする
ピアノを使ったあとには、必ずお手入れをしましょう。
こちらはあまり調律の頻度を抑える効果はありませんが、こまめに実施すれば見た目の美しさを維持できますよ。
やり方は簡単で、乾いた柔らかい布や専用クロスで鍵盤部分を拭き取るだけ。
余裕があるなら毛ばたきを使って、ほこりを取り除いてあげると良いでしょう。
また、よりキレイな状態を保ちたいなら、定期的に鍵盤や外装にワックスをかけてあげるのもおすすめです。
ピアノ調律には最適な頻度がある!しっかりメンテナンスして長く使おう
ピアノ調律には最適な頻度があります。
演奏する時間や頻度によっても異なりますが、毎日何時間も弾いているなら半年に1回。
週2回〜3回弾く、毎日1時間ほど弾くのであれば1年に1回を目安に行うと良い状態を保てるでしょう。
また、大切なピアノを長く使いたいなら、温度・湿度の管理やメンテナンスを行うのもおすすめ。
多少の手間が必要となりますが、実施するだけでもコンディションや見た目の美しさを保ちやすくなりますよ。
この記事のまとめ!
- ピアノの最適な調律頻度は年1回~2回
- 長期間ピアノ調律をしないと音程や弾き心地が悪くなる
- 久しぶりのピアノ調律には、追加料金や修理代が発生する可能性がある
- 気温や湿度の変化、汚れからピアノを守りたいなら管理方法を工夫してみよう