近年、WANIMAやSHANK、04 Limited Sazabysなどが有名になり「メロコア」というワードをよく聞きますよね。
もともとメロコアは2000年代、青春パンクやハードコアなどのジャンルと共に流行し、ファンを増やしました。
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この記事のもくじ
パンクロックとは?
パンクロックとは、1970年代に登場した音楽ジャンルの1つです。
ロックバンドの技術やライブのクオリティが一気に高まった1970年ごろ、グラムロックやプログレロックなどが流行りました。
そんな中、どのジャンルにも属さず、技術よりも熱量でギターをかき鳴らしたのが、パンクロックです。
ギターサウンドを歪ませ、速いテンポで攻撃的な歌詞を叫ぶのが特徴で、「不良」「役立たず」などの意味をもつ英単語「PUNK」からきています。
ハードコア
パンクロックから派生した「ハードコア」は、パンクロックのテンポや攻撃性をより過激にした音楽ジャンルです。
速いビートと歪んだギター、メロディを無視した激しいシャウトで、従来のロックのようなポップさはほとんどありません。
1980年ごろのアメリカやイギリスで発達し、1分~2分の短い曲が多いのも特徴です。
反政府や反差別など、政治的な主張を過激な言葉で叫ぶバンドが多く、楽しむための音楽ではなく、主義・主張の表現としてもハードコアは使われました。
メロコア
「メロコア」とはハードコアから派生した音楽ジャンルで、「メロディック・ハードコア」を略した言葉です。
メロディのほとんどないハードコアに、メロディックなギターフレーズや歌を取り入れ、ハードコアやパンクロックをよりキャッチーにしました。
ただし、海外でいうメロコアと日本でいうメロコアには少し違いがあります。
ハードコア要素が強い海外のメロコアに対し、日本のメロコアといわれるバンドには、ほとんどハードコア要素がありません。
青春パンク
その名の通り、パンクロックのサウンドに乗せて「青春」や「思春期」などをテーマに歌うのが青春パンクです。
シンプルなコード進行とわかりやすい曲展開が特徴で、ギターソロや単音リフがないため演奏難易度は低く、中高生のコピーバンドの定番になりました。
THE BLUE HEARTS(ザ・ブルーハーツ)に影響を受けた青春パンクバンドは多く、GOING STEADYやガガガSPなどの有名バンドが生まれています。
ブームが落ち着いた今でも、音楽ファンからは一定の人気があり、若い頃に青春パンクにハマった大人世代からも人気です。
日本で人気のパンクバンド
アメリカやイギリスで発達したパンクロックですが、日本では1990年代にブームがおきました。
現在でも、Hi-STANDARD(ハイスタンダード)に影響を受けたアーティストは多く、その音楽性は受け継がれつつあります。
日本で人気のパンクロックバンドをまとめたので、気になるバンドを探してみてくださいね。
Hi-STANDARD
1991年に結成し、日本のパンクロックを長年引っ張り続けているバンド、Hi-STANDARD。
その活躍は日本のみならず海外でも人気でしたが、人気絶頂の2000年に活動を休止しました。
現在活躍するロックバンドの多くがHi-STANDARD、通称ハイスタに影響を受けています。
1997年にハイスタ主催で第1回が開催された「AIR JAM」は、総勢9バンドのライブとスケーターなどのストリートカルチャーを組み合わせた大型野外イベントです。
それにもかかわらずチケットは2000円と破格の値段で、今でも伝説のフェスとして語り継がれています。
その人気もあり、2011年ハイスタが活動を再開し「AIR JAM2011」が復活、多くのファンが訪れました。
THE BLUE HEARTS
1985年~1995年までの10年間で数々のヒット曲を生み出し、熱狂的なファンも多数いる伝説のバンドが、THE BLUE HEARTSです。
このバンドに憧れてパンクロックバンドを組んだ人も多く、現在活躍する多数のアーティストに影響を与えています。
解散後、ベースの河口純之助さん以外のメンバーで「↑THE HIGH-LOWS↓(ザ・ハイロウズ)」を結成し、バンド活動を続けています。
サンボマスター
「青春狂騒曲」「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」などの代表曲で知られるサンボマスター。
彼らが注目を集めるまで、売れるバンドはボーカルがイケメンだったり、バンドメンバーに何かしら華があるイメージがありました。
しかし、サンボマスターのメインボーカルの山口隆さんはあまり目立つタイプではありません。
まさに、実力と泥臭い努力で売れたバンドでしょう。
かつては「お前がボーカルかよ」と心無い批判を受けたこともありましたが、熱い歌声とまっすぐな歌詞でリスナーの心を掴み、着実に人気を集めてきました。
人気アニメ「NARUTO」の主題歌や、CMソングの印象を持つ人も多いのではないでしょうか。
ガガガSP
1997年から活動しているガガガSP(ガガガスペシャル)は、男の心をまっすぐに表現した青春パンクが人気のバンドです。
バンド名や曲名のユニークで、「はじめて君としゃべった」や「つなひき帝国」などの人気曲が印象に残っている人も多いと思います。
また、メンバー全員が兵庫県出身で、地元愛を歌った曲が多いのも特徴です。
2012年、メンバーの体調不良を理由に一時活動を中止しましたが、その後活動再開し、現在でも精力的に活動を続けています。
WANIMA
熊本県出身の今絶頂の人気パンクバンドがWANMAです。
派手な見た目とは反対に、まっすぐで熱い曲が若者を中心に話題となり、今では大型フェスや音楽番組にも引っ張りだこになりました。
ヒット曲にはとにかく前向きで明るい曲やまっすぐな感情を歌ったピュアな曲が多い中、アルバム曲では一夜の過ちや下ネタを普通に歌ってしまうギャップも人気です。
2014年にはHi-STANDARDの横山健さんのレーベル「PIZZA OF DEATH」に所属が決まり、これからさらに日本のパンクロック界を引っ張っていくでしょう。
10FEET
京都で1997年に結成され、2000年に上京してから順調に人気を得た10-FEET。
メンバー全員が日本のパンクロックの代表でもあるHi-STANDARDのファンですが、パンクだけでなくラウドロックやメタル、ラップやレゲエなど、さまざまな音楽の影響を受けています。
音楽シーンを盛り上げることにも積極的で、地元京都では「京都大作戦」という大型夏フェスを主催しています。
年々規模は拡大し、毎年夏になるとさまざまなバンドやロックファンが集まる夏の風物詩となりました。
175R
1998年結成の175R(イナゴライダー)は、2002年にインディーズで「Go!upstart!」オリコン初登場6位を達成し、人気バンドになりました。
翌2003年にはメジャーデビューを果たし、2枚目のシングル「空に唄えば」はオリコン1位を獲得しています。
2000年代後半になり、パンクブームが終わると2010年に活動休止。
しかし、2016年に活動を再開し、2018年にはベストアルバム『175R BEST 「ANNIVERSARY 1998-2018」』の発表が話題となりました。
マキシマムザホルモン
1998年に東京・八王子で結成し、現在は海外でも大人気のバンド・マキシマムザホルモン。
ギターのマキシマムザ亮君と、ドラムのナヲは実の姉弟で、ボーカルのダイスケはんのデスボイス、ベース・上ちゃんの超絶スラップなど、メンバー全員が個性的なバンドです。
2019年には、マキシマムザホルモンのフランチャイズバンド、通称「ホルモン二号店」の「コロナナモレモモ」が始動したことも話題になりました。
他にも、CDにマキシマムザ亮君描き下ろしの読み切り漫画をセットにする大胆なプロモーションや、枠にはまらない活動でとにかくファンを楽しませ続けています。
MONGOL800
沖縄出身のパンクロックバンドで「モンパチ」の愛称で知られているMONGOL800。
「小さな恋のうた」「あなたに」など、数々のヒット曲を生み出しながらもインディーズでの活動にこだわっています。
2001年発売の「MESSAGE」はインディーズにもかかわらずオリコン1位を獲得し、ミリオンセラーとなりました。
パンクロックらしい簡単なコード進行や、わかりやすくまっすぐな歌詞が、世代を超えて長く愛されています。
GOING STEADY
「ゴイステ」の略称で親しまれているGOING STEADYは、青春パンクバンドの代表として知られています。
ボーカルは銀杏ボーイズで活躍する峯田和伸さんで、思春期の男性が感じる衝動的な感情や、未熟さをさらけ出した歌詞が多くの共感を得ました。
活動期間は7年足らず、リリースしたアルバムもたったの2枚ですが「銀河鉄道の夜」「BABY BABY」など、後のパンクバンドにも影響する名曲を生み出しています。
ELLEGARDEN
現在the HIATUSやMONOEYESで活躍する、細美武士さんがギターボーカルを務めた伝説のバンドがELLEGARDENです。
メロディ要素の強い曲と、細美さんの透き通る声、流暢な英語が話題となり爆発的な人気を誇りました。
人気絶頂の2008年に活動休止を発表しましたが、10年後の2018年、大型フェスへの出演とともに活動再開を発表、復活を待ち望んでいたファンの応募が殺到し、チケットは即時ソールドアウトしました。
神聖かまってちゃん
神聖かまってちゃんは2008年結成、 YouTubeなどの動画配信サイトで話題となり、その名を広めました。
ギターボーカル「の子」さんのかなり個性的な曲や、独特な歌詞が注目され、一気に日本のサブカルチャーのトップに上りつめました。
曲の中にセックスピストルズなどのパンクロックバンド名が出てくるように、パンクロックから大きな影響を受けています。
の子さんのライブパフォーマンスにはその影響が随所に見られ、観客をひきつけています。
Dragon Ash
パンクロックとヒップホップを混ぜ合わせたスタイルで一大ブームを巻き起こしたバンドが、Dragon Ashです。
「ミクスチャーロック」というジャンルが日本に広めた、第一人者でもあります。
有名ラッパーのZeebraさんとのコラボ曲「grateful days」での「オレは東京生まれHIPHOP育ち 悪そうなヤツは大体友達」というフレーズは、パンクロックだけでなく、ヒップホップ界でも語り継がれる名フレーズです。
日本のメロコア若手バンド
かつては、日本のメロコアブームを牽引したHi-STANDARDや、ハイスタの影響を受けて育った10-FEETが日本のメロコアシーンの中心でした。
今や、それらのバンドから影響を受けた次世代のバンドが力をつけてきています。
これからの日本メロコアシーンを引っ張っていくであろう、若手メロコアバンドをいくつか紹介します。
04 Limited Sazabys
名古屋で結成された、日本のメロコアシーン大注目のバンドが、04 Limited Sazabys(フォーリミテッドサザビーズ)です。
中性的な声のハイトーンボイスでメロディックな音楽がより強調され、メロコアに馴染みがない人からも人気を集めています。
日本武道館や横浜アリーナなど大規模な会場を埋めており、今や日本メロコアシーンでトップクラスの人気を誇っています。
ヤバイTシャツ屋さん
大阪芸術大学出身のバンド・ヤバイTシャツ屋さんは、そのユニークな歌詞とパフォーマンス、MVで10代・20代を中心に大人気となっています。
現代の若者言葉を使ったキャッチーな曲や、大学生のめちゃくちゃなノリを嫌味なくユニークに取り入れた曲が人気です。
面白いな曲やパロディのような曲が多いものの、曲調からはメロコアの影響を強く感じます。
中でも「メロコアバンドのアルバムの3曲目ぐらいによく収録されてる感じの曲」は、メロコア好きなら思わず「あるある!」と共感してしまうでしょう。
POT
若手メロコアバンドPOTは、英語の歌詞を多様せず日本語メロコアを貫いています。
メロディ要素が強く、メロコアをあまり聴かない人でも耳に馴染む曲が多いのも魅力の1つです。
それぞれに個性のあるフロント3人で歌う、独特なボーカルワークも人気です。
若手らしい爽やかな曲と歌詞は、聴くだけでも明るい気持ちになれます。
今後、日本メロコアシーンを背負って立つバンドへと成長していくかもしれません。
有名な洋楽パンクバンド
パンクロックは1970年代にアメリカで生まれ、主にアメリカやイギリスで発展してきました。
その中でパンクロックを世に広めた伝説のバンドやパックロック・ムーブメントを支えたバンド、現代の音楽と調和させ成功したバンドなど、さまざまです。
最後に海外で人気のパンクロックバンドを紹介します。
SEX PISTOLS
パンクロックを代表する1970年代のバンドといえば、SEX PISTOLS(セックス・ピストルズ)でしょう。
若くして亡くなったベーシストのシド・ヴィシャスが有名ですが、他にもテレビで放送禁止用語を連発したり、そのせいでデビュー直後にレーベルと契約破棄されたりと、パンクらしい破天荒な振る舞いが話題となりました。
ツンツンと逆立てた髪型や革ジャンなどの、いわゆるパンクファッションはシド・ヴィシャスが好んでいたもので、音楽だけでなくファッションや生き様でもパンクのアイコン的存在となっています。
THE CLASH
ロンドン・パンクの代表としてSEX PISTOLSと並んで評されているTHE CLASH(クラッシュ)。
パンクだけでなく、レゲエやロカビリーといった当時の流行りの音楽をミックスさせ、他のバンドとはまた違った地位を確立したバンドです。
日本でも高い人気を誇り、フジロックフェスティバルにも出演しました。
一方で、反政府的なパンクロックの精神を貫いたバンドでもあり、その思想やスタイルは多くの若者に影響を与えました。
THE DAMNED
1976年デビューのバンドTHE DAMMED(ダムド)は、SEX PISTOLSやTHE CLASHと並んで「3大ロンドンパンク」といわれています。
上記の2バンドに比べて、スピード感のあるビートや、熱いボーカル、メロディックなギターが特徴のバンドです。
SEX PISTOLSやTHE CLASHと比べると知名度が低いともいわれますが、THE DAMMEDはパンクファンにとって最も重要だという意見も少なくありません。
1stアルバムの「Damned, Damned, Damned(邦題:地獄に堕ちた野郎ども)」はロンドンパンクの元祖ともいわれており、現在でも根強い人気を誇っています。
Ramones
上記3バンドがロンドンパンクの代表だったのに対し、Ramones(ラモーンズ)はニューヨークパンクの代表です。
1976年に「ラモーンズの激情」でデビューしてからニューヨークパンクの地位を確立し、その後20年間トップを走り続けました。
パンクバンドでありながら、ユーモアのある表現やMVを作る遊び心を持ち、ニューヨークパンク界では頭一つ抜けた存在だったと評されています。
Green Day
1990年代以降、最も成功したパンクバンドともいわれるGreen Day(グリーン・デイ)。
RamonesやTHE CLASHといったパンクロックをルーツに持ちながら、メロディやギターリフをよりキャッチーにした楽曲は、後に「ポップパンク」ともいわれるようになりました。
1995年にはグラミー賞に4部門同時ノミネートされるなど、新人アーティストとしては異例の人気でした。
同年発売のアルバム「Dookie(ドゥーキー)」は全世界で1200万枚を超える売り上げを記録しました。
Blink-182
カリフォルニア州サンディエゴ出身のパンクバンド、Blink-182(ブリンク182)は、ポップパンクを代表するバンドです。
特に、ドラムのトラヴィス・バーカーのビートは、シンプルに見えますが実はトリッキーで、爽快感のあるシンプルな曲のスパイスとなっています。
おバカで爽快な明るい曲から、メッセージ性の強いシリアスな曲やネガティブな曲まであります。
普段のシンプルな演奏からは想像できないほど、実力もあるバンドです。
zebrahead
かねてから日本好きを公言しているパンクバンドがZebrahead(ゼブラヘッド)。
彼らはパンクロックをルーツに、ポップパンクやラップなど、さまざまな音楽を取り入れてきました。
日本のバンド・MAN WITH A MISSIONともコラボ曲をリリースしており、ジャパンツアーやフェス出演などで何度も来日しています。
曲は「パリピ・ロック」ともいわれるほどおバカでキャッチーな明るい曲が多く、聴いているだけで元気が貰えるでしょう。
日本で流行っている曲を日本語で歌い、Twitterに投稿するというサービス精神も魅力の1つです。
日本の最近のパンクには青春を彩る曲が多い!パンクバンドを聴いて青春を謳歌しよう
もともとは、反政府的なメッセージや反骨精神を持ったバンドが多かったのがパンクロックです。
しかし、最近の日本のパンクロックは、若者に突き刺さるまっすぐな青春パンク増えてきました。
パンクバンドを聴けば、力強いメッセージや明るい曲に勇気づけられ、背中を押してもらえるかもしれません。
何かに迷っていたり悩んでいたりする人は、ぜひ最新のパンクロックを聴いて青春を謳歌しましょう。
この記事のまとめ!
- パンクロックは1970年代アメリカで生まれ、ハードコアやメロコア、青春パンクなどに派生した
- 日本では1990年代~2000年代に流行し、青春パンクやメロコアがブームとなった
- 最近ではメロコアの若手注目株も出てきているのでチェックしよう
- 海外では、ロンドンやニューヨークを中心にパンクロックが流行した